2022年09月03日

NHKニュース:日本、「結核低まん延国に」

本日NHKで日本が結核低まん延国になったと報道されていました。

報道はこちらを参照:

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220903/k10013801461000.html 

それによりますと、去年1年間に国内で結核と診断された患者は1万1000人余りで調査開始以来、最も少なくなったことが厚生労働省のまとめで分かりました。人口10万人当たりの患者の数を示す「り患率」は9.2人で初めて10人を下回り、WHO=世界保健機関が定める「結核低まん延国」になりました。

厚生労働省によりますと、去年1年間に国内で結核と診断された患者は1万1519人で前の年から1220人減り、調査を始めた昭和26年以来最も少なくなりました。
年代別にみますと、80代が3440人と最も多く、次いで70代が2241人、90歳以上が1633人などと70代以上が全体のおよそ6割を占めています。
死亡した人は1844人で前の年より65人減りました。


ただ、集計に携わった結核予防会結核研究所の加藤誠也所長によりますと、新型コロナウイルスによる病院の受診控えの影響で、潜在的な患者がいる可能性もあり「ただ減ってよかったではなく、慎重な見極めが必要だ」との指摘が出ています。


日本では明治時代以降に工場労働者が急増したことなどが影響して、明治から戦前にかけて、結核は「不治の病」「国民病」などと揶揄され、1970年代の後半まで、日本人の死因のワースト10に入っていました。

昭和26年に結核予防法が成立し国をあげて対策が進められたことや、抗結核薬が使えるようになったことで、昭和40年から昭和50年代前半にかけて「り患率」は大きく減少しました。


結核の推移8.30 -朝日新聞ー.jpg


日本リザルツは、予てより結核対策に取り組んでいます。日本の結核はもちろん、世界の結核の現状からも、目が離せません。かつて多くの日本国民の命を奪った感染症が、日本はもとより世界で減少し、みんなが健康に暮らせるといいですね。

(参考)

朝日新聞(830日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220903/k10013801461000.html (NHK放映)

http://resultsjp.sblo.jp/article/189782908.html(リザルツブログ)

(k)

posted by resultsjp at 22:49| Comment(1) | 情報

金子 宏先生ご逝去、国際人道税を提唱した先駆者

金子先生スピーチ(2019年2月).JPG

日本の租税法のオーソリティーであり、かつ税制に基づく国際援助資金調達のスキームである国際人道税を提唱した金子 宏・東京大名誉教授が去る8月23日にご逝去されました。91歳でした。報道は「課税要件の理論的解明という課題に取り組み、租税法学の基礎を築いた。2018年に文化勲章受章」(共同)と述べています。

国際人道税ですが、広く知られるようになったのは200683日付日本経済新聞の経済教室に「人道支援の税制創設を 国際運輸に定率で」と題した先生の論考が載ったことです(すでに1998年に発表済み)。私たちは先生の提唱する人道税は航空券連帯税そのものではないかと驚き、早速連絡を取らせてもらい、翌年先生の講演会を開催しました。以降、国際連帯税の節々のイベント等に先生に出席していただき、先生の熱い人道税=連帯税への想いを語っていただきました。

金子先生は租税法のオーソリティーであり、従って学のみならず政官財に余多の門下生を送り出しています。しかし、先生のヒューマニティ溢れる国際人道税等の理論を引き継ぐ人士が出ていないことを本当に残念に思います(ただ解説する先生はいますが)。

ともあれ、国際人道(連帯)税を学問的に裏付けし、さらに推進しようとした先生の功績は大なるものがあります。日本ではまだ実現していませんが、先生のご意志を受け継ぎ頑張っていきたいと思います。以下、3年前の金子先生のスピーチを送ります。

【金子宏先生のスピーチ】

2019225日「国際連帯税アドバイザリーチーム」立ち上げ会合に、昨年文化勲章を受章された金子宏東京大学名誉教授も駆けつけてくださり、参加者を激励しました(会場:日本リザルツ会議室)

