2022年05月24日

参院外交防衛委で国際連帯税質問(井上議員)>外相「革新的資金調達は重要と認識」

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報告が遅れましたが、今月19日の参院外交防衛委員会で共産党の井上哲士議員が、国際連帯税について質問してくれました。質疑の要点を述べます。

※全発言は以下のURLから、5/19外交防衛委をクリック(1:41:40あたりから)

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 

★井上:政府はSDGs推進のために革新的資金調達を挙げているが、それはどうしてか?

☆外相SDGs達成のためには年間2.5兆ドル不足と言われている。コロナ禍でそのギャップはさらに拡大しているとの推計もなされている。この不足分を埋めていくには、従来の資金調達のみでは困難であることから、革新的資金調達は重要だと認識している。

★井上:国際連帯税について、2010年度から10年間税制改正要望をしてきた。その経過の上に「SDGs達成のための新たな資金を考える有識者懇談会」が設置され(実施に向けての)期待が大いに高まった。が、懇談会ではコロナ禍で日本経済が打撃を受けているからと言って新税を見送ることにしてしまった。逆であって、コロナ禍を理由に革新的資金調達をやめたら、ますます資金不足になる。国際連帯税も先のデジタル課税のようにコロナ禍だからこそ必要性は高まっていると考える。

☆外相10年間要望してきたが、制度の具体化に至らなかった。そこで懇談会の提言を踏まえ、令和3年度、4年度と要望提出を見送った。が、冒頭申した通りSDGs達成のための資金不足を埋めるためには革新的資金調達は重要と考え、外務省としては引き続き適切な資金調達の在り方を検討していきたい。

★井上20195月のODA特別委でTICADに向け全会一致で「SDGs達成に向け国際連帯税など革新的資金調達メカニズムを検討し、我が国が議長を務めるG20等の機会も活用し、議論を行えるように努めること」と決議した。ところが、懇談会はこうした経過を踏まえることなく逆の結論を出してしまった。今やコロナ禍において国際連帯税の必要性はいっそう高まっているのではないか。(外務省は)しっかり検討し税制改正要望に上げるべきだ。

☆外相:懇談会の提言はあくまで20年での判断だ。革新的資金調達の必要性、重要性は変わっていない。状況を踏まえながらしっかり検討していきたい。

★井上:国際連帯税を(元国際連帯税議員連盟会長として)よく知る外相であるので、リーダーシップを強く期待したい。

【田中徹二コメント】

この外相答弁は極めて重要です。今日コロナ禍はもとより、ロシアのウクライナ侵略という野蛮な行為もあり、世界的に難民が激増し(1億人を超える!)、食料危機も現実の問題となってきました。世界の弱者や貧困国への支援は急務です。しかしながら今までのような各国の(任意の)ODA拠出だけでは、上記林外務大臣も言うように限界です。ドナー国自身がコロナ禍やインフレで莫大な借金を抱えてしまい、まったく財政的に余裕がないからです。

そこで国際連帯税など革新的資金調達メカニズムが必要となってきます。危機下にあってもしっかりと儲けている金融関連企業から、巨大IT企業等のグローバル企業から、地球規模課題対策のための資金として国際連帯税を徴収し(グローバル化市場の使用料と言ってもよい)、ODAとともに上記課題に使用していくことが求められています。

グローバル連帯税フォーラムも23年度税制改正要望にあって再度国際連帯税新設を求めていきたいと思います。

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

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2022年05月19日

オリガルヒ制裁にはタックスヘイブン対策と金融資本台帳が必要だ!

