2014年07月02日

レイテ島 結核調査報告21

カルビアン町のRHU(Rural Health Unit)やTB-DOTSセンターでの調査報告です。

カルビアン町はレイテ島の西北端にある細長い町で、RHUの医師を始めとしたスタッフは、週の何日かは遠隔地にある村保健所で診療を行っています。

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RHUの入り口にある診療スケジュール。「RHU」以外は、遠隔地にある村保健所の名前です。

私が調査に行った日は、結核コーディネーターはRHUから35km離れている村保健所でコミュニティ・ヘルス・ワーカーの定期ミーティングに参加していました。訪ねた村へは舗装されていない道をRHUから車で約1時間、地元出身のドライバーさんも「生まれて初めて来た」というほどの僻地です。辿り着いた場所は海と山に囲まれた小さな漁村で、町中心部へのアクセスが非常に悪く、この村での定期的な医師や保健師の訪問診療の必要性があるのもうなずける場所でした。

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こちらがその時に訪問した村保健所。定員2名ほどの部屋が3つ、非常にこじんまりとしています。

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村保健所の隣にある井戸で洗濯をしていた子ども達

昨年11月の台風で、RHUは小規模の被害を屋根に受け、町政府が修理をしましたが、未だに雨漏りが起こります。電気の供給は台風直後から11月11日まで全くなく、その後は保健省から貸与された発電機を使い、最終的には12月中旬には電気が再供給されました。ワクチンは11月9日から11日までカルビアンにある地区病院に保管していました。

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こちらはRHU

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RHUの待合室

この施設には常駐の臨床検査技師はおらず、州保健局から週1回派遣されています。喀痰検査は週1回しかできないものの、ボランティアの検査アシスタントは毎日勤務しており、喀痰検査用のサンプルは毎日収集し、スライド作りは出来ていますので、検査のタイミングを失うことはありません。

カルビアンの結核治療で特徴的だったのは、町の地理的状況のため、村保健所で治療をしている患者さんは村担当の助産師にその全てを委ねていることです。結核コーディネーターが全ての症例に携わっていることの多いレイテ州のRHUで、ここは唯一「結核コーディネーターが直接顔を見ることのない患者が存在する」RHUです。それではあっても、結核コーディネーターは週1回、結核の登録名簿及び治療経過のログブックに目を通し、患者の治療経過等をチェックし、把握しています。

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抗結核薬が保管されている棚

他のRHUで採用されている治療開始前の契約書に関しては、以前はこの施設でも患者全員を対象に使っていましたが、3年前より廃止しています。これは、長年カルビアンRHUに勤務している結核コーディネーターの経験に基づく判断で、契約書にサインをしてもしなくても、結果に影響はない、とのこと。大切なのは、契約書よりも事前の厳しく細かいカウンセリングであると仰っていました。

結核の再燃患者はごく稀に見られ、MDR-TB症例はこれまでに1例。結核治療中に妊娠したことで治療を中断し、出産後治療を開始した際にパロに転院したところ、MDR-TBであることが判明した症例です。小児結核症例はなく、また子どもに対する予防措置症例もありません。

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抗結核治療薬等を州保健局に取りにいくためにも使っている救急車

TB-DOTSセンターはRHUの敷地内に建設中。今年2月に着工したものの、まだ完成しておらず、しかも完成予定は未定だそうです。この建設中TB-DOTSセンターはIMPACT(USAID)の研修で示された感染症対策に沿ったデザインとなっています。

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(wku)
posted by resultsjp at 23:16| Comment(1) | フィリピン
この記事へのコメント
詳細な報告ありがとうございます。
Posted by 白雪姫 at 2014年07月03日 21:01
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