2017年08月04日

新外務大臣に望む:貧しい国・貧しい人々に寄り添う地球規模外交を

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第3次安倍改造内閣で、どの政治評論家も予想していなかった河野太郎衆議院議員が外務大臣になりました。河野議員と言えば、かつてはODAのあり方について、原子力発電問題について、行政改革について、そして最近の自衛隊の日報問題について、歯に衣を着せない発言を多く行ってきました。

新大臣へ望むのは、日米同盟も大事ですが、狭い(日本の)国益に捉われることなく、貧しい国・貧しい人々に寄り添う地球規模外交をぜひ推進していただきたい、ということです。河野議員であればきっと実行できるものと期待しております。

ところで、かつて河野議員が自民党の国際局長だったころ(と思いますが)、何と!以下のように開発資金創出のための通貨取引税(金融取引税)に言及するなど、国際連帯税的な考え方を持っていたのです。新大臣になられてもこの考え方を忘れずに外交を進めてもらいたいものです。


●河野太郎ブログ「ごまめの歯ぎしり」
   『疲れた日本』(2010.07.18)

『日本の自民党の河野太郎です。日本国の政府を代表していませんし、我が党の主流派の意見ではないかもしれません。しかし、国民の大部分の意見を代表していると思います。

みなさん、日本は援助疲れしています。援助に対する国民世論は好意的ではありません。なぜならばこれまでの日本の援助に関する意思決定に透明性も説明責任もないからです。

<中略>

そもそも国連開発目標を達成するために、どこかの国のODA予算に頼っているという現状がおかしいのです。そろそろ真剣に、本当に真剣に、貧困撲滅や開発のために国際社会が自ら歳入を得る方策を検討し、実施に向けて動くべきです。

例えば、巨額なお金が動いている通貨取引に、国際的に課税するというのはどうでしょうか。1%の百分の一や千分の一というわずかな税率で、国連開発目標実現のために必要な資金を得ることができます。

そろそろどこかの国の援助に頼るのではなく、国際社会が必要なお金を得るためにはどうしたらよいか、現実的に考え、行動するべき時が来たと思います。

ご静聴ありがとうございます。

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 14:16| Comment(3) | 国際連帯税の推進

2017年07月14日

マクロン大統領>FTT(金融取引税)導入「最後までやり遂げる」、しかし…

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マクロン仏大統領は、欧州(10カ国)FTTにつき、その導入計画を「最後までやり遂げる」と言明した、とロイター通信は報じています。

一方で、10日予定されていた10カ国の財務相会合は年末まで延期されたようです。背景として、ドイツの総選挙が9月末に行われ、本格的に政府が形成されるのは11月になり、それからでないと物事が進まないというものです。しかし、実際のところ、ドイツならびにフランス政府がロンドン・シティから金融機関を誘致しようとしてFTT推進を躊躇しているというのが本音でしょう。 

また、フランスは7月7日フィリップ首相が「フランス独自FTT」の拡大を取りやめると記者発表しました。この結果、フランスのODA(政府開発援助)の22%がFTTによって資金を得ていますが、このままではODAの対GNI比のさらなる低下が懸念されています。 

ともあれ、多分に腰が引けた内容ですが、マクロン大統領の「最後までやり遂げる」言明は以下の通りです。大統領の言動に注目していきましょう。


【ロイター】金融取引税、意味と実効性ある限り導入推進=フランス大統領
2017年 07月 14日
[パリ 13日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は、13日付の仏紙ウエスト・フランスに掲載されたインタビュー記事で、ユーロ圏10カ国が基本合意している金融取引税(FTT)について、意味と実効性がある限り導入を推進する考えを表明した。

FTT導入はフランスとドイツが主導。ただ、対象となる金融商品や税率をめぐり各国の意見の隔たりが大きく、2011年以降、協議は難航している。

マクロン氏は、FTT導入を「最後までやり遂げる」と言明。欧州議会の一部議員やNGOから批判の声が上がるが、「この件では一切引き下がらない」と述べた。

ただ、EU離脱後の英国がEU域内の金融市場へのアクセスを確保するかどうかで状況は変わってくると指摘。FTTが適用されない英国に金融機関が拠点を移すことが想定されると説明した。


《参考》
【Bloomberg】EU Financial Transactions Tax Talks Kicked to End 2017(17/07/10)

【EURACTIV】French backtracking on FTT undermines development commitments(17/07/11)

(報告:田中徹二グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 23:13| Comment(5) | 国際連帯税の推進

2017年07月09日

【EU FTTアップデート@】マクロン仏大統領、今夏のEU FTT最終合意へコミット表明するも、「二枚舌」?

