イスラエル軍は、1月23日にハンユニスを地上部隊が包囲したと発表しましたが、今回の攻撃を、自軍によるものだと認めていませんでした。ハンユニスでの攻撃は激化しています。この地域で最も大きなナセル病院付近でも激しい戦闘が続いていて、患者や避難されている方は逃げることもできず、いつ攻撃されるかもわからないという不安を抱えています。
ガザ地区ハンユニスには、「日本地区」と呼ばれる地域があります。日本政府の支援によって学校や診療所、住宅が建てられ、現地の方からも親しみを持って呼ばれています。ハンユニスのトレーニングセンターでは、毎年3月に東日本大震災の復興を願った凧揚げが開催されています。日本リザルツの元スタッフで、今はUNRWAガザ事務所の職員である吉田美紀さんが主導となり釜石などの被さい地でも実施をしており、UNRWAガザ事務所で勤務を始めてからもガザの子どもたちと毎年3月に凧揚げを行っています。
2015年3月には日本リザルツの白須理事長もガザ地区ハンユニスに入り、子どもたちと一緒にガザと釜石市をつなげた凧揚げを行いました。私たちにとっても思い入れのある地域での攻撃が起こっているのがとても残念です。
停戦交渉は行われているものの、緊張はまだ続いています。イスラエルのネタニヤフ首相が、仲介役であるカタールを「問題だ」と批判する声明がイスラエルの地元テレビ局で報道されました。これに対し、カタール外務省は、「発言が事実なら、無責任であり、罪のない人々の命を救う努力を壊すものだ」と批判しました。
ニューヨーク・タイムズは、2週間以内におよそ2か月間の戦闘休止に合意される可能性があると報じました。米国が主導して、ハマスが拘束する人質100人の解放と引き換えに、イスラエルはガザでの戦闘を休止するという交渉が進んでいます。
イスラエル国内でも、今回の戦闘に対する世論は割れています。イスラエル民主主義研究所が2024年1月14日〜17日に実施した世論調査によると、国民の約52%は戦闘の継続を求めています。彼らは人質解放と引き換えに軍事作戦の停止を認めるべきではないと主張しています。その一方で、約40%の人々は停戦や人質の解放を認めるべきだと回答しています。戦闘休止中の2023年11月下旬の世論調査では、76%の人が戦闘の再開を支持していましたが、現在は世論が分断してしまっています。これは、戦闘以前からの国内の司法制度改革をめぐる右派のネタニヤフ政権と左派の政治的対立が反映されているようです。
この対立が深まれば、ネタニヤフ政権の決断はより一層慎重になってくるとみられています。
そのような中、UNRWAのスタッフがハマスによるイスラエルの奇襲に関与しているとの疑惑が生まれ、日本を含む主要な援助国の多くが一時的に資金の拠出を停止すると表明しました。戦争が激化し、停戦もまだ確定していない状況での、多額の資金拠出停止はガザの人々の命を危険な状態に陥れる可能性が高いです。
まずは、ガザでの戦闘が休止され、彼らの復興に向けた十分な援助がなされることが必要です。ガザとイスラエルの対立は現地だけでなく国際社会全体に緊張感をもたらしますが、どのような状況であれ、影響を受けるのは弱い立場の人であることを忘れてはなりません。
GGG+フォーラムでUNRWAの清田保健局長が「若い人は白は白、黒は黒ときちんとものを言いながら、世論を形成することが大事だ」と教えてくださいました。
思いやりある判断を当たり前にできる世界になってほしいとの願いを持ち続け、学生ながらも「殺されていい人はいない」と声を上げ続けていきたいと思います。
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