2016年04月12日

つなみ募金

昨日4月11日に毎月恒例のつなみ募金を経産省の前で行いました。風が強く少し肌寒い日でしたが、経産省前はよく日が当たっていたので、寒さをあまり感じずに済みました。We love Tシャツの2名とらぽーるの黄緑のTシャツ1名と結核のTシャツ1名の総勢4名でした。

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配布物はらぽーるのクリヤ−ファイルにリザルツのリーフレットとらぽーるの案内を入れたものです。午後1時から予定があったため、午後12時から35分間ほどしか活動できませんでしたが、用意した部数はほぼ配り終えました。
(か)
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AMC(ワクチン事前買取制度)って?

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みなさん。こんにちは。突然ですが「AMC」という言葉をご存じでしょうか。

ADRの次は、AMC???

Aで始まるアルファベット3文字の記事が続きますが、これはワクチン開発に関係する言葉です。

本日はこちらの「AMC」を簡単に説明したいと思います。


●三大感染症の現状

AMCの解説に入る前に知っておきたいのが、現在の多くの開発途上国における感染症による甚大な被害です。

特に三大感染症と呼ばれるHIV/エイズ・結核・マラリアによって、世界中で大変な数の人々が苦しめられ、命を落としています。

世界保健機関(WHO)によると、それぞれの年間死亡者数は、HIV/エイズで200万人、結核が160万人、マラリアが100万人と推測されています。

このような被害が非常に深刻な三大感染症に関しても、ワクチン開発はまだまだ遅れているのが実情です。
(さらに新たな問題として病原体の薬剤耐性の問題等も出てきています。)



●10/90ギャップ

以上のような三大感染症による被害は、主に発展途上国において顕著です。
ここでよく言われるのが、「10/90ギャップ」です。
これは、世界人口(貧しい途上国の人々)の90%に影響を与える医療問題に対して、全世界の研究資金の10%しか使われていないことを指します。
これはとてもおかしな状況です。


●AMCとは

では、ここからAMCについて解説していきます。AMCとは、

A…Advance
M…Market
C…Commitment

の頭文字を取ったもので、日本語では「ワクチン事前買取制度」と言われています。


貧しい途上国の市場では金銭的な見返りが少ないため、製薬企業は発展途上国の疾患のR&Dをあまり優先していません。

そこで、途上国向けのワクチン開発により製薬会社が得られる利益を、より大きくより確実にすることで、ワクチン開発を促進する仕組みとして、GAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)が設けた制度です。

途上国はAMCを通じて、製薬会社から適切なワクチンを「適切な量・適切な価格・適切な時期」にワクチンを購入することができるようになります。



●IFFImとAMCの違い

ちなみに、GAVIアライアンスが行っている予防接種普及のための資金調達メカニズムに「IFFIm」というものがあります。

IFFImは、先進国政府の将来のODAを返済原資としたワクチン債を通じて国際金融市場から資金を借り入れ、その前倒しで得た資金を元に、開発途上国におけるワクチンの普及を早めるためのものです。(ワクチン債)

IFFImが既に開発されて有効性や安全性が確認されたワクチンの予防接種を広めることを目指している一方、AMCは新たな新薬(主にワクチン)開発の促進を目指すものです。



●AMCの仕組み

AMCのステップは以下の様になっています。

1.(1)ターゲットとする感染症、(2)ワクチンの有効性・安全性の認定基準、(3)AMC価格と呼ばれるワクチン認定後に途上国で販売する際の保証価格の3つを決める。

2.ワクチンの有効性、安全性の基準を指定した仕様書というべき、TargetProduct Profile(TPP)がWHOによって作成される。
 上記の(1)〜(3)の条件を公示し、広く開発競争を勧める。

3.ある製薬会社が新ワクチンの開発に成功したと申し出たら、それがTPPを満たしているかどうかを、予め任命された様々な分野の専門家で構成されるIndependentAssessment Committee(IAC)が審査する。

4.審査に合格した製薬会社は、UNICEFを通じて、開発途上国にワクチンの販売を行う。

【備考】
 ※一定の販売数量に達するまでは、最初に設定されたAMC価格が保証される。
 ※AMC価格は、そのワクチンを購入する開発途上国からの代金の支払いと援助国・機関からの補助金で賄われる。
 ※一連のプロセスにおける財務管理は、世界銀行が担当する。
 ※補助金を受け取った製薬会社は、一定の数量販売に達した後も販売開始から10年間は当該開発途上国が支払い可能な低額でワクチンを提供し続ける義務を負う。




●実際のAMCと今後

世界初のAMCは、毎年160万人の子供の命を奪っている肺炎球菌感染症を対象とした予防ワクチンでした。
現在販売されている抗肺炎球菌ワクチンは、先進国では 1 回量当たりUS$70 以上で販売されています。
このAMCが成功し、有効かつ安全なワクチンが実用化されれば、長期的には途上国において US$3.50 で販売できる見込みで、2030年までに540万人〜700万人の命が救われると期待されています。

次なるAMCの計画としては、結核とマラリア36のワクチンに対するものが挙げられているそうです。

しかし、元々のワクチンが高価なためAMCの財源が不足し、支援対象国が絞られるなどの問題点も見られます。


AMCの今後の展開に期待していきたいですね。




【参考サイト】
IDE-JETRO「ワクチン買取補助金事前保証制度|低所得国の購買力の肩代わり」

国境なき医師団(MSF)必須医薬品キャンペーン「命に関わる病気から子どもたちを守るワクチンの価格」

日本医師会「倫理と医学研究」

国際開発機構「MDGs 達成のための資金調達と配分」

公衆衛生におけるR&Dの危機に終止符を

(いけのり)
posted by resultsjp at 15:17| Comment(2) | 情報