2016年04月14日

ポリオ国際ラウンドテーブル2016 ポリオ根絶への道

 4月12日(火)18-19時半、ルポール麹町にてポリオ国際ラウンドテーブル2016「ポリオ根絶への道」を開催致しました(共催:UNICEF 東京事務所、(特活)日本リザルツ、認定 NPO 法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会、国際ロータリー、(一社)ジェイ・アイ・ジー・エイチ)。日本政府、国会議員、医療関係者やポリオ患者代表、パキスタン大使、ナイジェリア領事官、国際機関、研究機関、CSOなど100名以上の参加を得て、日本がポリオ根絶に向けて一致団結して邁進するべく、それぞれの立場で意思表明をする機会となりました。
 1980年代末には、ポリオによって麻痺を発症する子どもの数は35万人以上でしたが、1988年にポリオ根絶という目標の下、世界ポリオ根絶推進活動が発足し、世界中にワクチンを届けウイルスと闘ってきました。日本政府、本日の参加者を含めた活動の結果、15万人が麻痺の影響を受けなかったと言われています。

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 開会の挨拶として、阿部俊子衆議院議員はインドでのポリオ根絶活動の視察報告と共に、これまでの経験を今後に生かすべく期待を述べられました。レザ・ホッサイニ UNICEFニューヨーク本部ポリオ・チームディレクターからは、日本政府からの支援への感謝と共に、世界でポリオ根絶まであと一歩であることが伝えられました。ローランド・サッター WHO 世界ポリオ根絶推進活動担当からは、1988年には125か国がポリオ常在国(野生型ポリオの発症が続いている国)でしたが、2015年にはナイジェリアが除外され、現在はパキスタンとアフガニスタンの2か国のみになったという報告の他、日本政府や国際ロータリー、そして次世代ポリオワクチンの開発も含めた技術支援への感謝も述べられました。アンドレ・ドーレン GPEI(世界ポリオ根絶推進活動)事務局シニア・ストラテジストからは、感謝の辞、そしてポリオ根絶の最終段階である今、一層の一致団結をしていく必要が述べられました。
 パキスタン大使館ファルク・アーミル大使からは、パキスタンはポリオ根絶を国家の緊急課題としており、3月には22万人のヘルスワーカー等が3,700人の子どもたちにポリオワクチンの接種を実施した事例の紹介がありました。在ナイジェリア大使館アブドゥラー・マドビ領事官も感謝と共に、様々な活動の成果として2015年9月に正式にポリオ常在国から除外されたことが報告されました。

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 小坂憲次参議院議員からは、国際ロータリー、ビル&メリンダ・ゲイツ財団への感謝や議員連盟の働きの紹介と決意が示されました。外務省日下英司国際協力局国際保健政策室長からも、日本政府はポリオの重要性を理解しており、伊勢志摩G7サミットのコミュニケについても検討しているとのご発言がありました。田中秀治外務省国際協力局国別開発協力第二課長からは技術供与・専門家派遣による取り組みの他、UNICEFへの支援、ビル&メリンダ・ゲイツ財団との連携による円借款等、ポリオ根絶のための仕組みについての説明がありました。国際ロータリーの小沢一彦インターナショナル・ポリオプラス委員からも、官民が一体となって根絶に向けて力を合わせてゆくことが呼び掛けられました。
 須永新平財務省主計局経済協力第二係主査は、日本は厳しい債務状況だが、伊勢志摩サミット等がある今年、外交予算は増やしており、ポリオについては説明責任を果たすように要望がありました。渡部昇三JICA人間開発部保健第二グループ次長兼グループ長は、国際社会のニーズに応じてポリオ根絶に貢献してきたこと、今後も保健システムの強化全般に向けて協力していく旨の説明がありました。
 明石秀親国立国際医療研究センター国際医療協力局連携協力部長は、ポリオ根絶には、技術提供を実施した経験と今後も根絶に向けて力を注いでいく方向性が示されました。角屋佳子サノフィ株式会社ワクチン対策渉外部長は、確実な不活性化ポリオワクチンを世界で供給できるように、開発を進めていきたいとの意気込みが述べられました。日本ビーシージー製造株式会社の金子洋氏は毎年150万人が亡くなる結核対策に、今日まで来たポリオ根絶への経験を生かしたいとの意欲を示されました。川崎市健康安全研究所岡部信彦所長は、活動を見守り続けことと、またこれからが大切であると慎重な姿勢を示されました。阿部恒世ポリオ患者代表は、ご自身の体験を元にしてポリオ根絶の重要性を語られ、会場は熱心に聞き入りました。その他、15年も医療分野を担当されている共同通信社編集局科学部の池内孝夫記者も、今度こそ根絶を待望されるといった旨のご発言がありました。

