12月7日、8日に開催された東京栄養サミット。本日は小野啓一外務省地球規模課題審議官のサミット閉会挨拶(全文)をご紹介させていただきます。
小野啓一外務省地球規模課題審議官閉会挨拶:
おはようございます、こんにちは、こんばんは。御出席者の皆様、東京栄養サミット2021が幕を閉じようとしています。2日間の会合では、政府のみならず、国際機関、民間企業、市民社会、学術界等の方々から、具体的な行動を含む力強いコミットメントが発表され、活発が議論が行われました。
66の国を含む156のステークホルダーから330以上のコミットメントが提出され、過去の栄養サミットを上回る270億ドル以上の栄養関連の資金拠出が表明されました。今ここに栄養改善に向けて国際社会が今後取り組むべき方向性をまとめた成果文書として、グローバルな成長のための栄養に関する東京コンパクト「東京栄養宣言」を発出いたします。
この東京栄養宣言に対して、64か国の政府、11の国際機関、61社の民間企業、59の市民社会等を含む214のステークホルダーからのエンドース(同意)が得られました。世界の栄養問題を解決する一歩として、国際社会が取り組むべき方向性が示されたことを歓迎いたします。加えて、これがSDGsや国連行動の10年目標の実現に資することを確信いたします。
昨日のハイレベルセッションでは、岸田文雄総理大臣による開会スピーチに続き、各国の首脳閣僚、国際機関の長、そして民間企業、民間財団、市民社会、学術界の皆様からコミットメントが発表され、国際社会が一丸となって世界の栄養改善に取り組む姿勢が示されました。
本日は5つのテーマに関し、世界の栄養問題をリードする異なるステークホルダーが英知を結集させ、今後の具体的な取り組みが議論されました。東京栄養サミットにおいて、こうした深く、広範な、そして示唆に富み、アクションオリエンティッドな議論ができたのは、国際的なステークホルダーの方々の情熱と貢献のお陰です。
日本政府は2年以上前から主要なステークホルダーの方々とアドバイザリーグループを組織して、準備にあたってきました。彼らの努力なしで、この会議の成果があり得ませんでした。その関与に心からの敬意と感謝を表します。
東京栄養サミットのもう1つの成果は、数多くのサイドイベントの開催です。その数は本日時点で120以上に及びます。例えば、食塩の過剰摂取に関し、日本企業が日本ならではの発信として「うま味」が減塩につながるエビデンスを示して栄養改善における企業の役割を示すなど、様々なテーマについて、活発な議論が行われました。様々なイベントの主催者の皆様に感謝いたします。このような主催国政府以外の方々の熱が会議を成功に導いたと考えます。サイドイベントは来年1月まで続きます。是非、ご参加ください。
新型コロナによる開催延期を経て、東京栄養サミットの開催までは長い道のりを経てきました。こうして無事、サミットを閉幕させることができるのは、ご協力、そしてご参加してくださった皆様のお陰であり、心から感謝申し上げます。
栄養は健康と福祉の基礎であるとともに、持続可能な開発と経済成長の基盤です。個人、コミュニティ、国、そして世界が繁栄するための礎です。栄養改善がなされてこそ、世界の平和と繁栄、持続可能な社会が作られるのです。今後、今回約束されたコミットメントに参加者それぞれが真剣に取り組んでいきましょう。そして、2024年にフランスで開催される次回サミットでは、東京栄養サミットからの更なる進捗を皆様と確認できることを強く期待しております。