日本ではまったく報道されませんでしたが、420日に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会合に向け、「国際法人課税改革のための独立委員会(ICRICT)」が公開書簡を公開しました。ICRICTとはノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツや著書『21世紀の資本』のトマ・ピケティ、タックスヘイブン研究のガブリエル・ズックマンたちによって創設された公正なグローバル税制を求める非政府組織です。


そのICRICTが公表した書簡は「隠された富を対象としたグローバルな資産登録が必要な時だ」というもの。この書簡につき、419日付の英ガーディアン紙が「G20閣僚はオリガルヒへの取り締まりをタックスヘイブン対策に活用するよう促された」と題して報道していますので、紹介します。本文の前に、2,3の背景説明を行います。

 

(以下は、こちらでお読みください)

1、オリガルヒと「ロンドングラード」

2、タックスヘイブン対策、金融資産台帳作成が必須

3、日本ではまず預金通帳の名寄せを行い、マイナンバーとリンクさせ金融資産台帳作成へ

4、ガーディアン紙の報道


4月20日会合をボイコットする米国等の財務相.JPG

※写真は、4月20日のG20財務相・中央銀行総裁会議で、会議の一部をボイコットする米国やEUの財務相ら(カナダ政府/ AFP)

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 19:33| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年05月13日

報告:5.12国際保健への取り組み強化を求める緊急院内集会

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オミクロン株の登場で、コロナウイルスもエンデミック状態へと転化していくのではと期待されましたが、中国や北朝鮮でも感染拡大が見られ、パンデミック状況は収まりそうもありません。

そういう中で我が国をはじめ各国のグローバルヘルスについての資金的貢献や取り組みを強化してもらうため、昨日(513日)参議院議員会館会議室において、『コロナ時代のグローバル・ヘルス(国際保健)への日本の取り組みに関する緊急院内集会』が超党派の国会議員とともに開催されました。主催は同集会実行委員会(注1)で、議員による呼びかけは7党派のみなさんから行われました(注2)。

◎集会プログラムと国際連帯税と資金調達に関する報告

集会は、議員呼びかけを代表して武見敬三参議院議員が行い、その後基調報告を國井修・GHITファンド(グローバルヘルス技術振興基金)最高経営責任者が行いました。國井さんは、高所得国と中・低所得国との桁違いともいえる医療格差の実態を明らかにしつつ、今日のグローバルヘルスの課題について述べました(詳細は後日報告)。参加した国会議員との質疑も活発に行われました。

その後、市民社会から3人、政府から2人がコメントを寄せました(注3)。私(田中)も『グロ-バルヘルスと資金調達――方法論としての国際連帯税』と題して報告を行いました。その骨子は次のようなものです。

◎国際連帯税報告の骨子

田中報告のパワーポイント資料はこちらを参照願います。

1)これまでSDGs達成のための資金ギャップは年間2.5兆ドルと言われてきたが、コロナ禍の発生でそれが4.2兆ドルと拡大した(OECD2021)。保健に限れば1兆ドル。

2)一方、公的な開発援助資金ODAはトータルで1789億ドルしかなく、保健すら賄えず。それでOECDは民間資金である金融資産378.9兆ドルに着目し、その1.1%を動員できればギャップは解消すると提言。

3)その民間資金(金融資産)を動員する方法として、@投融資によるやり方、A税制によるやり方という2つ。OECDは前者を提言しているが、私たちは後者の国際連帯税という方法を提案する。

4)国際連帯税の2つのスキーム。@新多国籍企業税、A外国為替(通貨)取引税だ。何よりも政治リーダーが国際会合で主張し、専門家をまきこみつつ、市民=世論がこれを支えること。そうすれば国際共同スキームとして、兆円単位の援助資金を創出することができる。

(注1)

参加団体(50音順):グローバル連帯税フォーラム、新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!連絡会、アジア太平洋資料センター(PARC)、アフリカ日本協議会、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、日本リザルツ

(注2)

自由民主党  衛藤征士郎 衆議院議員、武見 敬三 参議院議員

立憲民主党  西村智奈美 衆議院議員、田島麻衣子 参議院議員

公 明 党  古屋 範子 衆議院議員

日本維新の会 青柳 仁士 衆議院議員

国民民主党  古川 元久 衆議院議員

日本共産党  井上 哲士 参議院議員

社会民主党  福島 瑞穂 参議院議員

(注3)

