先月、G7財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれ、2023年のウクライナに対する財政経済支援を総額390億ドルに増やすことで合意をしたことは日本リザルツのブログでご紹介させていただきました。
会議の概要はこちらのブログを参照:
http://resultsjp.sblo.jp/article/190196219.html
一部報道で会合後の記者会見の様子が取り上げられており、詳細が気になっていたのですが、財務省のHPでも記者会見の様子が更新されたので、詳細をご紹介したいと思います。会見に出席したのは、鈴木俊一財務大臣兼内閣府特命担当大臣、黒田東彦日本銀行総裁、そして、神田眞人財務官です。
会見冒頭で、鈴木大臣は以下のように述べました。
鈴木大臣:…ウクライナ支援については、2023年の喫緊の資金ニーズへの対応に取り組んでいます。日本としても、本日の会合で、ウクライナに対して新たに55億ドルの財政支援を行うことを表明いたしました。
具体的には、世界銀行を通じた財政支援グラント5億ドルに加え、国会の承認を頂くことが必要ではありますが、世銀への信用補完を通じた50億ドルの財政支援ローンを実施いたします。
またこの件に関して、記者から「追加支援の狙い」について問われると、鈴木大臣はウクライナの財政ギャップは予てより議論されていたとした上で、以下のように述べました。
鈴木大臣:…G7全体で、2023年のウクライナ向け財政経済支援額のコミットメントの総額、これは390億米ドルということでございますので、その中で議長国として日本の55億ドルの財政支援というものは非常に大きく貢献をしているのではないかと、このように思います。各国、まだきちっと個別に幾らと言える段階ではないということでございましたので、ただ、総額としては390億米ドルということは発表させていただいたんですけれども、日本について言えば50億ドル、それに5億ドルを加えてですけれども、これは岸田総理が既に表明した数字でございますので、日本は個別具体な数字を発表させていただいたということであります。やはり議長国として、こうした財政ギャップを埋めることについて、その役割をやっぱり示さなければいけないという思いもございます。
G7財務大臣・中央銀行総裁会議議長国記者会見の概要(2023/2/23)
https://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20230223.html
この会議にはウクライナのマルチェンコ財務相もオンラインで参加し、共同声明を採択。ウクライナへの支援の継続とロシアへの制裁をG7が結束して行うことを再確認しました。
ロシアのウクライナに対する侵略戦争とその世界経済への影響に関するG7 財務大臣・中央銀行総裁声明(仮訳)はこちらを参照:
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/convention/g7/g7_20230223_1.pdf
会見内で出てきた「世銀への信用補完」についてですが、日本政府は10日、「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定しており、今国会で審議がなされています。
「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」の説明を参照:
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/211diet/i20230210g.html
予てより、ODAや国際協力に関して「機動的な予算確保」ができるよう、アドボカシーを続けてきた日本リザルツ。法案が閣議決定されたことを受けて、新・積み木ペーパーを作成したばかりです。
こちらが左バージョン
こちらが右バージョン。皆さんはどちらがお好きですか?
今国会で法案が可及的速やかに成立することを期待しています。
(ぽ)