2023年03月09日

GGG+フォーラムを終えて


3月5日(日)、GGG+フォーラムを開催いたしました。無事に会を終えることができたのは、会合の事前準備や当日の会合運営など、お手伝いいただいた皆様方のお力添えだと実感しております。スタッフ・インターン一同、改めて御礼を申し上げます。

また、このフォーラムに関心を持っていただき、お休みにも関わらず、ご参加いただいた多くの皆様にも重ねて感謝を申し上げます。

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日本リザルツ応援団、建築専門家の藤波慎吾様にご作成いただいた大凧


GGG+フォーラムは今回で9回目の開催となりました。

私が見て感じたこれまでのフォーラムと異なるのは、先人から学ぶということを強調した点と、学生などの若い世代を全面に押し出した点だと思います。


第1部は、「国際人道税の志(金子宏先生を偲んで)」というテーマで、租税法の創設者である金子宏先生の功績を踏まえ、国際連帯税の元となった国際人道税に立ち返った議論が行われました。金子先生は現代税制の所得税・法人税の基礎研究に誰よりも早くから取りかかられ、後に財務官僚や金融界などで活躍する学生の人材育成にも尽力されました。2018年に文化勲章を受章されました。


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文化勲章の際に日本リザルツがお渡しした色紙

実は、第4部でご発言いただいた財務省財務官の神田眞人様は大学時代に金子先生のゼミで学ばれたそうです。神田様には第4部の冒頭で「このままだと人類がバラバラになってしまうが、一方でまだまだ人類は前に進むことができる」と人類存続に関して、自身の責任について非常に力強いスピーチをされ、場内を圧巻しました。尚、神田様は昨年末からの為替介入など激務が続いており、お話の中では、この1か月、3時間以上寝ていないというウラ話も飛び出しました。神田様の師である金子宏先生が人類益の発想に基づく国際人道税を提唱されたことが、今、神田様が人類存続という視点に立って公務を全うされていることにつながっているのだと感銘を受けました。


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第2部のパンデミックセッションは、副題に「島尾忠男先生を偲んで」と冠された通り、結核疫学における先駆者、結核予防会名誉顧問の島尾忠男先生の志について学びました。島尾忠男先生は日本リザルツの理事長も務められたことがあります。


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島尾忠男先生と秋野公造副大臣の著書:まだ終わっていない弱者の病・結核


第2部でGHITファンドの國井修CEOは「島尾先生から、グローバルで戦う、最新の技術、知識をアップデートする、ビジョンを持つ、この3点を教えていただき、胸に刻んでいる」と発言されました。長年感染症抑止の最前線で活躍される國井先生の原点に島尾先生の言葉があったことを知り、その影響力の強さを実感しました。


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白須理事長、山本尚子前WHO事務局長補、GHIT ファンド國井修CEO


第3部の栄養セッションは、日本栄養士会会長の中村丁次先生にモデレーターを務めていただきました。現在の日本の栄養政策の基盤を作られた中村先生からは、「Japan Nutrition」=日本の栄養政策の変遷とその功績についてお話をいただきました。


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国際連帯税、結核、栄養と分野は違いますが、取り組みや志の原点がどこにあったのかを知ることは非常に重要です。今、行っている活動の全ては先人たちの努力があってこそ成り立っているということを認識することで、未来につながる道が続くのではないかと感じます。


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会場での書籍販売:左から、食卓から地球を変える、天井のない監獄 ガザの声を聴け!、人口問題と人類の課題


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左から、まだ終わっていない弱者の病・結核、ガザ 戦争しか知らないこどもたち


そうした先人、先駆者の思いや志を、若い世代がしっかりと受け継いでいくという意味も込めて開催されたのが、第6部です。ここでは、「学生との未来への対話」と題し、学生中心のセッションが行われました。

202012月のGGG+小フォーラムでも、何名かの学生に発言していただく機会がありましたが、今回は100名を超える学生の皆様にお越しいただき、社会課題に対する忌憚なき意見を専門家の方に届けていただきました。

学生は、社会を担う一構成員だという意識を持ちにくいかもしれません。しかし、社会課題の解決を仕事にする人たちと学生との意見交換は、共に行動を起こせると思うきっかけになったのではないかと感じています。


先人から志を継承し、若い世代へとそのバトンを渡していくといった点からも、以前よりも増して、将来世代への責任を果たそうとする9回目のGGG+フォーラムとなったのではないかと思います。


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昼食のカレー、唐揚げ、稲荷ずしなど


今回の会合の準備、運営は大学生インターンの赤沼さんと渡邊さんが中心となって行われました。イベント準備を通じて変わっていくお二人の姿に、私も日本リザルツで働き始めた頃の初志を大切にしていこうと決意を新たにいたしました。


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いつも温かく見守っていただいている皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。将来世代への責任を持つ会合として、今後もGGG+フォーラムを続けてまいりたいと思います。