田中徹二:グローバル連帯税フォーラム(開発資金等)

堀江由美子:セーブザチルドレンジャパン(保健システム等)

金杉詩子:国境なき医師団(公平な医薬品アクセス等)

赤堀 毅:外務省地球規模課題審議官

三村 淳:財務省国際局長


(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

posted by resultsjp at 20:27| Comment(2) | 国際連帯税の推進

2022年05月08日

ウクライナ難民と国際連帯税

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国際連帯税議員連盟でお世話になっている田島麻衣子参議院議員が、毎日新聞電子版の政治プレミアに「ウクライナ難民」問題について取材を受けていましたので、紹介します。


●日本政府は「避難民」受け入れと言っていますが、これは難民認定を極端に渋っている政府の政策によります。難民と避難民では、まるっきり保護待遇が違ってきます。その点をまず田島議員は指摘しています。

●なお、この問題については410TBS「サンデーモーニング」が分かりやすく解説していました(動画 )。


この難民問題は当然SDGs(持続可能な開発目標)の課題で、コロナ以前には貧困と保健関係の目標は相当改善されてきましたが、難民だけは2013年頃より急増し、2015年にはドイツがシリア難民等を100万人引き受けました。2020年で世界の難民数は8240万人にも上り、今日ウクライナから520万人の難民が生じていますので、全体で9000万人に上るのではないかと思われます(地球人口の約1.1%が故郷を追われている)。


●ところで、河野太郎元外務大臣(178月−199月)はSDGs対策のため国際連帯税の必要性を国際的に提案していましたが、その事例として当時急増する難民の救済を挙げていました。日本政府は、国際的支援を実施することはもとより国内的にも「故郷を追われた人は世界中にいる…日本が国際社会の中で応分の責任を果たすならば、これからもっと難民を受け入れなければならない」と田島議員は訴えています。


ウクライナ難民受け入れで豊かになる日本


田島麻衣子・参議院議員


 英オックスフォード大学院で難民問題や人道支援を学び、国連の世界食糧計画(WFP)でコンゴ民主共和国から隣国のアンゴラに逃れてきた難民たちのキャンプに入るなど支援の現場に関わった。日本はこれまで難民政策と言えるものがなかった。今回のウクライナ難民の受け入れによってまず一歩を踏み出さなければならない。 


 日本政府は、ウクライナからの「避難民」を受け入れたと言っているが国際的には通用しない。命を守るため、政治的な武力紛争から逃れ国境を越える人々は難民だ。岸田文雄首相が国際会議で「避難民」と発言した時にどう通訳するというのか。「難民ではなく、避難民だ」などと言えば、私が学んだ教授たちに怒られてしまう。 


 日本政府は難民制度を本質的に変えていく気がない。ウクライナ難民への対応も場当たり的で、長期的な視点がない。 


 Q:大量の難民が来たらどうするか 


 A:国連の現場にいると、人道支援がいかに難しいかということを、身をもって体験する。難民キャンプに支援に入るとしても、受け入れ国の許可がなければ入っていけない。助けようと思っている難民が受け入れ国の政府から迫害されている場合、どうすればいいのか。人道支援の原則である中立的な支援ができるのか。 


 そうした問題を抱えながら、それでも人道支援をしなければならないことを実地で学ぶ機会が、これまでの日本には欠けていた。(以下、省略)

※写真は毎日電子版に載った田島麻衣子議員

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)






posted by resultsjp at 16:32| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年04月20日

【ご案内】5.12コロナ時代のグローバルヘルスへの日本の取り組みに関する緊急集会

WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスの緊急事態宣言を出してから本年1月で2年目を迎えましたが、いぜんとしてパンデミックは収まりそうにありません。

WHOの活動予算は「先進国の中規模病院ほどの額」(テドロスWHO事務局長)

