2018年05月31日

「平等な機会づくり」と「公平な取り扱い」ー 社会の「空気」

お久しぶりです。白石です。

日本リザルツは貧困問題を解決するために政策提言を行っている国際NGOです。
世界の5人に1人が貧困の中で生活しています。加えて、これまでに膨大なヒト・モノ・カネが支援を求める地域につぎ込まれているにも関わらず、その貧困がなくなっていないという悲劇があります。

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支援する側と支援される側という区別がはっきり見えています。オリエンタリズムは狭義では、東洋学という意味ですが、文化学では、「ネオオリエンタリズム」として西洋による東洋の「表象の設定」を意味します。

19世紀後半ヨーロッパ諸国は、東洋について「非文明国」として認識して植民地化していきました。植民地支配の正当化のため、「文明国」と「非文明国」という明確な区分が必要だったのです。「東洋はこういうものである」と言われた東洋諸国は「こうあるだろう」とそのように振舞い始めたと言われています。他にも米国によるアフリカン・アメリカンの表象設定や、ナチスドイツによるユダヤ人の表象設定など他にも例があります。

「支援国」と「被支援国」はどうでしょうか。そのような関係性になっていないと信じています。「支援国からの上から目線」は「被支援国からの軽蔑」につながります。さらには「貧困地域は貧困であるべき」という「空気」の形成につながりかねません。

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現地での活動は「大きな目標を実現するために」するのではなく、常に「目の前の命を救うため」であって、非常にシンプルです。「大きな目標を達成するために」という視点は、その目標を設定した支援国からの評価を求めるだけの活動につながる可能性があります。

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なぜ結核の薬が本当に必要とする人たちのもとに届かないのか、マラリア予防の蚊帳が魚を取るために使われてしまうのか。貧困について考える人たちの善意が届かないのか。

我々は素直に振り返り「目の前の子どもを救える」支援を再考しなければなりません。決して大きな目標の達成が全て正しいわけではなく、資金拠出だけが貢献ではありません。 

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先ほどの「空気」という強大な力が社会を覆っている気がします。文化学で言うところの、ネオオリエンタリズム的、もしくは権力支配的に「空気」を作りだし、それによってコントロールされている気がしてなりません。日大アメフトの問題もそうであるし、企業内でもあります。
我々は「途上国」「被支援国」に対して、そのような「空気」を作りだしてしまっていませんか。

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「空気」というものは見えませんし、逆に「こうであろう」と考えてしまうと、もっと違う「空気」を生じさせます。現実からかけ離れた「空気」が(指示義、共示義を超えて)人々を理解させる可能性が大いにあります。それを跳ね除けて、現実の理解を試みることが「国際協力」をおこなう上で重要だと考えています。

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それを現実と理解できた(なんとか1部だけでも)ときには「公正」な取り扱いが重要だと認識できます。つまり人それぞれにあった取り扱いです。さらにそれができたときには「傲慢な支援」の輪から抜け出せます。(そのはずです)

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「平等」と「公正」の違いについて考えることがあります。「国際協力」においては「平等な機会づくり」と「公正な取り扱い」が非常に重要で、「国際協力」を名のもとに、また2つの言葉の違いを認識せず「支援国」と「被支援国」との「平等な取り扱い」によって、「傲慢な支援」になってしまっていませんか。

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少し立ち止まって、ゆっくりと考える必要があります。我々の文明の発展が全て正しかったのか、また発展させることが正しいのか、間違っている可能性があるものを「途上国」「被支援国」に押しつけてしまっていませんか。

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ずっと考えていますが(考えるシリーズVol3【貧困って?】) / 旅便りvol5@ケニア キスム ) 「貧困」ってなんでしょうか、「幸せな生活」ってなんでしょうか。

私もさまざまな角度から検討してみます。
ぜひ、ご意見ください。( riku.s@zoho.com )


しらいし 
posted by resultsjp at 15:25| Comment(4) | 情報
この記事へのコメント
考えさせる文章有難う。先進国であれ、途上国であれ、生まれた場所が違うだけ。栄養、教育、生活、人が受ける権利は同じであると思います。ご健闘を祈ります!!
Posted by ひら at 2018年05月31日 18:05
読み応えのある文書、ありがとうございます。みんなが幸せに暮らせる世界を目指して、みんなで一緒に何ができるか、考えることが大切ですね。
Posted by ことり at 2018年05月31日 19:49
考えさせられました。答がでたら教えてください。
Posted by うみ at 2018年06月04日 11:25
そういった空気というものは、本当にいたるところにあるものだと思います。それらは、コックリさん的に集団の作用で作り出されるものや、人を自分に都合良く動かすために意図的に作り出されるものなど様々あるように感じます。
そういった空気に流されないよう気をつけたいです。
Posted by しん at 2018年06月24日 22:24
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