2020年05月01日

BCGワクチンは新型コロナウイルスに効果がある?

 結核予防のためのBCGワクチンを接種していると重症化しないのではないか、という説が広がっています。接種している国で、死者数が低い傾向にあるためです。ただ、世界保健機関(WHO)は今のところ、科学的に予防効果はないという立場をとっています。このことについて、結核予防会結核研究所名誉所長 森亨氏に伺いました。

 BCGは、結核菌を弱毒化させた生ワクチンです。森氏によると、証明されたわけではありませんがBCGは結核以外の予防にも役立つそうです。結核の免疫と同様に、ほかの病気の抵抗力もつく。実際、膀胱がんでBCGによる免疫療法が薬事上も認められています。BCGは接種で抵抗力がつき自然免疫も強くなるのがほかのワクチンにはない特徴だそうです。

 米ニューヨーク工科大の研究によると、BCGを接種していない国(イタリア、ベルギー、米国など)では、新型コロナウイルスの感染者数や死亡率がBCG接種している国よりも統計学的に有意に高かったといいます。しかし、森氏は「だからといってBCGが新型コロナウイルス予防に役立つことが証明されたわけではなく、大人がBCGワクチンを接種するようになると、結核予防のために本来、接種するはずの乳幼児が接種できなくなってしまう」と警鐘を鳴らしています。

 オーストラリアなどで治験が進められています。とても興味深いですが、今の段階で大人がBCGワクチンを新型コロナウイルス対策として接種するのは時期尚早といえるでしょう。(杉)



https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/bcg/index.html



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新型コロナ感染拡大といえど結核を忘れてはならない

 Covid19を抑えるため、在宅勤務が推奨されているため、日本リザルツ事務所も在宅勤務を一部、取り入れています。通勤時間を節約することによって生み出された時間を有効に活用するため、スタッフ、ボランティア全員が改めて事務所の蔵書にあたることになりました。

 筆者が手にしたのは「現代の結核 いま何故こんな病気が」(ニュートンプレス)。

 日本リザルツは結核根絶の活動を行っており、著書の結核予防会結核研究所名誉所長 森も長年、日本リザルツの活動を支えてくださっています。

 この本の発行は、今から22年前に遡りますが、結核対策の公衆衛生の歴史を知ることは今のCovid19対策に通じ、再読する価値を実感します。

 この本の再読をきっかけに、森氏に「結核の今」とCovid-19ついてインタビューを行いました。

 コロナ感染のニュースの陰になってしまいますが、結核の新規患者は依然、存在します。森氏は「心配なのはコロナ感染を恐れ、病院に診察にいかず手遅れになってしまう患者さんがいるのではないかということです」とおっしゃっていました。

コロナ対策も必要ですが、従来の感染症をないがしろにしたら将来、大きなつけを払わなければならないということを忘れてはなりません。(杉)結核本写真.jpg

posted by resultsjp at 00:33| Comment(2) | ストップ結核アクション

結核も新型コロナの重症化のリスク要因

新型コロナウイルス感染の重症患者に糖尿病や肺の疾患を持っている人が多いことが報告されています。現在、結核がリスク要因とは報告されていませんが、結核予防会結核研究所名誉所長の森亨氏は「結核患者の約20%が糖尿疾患を患っており、結核も(新型コロナウイルスの)リスクファクターといえる」と指摘されています。

タバコも同様です。新型コロナでも喫煙者は重症化すると報告されていますが、結核も喫煙者の発病率が高いことが明らかになっています。

結核を発病した患者が新型コロナウイルスにかかったとき、重症化する可能性が高くなるのは自明の理といえるでしょう。

保健所は国、自治体の結核対策の「見張り番」です。患者を診察した医師は保健所に届けることが義務付けられており、保健所は患者を登録して、感染の恐れがある接触者の検診や指導を行っています。現在は、新型コロナウイルス対応で人的リソースがとられている状況でしょうが、これまでのこうした保健所のノウハウも新型コロナ対応で生かされているのではないでしょうか。(杉)

posted by resultsjp at 00:28| Comment(2) | 情報