2014年06月30日

レイテ島 結核調査報告19.5


結核調査関連ですが「結核」がテーマではないので、この題名は「レイテ島 結核調査報告19.5」。このブログで私がお伝えしたいのは、こちら。

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お気づきですか?
この車のナンバープレートです。「JPN」つまり「日本」!
私がレイテでの調査でお手伝いをお願いしていた車のうちの一つなのですが、この車の所有者がリザルツの活動に賛同されており、特別にこのナンバーを手に入れたそうです。
縁があってかれこれ4年ほどフィリピンで仕事や調査をした私も、「JPN」のナンバープレートを見るのは始めて!始めて見た時には驚きとともに、所有者の想いに感動しました。

慌しい毎日の中でこのようなユーモアは心が和みます。心に余裕を持って業務に取り掛かろうと思った出来事でした。(wku)


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レイテ島 結核調査報告19

前回の報告から少々時間が経ってしまいましたが、今回はサンイシドロとレイテレイテ町のRHU(Rural Health Unit)やTB-DOTSセンターを訪ねた際のご報告です。

サンイシドロRHU:昨年の台風でRHUは小規模の被害を受けたものの、数々の援助団体の支援を受けて既に修復されていました。結核診断・治療に関する環境は、TB-DOTSセンターがないのを除いて整っています。そのTB-DOTSセンターも、保健省から建設費用が出ていて敷地内に建設予定です。

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RHUへ続く道にはかつて雨よけの屋根がありましたが、台風で吹き飛ばされ、骨組みだけが残っています。

結核患者をコミュニティで見つけ、RHUで診断をし、その後患者さんの住む地域のヘルスセンター(バランガイ・ヘルス・センター、もしくはRHU)でDOTS治療が行われます。患者さんのフォローアップは、全体を結核コーディネーターが、助産師やバランガイ・ヘルス・ワーカーが患者の家を定期的に訪問して行っています。と、システムはありますが、種々の理由でそのシステムが機能しないケースがあります。

サンイシドロは4thクラス(4/6クラス)で町自体が貧しく、そこに住んでいる結核患者の大部分は貧困層にあるため、職を求めて出稼ぎをする人が少なくありません。帰省して結核治療を始めたものの、治療期間を終えないまま、調子が良くなった時点で治療を止め、再度出稼ぎに行ってしまう(出稼ぎに行かざるを得ない状況がある)ことが問題となっているのです。また、町内に住んでいても治療施設へ行くための交通費が払えない患者さんもいます。そのような場合には、患者さんが住む村の村長さんにお願いし、村長さんが交通手段を手配、食料を買えない患者には、社会保健福祉省経由でお米の配給を手配することもあります。

さらにぺディキャブ(自転車タクシー)ドライバーであるにも関わらず治療を拒否したり、MDR-TB疑いであるにも関わらず、専用の治療施設に行かずに地域で活発に種々の活動をしていたり、という患者がおり、結核感染拡大の危険がありますが、医療スタッフは患者に対して治療を強制することはできず、あくまで患者の自発的な意思がなければならない事が結核コーディネーターを悩ませています。

州保健局より供給される薬や諸備品は十分にあり、万が一薬や備品が足りなくなった場合の州保健局への交通手段は確保出来ており、州保健局に薬等の在庫があればいつでも入手可能な態勢ができています。しかしながら、抗再燃結核薬が不足しています。患者自身で購入しなくてはならないのですが、お金がなく購入不可な患者さんも。そのような場合には社会福祉開発省に支援をお願いするのですが、常にその願いが叶うとは限らず、治療を必要としているのに治療が出来ない患者がいるという実情があります。

数年前より問題になっている小児結核は、ツベルクリン検査薬がないので検査が出来ず、何も出来ない状態です。喀痰検査陽性患者を家族に持つ子どもに対する予防措置も現在のところは行っていませんでした。

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レイテレイテRHU:結核コーディネーターは、このRHU勤務30年のベテラン保健師。こちらのRHUにもTB-DOTSセンターは無く、現在は結核患者を一般診療の患者から隔離することが出来ない状態です。事態を重く捉え、早急に対策を練ると仰っていました。このRHUはコンクリート2階建ての建物の1階にあり、RHUは台風で水浸しにはなりましたが、被害は小さくおさまりました。

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黄色と緑の壁の部分がRHUで、こちら側に入り口があります。手前のコンクリート壁の建物は臨床検査室です。