今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。


そのっち

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GGG+フォーラム「誰一人取り残さない持続可能な社会構築のために〜私たちは国境を越えて連帯できるのか?〜」開催報告【後半】

3月5日(日)にGGG+フォーラム「誰一人取り残さない持続可能な社会構築のために〜私たちは国境を越えて連帯できるのか?〜」を開催しました。ここからは後半部分の開催報告をお伝えします。


第4部では、「TICAD8からTICAD9へ、日本とアフリカの新たな関係とは」という題で、日本とアフリカの新たな関係、支援から共生に向けた新しいパートナーシップの在り方について議論が行われました。モデレーターは、味の素株式会社の黒岩卓様に務めていただきました。

冒頭、日本リザルツインターン生による代読で、日本・アフリカ連合友好議員連盟会長/世界銀行国会議員連盟顧問で衆議院議員の逢沢一郎先生からのメッセージが紹介されました。また、衆議院議員の輿水恵一先生よりご挨拶を頂戴しました。

財務省財務官の神田眞人様からの世界の問題解決に向け、全力で行動されているお話には重みがありました。

続いて、民間や研究機関、官庁の専門家の皆さんからお話を頂戴しました。日本の今までのアフリカ開発における取り組みやこれからの課題について、議論が活発に交わされました。

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味の素株式会社 黒岩卓様

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財務省財務官 神田眞人様

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日本・アフリカ連合友好議員連盟会長/世界銀行国会議員連盟顧問 逢沢一郎先生メッセージ

日本リザルツインターン代読

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NECグローバル事業推進統括部部長 前川健太郎様

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住友化学株式会社顧問 西本麗様

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味の素株式会社特別顧問 西井孝明様

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上智大学地球環境研究所リサーチフェロー 榎本雅仁先生

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JICA上級審議役 窪田修様

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衆議院議員 輿水恵一先生

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外務省特命全権大使(TICAD担当) 清水信介様


第5部では、「現場の有識者による緊急報告」と題し、現場の最前線で活躍している方々からお話をお伺いしました。紛争や難民問題が存在し、2月6日の大地震で大打撃を受けているシリアやパレスチナで、医療活動を通し、人命救助に奮闘されているUNRWA保健局長の清田明宏先生、パレスチナ医療奉仕団団長の猫塚義夫先生からお話を伺いました。

清田先生は、ちょうどガザで活動をされており、オンラインでの参加となりました。

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UNRWA保健局長 清田明宏先生

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パレスチナ医療奉仕団団長 猫塚義夫先生


後半は、「ワクチンの未来を考える」というテーマのもと、国立国際医療研究センター国際感染症センター長の大曲貴夫先生、武田薬品ワクチン事業部部長の今川昌之様よりお話を伺いました。

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国立国際医療研究センター国際感染症センター長 大曲貴夫先生

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武田薬品ワクチン事業部部長 今川昌之様


現場の生の様子をひしひしと感じ取ることができ、皆さん真剣に聞かれていました。


第6部は「学生との未来への対話」です。ここでは、専門家の方々と学生のディスカッションが行われました。

モデレーターの平林国彦先生を中心に、「富の偏在を防ぐために何ができるのか?」、「ボーダレスなパンデミックに対して、我々はどう戦うのか?」「食と栄養の未来を守るために何が必要か?」「日本とアフリカ、共生への道筋は?」という4つのテーマに沿って、議論しました。


学生からは多くの意見や質問が飛び出しました。ジェンダーや弱者の側にたった視点、具体的な政策に関する視点など、学生らしい新鮮なコメントが多く出ました。


学生の方々

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専門家の方は、一つ一つの意見に対し、ご自身の経験を交えながら丁寧に応答されていました。メモを取ったり、再度質問をしたりして、考えを深める学生の皆さんの姿が印象的でした。

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JICA経済開発部、農業・農村開発第二グループ第五チーム課長 松井洋治様

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大阪経済倶楽部 阿部智貴様

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JCIEチーフ・プログラム・オフィサー  鈴木智子様

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日本医療政策機構 菅原丈二様

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外務省国際協力局地球規模課題総括課 上席専門官 中島健様

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DSM株式会社代表取締役社長 丸山和則様

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小田原屋 神田達治様

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セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシーマネージャー 堀江由美子様

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ポリオの会代表 小山万里子様

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学生 園田あかり様

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GHITファンド 堀内聡様

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ANAドローンプロジェクトディレクター 信田光寿様


世界銀行国会議員連盟事務局長の小田原潔先生、公明党副代表の古屋範子先生、元文部科学大臣で衆議院議員の下村博文先生からご挨拶を頂きました。先生方からはご挨拶はもちろん、学生の意見にも耳を傾けていただき、ご意見を頂戴しました。