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 その他、参加していたロータリークラブの会員から、会議が開催されている東京麹町のクラブ会員であった故山田彝(ツネ)氏と故峰英二氏がポリオ根絶に取り組み、彼らや各国の会員の活動がきっかけとなり、ロータリーが正式に1985年にポリオプラス・プログラムを開始するに至ったという逸話が語られました。最後に総合司会の平林国彦UNICEF東京事務所代表が、これまでの感謝と共にこれからも一致団結してポリオ根絶に向かって進むべく掛け声をかけ、全員で一本締めをしました。同じ思いが会場一杯に広がり、和やかな閉会となりました。

(たか)

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ポリオアドボカシー大前進

4月4(月)〜8日(金)、超党派の「世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟」のあべ俊子議員が、インドのデリー、アリーガル、アグラを訪問し、JIGHの金森サヤ子氏と弊団体代表の白須も同行しました。

インドは、2011年1月に報告された野生株ポリオ症例を最後に3年間ポリオフリーを達成し、2014年3月に東南アジア地域におけるポリオ根絶宣言をするに至った経緯を持っています。
本視察では、イギリス、アメリカ、カナダ、アフガニスタン、パキスタンなど国会議員を含む各国代表団と共に、同国におけるポリオ根絶達成からの学びを、残り2つのポリオ常在国であるアフガニスタン、パキスタンにどう生かし得るかを焦点に議論が行われました。

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滞在中は、ジェンキンス英国会議員やシドゥ加国会議員をはじめとする各国代表団に加え、WHO、UNICEF、アリーガル・ムスリム大学関係者等と意見交換を行いました。また、アリーガル・ムスリム大学に附属するJNメディカル・カレッジ病院や、アリーガル、アグラに於けるワクチン接種サイトの視察も行いました。

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これらの視察を踏まえ、4月7日にデリーで開催されたポリオ議員サミットでは、インド議員を含む各国国会議員はポリオ根絶に対する意気込みを発表、意見交換を行い、デリー宣言「One Last Push to End Polio-Delhi Declaration」に合意・署名が行われました。

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インドにおけるポリオ根絶活動視察は、ポリオ根絶をはじめとするグローバルヘルス課題対策に対して強いリーダーシップを発揮してきた各国代表団が交流し、ポリオ根絶に向けた最後の一押しを引き続き尽力していくことで合意した、非常に有意義なものとなりました。

日本に帰国後の4月11日(月)は、ポリオ根絶を目指す議員連盟の小坂憲次会長や、あべ俊子議員、来日中のUNICEFニューヨーク本部ポリオ・チームディレクター レザ・ホッサイニ氏、WHO世界ポリオ根絶推進活動担当 ローランド・サッター氏、GPEI事務局シニア・ストラテジスト アンドレ・ドーレン氏に加えて、UNICEF東京事務所の平林国彦代表、UNICEFニューヨーク本部の山口郁子氏、国際ロータリーの小林宏明事務局長、JIGHの渋谷健司代表理事、弊団体の白須が集結し、「G7サミットに向けたポリオ根絶に係る要望書」を世耕内閣官房副長官と塩崎厚生労働大臣に手交しました。

この要望書は、G7伊勢志摩サミット首脳宣言におけるポリオ根絶と支援の重要性の明記や、ポリオ根絶に対する日本政府の拠出誓約を求めるものです。手交は終始和やかな雰囲気で行われ、G7伊勢志摩サミットに向けて、ポリオ根絶に対して日本のリーダーシップがいかに大切か、理解を得ることが出来ました。

翌日の12日には「ポリオ国際ラウンドテーブル2016」が開催されたのですが、それについては次のブログでご紹介いたします。インド視察、要望書手交、ラウンドテーブルの開催と、4月前半はポリオアドボカシー大前進の2週間となったのでした。
猟犬

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