2026年05月14日

参議院ODA特別委員会でSDGsやODA、国際連帯税が議論される

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58()、参議院ODA(政府開発援助及び国際協力・人道支援等に関する)特別委員会で茂木外務大臣の所信演説に対する質疑が行われ、石橋通宏議員(国際連帯税創設を求める議員連盟・幹事長)が質問に立ちました。

質問内容は、(1)資金が決定的に不足している)SDGsの現状と国際連帯税、(2)JICA海外協力隊の応募者激減問題、(3)対ミャンマーODAの在り方、です。

ここでは(1)について報告しますが、(2) 3)にも関心のある方は、参議院インターネット審議中継の録画をご覧ください。石橋議員の質問は、5540から始まります。

・中継録画はこちらhttps://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

以下、質問と茂木外務大臣の答えにつき要旨を記しますので、お読みください。

〇石橋議員この間SDGsの達成の取組を世界挙げて、とりわけ日本も極めて世界をリードする形で積極的に取り組んできたが厳しい状況が続いており、むしろ後退している部分が増えている。このような状況が続けば到底、2030SDGs達成目標、未達どころか全く進捗しないままに終えるのではないかとの危機感を持っているが、まず、茂木大臣、政府として、このSDGsの現下の状況についてどの程度の危機意識をお持ちか。

●茂木大臣:強い危機意識を持っている。

〇石橋議員その危機意識をどのように政府として対応されていくのか、なぜSDGsの進捗がこれだけ停滞しているのか。大臣、その根本原因はどこだと感じているか。

●茂木大臣:国際社会、様々な複合的な局面に直面をしており、2030年までのSDGsの達成に向けて大きな困難に直面している。こういった状況にあるからこそ、人間の安全保障の理念の下、国際社会全体でSDGs達成に向けた取組を加速していくことが重要だ。国際社会において、2030年までにSDGsを達成するという大きな方向性に揺るぎはないが、課題も大きくなっているというのも事実であるから、それだけ達成も難しくなっているという状況だ。日本、少子化や防災においても課題先進国であることは間違いなく、そういった日本の知見や経験、これを国際社会と共有することにより、国際社会のSDGsに向けた取組、主導していきたい。

〇石橋議員:「加速していくことが必要」だと言っているが、現状を見ると日本も含めて先進主要国のODA総額は激減をしている。新聞報道でも総額23%、4分の1消えうせているという報告がある。SDGsの達成のために、(途上国での)資金ギャップが拡大をしており、何と4.2兆ドルにまで広がっている。これが大臣、根本原因なのではないか。

●茂木大臣:我が国としては、令和八年度予算における政府全体のODA予算では、一般会計予算ベースで対前年度比2.7%増の約5,838億円計上している。一方、米国政府のUSAIDによる対外援助の停止や一部の欧州諸国においてODAが減少にあることは事実だ。日本も円ベースで、ドルベースに直すと、どうしても減ってしまう。他方、国連報告書だと、SDGsの達成に必要な資金は年間約7.8兆ドルとも言われている。このような膨大な資金需要を、公的資金のみで賄うということは現実的には困難だ。(これまでの)公的資金を中心としたODAに頼った在り方というのも考えていかなければならない。最近では海外直接投資がODA2.5倍となり、民間資金フローがODAを大きく上回っている。日本も、昨年のJICA法改正を行い民間資金動員等を進めているところだ。先週までアフリカを訪問してきたが、援助につき、日本の援助というのは非常にきめ細やかでニーズに沿っていると高い評価をいただく一方で、民間資金の導入、また民間企業進出を望んでいる。考え方として、ODAと民間資金をどういう形で組み合わせていくかがこれからの課題だ。

