2023年09月04日

SDGs:日本の現在地

4日付の日本経済新聞に「SDGs日本の現在地」という特集記事が掲載されていました。

日本リザルツがお世話になっている渋澤健先生も意見を寄せられていました。

渋澤先生は政府の「新しい資本主義実現会議」で委員を務められており、リスクとリターンの2次元でなく、社会課題の解決や環境対応を含めた3次元で物事を考える必要があると指摘。その上で、経済同友会でアフリカ開発ファンドの運営会社「and Capital」を立ち上げてアフリカの社会問題の解決と投資リターンの両立を目指していることを紹介されていました。


また、日本企業はSDGsで一体感を出すのは得意だが、自ら課題を認識し、それを解決するための目標を示して取り組んでいく発想に乏しいと指摘されていましたが、これは私も苦手な分野なので、自分事のようにして読んでしまいました。


同じ特集内に、駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏も意見を発しており、ジェンダ平等について、日本は「英国と比べても30年〜40年は遅れている」とし、特に「政治」や「経済」の評価が低いと指摘されていました。ロングボトム大使は年収の壁などの問題が女性の働き方をゆがめているとし、英国では夫婦やパートナーでも各個人が別々に課税されることを指摘し、制度の見直しが必要であると訴えてらっしゃいました。


ケニアに駐在し、ほかの国の人と一緒にいると女性が結婚して、こどもを生んでも働くのは当たり前。専業主婦という概念があるのは日本だけのようにも思えます。

日本もまだまだ他の国から見習うべきところがあるのではないかと、私も考えされられました。

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日英政府・鉱物資源に共同投資

4日付の日本経済新聞に日英政府がアフリカなどで重要鉱物への共同投資に乗り出すというニュースが載っていました。サプライチェーンを構築し、巨額の費用がかかる鉱山開発で安定供給を図ることが狙いです。


西村康稔経産省が訪英した際に、英国のベーデノックビジネス貿易相と会談し、共同声明内でこの内容が発表される予定です。


アフリカではザンビアが銅やニッケル、コンゴ民主共和国は世界のコバルトの7割を供給しているなど鉱物資源が豊かです。


西村経産相は先月、西アフリカを歴訪されていましたが、その際には鉱山ビジネスについてのミッションを行ってきたようです。

経産省のサイトはこちらを参照:

https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230812001/20230812001.html


アフリカには英国の植民地だったところも多く、コモンウェルスに加盟している国も多いです。こうした英国のコネクションを活かして、日本がどのように戦略を進めていくのか、私も注視していきたいです。

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2022年、世界でもっとも教育機会が損なわれた国はケニア

4日の朝日新聞に世界に教育支援を必要とするこどもや若者が22,400万人にものぼっているという衝撃的な統計が掲載されていました。

特に20222月〜233月の間で、危機的な状況で教育機会が損なわれた児童や生徒の数が100万人以上増えた国は12か国以上あり、一番多かったのは712万人も増えた私の駐在するケニアでした。干ばつなどの異常気象により、家を追われた人が多かったようです。続いて、クーデターが起き国軍が全権掌握しているミャンマーが711万人、ケニアのお隣のタンザニアが552万人と続きます。

異常気象が続いているのは現地にいると身をもって痛感していますが、ロシアの侵攻が続くウクライナやクーデター後混とんとした状態が続いているミャンマーより、ケニアの数が多いことに驚きました。

ただ、教育を受けられないという問題は、ただ、学校を建設すれば解決できるわけではありません。貧困、健康、ジェンダー、文化など、さまざまな要因が絡み合っています。持続的にこどもが学校に通える体制が築かれるよう、私たちもできることを進めていきたいと思います。

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インボイス制度導入まであと1か月:三木義一青山学院名誉教授のコメント

3日付の朝日新聞に日本リザルツがお世話になっている三木義一青山学院名誉教授がインボイス制度に関してコメントを寄せられていました。


三木先生には先日開催されたGGG+フォーラムでもご登壇をいただくなど予てよりご指導ご鞭撻をいただいております。


そのときのブログはこちらを参照:

http://resultsjp.sblo.jp/article/190221144.html

http://resultsjp.sblo.jp/article/190221255.html


インボイス制度は取引先に正確な消費税率や税額を伝えるための制度です。税務署長から登録を受けた売り手のみが必要事項を記入して発行できるものです。仕入税額の中に8%のものと10%のものが混在するようになりました。 正しい消費税の納税額を算出するために、商品ごとの価格と税率が記載された書類を保存することになったため導入されることになりました。

ただ、適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。10月から導入がはじまりますが、特に個人事業主や飲食店などで反発の声が上がっています。


三木先生はコメント内で、消費税の徴収漏れの解消のためにこうした制度がはじまることを「合理的」としつつも、年間売り上げが1千万円未満の免税事業者などが制度によって課税事業者に切り替えざるを得ず、税負担が発生したり、取引はら排除される可能性があることを指摘。小規模事業者にとっては事実上増税となるため、彼らの負担増に対する納得感を見出せるようにするすうる必要があるとしています。


