2020年07月21日

「GGG+フォーラム」番外編 学生セッション(上)

ルポール麹町で13日、行われた「GGG+フォーラム東京・思いやりサミット2020」。コロナの感染が広がるという環境下ではありましたが、感染予防に配慮したうえで学生約50人が出席、なかなか出会えない登壇者らと議論を戦わせるという、これまでにない会となりました。


その前半の第2部「教育は世界を変える」の質疑応答を報告します。

 まず、口火を切ったのは、慶応義塾大学の渡部雅史さんです。

「世界をよりよくするのは、人間の力だ。領域、横断的に効果を及ぼすのが教育。優先度は高いが、さまざまな価値観があるので、教育を最優先にすると弊害も起きます。(弊害として)今起きることは、教育とコロナの共存。大きなチャンスととらえたい」と提案しました。

そのうえで、「オンラインに抵抗を持つ人もいるでしょうが、オンラインの授業で強みもあります。授業を何回も復習し、巻き戻すことができます。これは特に、途上国においても効果が大きいと思う。教師不足で教育が受けられない地域があるとしても、一人の教師が教材をつくればみんなが見られる。新型コロナを契機に、その強みもとりいれながら共存していけばいいと思っています」と語りました。


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続いて、早稲田大学の渡邊優紀さんが手を挙げました。

「オンラインの授業を受けていますが、オンラインの強みと質の低下も感じています。リアルで対面授業を受けているときに比べ、教育の質の差があります。年配の先生はパソコンを扱うのが得意ではなく正直、オンラインの授業の質がよいとはいえません。私はアルバイトで高校生に授業していますが、(彼らも)学校行事ができなくなってしまった。これが問題と思う。行事は協調性を育みます。人格形成が将来、積み残しになってしまうのではないか」と、問題を提起しました。そのうえで、教育の質をどう確保するのか、日本ができることは何かについて問いかけました。

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自身のタイでの教育支援の実体験をもとに悩みを吐露したのは宇都宮大学の国際協力サークルの「ナムチャイ(タイ語で思いやりの意味)」の藤倉理子さんです。

 「タイ東北部に教育支援をしているのですが、支援先の教育事情が改善している中、いつまで支援を続けるのかに悩んでいます。きっかけは大学にいたタイ人の先生ですが、今は学生だけで絵本や文房具を寄付しています。支援先の学校の設備もよくなり、奨学金の返済もできるようになったので、支援先を変えるためにヒアリングをしたところ、両親が失業し奨学金を返済できないと継続を感情的に訴えられました。支援を続けることで自立の妨げにもつながります。引き際をどうすればよいのか、教えてください」

 開発を持続的に支援していくことの根源的な問いかけでした。


 3カ月ぶりに大勢の人と会えたと参加の喜びを語ったのは同志社大の阿左美太一さんです。

「僕は、課題を考えることが教育と思っている。学校教育がすべて教育ではなく、先生が教えることがすべてではない。教育とは何をさしているのか教えてほしい」と、根源的な質問から入りました。

第2部で登場した社会課題解決のために考えた遠隔操作ロボット「アバター」に触れ、「とても面白い。京都で観光ボランティアガイドをしているが、旅行気分を味わえる」と感想を述べていました。

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上智大1年の学生からは「偶然がもたらすセレンディピティは重要。オンラインで教室に行かなくなり、友達との交流がなくなってしまった。教室やサークルでの出会いがなくなり、メンタルヘルスの問題を抱える学生もいます。友達で2、3人うつ傾向になってしまいました。それをテクノロジー、政治でからどう解決できるのか、教えて下さい」と質問を投げかけました。


これらの質問に対して、早稲田大の黒田一雄教授が「コロナの今の状況をチャンスととらえることも重要。これまでもオンライン教育を進めたかったが、できていなかった」としたうえで、「学習の個別化が進み、教室で多くの学生に同じ教育を行うのではなく、インクルーシブな教育をつくっていくという考えがあり、その意味ではチャンスです。また、教育とはなんなのか、メンタルヘルスの問題、教育の全体を促進できていない、目的をかなえていない、という問いかけが(学生から)ありましたが、オンライン教育の限界もあります。それをどう解決するのか、ということが新たな問題として提示された」などとまとめて回答、時間切れとなりました。

 学生の質問は、実体験に基づいた、よいものばかりでした。時間があれば、面白い議論を深められたかと思います。次回の課題にしたいと思います。(杉)

posted by resultsjp at 18:44| Comment(2) | 情報
この記事へのコメント
遊んでばかりいた自分の大学生のころと比べ、皆さん、しっかりと考えを持たれていて、凄いな…と思うとともに、自分は何をしていたのだろうと恥ずかしくなりました(笑)
Posted by ひよこ at 2020年07月21日 19:37
学生さんが実体験を語ることは大切ですね!
Posted by MU at 2020年07月22日 15:48
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