○石橋議員:私は大臣の、その考え方が間違っているとかねてから指摘をしている。日本のODAは歴史的に途上国から評価をされてきたのは確かで、受益国の自立的な発展を丁寧に、当然道路を造るとか、そういったハードは必要だが、もう一方で、丁寧に人を育てるというソフト面での貢献を、地道なODAを日本は展開してきた。しかし、その公的な資金がどんどん減ってしまっている。民間資金は大事だが、株主、利益、それを追求せざるを得ず、それで本当に日本の歴史的に大切にされてきたODAが実現できるのかといったら、それは別物だ。なので、やはり公的な、もう一度しっかりと公的なODAの原資となる、大臣も関わってきた革新的資金調達メカニズムが必要ではないか。例えば国際連帯税につき外務省はかねてから要求していたが、もう何年も前に要求すら取り下げてしまっている。いま一度、この革新的資金調達メカニズム、ODAの原資としての公的な資金源、これを確立するために日本も積極的に役割を果たすべきではないか。例えば、航空券連帯税は既にフランスなど十か国以上で導入されてきた。しかし、日本では、今に至るまで導入されていないなかで、一方では観光旅客税は導入して、今度3,000円に増額をされるが、こういったことをむしろ地球規模課題に対してきちんと利用していくような、そういうアプローチこそ今必要ではないか。

●茂木大臣:石橋委員の意見にかなり賛同する部分もある。確かに、その日本のODA、いろんな意味で、単にものをつくるだけではなくて、ノウハウの提供であったりとか、人材の育成等で大きな役割を持ってきて、それが高く評価されている。同時に、日本の企業も、短期的利益を求めるというか、その地場において様々な貢献をしているのも事実であるのは間違いなく、経営ノウハウを伝えるとか、またそこで雇用をつくってきた。ODAの良さと、それとまた民間投資の良さを組み合わせることは極めて重要だ。もちろん、国際社会で開発資金の需要に対応していくためにメカニズムというものを不断に検討していくことは必要だ。他方、新しい税、これの導入は国民負担の増加にもなるなど慎重な検討が必要だ。その上で、開発資金ギャップを埋めるためには、政府のみならず、民間部門を含む様々な関係者との連帯であったり、新たな資金動員に向けた取組が重要で、引き続き適切な資金調達の在り方について検討していきたい。

○石橋議員:新しい税の導入は国民負担云々で難しいと、十年前から外務省はそう言うのだが、その間に、新たな出国税、国際観光旅客税は鶴の一声で導入された。政治意思だと思う、これは。地球規模課題に対して日本がそのリーディング的な役割を果たしていくという政治的な意思があるかないかが問題なのだ。であれば、既に導入された国際観光旅客税、今回、1,000円から3,000円に一人当たり増額をされるが、その一部を地球規模課題に活用するというようなアプローチが政治の意思としてあってもよい。この点、茂木大臣、外務省として関係省庁と協議して、真摯に御検討いただけないか。重ねて、民間は大事で、TICADも頑張っているが、まだまだ日本企業が出てきてくれないというのが多くのアフリカ諸国の御意見ではなかったか。一方で、ODAの原資としての公的な資金をどう持続的に確保していくのか、拡大していけるのか、まさに大臣、加速していくことが必要だと。であれば、先ほど申し上げたような新しいメカニズムの導入、確立に向けて、大臣としてのイニシアチブを是非お願いをしたい。■■

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

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2026年05月12日

外交に大志を抱いて

嬉しいお便りをいただきました。

学生時代に日本リザルツで1年間インターンに従事された、渡邊隆志君が初志貫徹して今春外務省に入省、この程リザルツも平素お世話になっている国際協力局国際保健戦略官室に配属された、との連絡をもらいました。
同君は、インターン在籍中から外交官志望の意志を固め、リザルツとお付き合いのある企業や官庁の方から様々な海外情報を吸収するなど、熱心に努力を重ねてきました。リザルツ卒業後はベルギーへ語学留学を経て、難関の入省試験を突破した、と大学の指導教官からもお知らせをいただきました。

白須理事長への挨拶の中で ”日本のため、誰も置き去りにしない国際社会の平和と繁栄のために、自身が日本外交を担うとの大きな志を持って仕事に励んでまいります”との一文を寄せてくれました。誠に力強い限りです。リザルツで学んだこと、体験したことをぜひ今後に活かしてくれることを期待いたします。