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世界銀行国会議員連盟事務局長 小田原潔先生

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公明党副代表 古屋範子先生

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元文部科学大臣 下村博文先生


多岐にわたる意見や質問をうまく統合した上、理事長からの無茶ぶりにも難なく対応し、第6部をまとめ上げてくださったのは平林先生です。本当にありがとうございました。

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日本アセアンセンター事務総長 平林国彦先生


第6部の最後に、青山学院大学名誉教授の三木義一先生から総括を頂きました。

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青山学院大学名誉教授 三木義一先生

最後に日本リザルツインターン生の代読で山口那津男公明党代表のメッセージを紹介し、会は大盛況のうちに終了しました。

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公明党代表 山口那津男先生メッセージ

日本リザルツインターン代読


誰一人取り残さず連帯していくために何をすればよいか?様々な角度から議論ができた非常に有意義な会議となりました。私も様々な気づきや学びを得ただけでなく、多くの方の熱い思いに触れ、世界の問題を解決するために努力したいと気持ちを新たにしました。


会の成功の裏には、多くの方のご尽力がありました。この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。




くーぱ

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GGG+フォーラム「誰一人取り残さない持続可能な社会構築のために〜私たちは国境を越えて連帯できるのか?〜」開催報告【前半】

3月5日(日)にGGG+フォーラム「誰一人取り残さない持続可能な社会構築のために〜私たちは国境を越えて連帯できるのか?〜」がルポール麴町のロイヤルクリスタルにて開催されました。

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第1部では、「国際人道税の志(金子宏先生を偲んで)」とのテーマのもと、官庁、NGO、大学教授、学生に、国際人道税の意義や課題、改善点について講演をしていただきました。

冒頭では、谷本真邦様の代読で、衆議院議員/国際連帯税創設を求める議員連盟会長の衛藤征士郎先生のメッセージが紹介されました。

モデレーターは、世界連邦インターン生の池上慶徳様に務めていただきました。

最後に、白須理事長に突然指名された青山学院大学名誉教授の三木義一先生が、言語の壁が解消されつつある現代において、めげずに連帯していく重要性をお話くださいました。


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世界連邦インターン生 池上慶應様

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財務省主税局調査課長 河本光博様

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日本リザルツ理事 田中徹二様

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世界連邦インターン生

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谷本真邦様:衛藤征士郎先生メッセージ代読

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東京財団政策研究所研究主幹 渋谷健司先生

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創価大学法学部教授 前田幸男先生


第2部では、「パンデミックと向き合う〜結核との闘いから学ぶ(島尾忠男先生を偲んで)」と題し、政官学民の専門家の方々から、結核の現状やコロナウイルスといったパンデミックへの取り組みなどをお話しいただきました。

モデレーターは結核予防会の小野崎郁史先生に務めていただきました。

衆議院議員の三ツ林裕巳先生、同じく衆議院議員の吉田統彦先生にご挨拶を頂きました。医師としての視点も踏まえたご挨拶が印象的でした。


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結核予防会 小野崎郁史先生

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衆議院議員 三ツ林裕巳先生

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衆議院議員 吉田統彦先生

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ニプロ株式会社 吉田博様

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栄研化学株式会社 森安義様 

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厚生労働省大臣官房国際保健・協力室長 井谷哲也様

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GHITファンド CEO 國井修様

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慶應義塾大学准教授 野村周平先生

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東京大学教授 石井健先生


第3部では、日本栄養士会会長の中村丁次先生をモデレーターとして、「Japan Nutritionのこれから」と題し、今までの日本の栄養政策を踏まえたこれからの栄養政策、世界での取り組みについて議論が交わされました。産官学民、様々な視点での栄養問題についての取り組みが共有され、様々な角度から栄養問題へのアプローチが必要であると痛感しました。


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日本栄養士会会長 中村丁次先生

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農林水産省大臣官房総括審議官 高橋孝雄様

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東京財団政策研究所研究主幹 渋谷健司先生

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WHO前事務局長補/UN Nutrition前議長 山本尚子先生

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厚生労働省栄養指導室長 清野富久江様

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文部科学省大臣官房文部科学戦略官 水田功様

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味の素ファンデーション理事長 倉島薫様

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アサヒグループ食品株式会社 石井克明様

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世界銀行駐日代表 米山泰揚様



前半が終了しました。多くの方々にご参加いただき、様々な立場や視点が違う方々から非常に興味深いお話を伺い、大盛況のうちに終わりました。

私自身も初めてこうした議論の場に参加させていただきましたが、知らない事ばかりだと改めて実感しました。皆さんが原稿を見ずに悠然と語られる様を見て、専門家の方々の問題に対する真剣さ・知識の多さを感じることが出来ました。

また、UNRWA保健局長の清田明宏先生の「考える力」が極めて重要であるというの言葉から日頃から疑問を持って考えていく必要を再認識しました。私は将来、外務省専門職員として地域や語学のエキスパートとして社会に貢献したいと考えております。参加された専門家の方々のように一流の専門家になるべく、膨大な情報を一つひとつ整理して考え、自分のものに出来るよう精進していきたいと思います。


後半の第4部、第5部、第6部はこの後のブログで紹介します。皆さん、楽しみにしていてくださいね!



Watagashi

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