結核患者をみつけたり、診断・治療、モニタリングの一連の過程は、既述のサンイシドロRHUや他のRHUとほぼ同じです。

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RHUへの入り口とは裏側にある、昨年建てられた臨床検査室。(右のコンクリート壁の小さな建物です)

このRHU特有の問題は、
1.治療期間中であるにも関わらず、症状がなくなると治癒したといって服薬を止めてしまう患者がおり、誰が何を言っても聞かないとのこと。
2.薬や検査に必要な備品等は、台風の後の方が供給状況が良いのですが、供給物資を取りに行くための交通手段が確保されておらず、公共の交通機関を使っていかなければならないこと。

MDR-TB(多剤耐性結核)疑い症例はありましたが、MDR-TB症例はまだありません。家族に喀痰検査陽性患者をもつ子どもに対しては、ツベルクリン検査陽性、もしくは検査なしでも条件を満たせば治療を開始することとしています。症状がまだ無い子どもに対しては、予防措置をとっています。他の町でもそうですが、結核に対する偏見は過去のように大きなものではなくなり、患者は結核罹っていることを隠さなくても良く、また家族や親戚、周囲の人びとのサポートを少しずつ得られるようになってきているものの、完全に偏見がなくなるまでには時間がかかりそうです。

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臨床検査室の中。こざっぱりとしています。(wku)

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2014年06月06日

ジャパン・プラットフォームのハイエン災害対応検討会に出席しました

 日本リザルツも支援活動を行った、標記検討会に参加しました。今回の支援は20団体が29事業の支援を行いました。我々が活動したレイテ島のみでは無く、他にサマール島、パナイ島、ネグロス島、ミンドロ島にも事業が展開されました。
平成25年度ジャパン・プラットフォームの事業別実績(政府資金のみ)で見ると「アフガニスタン・パキスタン人道支援」が一番多くて10億円、次いで「シリア紛争人道支援」が9億円、3番目が「ミャンマー少数民族帰還支援」が2.7億円と続き、ハイエン災害支援が含まれる「東南アジア水害被災者支援」は4番目(2.3億円)です。分野別に見ると「教育」が50%、我々の実施した「医療・保健」は14%、「物資配布」は6%です。全体で見ると、「物資配布」が少ないのが意外でした。
 同じ政府(外務省)資金でも日本NGO連携無償資金協力では地域別では東アジアが46%、次いでサブサハラ・アフリカが20%、中東・北アフリカが20%となります。分野別では「医療・保健」が28%、「教育・人つくり」が28%、農林業は14%となります。やはり、「医療・保健」はある程度時間が必要と言う事でしょうか?

 今後のJPFの支援の方向性に関して様々な意見が出されましたが、個人的には、我々の今回の活動場所だったタバンゴもそうですが、住民の大部分が低所得者の支援においては、緊急時においても、被災前の社会経済問題を慎重に検討する必要がある点です。元々の状況が良くないですから、元に戻すだけではいけません、言葉通り【build it better】にする必要があります。その地域、個々の事情に則した生計向上(Income Generation)策が必要です。簡単ではありませんが知恵を出さなければいけないと思います。
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レイテ島 結核調査報告18

結核調査報告も終盤に差し掛かってきました。
今回は、パロンポン、イザベル、ビリャバ町保健所(RHU:Rural Health Unit)での調査状況をご報告いたします。

パロンポン町にはRHU1と2、2つのRHUがありますが、RHU2は分娩施設、RHU1は結核を含めた各種保健サービスの提供場所となっています。

こちらがRHU1。昨年11月の台風被害状況でドア、窓が壊れ、半年経過した現在も、一部未修理の窓があります。TB-DOTSセンターの入口はドアのガラスが壊れ、板が入ったままになっていました。
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台風の影響で電気の供給が中断し、台風襲来1ヵ月後の昨年12月から5月上旬まで発電機を使用していました。現在は隣接している町役場から電気を引いています。限られたリソースの中で、2名の臨床検査技師が忙しく働いていました。お二人のうち一人は、結核関連の検査のみを行っている検査技師です。
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結核コーディネーターのオフィスは壊れた窓が未修理で代わりに板を張っています。整理・整頓されているオフィスでしたが、彼女によると空気の循環が悪く、薬を保管するキャビネットの数が不足しています。

結核の診断や治療は保健省のプロトコールに基づいて行っていますが、この町でしか見られなかった特徴的な点は、昨年より結核治療に村長さんと町役場・住民課の担当者を巻き込んでいることです。彼らを巻き込むことで、患者が途中で服薬を止めても住所を探し出すことが出来、結果として治療を継続させることが出来るというシステムです。この方法が功を奏し、治療期間中のドロップアウト患者はほとんどいません。