同君の活躍を祈念し、リザルツ一同心よりエールを贈ります。

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2026年05月04日

第5回健診会@神田塾(5月23日・能登町)のお知らせ

《《能登町・周辺にお住まいのみなさま》》


昨年5月から実施している健康診断会ですが、新潟大学・榛沢教授や穴水総合病院など地元の医師・検査技師・看護師のご協力の下、以下の要領で、第5回を開催いたします。


今回も、通常の血栓症検査に加え、動脈硬化や脳梗塞のリスクを調べる検査を行います。「自分は健康には問題ない」と思われる方も、見えないリスクを発見するため、最新の検査をぜひお試しください。

また、頭痛・婦人科のお悩みごとの相談も承ります。


開催日時              523日(土) 1000 〜 1500

会  場       日本リザルツ神田塾(能登町字神和住ワ-57

         *藤波館西側です

検査内容              通常の静脈血栓症の検査のほか、血管年齢の検査血圧脈波AVI(血管年齢)測定、

         頸動脈エコー、甲状腺エコー、脳梗塞のリスク検査(検査微小栓子シグナル検出)(おひとり20分程度)

         その他 頭痛・婦人科の健康相談

検査担当              総括:新潟大学医歯学総合研究科 特任教授 榛沢 和彦 先生

         担当:穴水総合病院 他 医師・検査技師・看護師

定  員       先着30

参 加  費              無料

申込方法              事前申し込み不要・10時〜1430分の間に会場にお越しください

その他                 お楽しみの調理・食事交流会も併せて開催いたします。

                          得意料理・お漬物の持ち寄り、歓迎いたします!


                             小田原屋・神田会長よる熱々天ぷら提供もございます。

                          -----【お問い合わせ先】 日本リザルツ・白須(しらす)080-5050-8295 ----


前回(4月11日)の健診会の様子はこちらから ☞ http://resultsjp.sblo.jp/article/191681084.html



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2026年04月30日

能登のキリシマツツジが見ごろ

藤波館の初代管理人の今さんから、素敵な写真を送っていただきました。

ご自宅の庭や、愛好家の方が丹精された、キリシマツツジが見ごろとなっています。


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能登のキリシマツツジを語る上で欠かせないのが、歌人・佐佐木信綱の一首です。彼は能登を訪れた際、その圧倒的な色彩に心を動かされました。



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「能登の國 鳳至の里の きりしまは 燃えさかる火の 色にぞありける」(佐佐木信綱)



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鳳至(ふげし)の里(現在の輪島市や能登町周辺)に咲き誇るキリシマツツジを、まさに「燃え盛る火」のようだと感嘆した歌です。キリシマツツジは能登に限ったものではないですが、能登独特の気候や土壌が、ほかにはない深い赤を育んでいるそうです。


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5月中頃までが見頃のようです。この機会に、ぜひ能登の里に足を運んでいただければと思います。
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2026年04月23日

アフリカ栄養会議開催のご報告

先日告知いたしました、アフリカ栄養会議のご報告です。4月21日(火曜)17時20分より、衆議院議員会館第一会議室に約70名以上の方にお集まりいただき開催いたしました。以下、簡単に会議の概要をご報告いたします。

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冒頭、開会のご挨拶を田中和徳衆議院議員(元復興大臣)に賜りました。栄養問題に関するご造詣は一方ならぬことを伺っております。本会議に寄せる強い期待を熱を籠めて語ってくださいました。

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続いて、上川陽子議員、今井絵理子議員からも交々アフリカの栄養問題に寄せる期待のメッセージを承りました。

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日本栄養士会代表理事会長の中村丁次先生からは、日本の栄養士制度やこれまでの海外展開実績をふまえたアフリカへの取組の意向が示されました。財務省国際局の野元課長からは、財務省の開発金融の枠組みや取組方針の説明と民間への期待感の表明がありました。
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続いて、国際金融機関の方から開発金融に関する様々な取組のご照会がありました。民間企業の方に諸制度・資金の活用を呼び掛けていただきました。
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(アフリカ開発銀行・河西さん)

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(アジア開発銀行・高橋さん)        (世界銀行東京事務所・高見さん)

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(JICA(国際協力開発機構)・衣斐さん)

民間企業から、それぞれのアフリカや、栄養・保健に関する取り組みや、今後の抱負をご披露いただきました。

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(ニプロ・岩佐さん)       (栄研化学・吉田さん)

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(リクシル・坂田さん)       (サラヤ・北條さん)

