シンポジウムのご案内です。格差・不平等が世界でそして日本で拡大しています。昨年-今年と一大旋風を起こしたトマ・ピケティ教授の「21世紀の資本」は、格差・不平等との闘いの理論的支柱を提起しています。ちょっと落ち着いたところで、あらためてピケティ理論を捉え返してみたいと思います。
基調報告は、日本の貧困・格差問題の第一人者である橘木俊詔氏に行っていただきます。また、パネルディスカッションでは各分野の第一線で活躍されている専門家が問題提起を行います。世界と日本の格差・不平等を解消し、かつ世界的な貧困化・温暖化等の地球規模課題に対応していくために私たちは何をなすべきか。ともに考えましょう。
シンポジウム:
ピケティ「21世紀の資本」とグローバル・タックス
〜行き詰まる資本主義、日本の格差・貧困、国際課税への提言〜
◎基調講演:橘木俊詔 氏(京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授)
◎パネルディスカッション:グローバル・タックス、グローバル累進的資産税の可能性を探る
・モデレーター: 三木義一(青山学院大学教授)
・パネリスト: 水野和夫(日本大学教授)
志賀 櫻(弁護士)
上村雄彦(横浜市立大学教授)
小西雅子(WWF気候変動・エネルギー・プロジェクト・リーダー)
・日時11月7日(土)13:00〜16:30(12:30開場)
・会場:青山学院大学9号館931教室
・定員:150名
・資料代:500円
・申込み:お名前とご所属、「シンポジウム参加」と明記のうえ、EメールまたはFAXでお申し込みを。。
Eメール:info@isl-forum.jp / Fax:03- 3834-2406
グローバル累進資産税はなぜ必要か?それは可能か?
〜日本の貧困・格差問題の第一人者を迎えて〜
トマ・ピケティ教授は次のように言う。20世紀の社会(福祉)国家と累進所得税は将来的にも中心的役割を果たすが、「民主主義が21世紀のグローバル化金融資本主義に対するコントロールを取り戻すためには、…資本(注:資産)に対する世界的な累進課税」が必要であり、「それをきわめて高水準の国際金融の透明性と組み合わせなければならない」(邦訳版 539P)、と。
21世紀資本主義はますます格差を拡大しつつあり、それがひいては民主主義体制を危うくし、資本主義そのものが立ち行かなくなるからだ。一方、途上国にあっては資金の不法流出が急速に増え続けているという現実がある(1ドルのODAに対し、7ドルの不法流出)。
とはいえ、資産(資本)に対する累進課税は、とくに金融資産への課税は容易ではない。やすやすと国境を越えてタックスヘイブンなどへと移り課税を回避することが可能であるからだ。これを防ぐには、まず国際金融の透明性が前提となろう。
ところで、日本の格差問題は富裕層の所得や資産の動向というより「貧困者や資産ゼロの人々の存在」に負っているというのが橘木教授の所論である。「OECD諸国の中では日本は15%を超す貧困率であり、主要先進国の中ではアメリカに次ぐ第二位の貧困率の高さである」(「トマ・ピケティ著『21世紀の資本』の衝撃」現代思想1月増刊号)、と。
以上から、本シンポジウムでは日本での貧困・格差問題を踏まえつつ国際課税(グローバル公共財の原資としても使用するためのグローバルタックス)について理解を深め、グローバル累進資産(資本)課税の可能性を展望していく。
共 催:グローバル連帯税フォーラム/民間税制調査会
協 賛:(特活)日本リザルツ
※写真は橘木教授
(田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
