2013年11月14日

ハイチ:WFP日本事務所代表との会合

昨日(11月13日)に国連世界食糧計画(WFP)日本事務所を白須・齋藤が訪問し、スティーブン・アンダーソン代表と会合を持ちました。大室直子民間連携推進マネジャーも同席してくださいました。

日本リザルツからは、以下のような説明を行いました。

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西半球で結核の罹患率・有病率が最も高い国ハイチにあるシグノー結核療養所では、戦後の日本で結核の医師としてご尽力された須藤昭子シスターが30年以上に渡り、「ハイチの結核患者ゼロへ」という想いのもと、結核対策に取り組んでこられました。2010年1月の大地震に見舞われた際にシグノー結核療養所の結核病棟も全壊しましたが、いち早く入院患者の受け入れを再開しました。そして、日本の草の根・人間の安全保障無償資金協力による新病棟の建設により、より多くの患者の受け入れが可能となりました。しかし現在、シグノー結核療養所では、入院・外来患者のための食糧の確保に窮乏しています。

これまでシグノー結核療養所は、患者への食糧供給に関しては国からの支援が得られない中、入院患者の日々の食事の確保に頭を悩ませながら、須藤シスターをはじめとするシスターたちがぎりぎりのところで療養所運営を行い、敷地内での養鶏・養豚や農業によって、患者の食糧の自給自足を目指してきました。しかし、今年8月の視察で、自力でやりくりしてきた資金が底をつき、シスターたちはまさに「途方に暮れている」状況であることが判明しました。

畑の給水ポンプは4か月前から壊れたままで作物を育てられず、野菜は市場で購入しなければならない状況でした。また、家畜飼育用のエサを十分買えないために、家畜の数も激減していました。最近生まれた子豚は多くが死んでしまったということで、生き残っている子豚も元気がありませでした。さらに、鶏の数も激減しており、鶏用のケージはほとんど空でした。同様に、山羊も庭に落ちている葉しか食べていないので、やせ細っていました。

このように、シグノー結核療養所の入院患者の食糧確保のための支援が早急に望まれています。日本リザルツは、シグノー結核療養所の入院患者の食糧確保のための緊急支援及び持続的支援の仕組みづくりをめざして、外務省やJICAなどと相談してきました。WFPにも是非協力していただきたいです。
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これに対し、アンダーソン代表は、「ハイチは、大地震の復興が進んできたとはいえ、頻繁に災害の被害を受ける国であり、WFPの優先国です。WFPはハイチでは、HIVと結核の重複感染の患者さんに対する食糧支援や、「Cash for Assets」、学校給食、代替エネルギー、そしてキャパシティ構築の支援を行っています。」と説明し、HIVと結核の重複感染の患者さんに対する食糧支援を実際に行っている団体を紹介してくださいました。そして、「シグノー結核療養所の患者さんへの食糧確保のために今後協力していきましょう」と、合意しました。

今後の良きパートナーとして、日本リザルツからはTシャツをプレゼント。WFPからピンバッジをいただきました。

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2013年10月28日

ハイチの結核診療所への募金ありがとうございます

10月2日の朝日新聞の夕刊に、「ハイチの結核診療所、苦境:日本人医師引退、支援募る」という記事が掲載されて以来、須藤昭子シスターを応援したいと、多くの方々が募金をして下さいました。
ご協力してくださいました皆様、本当にありがとうございました。

そしてまだまだ、募金のお知らせの通知がリザルツのもとに来ています。
皆様の温かいご支援に心から感謝いたします。
その皆様のお気持ちはリザルツが必ず責任を持って、ハイチの結核診療所にお届けいたします。
須藤シスターにも喜んでいただけるに違いありません。
posted by resultsjp at 00:02| Comment(2) | ハイチ結核・栄養問題

2013年10月02日

ハイチ:ご寄附のお願い

9月30日の投稿記事「ハイチ:結核と栄養」の関連です。今日(10月2日)の朝日新聞の夕刊に、「ハイチの結核診療所、苦境:日本人医師引退、支援募る」という記事が掲載されました(2面)。

