2014年05月30日

レイテ島 結核調査報告17

今回はレイテ島北西部にあるタバンゴと西部にあるアルブエラとメリダ町保健所(RHU)の調査報告です。

タバンゴ町は、リザルツの西山と野口が行った復興支援プロジェクト(米配給と保健施設修復)のプロジェクトサイトであり私達三人の拠点でもありますが、レイテ島北部をあちこち移動していた私にとっては、今回が初めてのRHU訪問でした。朝早いフェリーでセブの研修から戻ってきた結核コーディネーターは、疲れも見せずに私の調査に対応して下さいました。

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こちらがTB-DOTSセンターです。
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屋外では、喀痰塗抹検査のスライドを作成していました。
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セブで感染症対策の研修から戻ってきたばかりの結核コーディネーター曰く「この施設のデザインは感染症対策という観点から見ると見直す必要があるので、早急に対応しなくてはならないの」と。早くも研修の成果が表れています。

中庭から、臨床検査室にいる検査技師さんにこんにちは。
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仮の検査室ではあるものの、設備が整っています。
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タバンゴだけではありませんが、結核コーディネーターが様々な工夫を凝らして土地にあったモニタリングシステムと治療開始時にサインをする契約書が効を奏し、治療期間中のドロップアウト患者はほとんどおらず、治癒率が非常に高い(90%以上)のが、この施設の特長です。現在はRHUのみで行われている喀痰塗抹検査ですが、今月か来月からは、村でも喀痰の収集が出来るようにシステム作りをするとのことでした。

アルブエラRHUでは、非常に陽気でお話し好きな結核コーディネーターと臨床検査技師の方から聞き取り調査を行いました。

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こちらもタバンゴRHU同様、立派な検査室があり結核の喀痰塗抹検査だけでなく他の検査も毎日実施しています。
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実はアルブエラRHUの治癒率は決して高くはありません。経済的な理由からRHUやBHS(村保健所)に薬を取りにいけない患者、何らかの理由で途中でいきなり治療を拒否する患者、一定期間の治療の重要性を何回話してもきかない患者等が治療期間中にドロップアウトしているようです。治療する側は様々な努力をされているのですが・・・
TB-DOTSセンターは台風の影響で雨漏りがするものの、各種記録はきれいな状態で残っていました。


メリダRHUは、台風直後1か月間、日本の医療チームが無休で診察を行った場所です。台風ハイエン(ヨランダ)で部分的に屋根や施設が壊れてしまいました。屋根は修理したものの、RHUの一部分は今でも激しい雨が降ると雨漏りがするようです。屋外にあるTB-DOTSも、少々の破損がありました。

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この町の結核コーディネーターはメリダ町で助産師、保健師として31年勤務の経験があるベテランで結核プログラムにも長年携わっており、種々の経験を積んでいらっしゃいます。

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彼女の長年の経験を様々な形で結核治療に生かしています。その中で私が感動したのはこちら。
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こちらは結核治療薬です。一日分の薬を袋に入れて小分けにし、さらにそれを7つまとめて1週間分として結核治療パートナーに渡しているのです。小さなことのように見えますが、非常に大切なことなのです。結核コーディネーター曰く「これで服薬量を間違えることはないでしょ!」と。「手間暇をかけ、地道な作業を重ねていくことが大切なの」とも仰っていました。これは私が調査をしたレイテ州全てのRHU、DHCの中で唯一メリダRHUでのみ行われていることでした。
結核コーディネーターの様々な努力の積み重ねもあり、治療期間中のドロップアウト患者はほとんどいません。これは「治療前に十二分のカウンセリングを全ての患者さんに行っている」ことと、助産師、バランガイ・ヘルス・ワーカー、それに結核コーディネーターが一丸となってフォローアップを行っている、そして家族を含めた個々のカウンセリングを行っているのが効いているのね、と自己分析されていました。

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それぞれの結核コーディネーターの熱意と結核の現状に触れ、いろいろと考えさせられた一日でした。(wku)


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2014年05月18日

バランガイ・ブタソン 1での乳児健診

修復工事が終了したばかりのバランガイ・ブタソン1での乳児健診の様子をご報告します。ブタソン1は山岳部のバランガイで家族数が453、人口は二千人弱です。昨年11月は予防接種と検診がほとんど出来ませんでしたが、12月からは徐々に元にもどりつつあります。
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勿論、月により生まれた数が異なるので、単純に比較は出来ませんが、12月は9名、1月は2名、2月は1名、3月6名の定期検診が行われました。人口の割には受診者数が少ないような気がします。修復が終了したセンターで、より受診率が高まる事が期待できます。
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2014年05月17日

タバンゴ・コミュニティ病院(つづきA)

