2016年04月24日

「日経アジア感染症会議2016」(4/22-23)に行って参りました。

皆さま、こんにちは。
「日経アジア感染症会議2016」(in六本木ヒルズ)に行って参りました。

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グローバル経済の発展に伴う感染症リスクへの対策に関連する、行政機関、団体、学会、企業など産官学、全てのステークホルダーが一堂に会し、2日間に渡ってオープンな議論を行う会議です。

リザルツ部隊の集合場所は、会場となるアカデミーヒルズ49階だったのですが、一人で早く着き過ぎてしまった自分。

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六本木ヒルズの有名な蜘蛛のオブジェの下で休んでいると、

WE LOVE JAPAN

Tシャツを華麗に着こなし、ガラ携をもてあそびながらルンルンで入り口に向かっている我らが白須代表を発見。早速、蜘蛛の糸で捕まえて一緒に会場へ向かいました。

会場入りし一般観覧席の最前列を陣取ったリザルツ部隊。ほっと一安心するのも束の間、天真爛漫な白須代表は妖精のように会場中を行き来し、そこら中の要人へ次々ご挨拶していました。

そして会議のスタートです。

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(写真:舛添要一氏 twitterより)

舛添要一東京都知事の挨拶の後、内閣総理大臣補佐官 和泉氏の基調講演が始まりました。

日本の国際的な健康医療の戦略についてお話しされていました。日本は国際感染症対策のリーダーとなるべく、これまでは縦割りだった体制を横にも縦にも一気通貫し、情報共有・産官学一丸となって協力をしていかねばならないと力強く述べられていらっしゃいました。
また、従来は外務省のみだった国際保健への対応を、各省皆が協力して取り組んでいく体制はとても重要な戦略だと強調されていました。
緊急時の危機対応を含め、国際保健政策の推進のため、WHO、世銀、グローバルファンド、Gavi、GHITについても協力・支援を引き続き続けたい、そして特に発展途上国支援のためにJICA、ODAを通じて世界の平和と健康に貢献していきたいとのことでした。

Gaviキャンペーン事務局のリザルツにとって、大変心に響く講話でございました。


続いて、外務副大臣の木原誠二氏の基調講演です。

感染症と日本の貢献、外交という観点から見て重要性の増す国際感染症対策について、また、これまでの取り組みと、伊勢志摩サミット、TICAD VI開催に向けての本会合の重要性と期待について語られていました。
感染症との戦いは今、この瞬間にも起こっている日々の戦いであること、また、子供や社会的に弱い立場にある人々に被害が及びやすいという問題点について言及されていました。
さらに、経済的な負のインパクトが大きいということにも触れられていました。試算されたエボラの経済的損失は、なんと8億ドルだそうです。
最も大事なのは人間の安全保障。人材育成も含め、国際保健における一貫した取り組みができるように…ということで〆られていました。

そして、地域医療機能推進機構の尾身茂理事長から、今回の日経アジア感染症対策会議の目的の説明があり、報告会に移りました。

簡単にまとめてまいります。

報告1
「結核対策における日本のイニシアチブ」
(地域医療機能推進機構 理事長 尾身茂氏)
・世界に日本発のイノベーションを普及していく
・コンソーシアムを作って官民学連携していこう
・結核は感染症の中の感染症。日本発でまずは結核から制圧を
・診断・治療薬のパッケージ展開も進んでいる
 →デラマニド、TBランプ、ジェノスカラー(複数の薬剤耐性を診断できる)

報告2
「ギニアでのエボラ対策」
(聖路加大学 特任教授 竹内勤氏)
・世界のエボラ流行状況
 →死亡者数1万人以上、死亡率40%
・テロ対策の視点からのエボラ対策はどうなのか

エボラの治療薬の開発事例の説明については、、、大変専門的な説明であったため、理解するのが難しかったのですが(勉強が必要ですね)、、その開発努力に感服いたしました。
企業による開発に、大学が負けている…という言葉が心に残りました。産官学の横の連携の重要性が、実例からも伝わってきした。


報告終了後は、パネルディスカッションに移りました。

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(写真:日経BP twitterより)

パネル討議1-1
「多剤耐性結核菌対策パッケージの今後の展開」
・900万人のうち48万人が多剤耐性結核菌、そのうち半分は治癒しないという恐ろしい現状
・栄研からの報告(TBランプとジェノスカラー)
・ニプロからの報告

そしてここで、昼食タイムです。

白須代表と共に、昼食前に会場から一時退場したGaviアライアンスのセス氏&GHITのBT氏用のお弁当を譲ってもらおうと画策していたところ、失敗。普通に下に食べに行きました。代表はデザートにシュークリームを召し上がりご満悦の様子でした。


午後はパネルディスカッションの続きからです。

パネル討議1-2
「エボラ対策の現状と今後の展開」
・WHOから各種報告がされました
・エボラの封じ込めについて

パネル討議1-3
「感染症(結核・エボラ・マラリアなど)対策の共通課題を解決するプラットフォームの構築に向けて」
・基礎研究から臨床、市場間のデスバレーを超えるメカニズム形成
・アジア臨床試験センターの必要性


エボラの討議での報告で、治癒から14か月経過し完全治癒(WHOの規定では12か月で治癒とされている)したと思われていた人から、性交渉を通じて村の別の人間に感染した例が挙げられていました。