郵便局からのご寄附を以下のようにお願いしております。

•口座番号:00170-9-581459 
•加入者名:日本リザルツ

※用紙にお名前、ご住所、そしてさしつかえなければご年代を、寄付項目「ハイチ」とともにご記入いただければ幸いです。

是非ご支援をお願いいたします。

posted by resultsjp at 15:50| Comment(1) | ハイチ結核・栄養問題

2013年09月30日

ハイチ:結核と栄養

9月1日にご報告した「ハイチ・ミッション」の関連記事です。

「ハイチ 復興への祈り」――80歳の国際支援 (岩波ブックレット)を既に読まれた方も多いと思いますが、首都ポルトープランスから西に30`ほど離れたレオガン市にあるシグノー結核療養所では、戦後の日本で結核の医師としてご尽力された須藤昭子シスターが30年以上に渡り、「ハイチの結核患者ゼロへ」という想いのもと、結核対策に取り組んでおられました。

大地震で甚大な被害を受けたシグノー結核療養所は震災後、スイス赤十字の支援により仮設病棟を建設し、いち早く入院患者の受け入れを再開しました。そして、草の根・人間の安全保障無償資金協力による新病棟の建設により、より多くの患者受け入れが可能となります。しかし現在、シグノー結核療養所では、入院・外来患者のための食糧の確保に窮乏しています。

これまでシグノー結核療養所は、国からの人的資金的支援がほとんど得られない中、入院患者(120人)の日々の食事の確保に頭を悩ませながら、須藤シスターをはじめとするシスターたちがぎりぎりのところで療養所運営を行い、敷地内での養鶏・養豚や農業によって、患者の食糧の自給自足を目指してきました。しかし今回の視察で、自力でやりくりしてきた資金が底をつき、シスターたちはまさに「途方に暮れている」状況であることが判明しました。畑の給水ポンプは4か月前から壊れたままで野菜は購入しており、また家畜飼育用のエサも十分買えず家畜の数も激減しています(最近生まれた子豚は多くが死んでしまい、生き残っている子豚も元気がない。また、鶏の数も激減して、ケージがほとんど空である。さらに山羊も庭に落ちている葉しか食べていないのでやせ細っている・・・)。

このような中、入院患者の食糧確保のための支援が早急に望まれています。


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日本の支援で建設された新結核病棟

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敷地内の豚飼育場

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敷地内の豚飼育場

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敷地内の豚飼育場

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奥にうずくまって動かない子豚。何頭かは死んでしまったという。

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敷地内で飼育されている山羊。

山羊ケージ.JPG
敷地内で飼育されている山羊。奥に並んで見えるのが鶏用のケージ(ほとんど空)。

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ほとんど空の鶏用ケージ

給水ポンプ.JPG
壊れている畑用給水ポンプ

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敷地内の畑。今はバナナのみ。

野菜室.JPG
食材

トウモロコシ.JPG
食材

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調理場

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調理場

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調理中の食事



posted by resultsjp at 18:52| Comment(2) | ハイチ結核・栄養問題

2013年09月05日

ハイチ官民連携事業 終了

2013年8月末日

ハイチの首都、ポルトープランス。

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昨年より、栄研化学株式会社と日本政府により進められてきたLAMP法普及に向けた官民連携事業。
今年の4月から6月の3ヶ月間に渡り、ハイチにてスタディを行いました。

今回は、その結果の最終確認と報告のため、ハイチを訪れました。


現地検査技師と共に、結核の顕微鏡検査及びLAMP法検査を行ったグレース小児病院。

病院の最高責任者で、元ハイチ国保健大臣でもあるビジュ先生に、検査結果の最終報告を行いました。

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培養検査を行った、国立公衆衛生ラボ。

ハイチ国保健人口省検査部長のボンシー先生に結果を報告し、今後の更なる協力を約束しました。

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また、HIV/エイズ・結核の民間研究機関であるGHESKIOにて、LAMP法のデモンストレーションを行いました。

多くの方が集まり熱心に説明を聞いていました。

LAMP法は、あまり施設の整っていないラボでも利用可能であり大変有用であると、今後の利用拡大に期待していました。

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最後に、保健人口省事務次官のレイモンド先生に、ハイチ政府の協力へのお礼と結果の報告を行いました。

日本からのお土産を、大変喜んでくださいました。

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地震から3年半以上が経った今でも、コンテナでできた仮事務所のままである保健人口省にて。

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今後、今回得られた結果を世界保健機関(WHO)に提出します。

それは、LAMP法がより多くの国々で利用しやすくなるための、大切なステップとなります。

そしてそれは、今見落とされている結核患者をより確実に発見することにつながり、新たな感染を防ぐことになります。

日本リザルツは、世界中の結核で苦しむ人が一人でも少なくなるよう、これからも努力して行きます。




posted by resultsjp at 16:19| Comment(2) | ハイチ結核・栄養問題