3月15日付朝日新聞に、中国で新型肺炎SARSの感染が広がった際に、当局が感染を隠ぺいしたことを告発した蒋彦永医師が3月11日に死去されたことが分かりました。91歳でした。
蒋医師(Jiang Yanyong)は、もともと北京にある軍総医院に勤務しており、当局側の人でした。2003年4月、中国衛生省が「全国人民代表大会を無事開くため」とSARS患者が出ていながら、その情報を隠ぺいした事実を世界に明るみにしました。その後、中国当局は感染者数が当初の発表の数倍にのぼることを公表。当局が感染対策を強化するきっかけにもなったとして称賛されました。2004年には、アジアのノーベル賞といわれる「マグサイサイ賞」を受賞しました。また、天安門事件についても再評価を求める意見を述べ、当局の監視下に置かれていました。
中国本土で、蒋医師の死は報じられませんでしたが、ソーシャルメディアには追悼のメッセージが寄せられているようです。
3月5日に開催されたGGG+フォーラムにでは、多くの専門家の方や学生から、情報の透明性や自身のリテラシーを高めることの重要性について言及がありました。
国の政策や経験から学ぶことはもちろんですが、真実を見抜く目を養いたいと思います。
くーぱ