2023年03月22日

環境省:第4回ESGファイナンス・アワード・ジャパン開催

2023年3月22日付日本経済新聞 28,29,30面

220日に、環境省が創設したESGファイナンス・アワード・ジャパンの第4回表彰式が開かれました。ESGとは、環境(E:Environment)、社会(S:Social)、ガバナンス(G:Governance)の頭文字を合わせた言葉です。気候変動問題が深刻化する中、ESG要素を考慮した投資は、企業が生き残っていくための重要な考え方となってきつつあり、政府も積極的に支援をしています。直近では、政府が2月に「グリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた基本方針」を閣議決定したばかりです。


本アワードでは、「投資家部門」、「間接金融部門」、「資金調達者部門」、「金融サービス部門」、「環境サステナブル企業部門」の5部門に分けて、ESG金融または環境・社会事業に積極的に取り組み、インパクトを与えた団体が表彰されます。


今回は、受賞企業の取り組み紹介や、選定委員によるパネルディスカッションが実施されたそうです(企業・団体一覧は一番下に明記しています)。

環境省のプレスリリースはこちらを参照:

https://www.env.go.jp/press/press_01204.html


新聞内には各企業の取り組みやお話が掲載されていましたが、どの企業も、自社の利益創出と共に環境問題解決に寄与し、生まれた利益をさらに環境問題解決に使うという好循環を目指しているのだと感じました。


中でも印象的だったのは、Nippon Life Global Investors Europeでチーフディレクターを務める林寿和氏のメッセージです。林氏は、202210月には、ロンドンビジネススクールのAlex Edmans教授の「The End of ESGESGの終焉)」という論文に触れ、これは、もはや国際社会ではESGを考慮することが当たり前になっていることを体現していると指摘していました。エネルギー資源が乏しいと言われる日本企業は、環境問題への取り組みが少ないように見えるので、世界から後れを取らないようにしないといけないのではないかと痛感しました。


また、アセットマネジメントOne運用本部責任投資グループエグゼクティブESGアナリストの櫻本恵氏の「ESGが目的化してはいけない」という言葉にも共感しました。ESGが目的化すれば、人間の幸福という観点が抜け落ち、企業の発展が最重要視される今までと同じ轍を踏むことになります。利益を生み出すために活動するがゆえに、利益にばかり目が向きがちな企業だからこそ、ESGにおいて、その目的がどこにあるのかを常に意識しなければならないと感じました。


日本は、再生可能エネルギーへの移行などに対して産業界からの根強い反対もあることは耳にしています。しかし、こうした取り組みを通じて、日本全体が徐々に環境問題解決に向けて動き出していることも感じています。地熱発電や洋上風力発電など、地形を生かした再生可能エネルギー技術もあります。3月5日のGGG+フォーラムで、専門家の方も言及されていたように、従来の常識で無理だと思われていることも、法律や企業方針が変わり、企業が変われば、社会が変わり、可能になると思います。そういった意味で、企業や政府の役割、そして連携は重要であると感じますし、自分自身も最新の情報に触れてどんどん学んでいこうと思いました。



受賞企業は以下の通り

〇金融サービス部門

金賞:ブルームバーグ・エル・ビー、銀賞:三井住友海上火災保険、みずほ証券、銅賞:東京上海日動火災保険、FTS Russell

〇投資家部門

金賞:第一生命保険、銀賞:三菱UFJ信託銀行、銅賞:ニッセイアセットマネジメント、ロベコ・ジャパン、特別賞:明治安田生命保険、SDGインパクトジャパン

〇間接金融部門

金賞:静岡銀行・静岡県信用保証協会、三菱UFJ銀行、銀賞:滋賀銀行、銅賞:福岡銀行、特別賞:琉球銀行

〇資金調達車部門

金賞:三菱地所

銀賞:オリックス不動産投資法人

銅賞:NTTファイナンス、九州旅客鉄道

特別賞:JPX総研

〇環境サステナブル企業部門

金賞:アサヒグループホールディングス、味の素

銀賞:伊藤忠商事、積水化学工業、積水ハウス、東京上海ホールディングス、銅賞:アイシン、セイコーエプソン、デンソー、富士通、特別賞:INPEX、オカムラ、キリンホールディングス、三井化学


くーぱー
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ハウスバーモントカレー60周年:そこから見えるハウス食品グループの姿勢

