2023年07月29日

食料より水の確保が大変!?:林玲子氏のインタビューより

本日の朝日新聞に国立社会保障・人口問題研究所副所長の林玲子氏のインタビューが載っていました。林氏はセネガル保健省大臣官房技術顧問などを歴任。白須理事長は長年に渡ってご親交があります。


こちらから全文はお読みいただけます。

https://www.asahi.com/articles/DA3S15703122.html

https://www.asahi.com/articles/ASR7D3VH1R7BUHBI02Q.html


今年4月にインドの人口が約142577万人(国連推計)になり、中国を抜いて世界1位になりました。林氏は、人口が今後100億人を超すと推計されるとし、各地で「奪い合い」が懸念されるものとして、食料より水の確保に問題があることを指摘しています。

確かに日本は世界有数の水資源国。水道水が飲めるなんて、海外の人からすると異例の異例です。私が駐在するケニアでも、富裕層はそれなりに浄化された水を民間業者から買っていますが、スラムの人は汚泥混じりのまっ茶色の水で洗濯や炊事をしています。これはコレラや下痢の原因となり、日本リザルツでも公衆衛生改善のプロジェクトをカンゲミヘルスセンターの皆さんと行っています。


尚、日本リザルツがお世話になっている国際医療福祉大学の山本尚子先生が10月から公開講座をはじめられます。今年は栄養や食料についてお話がメインですが、来年度は水の話も出てくる予定だそうです。ひょっとしたら、霞が関の魔法使いどーらもひょっこり出てくるかもしれません。


講座に関する詳細はこちらを参照:

https://extension.iuhw.ac.jp/lecture/late/01/


是非、皆様のご参加を楽しみにしています。

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山下清と花火大会

今日は隅田川花火大会です。

最近、日本リザルツでもおなじみの画家、山下清氏は花火大会を愛したそうです。


本日の天声人語はこちらからお読みいただけます。

https://www.asahi.com/articles/DA3S15703090.html?iref=pc_rensai_long_61_article


山下清氏は15歳のとき、江戸川の花火大会を見て、感激したのを貼り絵にしたそうです。戦時中は花火大会は行われませんでしたが、戦後、各地で復活すると、熊谷、高崎、両国、富田林、長岡などの花火を見に放浪の旅に出ます。代表作の一つ「長岡の花火」もそのときにできたもののようです。


意外ですが、山下清氏は放浪の際に画材を持ち歩かなかったそうです。天声人語によると、リュックサックに入れたのは、茶碗(ちゃわん)2個と箸、手ぬぐい、着替えのみ。数々の花火の絵は、脳裏に焼き付けた記憶のみで生み出されたようです。


そんな山下清氏の一言がこちら:

「みんなが爆弾なんかつくらないで、きれいな花火ばかりつくっていたら、きっと戦争なんて起きなかったんだな?」


この発言がなされたのは今から70年も前ですが、残念ながら、今も戦争はなくなっていません。今夜の花火を見ながら、平和への祈りが全世界に届くことを願っています。

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2023年07月27日

格差是正に向け、米国でも52団体が金融取引税を要求>上・下両院議員への要請

NY証券取引所.JPG

この間6月パリで開催された「新グローバル金融協定のためのサミット」を前後して、主に欧州での格差=不平等拡大に対する運動を紹介してきましたが、今回は米国での取り組みにつき、NGOパブリック・シチズン(1971年弁護士で著名な社会活動家のラルフ・ネーダーが設立した老舗のNGO)から最新情報が寄せられたので、紹介します。

◎要旨:

・民主党の2議員が「2023年ウォール街税法(金融取引税)」案を提案しましたが、これへの共同提案者になっていただくための上・下両院議員への要請文で、

・内容は、株式、債券またはデリバティブの購入に0.1%課税し、その税収(10年間で推定7,520億ドルの収入)を、教育・医療・保育・住宅・気候危機への対応など社会課題への投資に充てる


