2020年05月03日

新型コロナウイルス対策:ヘルスセンターの様子

ケニアでも新型コロナウイルスのまん延が深刻な影響を及ぼしています。
5月1日付の朝日新聞「私の視点」でも様子を紹介させていただきました。

今日は、ヘルスセンターの様子をご紹介したいと思います。
朝8:00には予防接種を受けたいお母さんで待合所がいっぱいになります。
キャパシティの問題で、予防接種は先着20人しか受け付けられません。そのため、スタッフが説明を行いますが、中にはなかなか聞いてくれないお母さんもおり、毎日のように押し問答が起こります。私も人員整理のお手伝いをしています。

人がいっぱい.jpg

これが政府から届いた防護服です。
防護服.jpg

スタッフが感染すると、ヘルスセンターは閉鎖されてしまうため、皆さん衛生管理には十分気を付けています。
ヘルスセンターは3月13日の公式発表後、すぐに衛生用品を注文しましたが、実際に品物が届いたのは1か月後。
今も物資不足に悩まされています。

検温の様子.jpg

ヘルスセンター利用者はマスクの使用が義務付けられており、必ず検温を行います。
熱のある利用者は隔離され、医師の診断を仰ぎます。

ソーシャルディスタンス.jpg

院内感染を防ぐために、1.5メートル以上の距離を保ち、順番待ちをしてもらいます。

さあはじめるよ.jpg

ヘルスセンターでは定期予防接種を無料で行うことができます。Gaviワクチンアライアンスの支援で行われています。

ロタ.jpg

ロタウイルスのワクチン接種中です。

ピピ泣いとる1.jpg
6か月、10か月、14か月、9か月、1年8か月…など、年齢にわけて、それぞれの子どもに必要なワクチンを提供します。

めっちゃ泣いとる.jpg
やっぱり泣き出す子どもたち。
みゃーみゃー.jpg
小さい子は足にワクチンを打ちます。

この子は泣いてない.jpg
ヘルスセンターの人員不足で、今は1人の看護婦さんが全てワクチン接種を仕切っており、私も毎日補助としてお手伝いを行っています。Gaviの支援のお陰で、多くのカンゲミの子どもたちの命が救われています。
医療体制が脆弱な上、未曽有のウイルスの影響で、通常の医療サービスの継続が難しくなっているスラム街のヘルスセンター。どうやって1人でも多くの子どもがワクチンを接種でき、健やかに暮らすことができるか?私もできることをお手伝いしていきたいです。
(かめ)
posted by resultsjp at 16:55| Comment(2) | 情報

高木兼寛(たかきかねひろ)の脚気対策、イギリス医学対ドイツ医学 〜「白い航跡」

昨日、日本リザルツでは読書会が行われました。私がその時に用いたのは、吉村昭著「白い航跡」です。本書を紹介くださった味の素ファンデーションの栗脇様、ありがとうございました。とても面白い本です。
以下、私が作成した感想文を共有します。


「白い航跡」

「白い航跡」は高木兼寛(たかきかねひろ)という医師の一生を描いた歴史小説である。高木兼寛は脚気の予防法を確立した人物として知られている。戊辰戦争に医師として従軍した高木兼寛は自身の未熟さを痛感し、日本とイギリスにおいて最新の医学を修めた。イギリスから帰国後、当時日本で大きな問題となっていた脚気の対策に取り組んだ。

脚気の原因は栄養バランスの崩れにあることに高木は着目した。海軍の軍艦がサンフランシスコやシドニーに停泊している時に脚気の患者が出なかったのは、現地に上陸した乗組員が洋食を口にしたからであり、反対に、日本へ戻る航路で脚気患者が多発したのは船上で和食を食べるようになったからではないかと推測した。高木が留学したロンドンの病院には脚気患者が一人もいなかった。日本人は炭水化物の摂取が多い反面、肉食を嫌うためにタンパク質を十分に摂っておらず、それが脚気の原因になっていると、高木は仮設を立てた。

高木は海軍において兵食の洋食化を試みた。しかし、当初は、兵士が洋食になじまない、経費が増大するなどと強い反発を受けた。その後、周辺の人々を説得し、遠洋航海に洋食を導入することに成功した。高木はその航海において脚気による死亡者をゼロとすることに成功した。同じ航路において前回は23名が脚気により死亡していたので、凄い効果である。一方、高木は海軍にパン食を導入したかったが、結局、食習慣や経費増大の問題からそれを諦めた。その代わりに麦飯を導入した。これらの改革により、海軍は脚気を根絶することに成功した。