2023年3月22日付日本経済新聞20面


日本のカレー文化をけん引してきた「ハウスバーモントカレー」。誕生から、60周年を迎えました。

皆さんも一度は口にされたことがあるのではないでしょうか。


発売当初の1963年、当時は「カレーは辛くて大人が食べるもの」というイメージが定着していました。ハウス食品グループは「子どもと大人が一緒においしく楽しめるように」という逆転の発想でルーを開発。リンゴと蜂蜜を組み合わせるというユニークなルーは見事にあっという間に人気になりました。


成功に大きく寄与したとされるのが、「社会やライフスタイルの変化に寄り添う」というハウス食品グループの方針です。

1960年代は高度経済成長の真っ只中。国民の生活水準が高まり、テーブルでの食事が始まりました。そこで、大人だけの食べ物を子どもや女性でも楽しめるようにカレーの開発に乗り出したのです。

その後も、1970年代に、バーモントカレーに親しんだ若者向けに辛口を発売したり、国際色豊かな食文化が社会に広まったタイミングで中辛を発売してバリエーションを増やしたりと、人々の変化に敏感に対応している様子がわかります。

最近では、人々の健康志向や環境への配慮が高まっています。また、独身世帯や高齢世帯の増加など食卓が多様化したりしています。そこに合わせて、カロリーオフカレーやレトルトカレー、さらには環境に配慮したパッケージを作成するなど、現在もその姿勢は変わりありません。バーモンドカレーは累計で824億皿を超える売り上げを誇り、カレーを日本の国民食にしました。


日本リザルツでも、ケニアの子ども食堂でカレーを提供したり、調理方法を教えたりしています。現地の野菜などを煮込んで、最後にルーを入れればよいだけなので作りやすく、味も現地の方からも好評だったようです。


その模様については、こちらのブログから:

http://resultsjp.sblo.jp/article/181052305.html

http://resultsjp.sblo.jp/article/181066919.html


私は現在、昆虫食を含めた環境と体に優しい食生活に関して興味を持ち、勉強をしています。現地の人々の状況に合わせた食料支援や栄養改善指導を行うことが、最終的に自立した栄養改善につながるのではないかと感じました。


くーぱー

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岸田総理のウクライナ電撃訪問:ポーランドとウクライナの関係性から見る

日本ではWBC優勝で湧き上がっているようですが、国際報道では岸田総理大臣のウクライナ電撃訪問が話題となっています。


岸田総理大臣の外遊については、日本リザルツの公式ブログでも取り上げています。

http://resultsjp.sblo.jp/article/190243051.html

http://resultsjp.sblo.jp/article/190244678.html


岸田総理は訪問先のインドから日本に帰国せずにポーランド経由でウクライナに入り、首都キーウで日本時間の21日夜から22日にかけておよそ2時間40分、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行いました。ゼレンスキ―大統領はSNSにメッセージを投稿し「国際秩序の力強い守護者でウクライナの長年の友人である日本の岸田総理をキーウに迎えたことをうれしく思う」と、歓迎しました。


首相官邸のホームページも更新されていました。

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/21ukraine.html


今回の電撃訪問。なんで、経由地がポーランド?そう思った人も多いかもしれません。

ポーランドは今回の侵攻に際し、ウクライナを積極的に支援し、存在感を示しています。

つい先日、ポーランドのドゥダ大統領は、旧ソビエト製のミグ29戦闘機をウクライナに供与する意向を示しました。実現すればNATO加盟国としては初の戦闘機供与になります。


NHKの報道はこちらを参照(時系列になっています)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230317/k10014010901000.html


ポーランドはもともと反移民国家だったのですが、現時点で、推定150万以上のウクライナ難民を受け入れています。宮島昭夫駐ポーランド大使も「ポーランドはロシアの侵攻を受けるウクライナの支援拠点になっており、抗戦を続ける上で非常に重要な国だ」と指摘しています。


インタビューはこちらを参照:

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023032200297&g=int


今日の朝日新聞に興味深い論稿が載っていました。

https://www.asahi.com/articles/DA3S15588084.html


実は両国の関係は決して良好ではありませんでした。17世紀半ば、ポーランドがウクライナ地域への統制を強めるとコサックが蜂起。この時にできた国がウクライナのルーツです。その後、ロシアやオーストリア、ナチスドイツなどに吸収され、第二次世界大戦時にはウクライナ西部でポーランド人虐殺が起こるなど遺恨も残っています。