52団体がウォール街税法を支持

52 Groups Endorse the Wall Street Tax Act

https://www.citizen.org/article/52-groups-endorse-the-wall-street-tax-act/

2023726

親愛なる上院議員および下院議員のみなさま

下記に署名した52団体を代表して、私たちはブライアン・シャッツ上院議員(民主党、ハワイ州)とヴァル・ホイル下院議員(民主党、オレゴン州)が提案した2023年ウォール街税法への共同提案を求める書簡を送ります。所得格差に対処するために支出を拡大すべきときに、壊滅的なデフォルトを回避するための最近の債務制限合意に、栄養支援から医療、環境保護、ヘッドスタート(注:就学援助のためのプログラム)などに至る重要なプログラムのインフレ調整後の削減が含まれていたことは良心的ではありません。そしてアメリカの他の差し迫った問題もあります。わが国は、弱者を助けるために歳出を削減するのではなく、企業やウォール街の大浪費家を含む企業や超富裕層への増税によって歳入を増やすべきだったのです。


米国で金融取引税(FTT)とも呼ばれるウォール街税を復活させることは、ウォール街に公平な税負担を求めるための重要な一歩となります。株式、債券、またはデリバティブの購入に0.1%、つまり 100 ドルあたり 10 セントという非常に少額の税金を課すことにより、ウォール街税法は10年間で推定 7,520 億ドルの収入を得ることができます [1 ] 。教育、医療、保育、住宅、気候危機への対応など、勤労者家庭の優先事項の投資に充てることができます。


アメリカにおける株式所有の分布から、この法案はアメリカで蔓延する経済的不平等に対処するための重要な一歩となるでしょう。アメリカ国民の大部分は、たとえ退職金口座を通じて間接的にであっても[2] 、株式市場の富をまったく所有していないため、FTTには何の負担もかからず、重要な政府サービスへの投資資金として利用できるより大きな収入から恩恵を受けることになるでしょう。社会の最も裕福な人々が税の大部分を支払い、ウォール街税の収入の4分の3は上位20%の所得者が、40%は上位1%の所得者が負担することになる。税収のほぼ 4 分の 1 (23.5%) は、私たちの中で最も裕福な人々、つまり所得上位 0.1%の所得者だけが負担することになります。[3]


制度的な不公平のため、残念なことに、有色人種のコミュニティでは経済格差がさらに顕著になっています。[4]これに関連して、黒人家族とラテン系家族の金融資産所有率は、収入を調整した場合でもはるかに低いです。[5]これは、税発生率のより大きな割合を白人世帯が支払うことを意味し、再分配の役割を果たす可能性があります。


この法案はまた、もう一つの明白な不均衡を是正することになるでしょう。一般庶民はあらゆる種類の商品やサービスに対して売上税を支払っているが、現在、ウォール街の関係者が取引を行う際にはそのような税金は適用されない。[6]さらに、金融会社は近年減税を受けており、銀行は2017年のトランプ・共和党による減税法案から最大級の恩恵を受けており[7]、その額は1兆9000億ドルを超えており、これが債務上限騒動を悪化させる一因となっています。


ウォール街は非常に不正確なメッセージキャンペーンを展開していますが、[8]退職金貯蓄者は税金による不利益はなく、利益を得る可能性が高い。なぜなら、FTTを導入することで解約率が減り、税金のコストが完全に相殺される可能性があるからです。投資家がすでに支払っている手数料やその他の料金も同時に削減されることになります。[9]その仮定に頼らなくても、典型的な退職金口座を持つ中所得のアメリカ人は、0.1% FTT に対して平均で月額 1 ドル (年間 13 ドル) をわずかに上回る額を支払うことになります。[10]また、年金基金は金融取引税が課される海外市場にすでに多額の投資が行われているため、この税による悪影響を受けることはありません。[11]政府は社会保障、メディケア、高齢者向けの栄養補助といった重要な退職プログラムを強化、さらには拡大するための追加財源を得ることができるため、退職者は税収の受益者となる可能性が高いと言えます。


この提案のもう1つの利点は、金融セクターのリスクとボラティリティを軽減し、ウォール街の焦点を投機から、メインストリートの企業、従業員、勤労者家族を支援する長期投資へと方向転換できることです。調査によると、高頻度取引による「レイテンシー裁定取引」は、世界中の市場のトレーダーに50億ドルの「税金」を課していることが分かっています。[12]この法案で提案されている 10 ベーシスポイント課税のような非常に少額の金融取引税であっても、平均的なアメリカ人への影響は無視できる程度でありながら、高頻度取引を事実上排除することになるでしょう。


