2025年01月07日

能登で感じた、自然と共存する暮らしと豊かさ

東京で耳にしていた能登の現状と、現地で目にした能登の姿。その間には大きな違いがありました。短い滞在の中で心に響いたこと、気づいたことをここに記します。


自宅から現地に向かう際、タクシー運転手さんが「何か手助けしたいけれど、何をしたらよいのかわからない」と話していたこと。それは私もリザルツに携わる前まで同じように感じていました。しかし今回、実際に能登で雪かきをし、被災された方々と直接話すことで、耳で聞くよりも現場で見て、触れることでしかわからない現実を実感しました。


地元スタッフの今さんと行動を共にし、地元の言葉で交わされる会話を聞く中で、能登の方々が見せる豊かさに気づかされました。彼らは「自分が大変だ」とは決して言わず、「もっと大変な人がいる」と笑顔で話すのです。その姿は、リアルな「能登はやさしや、土までも」でした。


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能登の金さん銀さんのような、助け合っているご姉妹にお会いしました。


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自宅で近所のお仲間と一緒に毎年作る干し柿もお土産でいただきました。


自然と共存する知恵が生む豊かさ


能登の暮らしには、不便だからこそ生まれる知恵や工夫が詰まっています。保存食の発酵文化もその象徴です。どこのスーパーでも、麹が売り場の入ってすぐの場所など前面で販売されている様子からどの家庭でも当たり前に作られていることがわかりました。また男性が作った柚子味噌をいただいた際には、性別を問わず保存食作りをされていることも知りました。男性のための「保存食ワークショップ」と題した酒のあての会を開催すれば、地域の新しい交流の場が生まれるかもしれません。


また寒い室内で厚着をしながら暮らす能登の人々の姿を見ていると、東京では声高にSDGsや温暖化を訴えているにもかかわらず、自宅でも会社でも薄着をしてエネルギーを大量に使い、自分たちだけ快適に暮らしていることに恥ずかしさを感じました。便利な暮らしは悪いことではありませんが、それが人間の知恵やたくましさが奪われているのだろうと。


課題を超えて未来をつなぐ


能登には課題もあります。仮設住宅の避難者と自宅避難者の間に生じる支援の格差や、役所の対応体制の整備など、解決すべき問題は少なくありません。それでも、現地の方々との対話を通じ、雪かきをしながら手を動かし、体を動かすことで見えてきたのは、机上の想像では決して見えないリアルな暮らしの風景であり、能登が持つ「豊かさ」を次世代へ繋ぐことの重要性です。羽田からわずか1時間の能登には、今も自然と共存する美しい暮らしが息づいています。この豊かさを守り、未来に繋ぐことが、私たちが能登から学ぶべきことではないでしょうか。

私にとっての今後の課題は、このような思いが絵空事にならないよう、どうやって実現していくかです。皆様の力を借りながら1歩づつ前進していきたいと思います。



(じじねろ)

posted by resultsjp at 22:36| Comment(0) | 情報
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