与党の税制調査会で国際観光旅客税引上げの議論が行われるということで、主要政党の政策責任者に下記のような手紙を送りました。
衆(参)議院議員・〇〇様
《国際観光旅客税の引き上げの議論に際し、当フォーラムが要望したいこと》
日頃から国民と国のために尽くしていただき感謝します。グローバル連帯税フォーラムの田中徹二と申します。よろしくお願いします。
さて、日本からの出国時1000円を徴収する国際観光旅客税につき、オーバーツーリズム対策などを目的とした引き上げの議論が始まろうとしています。私たちはこの案件に関し、以下の3点につき要望していますので、貴党の税制調査会や国会での各委員会での議論に反映させていただければたいへん幸いに存じます。
1)税収の使途の在り方を早急に点検し(とくに受益と負担の関係)、国会に報告すること
2)税収の一部を地球規模課題に使用すること
3)引き上げの場合には累進的定額税として実施すること
【国際観光旅客税の大きな問題点:受益と負担の関係】
2019年から施行された国際観光旅客税(以下、観光税と略)ですが、当初から大きな問題点を抱えていました。それは同税の目的が(観光に来る)訪日外国人のための観光基盤の拡充・強化のための財源確保にあるのですが、訪日外国人から徴収するのは分かりますが、出国日本人(正確には日本に居住する人)から徴収するのは筋違いではないか、つまり負担と受益が合わないのではないか、という問題です。
政府もこの点を改善すべく毎年公表している『国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について』で、「受益と負担の関係から負担者の納得が得られること」を必ず謳っています。しかし、例えば2024年度の同税の使途予算につき、全体収入が440億円のうち出国日本人に資すると思われる予算は約97億円、つまり全体の約2割しか予定していませんでした(令和6年3月12日 衆院財務金融委員会での稲富修二議員の質疑から)。「その税収の大部分は訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備やプロモーションに充てられ、日本人旅行者が享受する直接的な利益は極めて限定的である」(1月20日付「航空新聞社WING」)との声が上がる所以です。
【使途についての在り方は3年後に国会に報告するはずでしたが・・・】
観光税施行にあたり上記のような懸念がありましたので、「税収の使途については、本法施行後三年を目途にその在り方について検討を加え、結果を公表するとともに国会に報告すること」という付帯決議が衆参国土交通委員会で挙がりました。ところが、政府はいまだ検討を加えておらず、6年が過ぎようとしています。そして同税の引上げとなると、とくに「受益と負担の関係について」納税者に理解を得るのは難しいのではないでしょうか。ですから、今行うべきは引き上げの議論の前に、使途についての6年余にわたる点検です。そしてそれを元に納税者の理解を得ることではないでしょうか。
【観光税による税収の一部を地球規模課題にも使用してください】
その使途に関する受益と負担ですが、今でも対応させることのできる方法があります。それは税収の一部を感染症パンデミックや気候変動対策に使用することです。私たちは新型コロナパンデミック時に、航空会社や観光業者のビジネスが壊滅状態になったことを知っています。航空機は感染症ウイルスを短期間のうちに世界に伝播させます。また、航空業界は急速にCO₂排出をさせている部門の一つです。税収が、こうした地球規模課題への対応にも使用されるなら、国際線を利用する訪日外国人も出国日本人も等しく受益することになります。
【引き上げが妥当とされた場合、累進的定額税で実施を】
また、6年余の税収使途の在り方の点検の結果、税の引上げが妥当と判断された場合、一律定額税とするのではなく、次のようにクラス(座席)別に累進的定額税として実施されたらいかがでしょうか。例えば、エコノミークラス500円、ビジネスクラス5000円、ファーストクラス10000円、プライベートジェット利用50000円というように。
以上です。もしご助言・コメント等がございましたら、たいへんお手数とは存じますが、以下までご連絡くださると助かります。では、どうぞよろしくお願い致します。
以下、省略。
(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
