このブログでは、タクロバン市の6DHC調査のご報告を致します。
タクロバンの6DHCは全て壊滅的な被害を受けました。ほとんどのDHCでは現在も電気がありません。
結核の診断と治療開始は市保健所(DHCの一つ)で、それぞれのDHCでは結核患者さんのフォローアップを火・木曜日に行っています。台風襲来後にレイテ島外に避難し、連絡が途絶えてしまった結核患者が少なくないため、結核コーディネーターは現在フォローアップに全力を尽くしています。
サッガハンDHCは、台風の大被害を受けた直後よりトルコのNGO(Kimse Yok Mu)が施設の修復と、医師を始めとしたスタッフの派遣を行い、週1日診察を行っています。訪問日はちょうど彼らの診察日で、トルコ人男性・女性の医師6〜7名ほどが診察や検査を行っており、沢山の患者さんでごった返していました。こちらの施設には、TB-DOTSセンターはありません。
写真の真ん中にいらっしゃるのは、サッガハンDHCの常駐医師です。
サンホセDHCは海岸沿い、タクロバン空港に近いDHCで、台風で施設が壊れてしまっただけでなく、機材や記録のほとんどが流されてしまいました。ヘルスセンター内は机、ベッド、キャビネット等もまだほとんど無く、がらんとしています。現在のところ常駐の医師はおらず、電気もまだありません。
サンホセDHCには、ヘルスセンターとは別に大きなTB−DOTSセンターがありますが、現在修復中です。
B&G DHCは電気はまだ無く、ドアも修復されていない施設で、ごく限られたヘルスサービスのみ提供中です。
DIIT DHCにも電気はまだなく、常駐の医師とTB−DOTSセンターもありません。この施設は台風による大被害を受けた後、近隣に住むタクロバン市内のレストラン経営者の寄付によって修復されました。
スヒDHCにも電気はまだありません。常駐の医師はいないものの、定期的に市保健局より派遣される医師がいらっしゃいます。タクロバン市内から北に約50分ほど車を走らせてやっと辿り着き、集落は近くに見えない施設です。施設の外の広大な空き地は、台風直後に被害者の遺体を保管していた場所として使われていたそうです。
台風襲来前後に完成予定であったTB-DOTSセンターは台風によって破壊されてしまい、修復・使用開始に関しては未定です。調査をした日は、結核患者さんが薬を取りに来る予定日であったため、このように薬が用意されていました。
大通りから一本、人が一人やっと通れる細く緩い坂道を数歩上ったところにアニボンDHCがあります。ちなみに、これがアニボンDHCに続く細道の入り口です。
アニボンDHCは海沿いにあり、台風による甚大な被害を受けました。現在は学校の一部に施設を設置しています。
施設は寄付された民家を使っており、小さな集落の中にあります。すぐ隣にも民家があり、小さな子どもが2人、遊んでいました。この施設には電気もなく、非常に限られたヘルスサービスを提供しています。JICAが新しいDHCを建設するとのことです。
次回は、町保健所の調査報告です。