日本リザルツでも新たな資本スキームについてよく話題があがりますが、世界はもちろん日本の困っている人たちの声なき声にも耳を傾けていく必要がありそうです。

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蟻田功先生を偲ぶ

2日付の朝日新聞夕刊に医師の蟻田功先生に関する記事が掲載されていました。

蟻田先生は 1926年、熊本市生まれ。1950年に旧厚生省に入り、62年からWHOのアフリカ事務局に赴任し、リベリアなどの天然痘対策に携わりました。77年から世界天然痘根絶対策本部長を務めます。人類最古の感染症の一つの天然痘は20世紀半ば、発展途上国の乳児死亡の大きな原因の一つとされ、対策が急がれていました。蟻田先生は2代目の対策本部長として、患者を探し出し周囲の人にもワクチンを接種する「封じ込め」を陣頭指揮。80年の「根絶宣言」に至りました。

帰国後、故郷の熊本で病院長をしながら、発展途上国の医療者の研修にも力を注ぐなど、感染症対策の分野で功績を残しました。


以前、前衆議院議員の三原朝彦先生がなぜアフリカに魅せられたのか?というお話をされていた際に出てきたのが蟻田先生のお名前でした。本当に困っている天然痘患者のみなさんを救うため、現場の最前線で陣頭指揮をとられたのが日本人の方と知り、非常に誇らしげな気持ちになったことを覚えています。


蟻田先生は317日、96歳でお亡くなりになられました。その功績に敬意を表すとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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東南アジアのヘルスケア戦略:三井物産の取り組みから

1日付の日本経済新聞に三井物産のヘルスケアビジネスに関する取り組みが紹介されていました。

記事によりますと、今後生活習慣病が増える東南アジアにおいて、予防、治療、在宅ケアなどを包括的に提供するため、今後3年間で医療スタートアップへの投資を5倍にするそうです。同社が筆頭株主であるIHHヘルスケア(マレーシア)という病院グループを活用し、10か国80病院でサービス展開します。

東南アジアは経済成長に伴い、生活習慣病の患者が増えていることが課題になっています。そのためヘルスヘアビジネス市場も拡大しており、調査によると2027年には今年の5割増の4,000億円にまできぼが拡大されるようです。


投資内容を見ると、高度な医療機器やがん検査の導入などがメインのようですが、人材育成や栄養教育など日本の知見が取り入れられることを期待したいです。


記事はこちらから全文がお読みいただけます。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74069780R30C23A8TB1000/

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気候変動と貧困

31日付の朝日新聞夕刊に、気候変動と革新的資本スキームに関する調査について掲載がありました。

京都大、立命館大、国立環境研究所などのチームによりますと、一律に温室効果ガスの削減対策を課した場合、1日あたり1.9ドル以下で暮らす絶対的貧困層をなくす妨げとなってしまうそうです。原因は再生可能エネルギー導入などへの追加投資によるマクロ経済上の損失で所得が減ってしまうほか炭素税などの政策導入の結果としてエネルギー価格や食料価格が高騰することが挙げられるそうです。

研究結果によると、パリ協定の「2度目標」を達成しようとすると何もしなかった場合に比べ、2030年の絶対的貧困層は6500万人、50年には1800万人、貧困者数が多くなるといいます。

ただ、この試算には温暖化に伴う気象災がいの増加や食料生産の減少などの影響は考慮されていません。

日本リザルツは予てより国際連帯税などの取り組みをサポートしています。この結果を踏まえて、どのような動きが出てくるのか、今度の動向を注視したいです。

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日本と世界のおもしろい「食」

31日付の朝日新聞夕刊におもしろい食に関する話が載っていました。

ひとつ目はタレントの西村知美さんが推薦する沖縄第一ホテルの薬膳朝食です。出てくるのはなんと50品目。モズクやゴーヤやカラフルな現地野菜やフルーツなどが小分けにかわいく盛り付けられているので、女性でもペロリと感触してしまえるようです。


もう一つは作家の滝口悠生さんのおすすめのネパール料理、ハリヨ クルサニ カクロです。

切ったキュウリに唐辛子の辛いソースをかけて食べるシンプルな料理です。滝口さんは外食はおいしいだけでなく、お店の行きやすさや値段、居心地の良さも重要だといいます。「記憶と一緒においしかったがある」という言葉が印象的でした。


来年はパリ栄養サミットです。フランスは言わずもがな美食の国ですが、栄養や食べることを楽しむことを含め、日本での成果を次につなげられるようにできればと思います。

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私のリーダー論:岩田喜美枝 味の素社外取締役

31日付の日本経済新聞夕刊に元労働省出身で味の素の社外取締役を務められている岩田喜美枝さんのインタビューが掲載されていました。

岩田さんは自身のリーダーとしての強みとして「少数意見を言えるし、逆に言われるのも嫌でない」とした上で、「多様な価値観があってこそ議論が深まる」と反対意見を言ってくれる人の大切さを強調しています。「自分に都合の悪い話を本気で聞くというのは本来、リーダーの大事な役割」とし、異なる意見を発言する覚悟を持つよう、後輩には助言しているそうです。

