既にODA大綱見直しに関する有識者懇談会が3月31日に第一回目が開催され、今月、第二回目が開催されました。6月末までに後に二回程、開催される予定です。
今回のODA大綱見直しに関しまして全国のNGO団体が集結して、以下の共同声明を纏めました。
ファイルを以下ご参照下さい。
ODA大綱見直しに関するNGO共同声明_140417_67団体.pdf
文は下記の通りです。
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途上国の開発と貧困・格差の解消に非軍事的手段で貢献するODAを
=ODA 大綱見直しに関するNGO 共同声明=
2014 年4 月14 日
本年3 月28 日、外務省は「政府開発援助(ODA)大綱見直しに関する有識者懇談会の開催について」を発表し、有識者懇談会を設置してODA 大綱改定に向けた検討を進めていくことを明らかにしました。3 月31 日には、有識者懇談会の第1 回会合が開催され、大綱改定に向けた基本方針など重要な事項が討議されています。
グローバル化が進む現代、国際協力はすべての市民にかかわる重要課題です。ODA は政府による国際協力の中核であり、その基本方針を規定するODA 大綱の改定は、市民の参加の下、できる限り透明かつ民主的なプロセスに従って行われる必要があります。加えて、ODA 自体を、市民に開かれた、わかりやすいものとしていく必要があります。
また、ODA については、開発途上国における民生の安定、人権の尊重・保護・充足、平和の増進をめざして、国内外で検討が積み重ねられ、それがよりよいODA 政策に反映されてきた歴史があります。ODA 大綱の改定にあたっては、こうした政策形成の積み重ねを反映したものとする必要があります。
以上の観点から、NGO として、ODA 大綱見直しにあたっては、以下の事項を踏まえるよう要望いたします。
1.ODA 大綱見直しのプロセスについて
ODA 大綱は、多くの市民・関係者が注目するODA の根本部分を提示する方針文書であり、前回のODA 大綱改定時の前例に倣ったプロセスの担保は、政策への信任上、不可欠です。また、多くの市民の支持や、関係者の協力を得てODA を実施する上で、むしろ改定プロセスでしっかり時間と手間を掛けて意見・ニーズを聞き、反映させておくことで、大綱改定後のよりよい協力関係が可能となると考えます。こうした観点からODA 大綱改定のプロセスについて以下3 点を要望します。
(1)ODA 大綱改定タスクフォースの設置を
前回の改定時には「ODA 総合戦略会議」内に担当タスクフォースが設置され、重要な役割を果たしました。今回のODA 大綱改定でも、骨子・案文の作成を、外務省とともに、関係セクターの識見ある者の参加による「タスクフォース」によって行なってください。また、このタスクフォースが改定プロセスのマネジメントや、関係セクター等との意見交換のコーディネートも実施するのが望ましいと考えます。
(2)骨子・案文の各段階での公開と意見交換を
ODA 大綱改定の骨子・案文は、段階ごとに公開し、関係セクターおよびNGO など市民社会との意見交換を実施し、そこで出された意見が改定プロセスに反映されるよう配慮してください。この点について、NGOは外務省との定期協議会の実績を踏まえた協力が可能です。意見交換は、東京のみならず、地方での開催も検討してください。
(3)応答性のある公聴会・パブリックコメントの実施を
今回のODA 大綱最終案に対する公聴会の開催およびパブリックコメントを実施し、そこで出された意見、政府・外務省の回答、採用の可否について、一覧を図表化・文書化し、後日、外務省ホームページ等で公開してください。前回はODA大綱改定時にNGOは政府公聴会の実施・コーディネートを担った経験があり、この点でも協力が可能です。公聴会は、東京のみならず、地方での開催も検討してください。
2.ODA 大綱見直しの内容について
(1)国内外でのODA 政策の積み重ねの反映をODAについては、途上国の開発と貧困・格差の解消に最大限の効果をあげるものとすべく、国内外で検討が積み重ねられ、政策に反映されてきました。2000 年以降においては、援助の量や効果に関する国際的な検討プロセスの中で、短期的な国益追求や外交ツールとしての援助のあり方を改革し、途上国のオーナーシップの下で、全ての関係者が協働し、開発政策とその過程の民主的オーナーシップを深化させ、開発効果を上げていくことが追求されてきました。ODA 大綱の改定において、これらの政策の積み重ねを反映してください。
(2)途上国の開発と貧困・格差の解消のためのODA を
ODA の第一義的な目的は、ODA 供与先の途上国の開発と貧困・格差の解消です。日本を含む援助国自身の経済成長や民間セクターの便益は、ODA による途上国の開発の結果として得られるべきものであり、ODA の直接的な目的とするべきではありません。この点を、ODA 大綱の見直しにおいて明確にしてください。
(3)ODA4原則を維持し、世界の平和と繁栄の追求を
現大綱のODA4 原則は、ODA の軍事的用途および国際紛争助長への使用の回避を明記しています。ODA は軍事的利益や短期的な外交的利益に従属するものであってはなりません。ODA 大綱の改定においても、現行のODA4原則を維持し、非軍事的手段で世界の平和と繁栄を希求する立場を堅持してください。
以上
(2014年4月17日現在、全67団体)
現在、100分の1(ODA1兆円)キャンペーンを進めている日本リザルツとしても、ODAの中身を問う機会には積極的な提言に向けて尽力したいと思います。より開かれ、国民の関心が高まるODAに向けて頑張る所存です。