日本リザルツからは、以下のような説明を行いました。
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西半球で結核の罹患率・有病率が最も高い国ハイチにあるシグノー結核療養所では、戦後の日本で結核の医師としてご尽力された須藤昭子シスターが30年以上に渡り、「ハイチの結核患者ゼロへ」という想いのもと、結核対策に取り組んでこられました。2010年1月の大地震に見舞われた際にシグノー結核療養所の結核病棟も全壊しましたが、いち早く入院患者の受け入れを再開しました。そして、日本の草の根・人間の安全保障無償資金協力による新病棟の建設により、より多くの患者の受け入れが可能となりました。しかし現在、シグノー結核療養所では、入院・外来患者のための食糧の確保に窮乏しています。
これまでシグノー結核療養所は、患者への食糧供給に関しては国からの支援が得られない中、入院患者の日々の食事の確保に頭を悩ませながら、須藤シスターをはじめとするシスターたちがぎりぎりのところで療養所運営を行い、敷地内での養鶏・養豚や農業によって、患者の食糧の自給自足を目指してきました。しかし、今年8月の視察で、自力でやりくりしてきた資金が底をつき、シスターたちはまさに「途方に暮れている」状況であることが判明しました。
畑の給水ポンプは4か月前から壊れたままで作物を育てられず、野菜は市場で購入しなければならない状況でした。また、家畜飼育用のエサを十分買えないために、家畜の数も激減していました。最近生まれた子豚は多くが死んでしまったということで、生き残っている子豚も元気がありませでした。さらに、鶏の数も激減しており、鶏用のケージはほとんど空でした。同様に、山羊も庭に落ちている葉しか食べていないので、やせ細っていました。
このように、シグノー結核療養所の入院患者の食糧確保のための支援が早急に望まれています。日本リザルツは、シグノー結核療養所の入院患者の食糧確保のための緊急支援及び持続的支援の仕組みづくりをめざして、外務省やJICAなどと相談してきました。WFPにも是非協力していただきたいです。
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これに対し、アンダーソン代表は、「ハイチは、大地震の復興が進んできたとはいえ、頻繁に災害の被害を受ける国であり、WFPの優先国です。WFPはハイチでは、HIVと結核の重複感染の患者さんに対する食糧支援や、「Cash for Assets」、学校給食、代替エネルギー、そしてキャパシティ構築の支援を行っています。」と説明し、HIVと結核の重複感染の患者さんに対する食糧支援を実際に行っている団体を紹介してくださいました。そして、「シグノー結核療養所の患者さんへの食糧確保のために今後協力していきましょう」と、合意しました。
今後の良きパートナーとして、日本リザルツからはTシャツをプレゼント。WFPからピンバッジをいただきました。