それは自身が厚生労働省を退官して、資生堂に就職されたときのことが活きているようです。岩田さんは社内の生え抜きでなく、しかも女性でしたが、それを強みにして、積極的に社外の事例を取り込んでいったそうです。

労働省の課長補佐時代には男女雇用機会均等法を作られるのに尽力されたそうです。そのときの上司だった赤松良子さんが「小さく産んで大きく育てる」と呼びかけ、現実的に取り組める目標をこつこつと積み上げていくことでうまくいったそうです。「目は遠山を見るがごとく、手は生卵を握るごとく」ではないですが、理想だけを追って判断を誤らないことを学んだといいます。

そんな岩田さんの尊敬するリーダーは日本航空時代の稲盛和夫さんだといいます。「アメーバ経営」と「フィロソフィ」の2つのキーワードを挙げ、特に多くの人を巻き込んでいくエネルギーとパワーで業績をV字回復させた稲盛さんの様子を目の当たりにし、大事なことはシンプルかつ徹底することであると教えられたそうです。


折しも、私も霞が関の魔法使いどーらから稲盛さんの御本をいただき、ケニアで心が折れそうになったときによく読み返していました。

結局はその人の心構えとあきらめない姿勢が、物事を前向きに動かすのだなと改めて感じました。

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人への投資とリスキング

岸田首相が日本経済新聞主催の「日経リスキリングサミット」に出席されたことが日本経済新聞の1面に掲載されていました。


ビデオメッセージ(全文):首相官邸HPより

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/discourse/20230901message.html


冒頭のビデオメッセージでは、

「社会課題を成長のエンジンに変えていくことによって、課題解決と成長の二兎(にと)を追う、新しい資本主義の実現を目指しています。中でも、力を入れてきたのは、その基盤となる人への投資です」と強調。そのためにもリスキングを含めた三位一体の労働市場改革を進めていることを紹介されていました。


また特別座談会には対面で出席されたようです。

イベントの様子はこちらを参照:首相官邸HPより

https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202309/01reskillingsummit.html

座談会の発言要旨:日本経済新聞より

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0173F0R00C23A9000000/


岸田首相は「リスキリングを地方を含めた日本全体で根づかせるために政府としても、あらゆる施策を総動員して取り組んでいきたい」としていました。

日本リザルツでも予てより、新たな資本スキームに関して議論を行っています。具体的にどのような施策を総動員して取り組むのか、今後の政府の対応に注目したいと思います。

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毎日ちょっとずつ前進:日本経済新聞の「食」の記事から

日本リザルツは栄養に関するアドボカシーを行っています。31日付の日本経済新聞の夕刊に食に関する2つの興味深い記事が掲載されていました。

1つはフランス料理シェフの黒岩功さんの取り組みです。


黒岩功さんの公式サイトはこちらを参照:

https://www.le-clos.jp/ornerchef/


黒岩さんのモットーは「ユニバーサル」。障がいのある人も積極的に雇用し、菓子づくりや接客などにも挑戦してもらっているそうです。

きっかけはご自身がお子さんと一緒に飲食店に入った時、とても居心地が悪い経験をしたそうです。そこで自分の店はこどもからお年寄りまで居心地がいい空間にしようと決めたそうです。

スタッフのアイデアもどんどん採用しているようで、車椅子で働いている女性スタッフの篤案で「立たない立ち飲みバル」というイベントを開始。参加者全員が車椅子に乗って飲みながら交流するという企画を行っています。黒岩さんは「障がいのあるスタッフがいるからこそ、こんな催しが開けるわけで、それも楽しみたい」としています。


この連載は土曜日まで続いており、最終回は黒岩さんが新たにオープンさせた「農業と福祉、食の連携」を掲げた「かいづか いぶきヴィレッジ」に関する取り組みが紹介されていました。

12ヘクタールもある土地では農業体験ができる上、知的障がい者のグループホームも運営。運動会などを開催しているそうです。黒岩さんはSDGsの複数の項目に沿って活動をしたいとしています。
黒岩さんは最後に欧州では障がいのある人が当たり前のようにカフェやレストランで働いていて、そういうユニバーサルな飲食店が日本でも各県にできればとしていました。

また、同じ紙面には92歳のすし職人、森田一夫さんのお話が取り上げられていました。森田さんのお店「小松弥助」は全国からファンが訪れる名店です。

2019年には「現代の名工」に選ばれた森田さん。すし職人としての人生訓は「謙虚であれ」だそうで、最高だと思うすしを握れるようになっても慢心せず、職人としての道を追い求めることが大切だそうです。また、目下は後進の指導に情熱を注いでいるそうです。

そういえば、もうすぐ75歳の霞が関の魔法使いどーらも驕ることなく、常に精進している姿勢が印象的です。森田さんやどーらには遠く遠く及びませんが、私も毎日楽しく、ちょっとずつ前進していきたいと思います。

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