2022年09月22日

気候脆弱国が炭素税、航空税、金融取引税などグローバル・タックスを要求


パキスタン(報道ステーション).JPG

写真はパキスタンの大洪水


920日から国連総会一般討論がはじまり、現在ウクライナ問題を軸に主要国が討論を行っています。一方、世界で最も気候(温暖化)危機に対し脆弱な国が、危機に対処すべく「損失と損害」についての文書を総会向けに準備しているとのことです。このことにつき英ガーディアン紙が報じていますので紹介します。


●気候変動「損失と損害」とは?


その前に、「損失と損害」について簡単に説明します。気候変動に関する途上国支援としては2つあり、それは温室効果ガスの排出削減のための緩和策と気候変動影響への適応策です。ところが、近年の気候危機は途上国が適応できる範囲を超えて、大干ばつや大洪水など甚大な被害をもたらしつつあり、途上国は「損失と被害」への補償も先進国に求めてきました。温室効果ガス排出が圧倒的に少ない途上国が、主に先進国からの温室効果ガス排出によってもたらされている気候危機の最大の被害者となっているからです。


この「損失と被害」について昨年のCOP26でようやく主要議題の一つとなり、脆弱国は具体的な支援につながる何らかの機関・基金の創設を求めましたが、合意できませんでした。ただ今後もこの実現に向けて協議を続けるということになり、今年のエジプトで開催されるCOP27では「損失と損害の基金の創設と資金動員」が突っ込んで議論されると思います。


そこで前もって国連総会という場で、島が沈んでしまう危機を有する島嶼国等の脆弱国が「損失と損害」に関する資金動員を図るための討論文書を用意しているということです。


●ガーディアン紙の記事 


【脆弱な国々は、気候がもたらす損失と損害の代償としてグローバル税を要求する】

−貧しい国々は、化石燃料の大口使用者と航空旅行に対する「気候関連および正義に基づく」課税を検討するよう国連に要求した。
世界で最も脆弱な国々は、気候危機によって被る回復不能な損失に対して、化石燃料や飛行機への新たな課税を含む緊急の資金調達を要求し、富裕経済圏に対抗する準備をしていることが、リーク文書で明らかになった。


異常気象はすでに多くの発展途上国に大きな打撃を与えており、さらなる大災害を引き起こすと予測されている。損失と損害、つまり、気候破壊の最も極端な影響に苦しんでいる貧しい国々をどのように支援するかという問題は、気候交渉で最も論争になっている問題の一つである。


世界で最も脆弱ないくつかの国は、今週の国連総会での議論のためのペーパーを準備した。それによると、貧しい国々は、発展途上国が被った損失や損害に対する支払いを賄う方法として、「気候関連と正義に基づく」グローバルな税の要求のための準備をしているようだ。


その財源は、世界的な炭素税、航空旅行への課税、船舶が使用する汚染度が高く炭素集約的なバンカー燃料への課税、化石燃料採掘への追加課税、あるいは金融取引への課税によって調達される可能性がある。


討論文書では、それぞれの利点と欠点、そして世界銀行、国際通貨基金といった世界の開発銀行や民間セクターを通じて富裕国から資金を調達する選択肢を指摘している。


損失と損害の資金調達に関するすべてのオプションは、化石燃料の価格が高騰し、食糧価格が上昇し、世界中で生活費が危機的状況にある今、富裕国が同意することは困難であると思われ、…中略…(さらに)ロシアのウクライナ侵攻以降の地政学的な激動の中で、今年の協議はより険悪なものになりそうだ。


…中略…

アンティグア・バーブーダの国連大使で、小島嶼国連合の議長を務めるウォルトン・ウェブソン氏は、次のように述べた。「私たちは、負債と破壊の恐怖におびえることなく生きる資格があります。私たちの島々は、私たちが引き起こしたのではない危機の最も重い負担を負っており、専用の損失および損害対応基金を緊急に設立することが、持続可能な復興の鍵になります。私たちは、年を追うごとに極端になっていく気候の影響を経験しているのです。


