2023年09月14日

人間と地球の関係:故浅野理事長が伝えたかったこととは?

14日付の朝日新聞に霊長類学者の山極寿一さんの「季評」」が掲載されていました。

山極さんこの夏の各国での異常気象を例に出し、「人間が構築してきた社会システムが地球のシステムと合わなくなってきた」と指摘しています。

その上で近年、イギリスの文化人類学者であるティム・インゴルド氏の近著「人類学とは何か」を引き合いに出し、人類学の目的は人間の生そのものと会話することであり、すべての人の知恵と経験をどのように生きるかという問いに注ぎ込む研究分野だとしています。

また、自身が携わる霊長類学の研究の変遷をもとに、「人間は自然や他の人間との関係を読む力をどこかで誤ってしまった」とし、「人類学者はもっと声を上げて世界を一つにする知恵を語り、現代に行き詰った人間の豊かな生き方を提案すべき」だとしています。


読んでいて、これは正に、お亡くなりになられた故浅野茂隆理事長が最後のサンキューセミナーでお話になっていたことに非常に近い考え方だと感じました。


【サンキューセミナー】浅野茂隆理事長「先を見つめて生き甲斐を知る」

http://resultsjp.sblo.jp/article/182596066.html


世界がどんどん分断されている今だからこそ、私たちに何ができるのか。浅野先生だったらどう考えたのか。私の力は微々たるものですが、浅野先生の想いに胸を馳せたいと思います。

(ぽ)

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ケニアのカルト集団による大量虐殺:救助された人々は?(中・下)

朝日新聞にケニアのカルト集団による大量虐殺事件の特集が組まれています。

今日は教団の聖地「シャカホラの森」から救助された人の家族の話が載っていました。

ジュディスさん(47)は3人の娘とともに教団に入会。5月に救助され、モンバサにある治療施設に運ばれました。長女のザワディさんが治療施設で見たのは、変わってしまった母親でした。しきりに亡くなった末の妹のことを「彼女はキリストのものへ行った」と語り、救助されてからは食事も治療も拒んでいたそうです。今も信仰心を抱き続けていることを実感したそうです。

ジュディスさんが入信したのは、夫が詐欺に遭って行方をくらました際、教祖のマッケンジー容疑者に祈祷を依頼したところ、夫が帰宅したことに始まっているそうです。

ザワディさんはマッケンジー容疑者について、超常的な力で人を信じ込ませることができたとしながらも、母親と妹を奪われたことについて「私の体の一部が奪われたかのような気持ち」と苦痛に顔をゆがめていたそうです。


マリンディ近郊はナイロビとは違って決して裕福な地域ではありません。貧困や今の生活環境を抜け出したい人々の欲望を逆手に取ったマッケンジー容疑者の行為は決して許されるものではありません。


連載の最後にはこうした問題に詳しいモンバサ工科大の講師であるファティマ先生の見解が載っていました。

マッケンジー容疑者はアルコールやドラッグ中毒を止めさせるよう説くのが上手く、アルコールやドラッグ依存者の家族などに重宝されたと指摘。その上で、これを利用し、人々を薬物から宗教の依存へと誘ったとしています。「人々の弱点を見抜き、それに解決策を示した上で徐々に救済に導くため、信者は彼に完全な信頼を置くようになり、最後には命を捧げることになった」と評しています。



これはマリンディというケニア南東部で起きた話ですが、その日を生きることに必死で希望が見えないスラムやごみ山、すなのみ村の人々も一歩間違ったら同じことが起きていただろうと思うとぞっとしてなりません。

マッケンジー容疑者の裁判は今も続いており、ケニアだけでなく、BBCCNNなどでも注目されています。今後の動向を私も注視していきたいです。

(ぽ)

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