2017年05月15日

「区別」と「差別」 あれこれ補遺@

「区別」と「差別」という文章を少し長く書かせて貰った。
その際、「人種」という言葉を、判っていながら不正確に使ったことを明記しておきたい。
ホモサピエンスとしての人類は、たとえ外観が多少は違っても、遺伝的にほぼ相同であって複数の種に分化しておらず、所詮は一つの「種」でしかなく、「人種」という言葉そのものが学問的には不適切であると言う点。古くから使われている、コーカソイド、モンゴロイド、アングロ・サクソンなどの表現も、「人種」を特定する意味は持ちえない。つまり、人類学的に見て、人間に「人種」という「区別」は無いと言う点である。
それなのに、人間は敢えて「区別」を探し、「差別」を生み出す厄介な動物の様だ。
そうした特性を表現する意味で、人間がわずかな「差」を問題にする性向を表現するために、学問的な正確さを無視して「人種」という言葉を使わせてもらった。「人種差別」は歴然として存在するが、実は「人種」は存在しないという点は、明確にしておきたい。

先日、大学の物理学の教授が「原子核の周りの軌道を電子が高速で回転している」と新聞に記していた。一般向けの解説だから単純化して説明したのだろうが、量子力学的には、電子が原子核の周囲を回っているとは言えないので、学問的な正確さは欠いている。ただ、イメージを伝えるのには便利な表現だ。
例えば、炭素は、外郭電子が3p軌道を回っており、その電子が他の原子の外郭電子とペアを作ることで結合する。3p軌道は、酸素や窒素、水素等と電子軌道のペアを作りやすく、かつ、常温・常圧で適度に安定しやすい。だから、炭素を骨格として、アミノ酸が形成され、複雑な立体構造のタンパク質を産み、生命を構成するようになった。こうした特性の元素は炭素とケイ素しかなく、生命体が存在するとしたら、ケイ素生物か炭素生物しか考えられないと言われる所以である。
地球上の生物の存在は、炭素(Carbon)の3p軌道(Orbit)を抜きにしては語れない。だから、ジョージ・ルーカスは、スターウオーズに登場するヒューマノイドにC3POという名前を付けた、というのは良くできた冗談である。
(中)

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【速報】参議院決算委員会で石橋議員、国際連帯税につき質問

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本日(15日)の参議院決算委員会で石橋通宏議員(国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長)が国際連帯税について質問をされました(他にODA全般)。

・石橋議員:SDGsの資金ギャップは2.5兆ドルと言われている。資金を増やすには(ODAのほかに)国際連帯税や革新的資金調達メカニズムという構想もある。世界のリーダーとしての日本というなら、国際連帯税実現含め資金増を行うべき。

・岸田外務大臣:国際開発資金を確保するためには財政もさることながら、民間資金も含めた幅広い調達が必要。その中で国際連帯税も有力な手段であると外務省は認識している。平成22年度より外務省は税制改正で国際連帯税を要望し続けている。具体的にどうするかだが、昨年度外部のシンクタンクに具体的な制度設計につき委託調査してもらった。この調査結果を踏まえ、国民と関係者の理解を得るための努力をしていく。外務省としても私個人としてもぜひ国際連帯税導入に向け前向きにしっかりと取り組みを続けていきたい。

・石橋議員:委託調査の結論は3月に出ているが、次なるステップをどうするのか。大臣としての責任で次に進むことを確約すべき。

・岸田外務大臣:調査に制度設計をお願いしたのだから、その答えを踏まえながら具体的取り組みを進めていきたい。

詳細は、参議院インターネット中継の「5月15日参議院決算委員会」をご覧ください(2:12:16より石橋議員の質問)

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 21:36| Comment(2) | 国際連帯税の推進

5.7研究会「SDGsとグローバル連帯税を考える」報告

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5月7日東京医科歯科大学のセミナー室で第1回研究会「持続可能な開発目標(SDGs)とグローバル連帯税を考える」を開催し、ちょうどセミナー室が満杯になる35人が参加し、熱い議論をたたかわせました。

冒頭、田中徹二・グローバル連帯税フォーラム代表理事が、「今回の第1回研究会はクラウドファンディングによる企画である。SDGsとグローバル連帯税のそれぞれの第一人者をお招きした。じっくりお話を聞き議論していただくことを期待する」とあいさつ。

さっそく稲場雅紀・SDGs市民社会ネットワーク代表理事と金子文夫・横浜市立大学名誉教授からSDGsとグローバル連帯税についてそれぞれ講演していただきました。当日使用したパワーポイント資料を送ります。

「SDGsこの一年 そして今、すべきことは?」…稲場雅紀・SDGs市民社会ネットワーク代表理事

「グローバル連帯税の可能性」…金子文夫・横浜市立大学名誉教授

お二人のもっとも肝となる点を一つずつ紹介します。まず、「SDGsは17のゴール169のターゲットがあるが、これを二言で表わすと、@世界から貧困をなくすこと、A“つづかない世界”を“つづく世界”に変えること、と言える」(稲場氏)。

また「今日のグローバル化した社会において、地域社会には地方税があり、国家には国税があるように、グローバル社会にはグローバル税が必要だが、地球的規模の課題が山積しているにも係わらずそのような税はない。今こそ国民から地球市民へと意識転換させ、グローバル連帯税を目指さなければならない」(金子先生)。

講演の後パネル討論を行いました。この討論で質問意見が相次ぎ熱い議論をたたかわせ、予定時間を30分オーバーしてしまいました。

その中で、ひとつだけ議論の内容をお知らせします。

【質問】「一般の人の理解では、アフリカでは戦争や飢餓が続き、また政治的思惑もありいくらお金を出して支援しても(改善が目立たなく)虚しいと思われている。しかし、“(ODAやグローバル連帯税による)お金で解決する部分があるのだよ”という周知が必要だと思うがどうか」。

【稲場氏の答】ミレニアム開発目標(MDGs)はアフリカならびに途上国に教育、保健、ジェンダー等社会開発にお金を投入することによって(貧困根絶等をめざしたがそれが)どうなったか。実はアフリカでは圧倒的に紛争が減少してきている。現在熱い戦争が行われているのは、ソマリア、南スーダンそしてソマリアとナイジェリア北東部のイスラム聖戦が行われているところだけ。

かつては貧しさをバックに戦争が起きていて、例えば最貧国のアンゴラでは90年代から2003年まで延々と戦争を行っていた。シエラレオネでもリベリアでもその他でも。ところが、今日多くの国が戦争から脱却することができてきている。その結果、(資源価格高騰や先進国からの投資もあり)経済発展が全体のトレンドとなっている。つまり、(MDGs以降お金が投入されたことにより)実際に成果が上がっている。

これはHIV/エイズのことでも言えることであり、今や1600万人が治療を受けることができるようになっている。

一方、戦争が拡大しているのは中東地域であり、これは2003年の米国のイラク侵攻以降、中東の社会開発の取組みが全部ぶち壊された。MDGsの悲劇である。

いずれにせよ、(中東のような先進国の間違った政策がない限り)「支援金を投入することによって解決する部分が確かにある」のであり、このことを(日本社会に)きちんと伝えていかなければならない。

(報告:田中徹二グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 00:16| Comment(2) | 国際連帯税の推進