国際医療福祉大学で行われているWASHの公開講座。
昨日、第三回目の講義が開かれました。
最初のスピーカーは神田眞人財務官です。お忙しい合間を縫って、対面で講義にお越しくださいました。
会場には鈴木康裕学長はじめ、40人近くの方がいらっしゃいました。
神田財務官からは@第三次世界大戦を止めるA経済危機を止めるという2つの軸で、ファイナンスの枠組みを作っており、直近のG7や世銀の春季会合、ADB年次会合などでの成果をご紹介いただきました。また、UHCに関しては日本が世銀、WHOと連携し、「UHCナレッジハブ」を設立するというご説明もありました。
印象的だったのは、以下のポイントでした。
・日本のやり方が全ていいのではなく、WASHであればWASHだけに固執せず、他分野とのシナジーを考えて取り組みを進めていくこと
・座学で理論だけ学ぶのではなく、現場に行ってニーズを確かめること
・開発をする際にはeffectiveness(効果)とefficiency(効率)を考えること
・意思決定になるべく多くのメンバーを参画させること
鈴木学長からは「日本の外交でアメリカがキーパーソンになっているが、日本として今後もブロック経済を維持していくのか?」という指摘があり、神田財務官からは「アメリカが駄目になったら、駄目だが、理念を持つだけでも駄目で、そのために連日連夜、関係各国と協議をしている」という現場の最前線のお話もありました。
続いて、世界銀行の米山泰揚駐日特別代表がお話をされ、世銀が日本で行った愛知用水のプロジェクトを例に地域の声を踏まえながら、どのように計画が成功したのかを紹介いただきました。また、世界の水資源へのストレスを自然に存在する淡水の採取率をもとに分析され、北アフリカは水自体がないが、中央、サブサハラアフリカは水自体はあるので、うまく管理をすれば、水へのアクセスが増えるのではないかと指摘されていました。
6月、姫路市で開かれる「防災グローバルフォーラム2024:自然災害リスクへの理解を深める」(UR2024)にも触れられ、防さいだけでなく、災害対応、復旧・復興に向けた動きも含め幅広く議論ができればという意気込みをうかがいました。
記者会見の様子はこちらのブログを参照:
http://resultsjp.sblo.jp/article/190813775.html
最後はマーシャル諸島からUNDPの熊丸耕志さんが登壇され、南スーダンやソマリア、マーシャル諸島で実施されている取り組みをご紹介いただきました。
大盛況のうちに幕を閉じた第三回の講義。来週以降も続きます。
(ぽ)