エボラは怖い…と、討議メモを取りながら恐ろしい気持ちでいっぱいになっていた自分。

そんな中、恐れを知らない白須代表。

一般観覧席に座り飽きたのか、、もっと前へ…という思いが極まってしまったのか、前方に用意されていたネームプレートもばっちり置かれている講師用席(座っていた講師の方は、ディスカッションのため移動して空席状態になっていた)に勝手に座っていたところ、、、討議の合間の休憩中に、運営のお姉さんに注意されてしまいました。

「空いてる席は皆の席」というリザルツ・グローバル・ルールは六本木ヒルズでは適用外でしたが、今後も別エリアでは、適用可否を試し続けます。


討議終了後はいくつかの会場に分かれ、分科会が行われました。

我らが白須代表は打ち合わせのため、会場からは一旦退場。…心なしか会場が静かになり、気温が少し下がりました。

分科会は5つに分かれており、私は以下の2つに参加しました。

東京都医学総合研究所
「最新研究が変える感染症対策の近未来」

第一三共
「国際的に蔓延する薬剤耐性菌対策としての医薬品・ワクチン開発」

何も施策をしなければ、2050年にはAMRで1000万人の死者が出るという推定値が恐ろしかったです。

AMRについては以前、本ブログで結核を例に出し説明しておりますので、コチラもどうぞ。


薬が効かない結核!?多剤耐性(MDR)結核について


企業も大学も国際機関にも負けず、内閣官房も猛烈に頑張っている…。資料で渡された詳細なアクションプランから意気込みを感じました。

オリンピック関連の報道等は、会場やエンブレムの話題のように華やかなものしか報じられやすいですが、感染症の発生を防ぐといったディフェンス面での重要な取り組みについても、もっともっと広くメディアが取り上げてくれたらと思いました。舛添都知事の挨拶にもありましたが…

最後の内閣官房国際感染症対策調整室 参事官 山田安秀氏の「このアクションプラン案がちゃんと実現していきますように」という言葉が印象に残りました。慢性蕁麻疹に負けず頑張ってください。


打ち合わせを終えた白須代表が戻って来て会場の温度が上がったところで、第一日目のラストを飾ったのは、GaviアライアンスCEOのセス氏とGHIT代表理事の黒川氏との特別対談「Gaviと考えるワクチンの未来」です。

セス氏、真ピンクのシャツがキマっています。そう言えば午前中、セス氏と白須代表に挟まれたのですが、セス氏の明るいピンクのシャツと白須代表のビビッドな紅白文様のスパッツのせいか、目がチカチカTICAD状態になってしまっていた自分です。

セス氏と黒川氏の対談は相当に中身の濃いもので、あっと言う間の30分間でした。以下まとめです。


【ワクチン接種の現状について】
セス氏はワクチン接種についての現状の問題点について、よく言われる年間1,500万人の子供たちがワクチンを受けられていない問題の他に、現在は新たな問題が起こっていることに触れていました。それは、実は多くの国で予防接種率が落ちているということでした。

【GHIT Fundの素晴らしさについて】
黒川氏はGHIT Fundの利点についても協調されていました。GHITはたくさんのシーズを持っている製薬会社5社と政府、そこにゲイツ財団も参画している、凄い協力体制の組織です。理事も国際的なメンバーが揃っており、透明性を担保しています。

【グローバルな視点から】
世界情勢は大きく変わってきており、一国家の力が弱まってグローバルな力が強くなってきた、そんな時代です。
二国間の取り組みだけであったものを多国間へ広げていくのは良いことで、日本が今回のG7に保健のアジェンダを取り上げたのは素晴らしいことです。

【Gaviへの投資について】
Gaviの財源の20%はソブリン債によるものです。なぜ日本はこれに参加しないのでしょうか。
実際に日本の国債を購入している人の90%は日本国民です。それをなぜこれを利用しないのか不思議です。
IFFImは、20〜30年ワクチン開発投資に各国がコミットする法的な拘束力がある制度です。レーティングが高く、見返りもいいです。何よりも世界のためにいいことができる制度です。国民をその援助に巻き込んで欲しいなと思います。

【ワクチン開発のインセンティブについて】
エボラワクチンで100%効果的なものはまだありません。メルクのワクチンのための資金調達支援は重要なものでした。同様に、豚鳥インフルエンザ、SARS、ジカ熱にどのように立ち向かっていったらいいのか。今後に向けた準備をしていかねばなりません。グローバル化された世界では、常に健康の安全保障を考える必要があるのです。
がしかし、そのための大きなチャレンジはインセンティブがなければ難しいです。マーケットが全くないようなところではインセンティブが必要なのです。

【今後、最優先したいことについて】
セス氏
「誰も後ろに残していってはいけない」
できるだけ多くの人にワクチンを供給するというとです。ワクチンと様々な医療の介入で、最後の一人の子供までアウトリーチするしていきたい。

黒川氏
「何か新しいことをしないといけない」
3Dプリンター、ドローン、iPhoneのような、それまでの概念から外れたまったく新しいもので、今あるギャップを埋めていく必要があります。


代表の二人がこうして目の前で、グローバルな保健問題とUHCのあり方を絡めたGHIT、Gaviの必要性を語っている様子はとても迫力がありました。

G7まであと一か月です。関係者の皆様、ここから正念場ですが過労で感染症等にかからないよう、体調管理に留意しながらがんばっていきましょう!

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(写真:日経BP twitterより)


(いけのり)
posted by resultsjp at 10:04| Comment(3) | 情報