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(アイ・シー・ネット・伊藤さん)         (花王・本多さん)

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(食品産業センター・武田さん)         (ミラボ・谷川さん) 

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(ササカワ・アフリカ財団・菊池さん)      (セーブ・ザ・チルドレン・堀江さん)

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(大市珍味・楢崎さん)       (国際児童栄養振興会・栗脇さん)

最後に財務省・野元課長から民間企業による国際金融機関の活用の呼び掛けと本会議へのエールををいただきました。
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フォーティエンス・コンサルティングの和田さんから今後の進め方への説明がありました。プラン・インターナショナル・ジャパンの長島さん、長時間、司会進行お疲れさまでした。

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会議終了後も、皆さん、会話とネットワーキングに熱中しておられ、こうした会議へのニーズの高まりを感じることができました。次回の会合もどうぞご期待ください。
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2026年04月21日

【ご案内】セミナー「滞留する6,400億ドルものSDRを開発・気候資金に!」

g-taxセミナー>の第4弾は、SDR(特別引出権)について、です。

〜日本政府は9兆円のSDRを有効活用するとき〜

先進国と中国に滞留する6,400億ドルものSDRを開発・気候資金に!     

   ◎日 時:2026521日(木)午後7時〜8時30

   ◎場 所:Zoomで開催

   ◎参加申込:

      希望者は次のアドレスに「g-taxセミナー参加」、並びにお名前、所属を明記の上、

      gtaxftt@gmail.com までに申込み下さい。  

        ⇒参加希望者に、後ほどZoomリンクを送ります。※ 無名の申込みはお断りします。 

   ◎参加費:無料

   ◎提案者:田中徹二(グローバル連帯税フォーラム)

米・イスラエルのイラン攻撃(以下、米イラン戦争)により、私たちの生活はインフレの進行で厳しいものとなっていますが、とりわけ途上国においてはエネルギー・飼料不足等で深刻な食料危機(飢餓)を招く状況になっています(注1)。他方、米欧はじめ先進国側の途上国援助は歴史的とも言える縮小・削減局面に入りました。こうした中で、途上国援助のための資金調達で現実的に可能性が高いのは先進国等の「未使用のSDR(特別引出権)」です。SDRとは何か? なぜそれが援助のための資金調達として可能性をもっているのか? をセミナーで探っていきます。

米イラン戦争:途上国で拡大する貧困と飢餓>歴史的な減少のODA

途上国においては、コロナ・パンデミック以降、激しい気候変動やウクライナ戦争に端を発する食料危機、さらに日本を除く先進国の高金利政策のため、国の債務(借金)が膨張し、その借金返済のために苦しんできました。その上、今般の米イラン戦争によってエネルギー・食料危機が格段に進行する恐れが出てきています。IMF(国際通貨基金)はこの戦争で「新たに4500万人が食料不安に直面し、飢えに苦しむ人は36000万人を超える見通し」(2026410日付ロイター通信)と指摘しています。

2000年の国連ミレニアム総会以来20年にわたり、先進国はODA(政府開発援助)のGNI0.7%拠出に努力してきましたが、昨年「歴史的な減少」とも言えるほどODAが前年度比23.1%減少の1,743億ドルになる見込みとなりました(注2)。これは米国が援助予算を驚異的に56.9%も削減し、さらにEU諸国も援助予算を大幅に削減したからです。我が国も円安もあり2年続けて減少しています。

もとより援助国側に住んでいる私たちの生活も厳しい状況になりつつありますので、ODAを飛躍的に増加せよ、あるいは国際連帯税などの新税で途上国を援助せよという要求は、なかなか社会的に通り難い現実があります(が、投機筋による円安攻撃を阻止を図るという政策を併せもつ通貨取引<連帯>税は必要)。では、途上国援助の道はないのでしょうか? 国の予算(一般会計)を通すことなく、また新税を施すことなく、途上国援助のための資金調達を図ることができるという方策があります。それは SDRの一般配分またはチャネリング(融通)という方法です。