ただ今ご紹介いただきました、金子でございます。予定の時間を過ぎて、遅れて参上いたしまして、大変失礼いたしました。ここに、先輩であり長年の友人である津島雄二さん(注:元自民党税調会長で国際連帯税創設を求める議員連盟の初代会長)がご一緒してくれました。昨年文化勲章を拝受いたしまして、非常に光栄なことと存じております。これは、租税法という法律、これは他の分野と比べると新しい分野でございますけれども、その分野の理論と体系を構築したということで、拝受いたしました。本当に光栄なことと存じております。

それから、今ご紹介がありました、国際連帯税に関しまして、私は国際人道税と呼んでおりますが、どちらも国際航空運賃に課税をするという点では共通でございます。1998年に日本の雑誌に国際人道税という名称で国際航空運賃に課税したらどうかという提案を含んだエッセイを書きました。そして、たまたま日本に来ておられたハーバード大学のロースクールのオールドマン先生に、こういうものを書いたと話しました。すると、国際航空運賃に課税するという提案は、まだ誰もしていないから、是非とも英語で発表するようにということで、早速アメリカのインターナショナル・タクゼーションに関する雑誌に掲載する手はずを整えてくださいました。私の拙い英語で英訳しましたが、オールドマン先生の弟子で、私の長年の知り合いのラムザイヤー教授が私の英語を見て、必要な訂正を施してくれて、ラムザイヤーさんが翻訳したくれたところ、見違えるほど内容が良くなりました。そして、それがアメリカの雑誌に載りました。

2006年でしたか、2000年代に入ってから、フランスの旧植民地の色々な人道問題を援助しているNGOを通じて、シラクさん(注:当時のジャック・シラク仏大統領)に対して強力に国際人道税を導入して、国際航空運賃に課税をすべきだと、そしてフランスの旧植民地においてマラリア根絶などの費用に充てる為に導入したらどうかと働きかけをしたようであります。シラクさんは最初反対しておりましたけれども、説得の結果導入されたようでありますが、フランスで導入されたものが、フランスの旧植民地に使うということで、UNICEFなど国際組織に寄付をするという私の提案とは違い、フランス政府の手で使うということになったようです。その後、いくつかの国と連帯して、共同で色々な事業に使っているようであります(注:UNITAID・国際医薬品購入ファシリティという国際機関を設立し、途上国の感染症対策のための医薬品等の購入を行う)。

私は、国際航空運賃というのはどこの国も消費税をかけることができないという理由で、つまり国外の消費でありますから、消費税の対象にならないためどこの国も課税してこなかったのでありますけれども、色々な宗教対立とか人種間の紛争とか、それによって子ども達が悲惨な目に遭っているという状況に照らして、今までどこの国も課税できないとして課税してこなかった国際航空運賃に課税をして、その税収をUNICEFに寄付して、UNICEFの手で色々な国でひどい目に遭っている子ども達の救済に充てたらどうかと考えた訳であります。

いくつかの国で、シラクさんが採用した国際連帯税という制度を採用している訳ですけれども、先ほど申しましたように、私の提案とは徴収した国が使うのか、それを国際組織に寄付をして国際組織の手で色々な、例えば国境なき医師団とか、国際的な活躍をしている、経験のある組織にお金を出してそしてそれを子ども達の救済に充ててもらうのかという違いがあるわけでありますけれども、私は今の国際連帯税がやがて税収を各国が使うのではなく、国際組織に使ってもらうというようになっていくといいなと考えています。

ですから、国際連帯税と国際人道税は決して違うものではなくて、私が同種の租税が将来的には徐々に国際人道税に発展してゆくことを期待している訳であります。国際連帯税に反対するわけではなく、むしろその発展に少しでもお役に立つことができればというふうに思っている次第でございます。歳を取ってしまいましたけれども、できる限りでご協力をしていきたいと思っております。ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)


posted by resultsjp at 17:02| Comment(1) | 国際連帯税の推進