2019年10月21日

G20保健大臣宣言

10月19日、20日に、岡山県岡山市でG20保健大臣会合が開催され、大臣宣言が発出されました。こちらのリンクからダウンロードできます。
日本リザルツが特に関わっている分野についてどのように述べられているか、過去2年(2017年ドイツ・ベルリン、2018年アルゼンチン・マル・デル・プラタ)と比べてみました。

・結核
 2017ドイツ:5つの段落に記述。内容はUHC2030の実現、薬剤耐性、研究開発など。STOP TB Partnership などの試みの重要性についても記述。
 2018アルゼンチン:4つの段落に記述。内容は国連総会結核ハイレベル会合の成果、SDGs、規格外・偽造薬剤の害など。
 2019日本:2つの段落に記述。国連総会結核ハイレベル会合の宣言を再確認すること、グローバルファンドの増資成功を歓迎すること、薬剤耐性に立ち向かうための研究開発の重要性など。

この3年間で、徐々に記述の量及び質共に低下しているように感じます。2030年までに結核を根絶するという目標を達成するためには、結核対策を加速しなくてはならない中、心配な状況に見えます。

・栄養
 2017ドイツ:「nutrition」という言葉の記載なし。
 2018アルゼンチン:「Malnutrition: Childhood Overweight and Obesity」という題で5段落を栄養に割いている。子どもの過体重、肥満、栄養不足、微量元素不足、国連総会非感染性疾患に関するハイレベル会合などに言及。
 2019日本:3つの段落で栄養に言及。プライマリー・ヘルスケアの一部としての栄養、栄養のための行動の10年や栄養サミットへの期待、健康な高齢化のための重要な要素の内1つとしての栄養について記述。

アルゼンチンが4つの柱の内1つを栄養としているのに対し、日本では柱となっていないという点はありますが、栄養サミットへの期待ということが述べられています。栄養サミットを来年に控えている国で開催された保健大臣会合の宣言という点では、もっと意気込みを見せて欲しかったという気もします。

なお、TICAD7の際には、総理大臣の演説に「保健」「栄養」「教育」という言葉を引き続き含めていただくようお願いをしていましたが、保健大臣宣言では、2017年、2018年と記載のあった「education」という言葉が2019年はありませんでした。

ところで、今回の宣言で1点嬉しかったことがあります。それは日本リザルツがキャンペーン事務局をしているGaviワクチンアライアンスについての記述が大幅に増えていることです。ドイツにおける宣言ではUHCの達成において重要な役割を果たす官民連携の一例としてGaviが挙げられていましたが、アルゼンチンにおける宣言ではGaviという名前は記載されませんでした。今年の宣言では、ポリオ根絶への努力、Gaviの増資会合成功への期待、医薬品特許プール、感染拡大の予防といった内容に関してGaviの名前が記載されています。
一連のGaviアドボカシー、TICAD7におけるGaviの増資準備会合といった流れが、日本によるGaviへの支援拡大につながってくれることを期待させる内容となっていました。

この宣言が今後の国際保健の進展、また来年の保健大臣宣言にどう影響するか注視していく必要があると思いました。
UME
posted by resultsjp at 16:22| Comment(3) | 情報
この記事へのコメント
R&Dに関して言及がされていましたが、日本初のR&D官民連携ぺートナーシップであるGHITに言及がないことも気になりました。
Posted by ひよこ at 2019年10月21日 20:11
開催年や開催国によりこれだけ内容が変動するということからも、継続して訴えることが重要なのだと思いました。
Posted by しん at 2019年10月25日 07:51
ハイレベルのアドボカシーも市民社会が支えていますね。
Posted by ひら at 2019年10月31日 21:34
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