2016年06月29日

SDGsを括る2つのキーワードの起源

持続可能な開発目標(SDGs)が発表されてから、ずいぶん時間がたった。開発にずっと関与してきた人にとってみれば、その目標に馴染んでしまい、もはやあまり新鮮さは感じられないのかも知れない。少し開発の世界から離れていた私は、そう、まだミレニアム開発目標(MDGs)の時代を少し懐かしく思い返したりする。
2016年JANICの総会の第2部の対談の中で、包摂性(Incluvise)と普遍性(Universal)というSDGsの鍵概念ともいえる言葉がスクリーンに映しだされた。包摂性は「誰ひとり置き去りにしない:no one left behind」で、普遍性は「先進国と途上国に共に適用」ということであり、SDGsの精神でもある。
このようなキーワードがどのように表舞台に出てきたのだろうか?個人や当事者のコミュニティ、市民社会の内側ではずっと、考えられてきたのだろうけど、多くの人々が目にする政治的なイベントという意味での表舞台だ。Health for all は1978年のアルマ・アタ宣言に起源がありそうだし、education for all はタイのジョムティエンで開催された「万人のための教育(EFA)世界会議」に端を発する。”all” はかつて多くの目標に入れ込まれたものの、数よりも内容やバラツキの問題が大きくなり、”universal”が上位に位置づけるべき社会政策となったのかも知れない。”universal”は、社会福祉のノーマライゼーション(normalization)の手段、あるいはデザインの分野でよく見かける。
  で、”incluvise”。格差や社会的排除(social exclusion)を問題にするときの対立概念として、社会的包摂(social inclusion)がヨーロッパを中心が使われだしたとある。人権をめぐる規約や条約の歴史とも重なる。個人的には、日本にコミュニティ心理学をもたらした山本和郎氏の著作にある「決して切り捨てのない社会」がよりぴったりくる表現か。ただ、排除されるかも知れない対象者の声をきくこと、また、当事者が声を出せるという前提条件があることを忘れないでおこう。
(U)
posted by resultsjp at 10:28| Comment(2) | リサーチ&アドボカシー
この記事へのコメント
勉強になります。
Posted by 白雪姫 at 2016年06月29日 14:32
IncluviseとUniversal。よく聞く言葉ですが、こうやってじっくり考えると深いです。
Posted by 白虎 at 2016年07月05日 17:47
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