2025年2月14日、環境省の専門家会議で、国の特別天然記念物のトキを野生復帰させる取り組みとして来年6月ごろに本州で初めて能登地域に放鳥する方針が了承されました。 今年の7月頃までに具体的な放鳥場所が決定されます。
かつては全国各地に広く生息していたトキですが、明治以降の乱獲や農薬による餌の減少などによって減少。1970年に本州最後のトキ「能里(のり)」が穴水町で保護されましたが、翌年亡くなりました。日本産のトキは2003年に絶滅し、その後は中国からのトキが佐渡で繁殖され、放鳥されています。
環境省は2021年に方針を変更し、佐渡市以外での定着を目指し、本州でも放鳥を行うことを決めました。その候補地として能登地域9市町が選定されており、石川県と9市町は独自のロードマップを策定したり、モデル地区を設定したりするなど放鳥実現に向け取り組んできました。その取り組みもあり、能登地域の田んぼの調査でトキのエサとなるカエルやタニシなどの生き物が多く生息していることが確認され、評価されました。また、「トキツーリズム」の検討なども行っています。
能登地域の住民からは、復興のシンボルとして期待する声や「見るのが楽しみ」という声も上がっています。珠洲市の泉谷満寿裕市長は「農地の復旧は放鳥に向けた整備につながることで復興の象徴になる」、珠洲市産業振興課の天徳寺吉光係長は「トキのため環境に配慮したコメづくりは付加価値が期待でき農業振興になる」と述べており、トキの放鳥が震災で被害を受けた田んぼなどの復旧の追い風となることが期待されています。
トキの放鳥が能登地域の人々の心に明かりをともす一助となることを願っています。
くーぱー
