2016年04月04日

第7回サンキューセミナー(第3部)

セミナーの後は、20時から、第3部「志賀櫻先生をしのぶ会」が開催されました。

最初に、青山学院大学学長・民間税調共同代表の三木義一氏と元世界銀行副総裁、現オープン・シティー研究所共同代表 日下部元雄氏からご挨拶をいただいました。

そのご挨拶の一部を抜粋してお届けします。

【青山学院大学学長・民間税調共同代表の三木義一氏からのご挨拶】
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『志賀さんは、大変優れた正義感の強い方でした。志賀さんが民間税調を引っ張ってくださり、今日があります。おかしいと思ったことには徹底して挑む方で、有名なエピソードには、某県の県警本部長時代には駅前の歓楽街全体が一週間営業停止になるような、そんな大変な話もありました。ご存命中は常に厳しく、褒められた言葉をかけていただいた記憶がないのですが、昨年の10月頃、民間税調の答申を様々な意見が飛び交う中、私の見解でまとめたものについて提出したところ、初めてメールで「三木さん、見た。かっこいい」とお言葉をいただけました。これが最後のメッセージになりました。
今日はぜひ、志賀さんのこれまでの活動を皆さんで偲んでいただきたいなと思います。』


【元世界銀行副総裁、現オープン・シティー研究所共同代表 日下部 元雄氏からのご挨拶】
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『私が志賀さんと一緒に仕事をしたのは、1985年のプラザ合意の2年後のルーブル合意の頃です。彼は官房の調査企画官、私は財務省で通貨外交の担当をしていました。この時に二人で合作をし、日本経済の危機を乗り越える為にはどうしたらいいのか、一年間親密に協力をして取り組んだことがあります。当時は、宮澤喜一大蔵大臣時代でした。
志賀さんとは諸外国の圧力に屈することなく、円高ストップのための政策(日銀の低金利等)を画策し、尽力しました。それが志賀さんとの最初で最後の共同作業になりました。今日は色々と志賀さんのお話を聞かせていただけるのを楽しみにしております。』


その後、山本庸介氏と日下部氏による献杯、偲ぶ会がスタートしました。

おいしいグルジアワインとお料理を味わいながら、閉会時間ぎりぎりまで和やかなムードで楽しい会が続きました。

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天国から、志賀様も遊びにいらしていたような気がします。
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(いけのり)
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第7回サンキューセミナー(第1部・第2部)

3月31日(木)、100名を超える方々にご参加いただいた第7回サンキューセミナー。前回の記事ではたくさんの写真で当日の雰囲気をお伝えしましたが、今回はその内容をご報告します。

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第一部では、横浜市立大学 国際総合科学群の上村雄彦教授を講師にお迎えして、「グローバル連帯税が切り拓く未来」についてお話いただきました。

私達が暮らす地球では現在、「一秒間にサッカーコート一枚分の森林が消えている」「飢餓貧困によって6秒に1人亡くなっている」「年収720億円以上の0.14%の金持ちが、世界の金融資産の81.3%を所持している」などなどグローバルな課題が山積みであることを指摘された上で、その理由として以下3点を挙げられました。

1. 世界の経済規模が変わってきた。実体経済とは別にギャンブル経済が膨張している(10京2100兆円)。
2. 一部の金持ち、強国が経済を握っている。
3. SDGs目標達成するためには合計130兆円必要だが、全くお金が足りない状況。

これらの問題を解決するための鍵が、グローバル連帯税だそうです。

グローバル連帯税には、炭素排出税、武器取引税、金融取引税など様々な種類がありますが、これらの課税によって、理論上292兆円もの額が集められます。これだけあれば、SDGsも楽々達成できてしまいますね。

「そんな夢のような税収が実現可能なのか」という声が聞こえてきそうですが、国際連帯税のひとつである、「航空券連帯税」はすでにフランスや韓国など一部の国で導入されています。飛行機に乗れる「豊かな」人たちから徴税し、エイズ、マラリア、結核という3大感染症治療のために使われるというこの連帯税、「アメリカがやっていながら・・・」という理由で、残念ながら日本では導入されていません。

