2016年07月21日

栄養改善の国際展開

7月14日に内閣官房健康・医療戦略室の国際栄養の展開検討チームの最終会合が行われた。
昨年の3月から、日本政府として国際栄養の海外展開を如何に推進していけるか、関係省庁、栄養関連の企業が参加して合計9回開催された。NGOも途中から正式メンバーになった。こうした政府の会合に参加できるのは非常に興味深く、多くを学ばせていただいた。

○日本政府や企業の働き
日本政府や企業の動きについて学ぶことができた。特に内閣総理大臣を直接に補佐および支援する補助機関である内閣官房という機関について知ることができた。縦割り行政と言われるが、この会合では関係省庁も参加し、それぞれの立場で同じ目標を目指して話し合いを進めて行く。日本を国や組織として意識することは日常ないけれども、省庁がどんな動きをして、日本政府としての働きをしていくかを垣間見ることができた。また、栄養に関連する日本企業が海外進出する際の様々な課題を理解することできた。

○栄養改善の国際展開の実動
最終報告書にもあるが、この会合の結果、新しい独立した組織が作られ、内閣官房の主導ではなく、その組織の主導で栄養改善の国際展開への動きが進められていく。政策レベルから実務レベルに動き、栄養改善の活動が具体的に始まっていく。新たなステップを見ることができて良かった。

○NGOの参画
会合の最終報告書にはNGOの参画の可能性が示された。企業が栄養改善の国際展開をする上で、NGOが持っている海外の情報や拠点、住民の健康状況などが役に立つことがあるかもしれない。また、企業の活動が営利だけでなく、栄養不良の改善に役立ち、住民にとって不利益にならないように、NGOが企業の進出や実施を見守る立場を取ることができるかもしれない。NGOがそれぞれの立場で参画の推進は判断することだけれども、こうした可能性があることは良かったと思う。

○政策提言ということ
流れが逆風であった時もあきらめずに説明し、また機会がある毎にコメントや意見、書類を提出していくと、小さな声でも聞かれる時がある。NGOが参画すること自体そのものが最終ゴールではない。しかし、営利目的でないNGOが活動経験を生かし、参加することがあれば、効果的な実施につながることもあると思う。この会合が関係者に情報が公開され、意見を伝えられる体制であったことは嬉しかった。
(たか)
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2016年07月04日

栄養改善の成果

第127回6月23日、GII/IDIに関する外務省/NGO懇談会が行われました。これは保健分野で活動するNGOと外務省との定期的な対話の時間です。日本リザルツからも参加し、G7伊勢志摩サミットの成果における食料安全保障と栄養改善に関することを伺いました。
 G7伊勢志摩サミットの成果として発表された「食料安全保障と栄養に関するG7行動ビジョン」には、エルマウ・サミットで掲げた「2030年までに途上国において5億人を飢餓・栄養不良から救出する」という目標を達成するためにG7が取る行動は列記されていますが、資金約束や具体的な個別の時限等の計画はなく、個々の国に任されているものでした。この点について伺うと、昨年のドイツでのエルマウ・サミットでも、投入する金額自体よりも支援の結果としての成果を重視することとなり、資金目標という形では示さず共通の成果目標を示したという説明でした。資金目標がないと支援が進まないのではと懸念は残ります。
 これに関連するものとして、G7は食料の安全保障、農業・栄養への支援資金額を一貫してモニタリングできる、透明性の高い共通の支援資金報告手法を今年中に策定予定であり、作業を進めているということ、また3年に1度の包括的なG7進捗報告書の食料安全保障・栄養に関するエルマウ・コミットメントの部分では,小規模農家を対象とした支援プログラムの割合や,女性の能力強化(ジェンダー支援)の目的を持った農業プログラムの支援額の割合などが捕捉されることとなるというお話でした。確かにこのフレームワークの中で弱い立場に置かれた人々への支援、そして、そこにどの位資金が投入されたかを捕捉することができれば、達成状況とそれに向けた努力を見ることができることになります。WHO国際栄養目標2025には6つの目標があり、国連で定めた持続可能な開発目標も2030年までに飢餓の撲滅や栄養不良の解消を明示しています。
 こうした世界的な目標の対象者毎の達成状況や資金拠出が確認できれば、達成に向けてモニタリングをし、必要な対策を取っていく助けになります。説明責任を強化する支援資金報告手法が策定され、世界で定めた目標に日本も貢献し、効果的な支援が行われることを願います。
(たか)
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2016年06月27日

小さな現場から大きなイニシアティブへ

6月20日(月)日本リザルツ事務所にて、国際協力機構(JICA)のアフリカにおける栄養改善への新たなイニシアティブについてお話を伺う機会がありました。JICAを含め、栄養改善に関心のあるNGOや研究機関、政府関係者15名ほどが出席し、このイニシアティブの枠組みを伺うことができました。

これまで、途上国の子どもたちの命を守るべく、栄養改善の取り組みに関心を持つNGOが集まって、様々な関係者に声を上げてきました。政府機関としては外務省、財務省、内閣官房と対話を続けて来ることができました。また、研究機関、国連機関、援助実施機関の皆様とも連携を深めるように情報共有を進めてきました。世界栄養報告書など、世界的な栄養改善の潮流を日本に伝えるイベントを開催することもできました。国会議員の皆様も途上国の栄養改善への関心は高く、国際母子栄養改善議員連盟も昨年設立されています。途上国の片隅で小さな支援事業を行っているNGOが、その小さな声を伝え、日本のODAの政策や支援にその思いを託し、途上国の人々に裨益していくことを望んでいます。