ちなみにこちらは分娩施設のRHU2。台風で壊滅状態になり、現在修理中です。
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次の調査場所はイザベルRHU。この町の結核コーディネーターは、イザベルRHUで35年勤務しているベテラン保健師です。昨年11月の台風で屋根が飛び、雨でパソコンが壊れ、記録の一部が水浸しになって使えなくなってしまいましたが、イザベル町、スイス政府、地元NGO(BangonIsabel)が主となって修復しました。

イザベルRHUの敷地内にある、TB-DOTSセンター
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この町だけではありませんが、コミュニティ内で結核に対する偏見は根強く残っています。稀ではありますが、結核患者の中には結核に罹っている事実を受け止められず、治療を拒否してしまう患者がいるとのことです。しかしながら、全体的には軽減傾向にあります。

こちらの施設では、治療期間中のドロップアウト患者は非常に稀です。これは主に、経験豊富なコーディネーターの様々な工夫や努力と、毎日実施している喀痰塗抹検査によるものと思われます。イザベルRHUでも2名の臨床検査技師が検査室内を所狭しと動き回り、基本的な臨床検査をしていました。
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ビリャバRHUは、昨年11月の台風襲来当時再建設中で屋根がなく、現在もRHUの一部を建設中の状態であったために大きな被害はありませんでした。この施設は保健省の標準設計を基にして立てられており、他のRHUと異なり、結核患者と一般診療患者が完全に隔離できるようになっています。

建物の右半分は一般診療患者用の出入り口と診察室、処置室等。
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建物の左半分は、結核専用。
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台風後は電気の供給が全く無く、喀痰塗抹検査を行うことが出来なかっただけでなく、検査のスライド作成も2ヶ月間出来ませんでした。

保健省の方針として小児結核に焦点が当たっているものの、過去2年ほどはツベルクリン検査を行うことが出来ず、症例発見に苦労していました。ここ最近になってツベルクリン検査薬供給が再開されました。今月初旬までに早速、結核患者(喀痰検査陽性)を家族にもつ子どもにツベルクリン検査をする予定だそうです。

(wku)
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2014年06月01日

フィリピン祈りの歌

日本リザルツでインターンをさせて頂いている野口です。

私はフィリピンレイテ島タバンゴで今年2月から約2ヵ月半の間、食糧支援、町保健所と病院の修復のプロジェクトに参加させて頂きました。このプロジェクトの間に、教えてもらったフィリピン祈りの歌を紹介させて頂きたいと思います。

その前に私がこのプロジェクトに参加した経緯をご説明させて頂きます。
私はこのプロジェクトに関わる前はフィリピン北部で語学学校のインターン生として働き、そして私がフィリピンに居る時に、台風ハイエン(現地名ヨランダ)がフィリピンを襲い、大きな被害を出しました。

私が居た北部の地域は台風の暴風域からかなり離れていたため影響を受けませんでしたが、その後、連日連夜に渡り、CNNやBBCでレイテ島の被害状況の報告があり、私はただテレビを通じて、台風の威力や現地の悲惨さを指をくわえて見ていました。
無論、台風直撃後に一般人が現地に行っても何も出来るわけもなく、国や国際機関などの支援活動の邪魔になるだけだと思い、被さい地にかけつけるのを断念しました。

その後まもなくし、私は日本に帰国して、何か少しでもフィリピンの人々の役に立てないかと思い、方法を探していた所、日本リザルツのレイテ島タバンゴ支援のプロジェクトの募集を見つけ、参加させて頂く事になりました。

それからレイテ島タバンゴに現地入りし、約2ヵ月半の間で食糧支援、町保健所と病院の修復作業を行いました。
正直な所、復興はまだまだこれからも続いていますし、続いていきます。しかし、多くの日本人がフィリピンで起きた台風の事を忘れてしまっているかもしれません。もしくは、台風の事をまだ知らないかもしれません。

これは子供達とフィリピンの歌手が歌った台風の被さい者への祈りの歌です。動画は英語ですが、台風が残していった爪痕やフィリピンの人々の出来るだけ早い復興を祈る気持ちがとてもよく映し出されている動画です。お時間がある時に是非ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=YWG66HUqX74
posted by resultsjp at 17:37| Comment(1) | フィリピン