TICAD8が8月27日、28日にアフリカのチュニジアで開催される予定です。
ただ、政府と企業の反応は芳しくないようです。
1993年から計7回開催されてきたTICADは、日本政府が主導で国連開発計画(UNDP)や世界銀行と共同で開催し、アフリカ諸国がオーナーシップをもって発展し、かつ国際社会がそのパートナーとして協力するという体制をめざす会議でした。
しかし、現在では多額のODAを必要とするアフリカ支援は政府と国民共に評判があまりよくなく、中国のようなアフリカに大金を投資する国がある状況ではアフリカ諸国に投資をする意義が見えづらくなってきています。実際に「TICADはもう終わりにしたい」という声も政府関係者から聞かれるようです。
資本拠出が鈍くなるアフリカ開発ですが、アフリカの人口は2050年には世界の約25%(24億8900万人)を占めるといわれ、アフリカは今後支援の対象からビジネスの場になることが世界では期待されています。日本が中心となりアフリカ開発を行い始めた1993年の状況とは打って変わって、現代では日本以外の先進国が積極的にアフリカ進出を行っています。例えば、現在アフリカに進出する日本企業は未だに約500社であり中国の2500社、米国の2000社、フランスの1100社と比べ、日本のアフリカ進出が大きく遅れていることを示しています。
日本が最初にTICADを開催してから約30年が経とうとしています。しかし、未だに無くならない汚職や紛争、整えられないビジネス環境、中国のような多額の投資をする国の登場など、日本のアフリカ開発は苦難を極めています。しかしこのような状況において私は、日本は保健分野やインフラ分野など、今後は日本の得意な分野でアフリカ開発に取り組んでいくべきではないかと思います。
すべての分野で支援を幅広く行おうとするのではなく、分野ごとに資金の投入方法を見直し、今までの支援に変化をつけ、目に見える結果を出すことで現状を打破できるのでないかと考えます。
日本のアフリカ開発の要でもあるTICADを打ち切り、世界からアフリカ開発に遅れを取る前に、日本は政府だけでなく民間も併せて再びアフリカ開発の方法を熟考する必要があるのではないでしょうか。
(M)
参考:日本経済新聞:TICADあと2回? 最後の巨大市場「アフリカ」の攻略法(2022年6月10日)
posted by resultsjp at 00:35|
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