■ 2021IMF6,500億ドル相当のSDRを配分>が、低所得国にはわずかしか配分されず

このSDR(特別引出権:Special Drawing Rights)ですが(注3)、簡潔に言いますと、IMF1969年に加盟国の公的準備金(対外債務返済や為替介入などへの備え)を補完し、世界の金融体制を安定させるための資産として各国に配分したものです。厳密には通貨ではありませんが、加盟国が外貨不足等に陥ったときに、「ドルやユーロなどの主要通貨と引き換えることのできる『権利』」を持っています。いわばIMFが加盟国に配分する「仮想の国際準備資産」と言えます。

詳細は省きますが、歴史的経緯として、SDRはその役割を十分果たすことができず(国際金融市場からドル等の借入が容易になったこともあり)、半世紀余り過ぎましたしたが、俄然注目される事態が訪れました。それは2020年以降のコロナ・パンデミックにより世界的に流動性が失われた時です。とくに途上国ではワクチン購入もままならず深刻な経済的・社会的ダメージを被る事態となり、ここでIMFは(遅れながらも)2021年に6,500億ドル(約71.5兆円)相当となる4,656SDRを加盟国に配分しました(1SDR1.44ドル、229.60 421日現在)。

ところが、SDR配分はIMFクォータ(出資割当)に比例して行われるため、高所得国に60%以上の約4,000億ドル相当、中所得国に30%以上の約2,120億ドル相当、そしてもっとも打撃を受けている低所得国にはわずか3%の210億ドル相当しか配分されませんでした。それでも低所得国はSDRを使用し、ワクチン購入始めコロナ対策や債務の返済に充てることができた、という経緯があります。

一方、低所得国にわずかにしか配分されないのでは本来の主旨から外れるため、IMFは高所得国に配分されたSDRの一部を自主的にIMFが設立した途上国融資のための2つのトラストにチャネリング(融通、再配分)することを奨励し、日本政府は率先してこれに応じました。ともあれ、単純にクォータ比率で配分すると、最も必要とする低所得国には少なくしか配分されないという矛盾を現行のシステムは有していることが確認されてきました。

■ 6,400億ドル(約100兆円)相当ものSDRが高所得国に滞留したままに

ところで、高所得国に配分されたSDRはどうなっているかというと、基本的に流動性資産として活用されることはなく、その国の中央銀行または財務省のバランスシート上に載っているだけ、つまり塩漬け状態になったままになっています。高所得国は流動性危機が発生しても基本的に自国で保有している外貨準備で対応できるし、実際ドルなどが不足した場合には、米国の中央銀行から無制限にドルを借りるスワップ協定を結んでいるので、SDRの出番はそもそもありません。

では、高所得国(先進諸国+中国)にどれだけSDRが塩漬けとなっているのでしょうか? 何と約4,500SDR、つまり6,400億ドル(約100兆円)相当が溜まっています(202510月時点)。こうした高所得国でのSDRの非効率な存在に対して、国連関係の国際会議では次のような提言がされています。

*「我々は、システミック・ショックに脆弱な世界において、特別引出権(SDR)がグローバル金融セーフティネットの強化に果たす役割と、グローバル金融の安定化への潜在的な貢献を認識する」(20249月国連未来サミット「未来のための協定」)

*「我々は、…可能な国々に対し…SDRの流動性および準備資産としての性質を維持しつつ…SDRの少なくとも半分を開発途上国へ自主的に再配分するよう要請する」(20257月国連開発資金国際会議「セビリアの約束」)

ちなみに、日本のSDR3月末現在で約604.5億ドル相当(約9.6兆円 約419.8SDR)あります。先に述べたように、すでに日本は2021年に配分されたSDRのうちの40%をチャネリングし、加盟国の中で最大の拠出ということで国際的評価を高めました。ところが、日本の準備資産である外貨準備は13,747億ドル(218.3兆円)もありますので、為替介入等で必要となる流動性につきSDRをほとんど活用することはありません。従いまして、上記「セビリアの約束」で要請している保有SDRの半分、4〜5兆円を途上国援助として拠出することは可能ではないでしょうか。

しかしながら、現在のIMFSDR制度の中で、途上国へとチャネリングするにはIMFの「貧困削減・成長トラスト」と「強靭性・持続可能トラスト」という2つの基金を通すしか道はありません(現在アフリカ開発銀行などの地域開発銀行を通す道も開かれたが、具体的に動いてはいない)。