それでもなぜウクライナを応援するのか?論稿では「祖国を失ったという共通の経験」から来る連帯感から来るものだと指摘されています。


これを読んで、真っ先に思い出したのがポーランド出身のピアニスト、フレデリック・ショパンです。かの有名な「革命のエチュード」は1831年のロシアによるワルシャワ侵攻をもとに作られました。

ショパンは20歳のときに、祖国ポーランドを出て以降、亡くなるまで一度も帰国することができませんでした。実は、パリで成功して有名になったショパンを、当時、ポーランドを支配していたロシアが利用しようと考えますが、彼はそのすべてを拒否。パリに亡命したのです。

ただ、ショパンは亡命後も母国への忠誠心を忘れませんでした。彼は50曲以上もマズルカを作成していますが、これは、ポーランド各地方の民俗舞踊に基づいて作られています。ショパンは一例ですが、ポーランドの皆さんのこれまでの体験が、ウクライナの皆さんへの共感を呼び、今回の積極的な支援につながっているとみられます。


こちらのコラムを参照:

https://news.j-wave.co.jp/2016/08/post-2203.html


もう一つ論稿で指摘されていたのが「対話」です。両国は1991年のウクライナ独立以降、関係改善に向けた対話を欠かしてきませんでした。こうした地道な外交面での努力の積み重ねが、今回の連携につながったとしています。

こちらで思い出したのが、先日の日韓首脳会談です。

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/16korea.html


韓国が元徴用工問題の解決案を提示したことを受け、日本は半導体材料の輸出管理の厳格化措置を解除することを決定。かなり前向きな成果がでました。

舞台裏では酒豪の2人がはしご酒で杯を酌み交わし、腹を割った対話ができた模様です。

こちらのコラムを参照:

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/97046.html


ウクライナ侵攻が長期化し、世界分断が続いている昨今。対中国・ロシアという観点からも、日本と韓国がどのような連携をしていくのか、私たちも注視していこうと思います。


(ぽ)

posted by resultsjp at 17:48| Comment(1) | 情報

WBCで侍ジャパンが14年ぶりに優勝!スナノミプロジェクトも勢いを増す

本日、WBCの決勝戦が行われ、侍ジャパンが3 - 2でアメリカを下し、14年ぶりの優勝を果たしました!

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 日本リザルツオフィスもこの話で持ち切りです。先ほど、昼食の帰りに通った文部科学省前の桜の木も、侍ジャパンの優勝を喜ぶかのように綺麗な花を咲かせていました。


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さて、本日までに164名の方にご支援をいただいているスナノミ治療キャンペーンのクラウドファンディングが残すところ10日を切りました。
日本リザルツでは、ボランティアの杉原がケニアでスナノミ治療キャンペーンに取り組みます。また、本年9月にインドで開催されるG20、2024年開催のパリ栄養サミットに向けて、インド東部で結核、栄養、水・衛星、感染症対策に向けたプロジェクトを実施したいと考えています。現在、世界の最貧困地域でも活かせるような、政府や国際機関の援助が行き届かない、最貧困層を対象としたプロジェクトを考案中です。
そこで、このインドプロジェクトの実施に先立ち、私園田も事前調査の一環として、スナノミ症治療キャンペーンを杉原と実施するとともに、キャンペーンを実施するエスンバ村における複合的な貧困の要因を調査する予定です。

これまで多くの方にご寄付を頂戴いたしましたが、現在の資金ではキャンペーンの回数に限りがあるのが現状です。


そこで、今一度、残り9日となったクラウドファンディングに、応援団の皆様方より、ぜひ1000円からご寄付をいただけますと幸いです。



下記クラウドファンディングのリンク:

https://readyfor.jp/projects/114680


上記のプロジェクトを実施する地域では、テレビでWBCを見ることはおろか、今日の夜ご飯を確保することもままならない人が多くを占めます。


私は優勝の喜びを伝えることはできませんが、プロジェクトをもって最貧困地域の子どもたちに笑顔を届けることができると信じています。みんなが大好きな大谷翔平選手のように、ケニアとインドの「二刀流」で、両国の子どもたちをはじめ、世界の子どもたちのために、二つのプロジェクトを大成功させたいと思います。


残りわずかとなりましたが、最後の最後まで一生懸命頑張りますので、引き続きご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。


そのっち

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posted by resultsjp at 15:04| Comment(1) | 情報