FTT は新しいものではありません。米国は 1914 年から 1965 年まで金融取引税をか導入していましたが、大恐慌による経済危機に対応して増税しました。[13]現在、フランス、香港、インド、韓国、スイス、英国などの経済大国や先進資本市場を含む 30か国以上が FTT を導入しています。[14]バークシャー・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェットを含む著名なアメリカ人投資家、元 TIAA-CREFコーポレートガバナンス責任者であるCalSTRS CEOのジャック・イーネス氏、ジョン・ウィルコックス氏、ゴールドマン・サックスの元会長ジョン・ホワイトヘッド氏は取引に対する物品税を支持した。[15]元労働長官ロバート・ライヒ[16]。元米国財務長官ロバート・ルービン、[17]元財務長官顧問のアントニオ・ワイス氏[18]も金融取引税を支持しています。


ウォール街税法は、経済的不平等を緩和し、投資を長期投資に再集中させるための重要な一歩を踏み出すと同時に、我が国の差し迫ったニーズに応えて多額の歳入を確保するためのきわめて進歩的な方法です。ぜひこの良識ある法案に共同提案してくださいますよう強くお願いいたします。


敬具、


署名した団体の一覧はこちら:

Affordable Homeownership Foundation Inc.

AFL-CIO

American-Arab Anti-Discrimination Committee (ADC)

American Family Voices

American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME)

American Federation of Teachers

Americans for Democratic Action (ADA)

Americans for Financial Reform

Americans for Tax Fairness

Blue Future

Center for Popular Democracy

Chicago Political Economy Group

Child Labor Coalition

Citizens for Tax Justice

Coalition on Human Needs

Communications Workers of America

Congregation of Our Lady of Charity of the Good Shepherd, U.S. Provinces

Congregation of Sisters of St. Agnes

Consumer Action

CorpGov.net

Demand Progress

Food & Water Watch

Greenpeace USA

Institute on Taxation and Economic Policy

International Federation of Professional and Technical Engineers (IFPTE)

Latino Farmers & Ranchers International, Inc.

Main Street Alliance

Media Voices for Children

Medical Mission Sisters, Justice Office

MomsRising

National Advocacy Center of the Sisters of the Good Shepherd

National Association of Consumer Advocates

National Consumers League

National Education Association (NEA)

NETWORK Lobby for Catholic Social Justice

Our Revolution

Oxfam America

Poverty Project at the Institute for Policy Studies

Progressive Democrats of America

Public Citizen

Public Justice Center

Revolving Door Project

RootsAction.org

Take on Wall Street

UAW

Unitarian Universalists for Social Justice

UNITE HERE

United Church of Christ, Justice and Local Church Ministries

United for Respect

United Steelworkers International Union (USW)

Unrig Our Economy 


[1]議会予算局、赤字削減のオプション: 2021年から2030年まで、86 (2020年12月)、https://bit.ly/2MJu4Cp.

[2] Jeffrey M. Jones、What Percentage of Americans Own Stock?、 Gallup (2023 年 5 月 24 日)  https://tinyurl.com/mrykwbam

[3] Aaron Klein、What Is a Financial Transaction Tax?、ブルッキングス研究所、(2020 年 3 月 27 日) https://brook.gs/3o7ygbC.

[4] クレッグ・スティーブン・ブラウン、米国の人種的富の格差の歴史を調べると、これらの格差の解消に向けた進歩が停滞していることが示されている、ワシントン公平成長センター(2023年2月24日)https://tinyurl.com/yckx27pf.

[5]米国財務省、経済安全保障における人種の違い: 非住宅資産 (2023 年 1 月 10 日) https://tinyurl.com/29vucb6a.

[6]証券取引委員会によって少額の手数料が課されますが、その手数料は現在 0.002% に設定されています。

https://www.sec.gov/news/press-release/2023-15

[7] JUST Capital、法人税改革に関する JUST Capital ランキング、https://bit.ly/3sHusSh

[8]テイラー・リンカーン、一般市民、警告: 金融取引税を攻撃するために業界がデータをどのように操作したか (2019 年 10 月 10 日) https://bit.ly/394v5xe.