いずれにしましても、活用することなくバランスシートに滞留しているだけの莫大な額の高所得国のSDRの存在は、非効率そのものの実に馬鹿げた仕組みになっています。先の「セビリアの約束」でも「危機やショック発生時におけるSDRの役割を強化(のための)SDRプレイブックの策定を検討すべき」と訴えています。米欧のODAなど援助資金の驚くほどの削減や米イラン戦争で、低所得国はじめ非産油国の中所得国などで桁違いの飢餓と死者を出す恐れがあり、文字通り危機やショック発生時の時を迎えようとしています。IMFは今や2021年に引き続いてSDRの一般配分を、遅滞なくかつ最貧国や脆弱国に有利になるような形で実施すべきではないでしょうか。IMF協定では5年ごとに配分の見直しを行うことになっており、本年は前回からちょうど5年目に当たります。

(注1)【日経新聞】迫る食料危機の足音 世界の肥料価格5割高、ホルムズ海峡ショック

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD312J80R30C26A3000000/

(注2)【OECD】対外援助の歴史的な減少:2025ODA暫定データ

https://www.oecd.org/en/data/insights/data-explainers/2026/04/a-historic-decline-in-foreign-aid-preliminary-2025-oda-data.html

(注3)【国際通貨基金】特別引出権(SDR

https://www.imf.org/ja/about/factsheets/sheets/2023/special-drawing-rights-sdr

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事) 

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2026年04月20日

アフリカ栄養会議(仮称)の開催について(4月21日・衆院第一議員会館)

この度、日本栄養士会さま、プランインターナショナル・ジャパンさまと協力し、財務省との連携のもと、昨年のアフリカ開発会議(TICAD)を契機として、アフリカにおける栄養および保健課題への対応(我が国が推進するUHCの取組の一環)と、日本企業・国際機関(世界銀行、アフリカ開発銀行、アジア開発銀行)・政府・NPO等の連携促進を目的とした「アフリカ栄養会議(仮称)」を開催の運びとなりました。

本会議は、関係省庁の皆様との継続的な協議を踏まえつつ、日本企業の現場での知見や視点も活かしながら、アフリカにおける保健・栄養課題の改善と持続可能な企業活動の両立に資する具体的な連携のあり方について議論する意見交換の場として開催するものです。

当日は、特に以下のようなテーマを念頭に議論を行う予定です。詳細は添付(注)にて参加者名簿及び議事次第をご参照くださいませ。

・従業員の栄養・健康管理
・給食や食品供給
・衛生環境の改善
・農業・水産・流通分野との連携
・予防医療や健康関連産業の展開可能性

つきましては、急なご案内となり誠に恐縮ではございますが、本分野における政策的知見および実務的観点からのご経験を共有いただきたく、ぜひ本会議へご参加賜れますと幸いに存じます。

【開催概要】
■会議名
アフリカ栄養会議(仮称)

■日時
2026年4月21日(火)17:00〜19:45
※17:20頃より会議開始予定

■会場
衆議院第一議員会館 地下1階 第1会議室
※会場内では会議名称は「意見交換会」として案内板に表示されておりますので、ご来館の際はご留意ください。

■プログラム(予定)
・国際機関(世界銀行、アフリカ開発銀行、アジア開発銀行)による取組紹介
・日本のNPOによる活動紹介
・民間企業の取組事例
・本プロジェクト構想の説明
・関係省庁(財務省)との協議状況の共有
・参加者による意見交換

(注)資料については、以下のリンクからご覧いただけます。




(以上)

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2026年04月15日

神田塾での健康診断・交流会(4月11日)のご報告

予てご案内の、能登町・神田塾における健康診断・交流会が4月11日(土)開催されました。
お陰様で好天にも恵まれ、能登町ほぼ全域から約70名の皆さまにご来場いただきました。
60畳の大広間が、瞬く間に人で一杯になってしまいました。

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今回も、新潟大学特任教授の榛沢和彦先生や、穴水総合病院・波多野部長以下のチームによる検診が行われました。今回で数えて4回目の健診会になりますが、最新の機器を準備して、従来の血栓症以外にも血管年齢や甲状腺機能の検査も見てくださいました。

