2020年05月15日

アフリカ諸国のポリオに関する最新情報

新型コロナウイルスの拡大で、ワクチン接種、ポリオなどの感染症にも影響が出ています。
日本リザルツケニア特派員が、アフリカ諸国の現状を取り纏めました。

アフリカのポリオ問題(5月15日時点)

1.エチオピア

・エチオピアではポリオ疑いが毎週計上。GPEIのデータによると22例。

・ワクチン由来のTYPE2と呼ばれるもの。

・先週までに180例の疑いが報告。死者はなし。

・死者数で言うと、Covid-19でなく、狂犬病、コレラ、ポリオ、はしかのほうが圧倒的に多い。


2.ケニア:2005年にポリオフリー

現状:「もはやポリオウイルス(野生型又はワクチン由来)の感染はないが,野生型又はワクチン由来の再感染に対して影響を受けやすい国」


ワクチン接種の状況:

生後すぐに生ワクチンを接種。

6週間、10週間 OPV(生ワクチン)

14週間にOPVIPV(不活化ワクチン)の接種を実施。

公立の医療施設では、Gaviの支援で無料提供。

ケニアはGaviの資本のもと、UNICEFを通じてワクチンが供給されている。UNICEFは技術支援がメイン。


・ケニアでは野生株のポリオ発症に関しては、統計上は確認なし。生ワクチンを提供しているためポリオを発症した例が2018年〜2019年の1年間で14件。2019年、2020年は報告ゼロ。

・農村部、過疎地域では医療従事者の人員が足りないことが原因でLevel12(町医者レベル)の公立医療施設は閉まっているところもあり、ワクチン接種ができない子どもが出てきている。

・日本リザルツが活動を実施するカンゲミヘルスセンター(Level3:首都ナイロビでは各区に1〜2つ)では、312日のケニアのコロナ発症確認後、1か月にわたって、ワクチン接種のサービスを見合わせ。そのため、6週、10週、14週に行うポリオのワクチン接種ができていない子どもが多い。

・現在は、院内感染の抑止とキャパシティ不足により、予防接種は120人の子どもに対してのみ実施。通常の5分の1にサービスを縮小しているため、ワクチン接種を受けられない子どもが増えている。

・大雨・洪水により衛生状態が悪化し、コレラや細菌性の下痢にかかる子どもの数が増えている。ナイロビは土砂崩れによりダムからの水の供給がストップしたため、断水が続いており(復旧まで2週間を要する)水へのアクセスもできない状態に。


3.ニジェール

・根絶間近だったが、2020424日にNiamay地区とTillaberi地区において2人の子どもがポリオに新規感染したことを確認(WHO)。

https://reliefweb.int/report/niger/niger-reports-new-polio-outbreak


4.アフリカの動き

・世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染予防策として人と人との物理的距離を確保する必要があることから、2020326日付のガイドラインで、大規模なワクチン予防接種キャンペーンを停止するよう指示。

・生ワクチンを打った子どもがポリオにかかり、それが伝染していくことも問題視。

・ワクチン由来のポリオが発生しているアフリカ諸国は以下の通り(WHO):アンゴラ、ベナン、ブルキナファソ、カメル―ン、中央アフリカ、チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、エチオピア、ガーナ、マリ、ナイジェリア、ニジェール、トーゴ、ザンビア。

AFROWHOアフリカ地域事務所)はアフリカの47の国と地域のうち43か国で野生株のポリオは終息していることを確認。残りはカメルーン、中央アフリカ、ナイジェリアと南スーダン。

https://www.afro.who.int/news/africa-one-step-away-wild-polio-eradication-verdict


WHOやアメリカ疾病予防管理センター(CDC)、国連児童基金(UNICEF)らで構成されるイニシアチブ「世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)」では、対象国に対して、ポリオワクチン予防接種キャンペーンを61日以降に延期することを表明。

・アフリカの今週のポリオ発生状況(56日現在:GPEI

 チャド:ワクチン由来のポリオ(cVDPV2)1件、環境中のサンプル陽性2

 コートジボワール:環境中のサンプル陽性(cVDPV2)4件

 ニジェール:ワクチン由来のポリオ(cVDPV2)1件

 ナイジェリア:環境中のサンプル陽性(cVDPV2)3件


参照:

ポリオの国別のケース数に関して

http://polioeradication.org/polio-today/polio-now/this-week/


見ていただくとわかる通り、生ワクチン由来のポリオまん延と通常通りワクチン接種ができないことが深刻な影響をもたらしております。ポリオ根絶を達成するために、関係機関が一丸となって何ができるのかを考えたいと思います。(かめ)

posted by resultsjp at 18:52| Comment(2) | 情報
この記事へのコメント
予定通りワクチンを接種できてないお子さんたちが沢山いて心配です
Posted by ひよこ at 2020年05月15日 18:56
不活化ワクチンが打てるようになると良いですよね。私が以前住んでおりましたマラウイ国では、コミュニティー保健ワーカーが注射を打てます。そういう建付けが重要に思えます。
Posted by MU at 2020年05月15日 21:55
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