2018年11月16日

患者さんのお宅を訪問しました。

TBクリニックのスタッフの案内によりカンゲミ・ヘルスセンターの近くに住む患者さんを訪問しました。
訪問したのは、年齢30歳の女性で家には3人の小さなお子さんも一緒でした。今年7月ごろに咳の症状が出て、暫く市販薬を飲んでいたそうですが症状が好転せず、ケニヤッタ病院を受診したとのことでした。本年10月29日の喀痰塗抹検査の結果、抗酸菌陽性(+++:大量排菌例)であることが判明し結核と診断されました。その後住居近くのカンゲミ・ヘルスセンターへ転入(Transfer In)され、11月5日より治療を開始しました。
訪問したときは、丁度治療を開始して10日目でしたが薬を2日分飲んでいなかったことがわかりました。薬を飲み始めてから吐き気と食欲減退の副作用が現れ、薬を摂取しなくなったようです。また患者カードの服薬記録にも日付が記入されておらず、クリニックのスタッフからあらためて記入方法について説明を受けていました。
また、家族に対する接触者検診もまだ行われておらず、同行したクリニックのスッタフが家族の喀痰検査の重要性と手順を説明していました。大量排菌例で4ヵ月間診断されなかったことから家族の方はすでに結核菌を持っている可能性が高く、この喀痰検査は大変重要な意味を持つと思われます。従来の顕微鏡による検査では、接触者検診における陽性率は低かったのですが核酸増幅法を用いた方法で検査するようになったので陽性率は大きく改善しました。ケニアの2016年のデータでは、約12%でした。勿論事前のスクリーニングが適切に行われたこともありますが検査方法の感度の高さも一因と考えられます。TB-LAMPもこの核酸増幅法を利用した検査ですので、接触者検診に大いに役に立つことが期待されます。
結核の啓発活動が活発なカンゲミ・ヘルスセンターのすぐ近くで、結核の診断が4ヵ月間も遅れた患者に遭遇するとは思いもしませんでした。あらためて啓発活動の難しさを実感しました。 三浦
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11.15 APEC閣僚会議での河野外相の国際連帯税に関する発言

                 パプアニューギニア.JPG

11月15日パプアニューギニアAPEC(アジア太平洋経済協力)閣僚会議が開催され、同会議において河野外務大臣が域内貿易・投資関係についての意見のほかに国際連帯税についても提案しました。また、当日夜に行われた2回の臨時記者会見で、さらに国際連帯税についての同大臣の考えを詳しく述べています。これらを紹介します(外務省のWebサイトより)。なお、日本のマスコミでは残念ながら報道されていないようです。

●パプアニューギニAPEC閣僚会議での大臣発言

「(最後のパラグラフ)国際連帯税について:国際社会は,2030年までのSDGs達成に向けて必要な資金ギャップを埋めるため,国際連帯税を含む革新的資金調達のあり方を真剣に検討する必要がある」

●当日夜の河野外務大臣臨時会見記録

1)17時30分〜
【河野外務大臣】の<冒頭発言> 
…前略… それともう一つ,私から,国際連帯税について,今日のスピーチの中で少し申し上げました。いくつかの国から,こうした新しい提案をAPECの場で議論することは非常に好ましいというフィードバックもありましたので,少し,いろんな議論を,国際的な場で仕掛けていきたいというふうに思っております。私からは以上です。

<質疑応答>
…前略… 【記者】冒頭の発言で言っていた国際連帯税なんですけど,会議に出席していた国の反応をもう少し詳しく教えてください。

【河野外務大臣】コーヒーブレークの中で,この話は初めて聞いたという方もいらっしゃいましたし,会議のスピーチの中で,日本の発言について触れたところもあります。そういう意味で,やはり難民・避難民の数が戦後最高になってしまったということ,あるいは気候変動の影響も大きくあるんだと思いますが,自然災害が各地で頻発し,気候変動の影響をみんなが感じている中で,非常に大きな財政ギャップ,支援を必要としている方と,政府開発援助(ODA)や官民連携(PPP)で提供できている部分を考えると大きな財政のギャップがあるというのは,おそらく,みんなが感じているんだろうと思います。そういう中で,国際連帯税というのを我々は提案しましたけども,これを含めて,すこし革新的な資金の拠出方法というのを議論していこう,というのは多くの国が前向きだったと思います。 …後略…