パンデミックが収まらない要因のひとつがグローバルヘルス(国際保健)への圧倒的資金不足です。感染症との戦いの中核を担うはずのWHOすら「予算は2223年の2カ年に61億ドル(約7千億円)と『先進国の中規模病院ほどの額』(テドロス氏)」という有様。しかも「加盟国による拠出金は全体の2割弱にすぎず、残りは民間の慈善団体などからの寄付に頼る」(130日付日経新聞)という状況【注】。

このこと一つとっても5億人を超えて今なお拡大し続ける感染症を克服できないことは明らかです。資金の抜本的拡充、パンデミックへの途上国支援を含む公正なルールを求めて超党派の国会議員とともに緊急集会を開催します。 

●基調講演は國井修さん:GHITファンドCEO

詳細は以下をご覧ください。前グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)戦略投資効果局長で現グローバルヘルス技術振興基金(GHITファンド)CEOの國井修さんが基調講演を行います。 

【注】WHO改革、資金不足が足かせ コロナ緊急事態2 


(ご案内)2022512日 午前10-11時(予定)

コロナ時代のグローバル・ヘルス(国際保健)への日本の取り組みに関する緊急院内集会 

◎日時:2022512日(木) 午前10時〜11時(予定)

◎会場:参議院議員会館1階102会議室(※オンラインでの中継を行います)

◎主催:緊急院内集会 実行委員会

※参加団体(50音順):アジア太平洋資料センター(PARC)、アフリカ日本協議会、グローバル連帯税フォー型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!連絡会、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、日本リザルツ

◎定員:会場直接参加については、感染症対策上、15名とします。

    (※オンライン参加については、特段、定員は設けません)

◎申込:次のリンクからご登録ください。 http://ow.ly/3Ieo30sht1B 

◎問合せ:(特活)アフリカ日本協議会(担当:稲場・小泉)

電話:03-3834-6902Fax03-3834-6903  メール:ajf.globalhealth@gmail.com 

★新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」)で、グローバルヘルス(国際保健)は新たな時代を迎えました。世界で、日本で、コロナはまだ終わっていません!

★パンデミックにより、グローバル・ヘルスは世界の安全保障上の重要課題となりました。また、富裕国と貧困国の「ワクチン・医薬品格差」が明らかになりました。格差を放置すれば、その悪影響が「変異株の蔓延」などの形で全世界に及ぶこともわかりました。 

★パンデミックにより、エイズ・結核・マラリア、母子保健などへの取り組みが後退しています。パンデミック下で保健の取組が成果を上げるには、より多くの費用がかかることもわかりました。 

★コロナの収束や新たなパンデミックへの備えに向けて、超党派にて、グローバル・ヘルスへの取り組みを強化し、資金を増やし、日本と世界で「いのちを大事にするしくみと文化」を育むため、院内集会を開催します。

★集会では、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の戦略投資効果局長を務め、本年から日本のGHITファンドのCEOを務める國井修氏が基調講演を行います。

★本集会の開催にあたって、実行委員会に集まる市民社会は、コロナ時代のグローバルヘルスの重要性に鑑み、国際保健分野へのODAの増額や「国際連帯税」等の導入も含め、国際保健への資金を倍増すること、世界の医療アクセスの格差をなくし、途上国への技術移転の促進や緊急時の知的財産の共有をルール化して、世界全体で必要な医薬品を製造できるようにしていくこと、そのための世界のルール・メイキングに日本政府も積極的にかかわること、を求めます。

◎集会呼びかけ人(413日現在)

・自民党:衛藤征士郎衆議院議員、武見敬三参議院議員

・公明党:古屋範子衆議院議員

・立憲民主党:石橋通宏参議院議員、田島麻衣子参議院議員

・国民民主党:古川元久衆議院議員

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◎プログラム

・基調講演:國井修 GHITファンド最高経営責任者(元グローバルファンド戦略投資効果局長)

・国際保健に関わるNGO/NPOや政府からのコメント

・国会議員や参加者によるディスカッション等

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

posted by resultsjp at 11:34| Comment(1) | 国際連帯税の推進