全文はこちら⇒


Vulnerable countries demand global tax to pay for climate-led loss and damage

※写真は、テレ朝「報道ステーション」より
(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事) 
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新型コロナウイルス後の観光 SDGsの波

2022年9月22日の日本経済新聞に、観光でもSDGs(持続可能な開発目標)や多様性の確保を据え始めたとする記事が掲載されていました。


日本政府は、新型コロナウイルスの感染収束を見据え、海外からの観光客の受け入れ拡大を打ち出す一方、観光客が急増すると環境や固有の文化への影響が懸念されています。各国は観光でもSDGsや多様性の確保を政策の柱に据え始めました。

米商務省は6月、訪米旅行者数を2027年は19年より13%増やす観光促進戦略をまとめています。米経済においても観光業の存在は大きく、20年の米GDPの落ち込みのうち56%を旅行・観光業の減少が占めています。戦略の4つの柱のうち、目を引くのが「持続可能な観光業」を強く打ち出しています。例えば、ハワイ州では森林の保全や海岸の清掃にボランティアで加わる観光客に、地元の観光協会が割引などのサービスを提供する。地元住民の負担だけでなく、観光客の体験も環境を守る活動につなげようとしています。また、観光でも温暖化ガス排出量を30年までに5割減らす目標への貢献を明記しています。

米旅行協会によると、コロナ禍前には旅行者の80%が自動車で移動しており、電気自動車(EV)への移行を促す必要があるとしています。75億ドルかけて、EVの充電設備を全国に50万基設ける計画もあります。

観光で多様性や持続可能性を重視する考えは「サステナブル・ツーリズム」と呼ばれ、地域の文化や自然環境に配慮し、観光地本来の姿を残すことが外国人の満足度にもつながるとしています。オーストラリアは、アボリジニなどの先住民族のコミュニティと協力し、独自の歴史や文化を体験できるツアーの拡充などを進めています。フランスは、ホテルの格付けで環境対策を評価に加えることを盛り込みました。

今後の日本も含め、各国の観光SDGs戦略に注目していきたいと思います。

(S)
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岸田総理がグローバルファンド増資会合で10.8億ドルの拠出表明

ニューヨークを訪れている岸田総理は、アメリカが主催した、エイズ・結核・マラリアの3大感染症対策に取り組む基金への増資を検討する会合に出席し、日本として、今後3年間で最大10.8億ドルを拠出する考えを表明しました。


岸田総理は「新型コロナの感染拡大から教訓を得て、感染症対策や将来のパンデミックへの備えの強化がますます重要となる中、バイデン大統領が会合を主催したことを高く評価する」と述べました。そして、「われわれの目標は、2030年までに三大感染症を収束させることであり、達成に向けて、国際社会のすべての関係者が力を結集することが必要だ。グローバルファンドの活動に日本政府や関係機関がより強いリーダシップで意思決定に関与し、一層貢献できるよう取り組んでいく」と決意を示し、日本として10.8億ドルを拠出する考えを明らかにしました。


グローバルファンドは今回の第7次増資プロセスにおいて、前回の第6次増資の目標額が140億ドルより、27.6%増の180億ドルを目標としていました。日本の誓約は、前回の8.4億ドルからちょうど28.6%増の金額となっており、国際的な要請にしっかり応えたものとなっています。


報道はこちらを参照:

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013830511000.html


首相官邸のサイトから岸田総理のスピーチ全文が見られます。
外務省の公式発表はこちらを参照:

日本のサポートに世界各国のパートナーからも感謝の声が寄せられています。今後、さらに日本のイニシアチブがこの分野で発揮されることを期待しています。

(ぽにょ)

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自己紹介:インターンの佐藤です

はじめまして。
本日から東京事務所でインターンとしてお世話になります、佐藤明音(さとうあかね)と申します。
インターンでは、多様な立場や国籍の方々との出会いを通して視野を広げてきたいと考えています。
また、お恥ずかしながら、あまり働いた経験もないので、インターンを通してどのような仕事をしていてやりがいや楽しさを感じるかなど自分自身をより深く知る機会になればと思います。アドボカシーやNGOについても実際にどういったものなのか学びたいです。

よろしくお願いいたします。

(S)
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