2014年06月06日

それでも、私は憎まない イゼルディン・アブエライシュ

日本リザルツでインターンをさせて頂いている野口です。

リザルツのオフィスではよく共有したい読み物を回覧物として職員全員で共有しております。
今回はその回覧システムで回ってきた本、
『それでも、私は憎まない』〜あるガザの医師が払った平和への代償〜 著者イゼルディン・アブエライシュ
を読了しましたので、このイゼルディンさんの本の中で気になったストーリーを2つご紹介させて頂きたいと思います。
イゼルディンさん本.jpg

まずはこの本のあらすじを本から引用させて頂きます。

以下、引用です
 『イゼルディン・アブエライシュはガザ地区のシャバリア難民キャンプで生まれ育ったパレスチナ人の医師だ。産婦人科医として、ガザに住みながらイスラエルで働いてきた。2009年1月16日にイスラエル軍によるガザ攻撃中の砲撃により3人の娘と姪を失った。しかし彼は報復を求めもしなければ、憎しみに駆られることもなかった。代わりに、「わたしの娘たちが最後の犠牲者になりますように」と言い、同地域の人々に対話を始め、行動を起こすよう訴えたのだ。』

実は通勤時に毎朝読ませて頂いていたのですが、毎日毎日、涙を溜めながら、出勤していました。


 『白状するが、それまでわたしには、アメリカ人は横柄だとの先入観があった。彼らの中で暮らしてみると、その国の政府に対し怒っていたとしても、それで国民を判断してはならないと教えられた。アメリカは誰もが成功をめざすというコンセプトの上に築かれたオープンな競争社会だ。ボストンで過ごした時間により、アメリカ人のほとんどが親切で良き隣人であることを学んだ。アメリカ人なら誰でも横柄だと決めつけることは、すべてのイスラエル人は占領者で、すべてのパレスチナ人はトラブルメーカーだと呼ぶのと変わらない。』

これはイゼルディンさんがハーバード大学大学院に留学した際にアメリカ人への先入観がなくなった時のことばです。
これは私が常日頃思っている事と似ていたので、とてもよく覚えています。私の場合は国籍や宗教でその人の事を決めつけるのではなくて、その人の行動を見てその人がどういう人かということ判断したいという信条があります。私が在籍している大学では学生の半分が留学生なので国籍も様々、信じる宗教も様々な学生がいます。そのような環境に居ると今までどれほど先入観の中で生活していたのかということに気づく事が出来ます。しかし、中々イゼルディンさんの様に国籍や宗教への先入観というものは簡単に取り除けません。先入観を除去するには時間をかけて、お互いを知っていく事から始めて、少しずつ、少しずつお互いを理解し合って、やっと国籍や宗教というスモークがかかった車の窓みたいなものを少しずつ薄くさせて、その人、本人を見られるのではないかと最近思います。そしてようやくその人を何かに所属した人ではなく、一個人としてその人について正しい判断が出来るのかもしれません。

ちなみにイゼルディンさんハーバードでユダヤ人の教授に授業中無視されているのではないかと思い、直接教授の下に行き、無視を止めてもらうように直談判しました。しかし、実際はイゼルディンさんの杞憂で、教授は思ってもみない事を突然言われたのでイゼルディンさんの前でびっくりして固まってしまったそうです。
面白いですね、イゼルディンさんも中々先入観を消すのは難しい様です。


 『しかし、報復を求める声は止まなかった。「では、戦車から死の一斉砲撃を行った兵士はどうだ?彼のことは憎まないのか?」と。だが、そういうときこそ、このような思考プロセスが有効だ。つまり、わたしたちは最終的には自分自身が折り合いをつけなくてはならない現実を避けるために、憎しみと責めを利用する。私の家を攻撃した兵士については、すでに「いったい、なんということをしてしまったんだ?」と自身に問いかけ、良心の呵責に苛まれていると信じる。もし彼が現時点ではそうでなくても、いつの日か彼も父親になる。自分の子供の命がどんなに貴重なものであるかを知れば、自らの取った行動を悔い、苦しむだろう。報復を追求する人たちに対し、わたしは言う−−−−−−−−−−−たとえイスラエル人全員に復讐できたとして、それで娘たちは帰ってくるのだろうか?憎しみは病だ。それは治療と平和を妨げる。』

この本から1番得たものは「憎しみは病だ」という考え方と概念です。これはイスラエル軍からの攻撃で娘さんたちを亡くした後にイゼルディンさんが言ったことばです。国境の垣根など全くなく、多くの人びとを助け続けてきた医師から出てきたすごいことばだと思います。憎しみは病であり、治せるそうです。ということは未だにわたしたちは数えきれないほどの病を抱えている世界に生きているということです。しかし、わたしたちはこれからそれらを治していける世界に生きていけるということでもあるのですね。

この記事を読んで頂いた方にも、お時間が許せば是非 イゼルディンさんの書いた『それでも、私は憎まない』〜あるガザの医師が払った平和への代償〜 をご一読頂きたいと思います。
posted by resultsjp at 21:55| Comment(1) | 情報
この記事へのコメント
イゼルディン博士が日本リザルツにいらしたそうですね。
Posted by 白雪姫 at 2014年06月07日 17:32
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