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榛沢先生は、災害避難所でエコノミークラス症候群(静脈血栓症)が頻発していることから、以前から避難所生活の環境改善を訴えておられます。現在法案審議中の、防災庁設置についてもアドバイザーの一人として参画、発言をしてこられました。お忙しいスケジュールを縫って、こうして毎回足を運んでくださいます。

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(左:白須理事長、右:榛沢先生)

今回も可なりの数の方に、重篤な疾病やその兆候が発見されたとのことで、改めてこうした草の根の健診活動が重要と感じます。
日常生活に特に不自由、不具合を感じなければ、なかなか専門家の検査を受ける、とは思い立ちません。
まして病院が遠方だったり、交通が不便だったりするとなおさらです。
公的な施策の盲点や取り残されているところに光を当てることが重要ではないか、「だれ一人取り残さない」ことをリザルツは常に考えています。今後も定期的に健診会を開催していきますので、まだ受診されていない方、ご参加をお待ちしております。

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さて交流会も並行して開催、目玉は何といっても神田塾頭手ずから調理の天ぷらです。

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皆様から大変ご好評いただき、「揚げ方を是非教えて!」とのお声を多数頂戴いたしました。
能登自慢の食材を活かした、能海山市場ご提供のお惣菜もお膳を彩ります。
食事時を過ぎて来られた方には、神田様から差し入れの鳩サブレをお渡ししました。
白須理事長も「40年ぶり!」と大喜びでした。

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次回も5月23日(土)に第5回目の健診会開催を計画しています。今回ご都合の合わなかった皆さま、是非お立ち寄りください。
皆様やご家族のために、健診をお薦めします。

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最後に今回ボランティアでお手伝いいただきました、姫井由美子理事、神田様ご夫妻、木村様、毛賀澤様、宮田様、板倉様、遠いところをわざわざありがとうございました。

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青木様、西様はじめ地元中斉・神和住地区の皆さまに大感謝です。翌日のゴミ出し含め、大変お世話になりました(and 靴を揃えてくれたちびっ子たち、ありがとう!)。皆様のご理解ご協力なしには、成り立ちません。あらためて感謝申し上げます。

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貴重なお品物を快くご提供いただきましたアサヒグループ食品様、日清食品様、日本ハム様、富士フイルム、マルマン様にはこの場を借りて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。このような会の運営ができますのも皆様のお蔭と深く感謝申し上げます。
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日本リザルツは引き続き、能登の皆さまの暮らしと健康を守る活動を地道に続けて参ります。
ご指導ご支援の程宜しくお願いいたします。

(4月18日写真を一部追加)


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2026年03月28日

震災・災害シンポジウム2026で発表しました!

本日、いつもお世話になっている新潟大学・榛沢教授が主宰する「震災・災害シンポジウム2026・第12回 新潟県中越大震災シンポジウム」がウェブ上で開催されました(プログラム:https://disaster-niigata.jp/program/)。


榛沢教授や国際医療福祉大学・石井美恵子教授、武見敬三元厚生労働大臣(注)、元FEMALeo Bosnerさんなど、国内外・各分野から様々な方が参加する、盛り沢山なプログラムとなりました。

(注:講演資料 https://drive.google.com/file/d/1QAGGqsTdBcnY8TczeIHdeLRNR3A_cu7R/view?usp=drive_link


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リザルツからは、特別顧問の神田達治さんが「能登コミュニティー作り支援」と題してプレゼンテーションを行いました。神田塾・藤波館を中心とした活動について報告、いまだ行政による手当てが不十分な「ボランティアの拠点づくり」、「地域内外の人の交流の重要性」について問題提起を行いました

(資料:https://drive.google.com/file/d/1pzcXI_3BX_uJeysz0KFjhXGcvr0x-M3Q/view?usp=sharing)。

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令和7年度理事会・総会を開催しました

今週3月23日(月)17時30分より、令和7年度の理事会、通常総会を開催いたしました。
理事・監事ご出席のもと、7年度の事業報告及び決算報告、8年度事業計画及び収支予算などを付議、ご承認をいただきました。

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