UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の清田保健局長は、定期的に新聞に寄稿し、UNRWAの活動や最近のガザの状況などを分かりやすく伝えています。
下記は、12月21日付西日本新聞への寄稿です。
この中で今年8月のガザ市での飢饉や子供の栄養失調を取り上げています。
UNRWAの医療施設で、毎週3千〜4千人を計測していますが、国際標準で急性栄養失調に当たる、二の腕の太さが12.5センチを下回る子供が1割程度いるとのことです。この子らに、ピーナッツバターを基にした高カロリーの治療用補助食品を与えて治療します。
清田局長が愕然としたのは、回復の遅さです。3か月から5か月以上治療しても、なかなか想定したようには腕が太くなりません。「ただ食べるだけでは回復できない。清潔な水、調理用の燃料、安全な寝場所、安定した食事時間、感染症の少ない環境、どれも欠かせない。しかし、今のガザには、そのどれもがない。」栄養補助食品は不可欠ですが、いくら食べても生活環境が安定していなければ栄養は体に吸収される回復につながらない、と指摘します。停戦は実現したものの、長期間の戦闘で十分な住居や暖房が確保されないまま、厳しい冬に突入しています。今年は雨も多く、避難テントや簡易シェルターも水に浸かった状態です。
清田局長は文章をこのように結んでいます。
「停戦が実現しても、すべてがすぐ良くなるわけではない。この子たちのためにも人道支援を長期的に続けなければならない。そう強く実感している。」
(超党派人道議連総会にて(11月5日、第一議員会館))
