ターミナルから外に出ると、大きなサボテンが出迎えてくれました。アリゾナの印象そのものです。
ロサンゼルスの研修でご一緒させていただいた、Joanne Karolzak, MAEd(Director, Child & Family Service)さんと30年も一緒にツーソンで面会交流事業に携わってこられた、Carol Orr Bolgerさんを渡米前にご紹介いただいていて、Carolさんと、13時半〜14時にお約束していたので、ホテルにも寄らずそのまま施設へ向かいました。
「Casa de los ninos」は、名前の通り、自宅でVisitationしているようにリラックスして親子の時間を過ごして欲しいというコンセプトに基づいて作られているそうです。
建物は教会が所有していた子ども向けの施設を借りていて、古いけれど使いやすそうです。利用する子どもたちも気に入ってくれているそうです。
近く、もう少しセキュリティのしっかりした場所へ引っ越す予定なのだとか。確かに、タクシーで向かうとき、だんだん不安になるような環境でした。タクシーが止まり、ここだと言われたときも「えっ!?」と思わず声が漏れ不安顔だったのが見て取れたのでしょう、ドライバーさんが「何か困ったら電話して。もし私が来れなくても会社の仲間がピックアップに来るから」と名刺に携帯番号も書いて渡されました。
スーツケースを転がしながら建物に近づくと、金網が張り巡らせてあり、大きな錠前がかかっています。あちこちきょろきょろすると「子ども学級に参加の方は西側ドアを利用してください」という表示を見つけて少しほっとして、そちらのドアから中に入りました。するとすぐにCarolさんが迎えに来てくださり、事務所中のスタッフの方々が歓迎してくださいました。
Carolさんのお話を伺ううちに、何の看板も出さない理由などが分かりました。
利用者のプライバシーを守ることは、安全で安心な監視付面会交流を実現するために大変重要なことだからと、Visitation中の子どもたちがいる空間では、写真撮影はもちろん、カメラを隠してねと言われるほど、気を付けていらっしゃいました。
長くなりますので、Carolさんのお話と、施設の写真と説明を分けてアップしたいと思います。
下の写真はスタッフの皆さんです。この日はこの他に、Visitationに付き添っている2名と、裁判所の指示で数時間の親教育受講を義務付けられた親(Visitation中の振舞いに親としての未熟さが見られる場合)への講習をされている1名が出勤されていました。右がCarolさん。
皆さん、とても親切でフレンドリーでしたが、いろいろなエピソードを教えてくださる多くの締めの言葉は「Sad...very sad」でした。日々のご苦労がしのばれます。また、社会の闇と病みを引き受ける本当に大変な現場でありお仕事だなぁ、日本とは家族にまつわる法律も薬物依存などの背景も違うけれど、ツーソンに見学に来てよかったと思います。つづく…(鈴木)