[9]テイラー・リンカーン、公共市民、有益な効果のある累進税 (2019 年 9 月 16 日) https://bit.ly/2Y5yohk.

[10] 同上。

[11] Dean Baker、経済政策研究センター、金融取引税: 年金基金に影響を与えないウォール街の課税 (2020 年 10 月 30 日) https://bit.ly/3a8PMYr.

[12] Matteo Aquilina 他、金融行動監視機構、高頻度取引「軍拡競争」の定量化: シンプルな新しい方法論と推定 (2020 年 1 月) https://tinyurl.com/b95cavk5.

[13] Antonio F. Weiss および Laura Kawano、ブルッキングス研究所、金融取引への課税に関する提案 (2020 年 1 月 28 日) https://brook.gs/2KC9CCp.

[14] Gunther Capelle-Blancard、ソルボンヌ経済センター、金融取引の課税: 世界の税収の推定 (2023 年 5 月 10 日) https://tinyurl.com/yswhhtu2

[15]短期主義の克服: 投資と事業管理へのより責任あるアプローチの呼びかけ、アスペン研究所 (2009 年 9 月 9 日) https://bit.ly/3sLKn1D.

[16] Why a Tax on Wall Street Trades is an Even Better Idea Than You Know、robertreich.org (2016 年 8 月 10 日) https://bit.ly/2O6TJp4.

[17]ロバート E. ルービン、「経済を活気づける」、ニューヨーク・タイムズ紙 (2020 年 4 月 17 日) https://nyti.ms/361RedO.

[18] Antonio F. Weiss および Laura Kawano、ブルッキングス研究所、金融取引への課税に関する提案 (2020 年 1 月 28 日) https://brook.gs/2KC9CCp.


※写真はNY証券取引所


(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)



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世界初!新生児のワクチン接種を生体認証で管理

日本リザルツが重点的に活動をしている子どものワクチン接種について、新たな動きが出ています。長崎大学とNECが生体認証を活用した世界初の管理システムを開発。ケニアで試験運用がはじまっています。

https://jpn.nec.com/corporateblog/202307/03.html


このシステムを開発したのはNECバイオメトリクス研究所の幸田芳紀さん。入社したときは営業職だったそうです。もともと営業として、アジアやアフリカの各国で生体認証技術を普及させるために、20年以上も前から様々な生体認証技術に携わっていた幸田さんは、途上国で出生証明などがないことが原因で子どもたちのワクチン接種に影響が出ていることを知り、大学院に入学。研究者として転身されたそうです。


実証実験では300人以上の赤ちゃんを登録し、問題なく本人確認ができたとのこと。今後はケニアの地域レベルでの導入を目指しているそうです。


仕事をされながら、研究者として転身されるのには大変なエネルギーがいったのだと察します。今後の技術の普及状況と幸田さんの活躍に私も目を離さないようにしておきたいと思います。


関連するプレスリリース・報道はこちらを参照:

https://www.ke.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00970.html

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science299.html

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC06BB50W3A200C2000000/


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2023年07月25日

今日は「うま味調味料の日」!

7月25日はうま味調味料の日です。


115年前の1908年、旧東京大学理学部の池田菊苗博士がうま味物質であるグルタミン酸ナトリウムの製造法特許を取得。その翌年の5月、皆さんおなじみのうま味調味料「味の素トレードマーク(TM)」が発売されたことに機を発しているようです。


Newspicksに詳しい解説が載っていました。

https://newspicks.com/topics/uic/posts/7?ref=TOPIC_VIEW


それから100年以上経ち、今やうま味は「Umami」として世界で使われています。海外でも「ELLE」や「VOGUE」などの有名な女性ファッション誌などで、プラネタリーヘルスダイエットが脚光を浴びていますが、昆布などが減塩に役立つと紹介されているのを見かけます。美容にも良いようです。


ダイエットと聞くと、体重を減らすということに意識がいきがちですが、本来のDietは「食」という意味です。かく言う筆者も、まずは内側から綺麗を目指して、取り入れてみたいと思います。

(ぽ)


posted by resultsjp at 19:47| Comment(1) | 情報