2020年06月10日

新型コロナと貧困のパンデミック、国際連帯税>寺島講演会を前に考える

寺島実郎さん講演会が来週月曜日(15日)に開催されますが、寺島さんが直近にテレビ出演したのが日曜日(7日)のTBS「サンデーモーニング」でした。寺島さんは過去この番組でしばしば「政策科学としての国際連帯税の必要性」を発言されてきましたが、今回その発言が出たのは番組の看板コーナーでもある「風をよむ」の時でした。

寺島さんの発言を紹介する前に、実は今回の「風をよむ」の内容が見事に時代を抉り出しているので簡潔に見てみたいと思います。まずタイトルは『貧困のパンデミック』でした。

1、「風をよむ・貧困のパンデミック」の骨子

1)  世界を揺るがす新型コロナ:現代社会がかかえる深刻な問題にも暗い影を落とす。そのひとつが黒人暴行死に抗議して全米各地に拡大している抗議デモ 

2)   デモの背景:いまだに繰り返される黒人差別だけでなく社会に広がる深刻な「格差」の問題

 ・新型コロナによる10万人あたりの死者数:黒人54.6人、白人22.7

 ・イングランドでも10万人あたりの死者数:貧困な地域55.1人、裕福な地域25.3 

3)中南米、難民キャンプなどで貧困層を中心に感染拡大が止まらず

・中南米カリブ地域で、今年中におよそ1370万人の「社会的弱者」が、コロナの感染拡大で、深刻な食料不足に陥る可能性(FAO

・経済への悪影響で、年内に貧困な状況に置かれる子どもたちが最大8600万人増加する恐れ(ユニセフ)

A中南米カリブ.JPG

B子どもの貧困.JPG

4)   深刻な「格差」の現状:ロックダウンが始まった3月中旬から11週間で

 ・失業保険の申請者数は4300万近くに増加

 ・億万長者(1000億円超の資産を持つ金持ち):5650億ドル(60兆円)と20%近く増加

  ⇒FRBによる大規模な金融緩和策が株価を押し上げ、富裕層の資産を大幅に増加

5)ローマ教皇フランシスコ(5月30日)

 「世界で『貧困のパンデミック』を終わらせるよう行動しなければ、新型コロナで困難なこの時間が無駄になってしまう」

Cフランシスコ教皇.JPG

6)問いかけ:コロナがもたらした「貧困のパンデミック」、それにどう立ち向かっていけばいいのでしょうか。

2、コメンテーターの寺島さんのコメント(骨子)

「実体経済がマイナスなのに株だけが根拠なき熱狂という形で上がっており、これはまさにマネーゲーム。その責任を取ってもらう。例えば株や為替取引に広く薄く課税し、その税収を感染症対策などの財源に充てていく、そのような政策科学としての国際連帯税を今こそ真剣に取り上げていくべき。目先の問題への対策だけではなく、問題の本質を解決していくという我々の発想が必要だ」

 寺島実郎.JPG

3、コロナと貧困のパンデミック、どう立ち向かうか

「金持ちはより裕福に、貧しい人は貧しいまま(orより貧しく)」というのが、従来言われてきたグローバリゼーションの「格差・不平等の拡大」という負の影響でした。ところが、今回の新型コロナ禍による突然の経済活動の停止と莫大な金融緩和により、この格差が何倍、何十倍にも際立って顕在化しています。

経済・所得の格差は、貧しい人々にコロナ感染者・死者を増加させ、コロナウイルスの前に人々が平等ではないことを刻印しました。

このようなコロナと貧困のパンデミックに立ち向かう政策の一つが、国際連帯税です。その有効性と可能性につき、6月15日の寺島さん講演会でともに議論できればと考えます。


posted by resultsjp at 16:15| Comment(2) | 国際連帯税の推進