今回、日本のODAの実施機関であるJICAの新たな試みの方向性をその実施前に伺うことができたことを感謝しています。この機会を通して日本の中で、栄養改善への取り組みにおける実施面での連帯が始まりつつあると感じています。これまでの政策中心の対話が、実施面での情報交換にまで広がっていることを感謝したいと思います。事業規模も体制も異なりますが、沢山の栄養改善への意思が、様々な情報共有と連携の中で、小さな現場から大きなイニシアティブまでつながって、人々に届くことを願います。
(たか)
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2016年06月26日

やりとり

外務省、財務省はNGOと定期的に協議会をもっている。事前に連絡すれば参加でき、また質問もすることができる。準備した回答を用意していただける。

小さな積み重ねでも、こうした対話が続いて、成果がみえることがある。ある機関の増資会合の際、支援国を選ぶ指標に、一つの栄養の指標を入れてくださいとお願いしたことがあった。真摯に取り組んだ下さり、その指標を日本政府が各国との増資会合の際に導入するように働きかけ、入ることになった。こんなことが本当にあるのだと思い、とてもうれしかった。こちらが本気で役に立つことを伝えるとそれば伝わることがある。ありがたいと思った。
(たか)
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2016年06月01日

G7伊勢志摩サミットにおける栄養改善の成果

G7伊勢志摩サミットが5月26・27日に開催されました。
日本リザルツでは5歳未満の子どもたちの命を脅かす栄養の課題について、日本政府に提言を行ってきました。サミット後の5月30日にはG7伊勢志摩サミット開発課題についての意見交換が外務省とG7市民社会プラットフォームの間で行われました。

まず、竹若敬三国際協力局審議官(地球規模課題担当)から5月27日に発表されたG7伊勢志摩首脳宣言に則して説明をしていただきました。その後10の課題に関してそれぞれのNGOから質問や提案がなされ、外務省から回答いただきました。
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竹若敬三国際協力局審議官

ここでは栄養改善に関する成果文書、その課題、そして会合での意見交換の様子を見ていきます。

まず感謝なことに、G7 成果文書を見ると、首脳宣言には「食料安全保障及び栄養」が盛り込まれています。ここでは2030アジェンダ の基本項目として、開発途上国における5億人を飢餓及び栄養不良から救い出す目標に向けて、具体的に協同で携わることを明示されています。

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首脳文書 食料安全保障及び栄養

具体的には1年前のドイツでのG7エルマウ・サミットで発表された、この5億人を救う「食料安全保障及び栄養に関する広範なG7開発アプローチ」を一歩進め、「食料安全保障及び栄養に関するG7行動ビジョン」が今回のサミットの首脳宣言で言及され、関連文書として発表されました。内容としては女性のエンパワーメント、人間中心のアプローチを通じた栄養の改善、農業及びフード・システムにおける持続可能性及び強じんさの確保という3つの優先分野を設け、共同の行動を促すものです。

また、付属文書である「国際保健に関する伊勢志摩G7ビジョン」においても、栄養に関する言及もありました。栄養は保健を考える上で重要な位置を占めるからです。

こうした首脳宣言や付属文書での言及、そして関連文書の発表がなされたことは、歓迎できる、すばらしいことです。G7サミットに参加した世界のリーダーの宣言の中に具体的に記載されたことで、世界のリーダーが栄養を重要な課題と捉え、取り組んでいくことが明確に示されています。

次に成果文書の課題について考えます。食料の安全保障及び栄養に関するG7行動ビジョンは和文で7ページに及ぶ包括的なものです。しかし、優先課題となる方向性を示すことに留まり、行動計画のような実効性のある詳細な計画では示されていないと考えられます。また、資金的な約束もなく、実現性が明確になっていません。実行に向けて資金約束ともう一歩踏み込んだ詳細な計画策定が必要になるはずです。

そこで、今回のサミット後の外務省との意見交換の場で食料の安全保障及び栄養に関するビジョンへの資金約束そして、日本が議長国を務める12月までに、ビジョンを行動計画として発展させる可能性について伺いました。回答としては、本年末までの策定を目指しているのは、G7による食料安全保障・栄養に関する支援資金報告の手法であること,また,食料安全保障・栄養に関するサミットの成果については,6月14日の外務省・NGO定期協議全体会合の場で改めて報告・議論するとの説明でした。伊勢志摩でのサミットは終わりましたが、更に作業が進められていることがわかりました。

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G7伊勢志摩サミット開発課題についての意見交換

栄養が足りずに亡くなっていくという現実は未だに存在しています。
世界のどこかで母親や子どもが食べ物や栄養が足りずに困っています。こうした子どもたちに手が届くようになることを願います。

今回のG7 伊勢志摩サミットに向けて提言、意見交換、成果文書の説明を通して、日本がそして、世界のリーダーが一歩ずつ、協調して政策決定をし、少しでもよい世界になるように進めていることを垣間見ることができました。日本の外務省や関係機関、そしてサミット参加国や機関が沢山の協議や文書作成の末、宣言として発表されました。

これからも、小さな声を届けるべく、日本政府の益々のリーダシップに期待して、応援し祈っていきたいと思います。皆様も上にも温かい思いが届きますように。
(たか)

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posted by resultsjp at 11:25| Comment(2) | 栄養問題