2016年11月22日

CHVの活動

前回のブログで、カンゲミのコミュニティ・ヘルス・ボランティア(CHV)による戸別訪問の様子をお伝えしましたが、今回は結核患者がどのように治療を受けるのか、一連の流れについてご紹介します。

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いまのナイロビは雨季。ここ一週間、ほぼ毎日雨が降り続けています。

昨日の早朝、前回訪れた結核患者の家をCHVと再訪問しました。この日、男性は病院に行くことになっていたのですが、「今日は寒いから行きたくない」と乗り気ではない様子。

しかし、先延ばしをするといつになってしまうか分からず、このままだと家族に感染してしまう可能性も高いことから、家族の協力も借りながら何とか説得しました。

CHVの話によると、患者さんが病院に行きたがらない気持ちの根底には、自身が持つ偏見が内面化し、周囲からの目が気になってしまうといったセルフ・スティグマ(内なる偏見)も少なからず存在するそうです。

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カンゲミには急斜面が多く、もちろん道は舗装されていないので、雨が降るとすぐに地面が滝のようになります。

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ここ数週間ずっと家にこもっていたため、男性の足腰はすっかり弱くなっていました。私とCHVで両脇を支えながら病院に向かいます。歩くには少し遠かったため、途中から車で移動しました。

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カンゲミ・ヘルスセンターの結核クリニックに到着。

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CHVから結核クリニックの担当者に患者さんの状況を説明し、必要な情報を共有します。

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その後医師に引継ぎ、症状を確認。ドクターが患者さんから話を聞きながら、新しい患者診察カードや必要書類に記入していきました。

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カンゲミ・ヘルスセンター内のHIVクリニックに移動し体重を測定。クリニックの改修は行いましたが、医療設備はまだまだ不足しており、体重計などは他のクリニック等と共有しています。

8ヵ月近く服薬を中断していたため、前回治療時の記録と比較すると、10kg近く減少していました。

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その後、患者の奥さんに対して栄養カウンセラーから食事に関するアドバイスが行われました。日本のおかゆにあたるPorridge(ポリッジ:雑穀類を粉砕し、お湯で溶かしドロドロになるまで煮たもの)や、クリニックから渡されるサプリメントを使用を勧められます。結核治療は家族の協力なしには成功しません。

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さらに、プライバシーが確保されるカウンセリングルームに移動して、念のためHIV検査も実施。ここでHIVの感染が判明した場合、訓練を受けたカウンセラーから、結核+HIVの治療に関する具体的な説明とカウンセリングが行われます。

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最後に抗結核薬、副作用を抑えるための薬、そして栄養を補うための大量のサプリメントが支給されました。薬を一週間分しか渡さないのは、毎週クリニックに来てもらい、家族に状況を確認しながら完治まで確実に薬を飲み続けてもらうためです。

さらに、奥さんやお孫さんなど、一緒に生活している家族にも結核が感染してないのかを調べるため、翌日朝一に痰を採取してもらいクリニックに持ってきてもらうことになりました。

診察が終わり、患者さんとその家族を家まで送り届けると、奥さんから「CHVが来なければ、決して病院へまた行こうとはしなかった。本当にありがとう」と言っていただき、胸が熱くなりました。
また、CHVが男性に対して、「今は歩くのはやっとだけど、きちんと薬を飲み続けていれば、あっという間に元気になるから!数週間後に今日の自分の写真を見たら、その変わりぶりにびっくりするはずだよ」と何度も冗談交じりに励ましていた姿が印象的でした。

このように主なCHVの活動は、カンゲミで生活する膨大な数の住民のお宅を戸別訪問し、結核患者を見つけ出し、治療が完了するまでサポートを行うという、非常に広範囲、長期に渡るものです。

彼女ら、彼らの活動をここカンゲミの地でお手伝いすることが出来て、誇らしく思います。
猟犬
posted by resultsjp at 17:36| Comment(4) | ケニア