海軍における脚気の激減・根絶は陸軍にも伝わっていたが、陸軍は同じ対策方法を取り入れなかった。陸軍は、脚気は伝染病によるものと考えていたため、環境の良い涼気の流れる場所に療養所を設けるといった対処をしていた。主食は白米とした。実際には、陸軍においても現場では白米に麦を混ぜることにより脚気を激減させることに成功した例があったが、それは同時に現場と中枢部との間に軋轢を生んだ。そのため、日清戦争においては、陸軍では脚気によって3944名もの軍人が死亡した。これは戦死・戦傷死者合計の3倍以上という数値であった。同じ時、海軍における脚気の死亡者は1名だった。

高木兼寛は1920年4月に没した。その10年近く前に、鈴木梅太郎がオリザニンを発見した。ほぼ同時に、ポーランドのフンクが同種のものを発見し、ビタミンと名付けた。欧米各国においてビタミンの研究が進んだ。日本では、高木が没した翌年に大森憲太が人体実験を行い、ビタミンBの注射及び栄養バランスの取れた食物により重症の脚気患者を平癒させることに成功した。その後も大森は追試を重ね、これにより脚気の原因がビタミンB欠乏であることが揺るぎないものとなった。高木が没して5年後、学識経験者による臨時脚気病調査会は、脚気がビタミンB欠乏によるものであると断定した。

私はこの物語を読み、イギリス医学対ドイツ医学の対立に興味を持った。イギリスで医学を修めた高木兼寛が臨床を重視したのに対して、ドイツ医学の流れを汲む陸軍は、基礎医学・研究を重視した。陸軍は、高木の食物原因説には学問の理論的裏付けがないとした。陸軍軍医の森林太郎は、麦よりも白米の方がタンパク質を多く摂取できると言って反論した。また、海軍における脚気患者の激減を単なる偶然のものとして考えた。この時、私は「疫学の父」と呼ばれるジョン・スノウ(1813年−1858年)の話を思い出した。イギリス・ロンドンの井戸水がコレラの感染拡大の原因であると推測したスノウは、井戸を使えなくすることにより、コレラの感染拡大を防止した。当時、コレラ菌と呼ばれるものは発見されていなかった。井戸を使えなくした結果、コレラの拡大を防ぐことはできたが、その因果関係は、厳密な意味では分かっていなかった。それが分かったのは随分と後になってからのことだった。脚気の原因として窒素・炭素比率に着目した高木の説は厳密な意味では違っていたのかもしれないが、実際に試してみて、効果があるか判断するという、高木兼寛のイギリス式医学の介入により海軍の脚気が激減したことは事実である。

posted by resultsjp at 15:48| Comment(2) | 栄養

朝日新聞「私の視点」ケニア駐在員・長坂優子

2020年5月1日(金)の朝日新聞朝刊「私の視点」に、ケニア駐在員・長坂優子が書いた文章が掲載されました。
現地の様子を皆様に知っていただきたいとこの文書を作成したそうです。

今回の記事の中、長坂は「アフリカでの新型コロナウイルスの感染拡大が、通常の医療サービスの提供にいかに深刻な影響を引き起こしているか、まず現状を知ってほしい」と、ケニア・ナイロビ市のスラム街から訴えています。現地にいるからこそ知り得る情報が詰まっています。

子どもたちに対する予防接種のこれ以上の遅延を避けることができればと、私も願っています。

皆様もご一読くださいませ。

M



朝日新聞 視点 200501.jpg
続きを読む
posted by resultsjp at 15:11| Comment(2) | コロナ国際事情

妖怪アマビエの金太郎飴

妖怪アマビエの金太郎飴がテレビのニュースで取り上げられていました。

動画を共有いただいたので、リンクを載せさせていただきます。
動画はこちらから → 動画

金太郎飴本店様は、厄除けの妖怪がデザインされたこの飴を、コロナ退散の願いを込めて作られました。アマビエは半人半魚の妖怪です。江戸時代に肥後の国・熊本に現れ、「病が流行ったら私の写し絵を人々に見せよ」と告げたとの言い伝えがあります。

さて、日本リザルツは、過去に金太郎飴本店様にお世話になりました。昨年のTICAD7(第七回アフリカ開発会議)では、「金太郎飴で世界平和を実現する」 というテーマでつくられた飴を、本会議でお配り頂くなどのご協力頂き、お陰さまで、多くのアフリカの方々に飴と笑顔を届けることができました。

今回のアマビエ飴も大変美味しかったです。皆様もアマビエ飴で厄除けを!

M

1.png


続きを読む
posted by resultsjp at 14:36| Comment(2) | 情報