能登町中心部よりかなり離れた場所に瑞穂仮設住宅がある。もう少し車を走らせると穴水町に入ってしまう。山と山をぬって国道249号線が通っている、のどかな場所である。人の気配はなく、静かな山里に来た感じがする。仮設住宅も12戸と小規模である。その割には駐車場には車が沢山、止めてあり「今日は在宅者が多いかも?」と期待する。
気持ちを引き締めて訪問開始。私も能登町の住人だが、さすがにこの辺りの方々とは面識がない。ちょっと緊張する。「笑顔!笑顔!」「何も悪いことをしてる訳ではないんだから・・・」でも、今日の私は何だかいつもと違う。何か心にワダカマリがある。
仮設住宅訪問で「老眼鏡必要ありませんか?」 まずこう入って行くと、「売りに来た」と誤解される。「支援物資の老眼鏡をお配りしに来ました」と言っても・・・反応がいまいち。考えれば考える程、不審者? 言葉を尽くして説明しようとすれば、却って怪しまれるのかなあ、と自分で躊躇してしまっている。
1件目のお宅のチャイムを押す前に気を取り直してひと呼吸。そこで気が付いた。おや、プランターが各部屋の前に置かれている。
水やりをしたばかりなのか、地面が濡れている。そういえば、日本リザルツも東北震災の時に、アサガオの種を配ったと聞いた。仮設住宅にこうしてプランターで花を育てたりする取り組みはとても素晴らしいこと。今度は、アサガオを育ててもらうようにしよう。
(けいたん)