2020年05月25日

新型コロナウイルスによる結核対策への影響

新型コロナウイルスの感染拡大は様々な疾病対策にも大きな影響を与えています。
このうち結核への影響について、ストップ結核パートナーシップやWHOがモデル分析を行いました。

詳しい分析内容(日本語)はストップ結核パートナーシップ日本のサイトから閲覧できます。


モデル分析によると、2021年の世界の結核罹患率と死亡率は、2013年から2016年の間に見られたレベルまで上昇し、新型コロナウイルスの世界的流行により、結核終息に向けた進捗は少なくとも58年後退したことになるとしています。

以下、内容の抜粋:
<結核について> 
 ● 結核は空気感染する病気。 世界 10 大死因の 1 つ、世界最大の感染症であり、薬剤耐性(AMR)や HIV に関連する主な死因。
 ●2018 年には、約 1000 万人が結核を新たに発病し、150 万人が死亡している。 
 ● 結核のために働けなくなる、教育を受けられなくなることにより、家族、地域、国を貧困のサイクルへ導く。その 人的、経済的な損失は、このままの状態であると、2015 年から 2030 年で推定 1 兆ドルと言われている。
 ● 2018 年の国連総会 (UNGA) では、各国首脳が国連ハイレベル会合において、結核対策を劇的にスケー ルアップし、結核の減少を加速させ、2030 年までに結核を根絶するという SDG の目標を達成することを誓約している。
< 主な具体的な中間目標> 
・ 2022 年までに結核患者 4000 万人を治療するために診断と治療を提供する。
・ 2022 年までに結核対策費を少なくとも年間 130 億ドル増加し、新薬などの結核研究開発費に年間 20 億ドルを投資することを目指す。 
・ 高結核負担国を中心に、結核を発病するリスクが高い、少なくとも 3000 万人が予防的治療を受けられ るようにする。 
・ 小児結核対策の推進と小児を対象にした結核対策の政策作成を進める。
 ●世界の努力によって、2000 年から 2018 年の間に、5800 万人の命が救われ、結核による死亡は 38%減 少していた。
 ● しかし、新型コロナウイルス の世界的流行により、結核患者発見が劇的に減少し、治療が遅れ、治療中断のリスクや 薬剤耐性結核患者の増加の可能性が増加した為、UNGA の目標を達成に向けた進展に大きな後退をもたらすことが推測されている。 
ちなみにこのモデル分析は私が駐在するケニアも対象になっています。医療サービスにアクセスできない人が増えていることで、結核の診断が行えなかったり、投薬が続けられなかったりし、見過ごされているケースが増えてきているのが現状です。結核診断・治療をサポートしているCHVは医療従事者でないため、活動を大幅に縮小しており、事態が長期化していることで、新型コロナウイルス以外の疾病がまん延することが懸念されています。
(かめ)



posted by resultsjp at 01:14| Comment(1) | 情報
この記事へのコメント
長期化した際を鑑みて、医療サービスの見直しと戦略の再構築が各国で必要だと思います。
Posted by ひよこ at 2020年05月25日 01:19
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