また、金融取引を行う度に課税される「金融取引税」もグローバル連帯税の一つです。もし導入が実現すれば、コンピュータで一秒間に1000回以上の売買が行われるアルゴリズム取引を阻止し、ギャンブル経済を抑えることも出来ます。
これについては2015年、EUの10か国財務相で金融取引税の導入が大筋合意され、2017年にも実現する可能性があるものの、金融業界の反撃で弱気になっている国もあり、まだはっきりとは分からないということでした。

日本の動きはどうでしょうか。2009年に国際連帯税推進協議会が創設され、2010年には日本でリーディング・グループ総会が開催されました。そして当時の前原外務大臣からは「ぜひ政治決算を」という話が出ましたが、国民の理解が得られないという理由で見送りになってしまったそうです。
2020年は東京オリンピックで多くの外国人が来日することもあり、航空券連帯税導入のチャンスですが、全体の気運としては最近後退ぎみで、グローバル連帯税賛成派の議員を増やすなど地道な呼びかけの大切さを力説されていました。



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続いて第二部では、財務省主計局の山本庸介 外務・経済協力第一係主査に「ODA予算の作り方」について語っていただきました。以下、講演の概要になります。

世界における日本経済の状況
・日本の一人当たりの名目GDPは2014年時点で、世界で27位。日本は豊かな国と言われているが、実はそうではない。
・歳出が平成2年から28年にかけて30兆円増加。社会保障費20兆円、国債費9兆円増加。それと比較して税収はほとんど増えていない。
・15年分の税収を使わないと国債が返せない。社会保障費支出は増加しているが、それ以外の支出は最低の水準。

日本の課題
・少子高齢化。2016年現在は65歳以上一人を若者2人が支える形だが、2050年は一人が一人を支える肩車型に。高齢者が長く働ける環境を作ることで、支え手を増やす努力が必要。
・親の介護と仕事の両立が困難、障害があり仕事が見つからない、子育てと仕事の両立が大変、一人親で子どもに教育を受けさせられない、給食費が払えない、など国民生活において多くの課題がある。
・そうした問題に対して最近「一億総活躍社会」という言葉が誕生した。実現させるためには、
1.強い経済 2.子育て支援 3.社会保障という3つの矢が必要。経済が強くないと生活は成り立たないし、生活が上手く回らないと経済も潤わない。

ODAについて
・ODAは二国間援助と国際機関に対する拠出の二つに分かれる。さらに二国間援助は有償資金協力(円借款:低利長期の貸付)、無償資金協力、技術協力に分かれる。
・2015年のODA全体額は約2兆円。日本の所得に占める割合は0.19%で、DAC加盟国のうち18位。
・日本のODAの特徴は、質の高いインフラ投資と東アジア&南・中央アジアを重視した支援。
・もう一つの特徴は円借款。アフリカへの円借款も増えている。しかし途上国の借金を増やすということで「お金を貸す」という手法に反対する国もあり、米国は有償資金協力を行っていない。
・支援分野も国によって異なり、米国、英国は社会インフラ、日本は経済インフラを重視している。
・OOFは国際協力銀行を通じた融資だが、OOA+OOFでみると、日本の途上国向け政府資金は米国に次ぐ2位。
・日本では政府の社会保障費以外の支出は減っているが、ODA支出は増えている。他の国は、社会保障費以外の支出増加に伴ってODAも増加。
・日本は厳しい中でなんとか世界のために貢献。ASEAN10のGDP平均は豊かになっている。民間資金の活用が今後の課題。

まとめ
・これまでの30年間は、高度成長の中でアジアを支援してきた。これからの30年間は、少子高齢化の中で国内問題にも立ち向かっていかなければならない中、世界の問題にどのように貢献していけるかを考えていく必要がある。
・年齢、性別に関係なく、地域、NGO、企業、自治体、国がバランスよく協調していく必要がある。
・誰かが極端に損や得をしている状態では長続きしない。
・理想や善意だけでは世の中は回らないので、利潤追求などの考えと、うまく調和してくことが大切。

第三部については、後ほど別の記事でご紹介します。
猟犬
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