2)18時35分〜
【河野外務大臣】の<冒頭発言> 
…前略… また,今次APEC閣僚会合では,包摂的な成長実現のため,女性の経済的参画,防災について議論するとともに,地球規模課題への対応に必要な資金を確保するため,革新的資金調達の重要性を訴えた。
 世界の難民・国内避難民の数は約7,000万人に達しており,支援を待つこれらの数としては,第二次大戦以降最も高い水準に達している。これに加え,気候変動の結果として21世紀末までに猛烈なハリケーンや台風の発生頻度が増加し続けるという予測もある。このような中,包摂的な成長を実現する上での課題克服のため,資金を動員する必要性はこれまでになく高まっている。 国際社会は2030年までのSDGs達成に必要な年間2.5兆ドルもの資金ギャップを埋める方法を真剣に検討する必要がある。ODAやPPPのみで埋めることは簡単ではない。
 経済のグローバル化から受益している国境を越える活動に広く薄く課税し,難民,国内避難民や大規模な自然災害に苦しむ人々への支援といった人道支援に充てる国際連帯税は,長期的な解決策の一つ。
 日本は,こうした解決策に関する国際社会の議論に貢献する用意がある。今回,APEC参加閣僚との間でもそうした議論を行ったところであり,私の国際連帯税についての提案は,会合に参加した閣僚達から肯定的な反応を得た。

<質疑応答> …前略…
【新華社通信】包摂的成長と経済についてお伺いする。貴大臣は先ほど革新的資金調達ということにも言及されたが,日本は中国が進める地域の連結性を高めるキャパビル計画に協力するか。

【河野外務大臣】日本は,中国が進めるインフラ計画が開放性,透明性,ライフサイクルからみた経済性,対象国の財政の健全性が国際基準に見合うものであれば,喜んで中国に協力する。包摂性について言えば,我々はSDGsの達成を目指しており,できる限りのことを行うつもりだ。しかし一方で,国際社会は,現在存在する巨額な資金ギャップを埋める方法を真剣に検討する必要がある。 …中略…

【BBC】貴大臣は気候変動に関する発言で国際社会は協力すべきと述べられた。今回,PNGはAPEC会合を主催しているが,貴大臣は,国際社会が(資金)ギャップを埋めるために協力できるとお考えか。

【河野外務大臣】もし,私たちが真剣にSDGsの達成に向け取り組むならば,資金ギャップの問題について解決する必要がある。私が提案したのは,国際連帯税についてである。たとえば,為替取引に薄く課税し,それらの税が国際機関に直接届くようにする。そして,国際機関はその資金を難民や自然災害の被災者のために利用する。これは,一つの提案であり,他にも多くの提案があるだろう。重要なことは,資金ギャップについて認識することである。日本は財政赤字を抱えており,他の多くの支援国も資金上の制約を抱えている。そのため,この資金ギャップを各政府からの拠出で埋めることは非常に難しい。我々は問題解決のためにクリエイティブにならなければならない。私の提案は多くの提案の中の一つであり,今後議論が進むことを歓迎する。また,すべての国がこの議論に加わるべきであると考える。 …後略…

閣僚会議発言  / 臨時会見記録(17時30分) / 臨時会見記録(18時35分) 

★写真は、臨時記者会見のもよう(外務省のWebサイトより)

●インフォメーション
「国際連帯税をG20大阪サミットで主要議題に」キャンペーンはじまっています!

⇒みなさまの賛同署名をお願いします。署名は、https://bit.ly/2DmxyVa から。
・詳細は、http://isl-forum.jp/archives/2517 をご覧ください。

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 18:24| Comment(2) | 国際連帯税の推進