修復が完了したタバンゴ・コミュニティ病院の簡単な情報をご紹介します。
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医師1名が常にいて、24時間診療できる体制の病院です。今年の1月と2月の入院患者数はそれぞれ113人と103人です。入院日数はそれぞれ249日と205日なので、平均は一人2日程度になります。ちなみにベッド占有率はそれぞれ94%と89%でした。出産数はそれぞれ27人と28人ですので、一日平均1名の新しい赤ちゃんが生まれている事になります。
外来も忙しく、1月の初診者数が247名、再診者数が700名、2月はそれぞれ288名と514名を数えました。合せて一日約30名の外来患者数となります。
施設の修復により、今まで以上に患者数が増える事が予想されます。

下の写真にありますように緊急時には外で緊急処置を行ったりする事もありました。ちなみに左側の緑のシャッツを着られているのが医師の方で、お父様はむかしタバンゴ町長をされた方です。子供のころ、現役の町長であったお父様が町民の緊急時の搬送にとても苦労していたという記憶があり、お父様のすすめもあって医学の道に進まれ、この病院が出来た時からここで勤務をされているとの事です。
これからも地域住民に対する医療を担っていかれる方です。
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2014年05月16日

レイテ島 結核調査報告16 レイテ州とタクロバン市結核ラウンドテーブル開催

「レイテ島 結核調査報告15 オルモック市結核ラウンドテーブル」に続き、5月13日(火)9:30―13:30にタクロバン市内のリッツタワーで開催されました。

参加者は合計54名、保健省東ビサヤ地域局よりFamily Health Clusterの部長であるDr.Lilibeth Andrade、Wilma Mautita EPIコーディネーター(Expanded Programme of Immunization、予防接種拡大普及計画)レイテ州保健局より結核プログラムチーム長のDr.Ma.Teresa Caidicを始め4名とEPIコーディネーター、タクロバン市保健局よりDr.Jaime Opinion保健局長や結核プログラムコーディネーター、EPIコーディネーターを含む43名、医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター長の保富康宏先生、そして日本リザルツより3名、白須、シムさん(アシスタント)と若松です。

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前日のオルモック市結核ラウンドテーブル同様、レイテ州、タクロバン市それぞれの結核プログラムやEPIプログラムの成果と問題点等の報告を真剣に聞き入る参加者の方々。

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そして保富先生より開発中の新規結核ワクチンのプレゼンテーション、

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プレゼンテーションの後には活発な意見交換がされました。昨日のオルモック市と同様、新規結核ワクチンに対する現場の反応は非常に良く、昨日のオルモック市でのラウンドテーブル時以上に詳細な情報に関する質問が交わされ、保富先生は全ての質問に丁寧にご回答されていらっしゃいました。特にタクロバン市保健局長のDr. Opinionからの質問が多く、彼の新規結核ワクチンに対する興味の深さを示しています。

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用意してきた資料が足りなくなってしまうほど、当初予定していた参加者数を大幅に上回る人数の方にご参加頂き、「皆で一丸となってレイテの結核問題に取り組もう」、との認識を深めました。
お忙しいところ多くの皆さんにご参加頂き、昨日に引き続き本当に有難うございました!
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レイテ島 結核調査報告15 オルモック結核ラウンドテーブル開催

レイテ島での結核調査もついに最終週となりました。
今週は、レイテ島のオルモック市とタクロバン市で結核ラウンドテーブルを開催いたしました。
このブログでは、オルモック市で開催された結核ラウンドテーブルのご報告をいたします。

「オルモック市結核ラウンドテーブル」は、5月12日(月)午後1:30-3:30に市内のサビンホテルで行われました。参加者は合計10名、オルモック市保健局から4名、Dr. Nelita Navales局長、Dr. Ma. Lourdes Lampong副保健局長、Elsie Jaca EPIコーディネーター(Expanded Programme of Immunization、予防接種拡大普及計画)他局員1名が、セブからY&T Tradingの五十嵐隆博代表とReynaldo Torremochaさん、医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター長の保富康宏先生、そして日本リザルツより3名、白須、シムさん(普段はドライバー、今日はアシスタントも務めました)と若松です。

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オルモック市の結核プログラムやEPIプログラムの成果と問題点等の報告をそれぞれの担当者から、

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そして保富先生が開発中である新規結核ワクチンのプレゼンテーション

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これら3つのプレゼンテーションの後、質疑応答を兼ねたブレインストーミングを行い、「如何にして結核問題に取り組んでいくのか」ということを参加者全員で話し合いました。

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小規模な会合でありながら積極的な意見交換がされ、実際にオルモック市でサービスを提供する医師やEPIコーディネーターから現場の声を詳細にわたって聞くことが出来、非常に有意義なラウンドテーブルでした。特にオルモック市保健局から参加されたスタッフからは、現在開発中の新規結核ワクチンに対して非常に肯定的なご意見を多く頂き、保富先生が開発されているワクチンに対する、参加者の大きな期待をひしひしと感じずにはいられませんでした。ご多忙な中この会に参加して下さった皆様、本当に有難うございました!

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