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欧州FTT(金融取引税)問題が浮上してきている。欧州10カ国によるFTT導入計画は停滞しているが、英離脱後のEU予算の資金としての議論がはじまり、また気候変動など地球規模課題の資金としてもその必要性が語られている(FTTの国際連帯税的な要素)。こうしたEUの動向について、津田久美子氏(北海道大学大学院 法学研究科 博士後期課程)に最新情報について、ならびにその評価について「EU FTTアップデート」という形で報告していただく。
(田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

先月6月6日、マクロン大統領とフランスのNGOsは会合を持った。そこでマクロン大統領は、FTT(金融取引税)を気候変動への取り組みの一つと位置付け、今夏中にEU FTTの最終合意を取り付けることにコミットした。これは、パリ協定からアメリカが離脱することを受け、気候変動への取り組みの重要性を説き、"Make our planet great again" と表明したマクロン大統領へ、NGOsが具体的なコミットメントを要請したことを受けてのことであった。

市民社会は、かつて銀行家でもあったマクロンのFTTへのコミットを高く評価した。しかしながら、同月22-23日に開催された欧州理事会(EUサミット)で、マクロンは、イギリスのEU離脱スケジュールが確定しないかぎり、EU FTTの交渉を進めることは難しい、といった趣旨の発言をしたと報道された。明らかに「今夏中」のコミットとは矛盾しているのである。

マクロンや仏政権の本心はまだわからない。おそらくは、来週の11日に開催されるEU財務相会合(ECOFIN)にて明らかになる見込みだ。同会合の前には、10カ国のEU FTT検討グループが集まることが予定されている。

なぜマクロンは、英離脱(Brexit)との兼ね合いでFTTを捉えているのか。それには、二つの「ポストBrexit」問題なるものが背景にある。一つは、Brexit後の「ネクスト・シティ」問題。EU最大の金融街であったシティ・オブ・ロンドンの地位をめぐって、パリ、フランクフルト、ダブリン、ルクセンブルクなどが誘致合戦を繰り広げている。これに伴い、フランスとドイツでは、「ネクスト・シティ」になれるチャンスにあってFTTは邪魔だ、と熾烈なロビー活動が展開されている。つまりマクロンは、こうした銀行家たちの方に耳を貸したのかもしれない。そこでフランスNGOsは、SNSなどを通じてマクロン大統領に「二枚舌」をやめるよう呼びかけている(画像参照)。

もう一つの「ポストBrexit」問題は、EU財政・予算問題。その詳細は、続編「EU FTTをめぐる近日の動向A」にて。

参考:
Oxfam France, ≪ Climat: Emmanuel Macron s'engage a conclure la TTF d’ici cet ete, Oxfam demande un calendrier de mise en ?uvre ≫ 06/06/2017.
https://www.oxfamfrance.org/communique-presse/taxe-sur-transactions-financieres/climat-emmanuel-macron-sengage-conclure-ttf-dici

Le Monde, ≪ Climat : l’Elysee promet une feuille de route d’ici fin juin ≫ 06/06/2017.
http://www.lemonde.fr/climat/article/2017/06/06/transition-ecologique-le-gouvernement-va-ouvrir-un-site-internet-pour-attirer-les-chercheurs_5139658_1652612.html

Robin Hood Tax, "Macron Calls for European Robin Hood Tax by Summer" 22/06/2017.
https://www.robinhoodtax.org.uk/macron-calls-european-robin-hood-tax-summer

L'Echo, ≪ La "taxe Tobin" mise au frigo ≫ 23/06/2017.
http://www.lecho.be/economie-politique/europe-economie/La-taxe-Tobin-mise-au-frigo/9907431?ckc=1&ts=1499215786

Le Monde, ≪ Taxe sur les transactions financieres : ≪ Emmanuel Macron doit cesser son double discours ≫ ≫ 28/06/2017.
http://www.lemonde.fr/idees/article/2017/06/28/taxe-sur-les-transactions-financieres-emmanuel-macron-doit-cesser-son-double-discours_5152557_3232.html
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2017年06月16日

はじまる2018年度税制改正の動き>国際連帯税の実現に向けて

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      「国際連帯税につき前向きにしっかりと取組みたい」と述べる岸田外務大臣

長かった通常国会も18日に閉幕となりますが、これからの国レベルでの主な作業は、次年度(2018年度)に向けた予算案づくり、税制改正案づくりとなってきます。どちらも8月末に概算要求(予算)、改正要望(税制)を各省庁から財務省に提出することになります。

国際連帯税についても、例年通り外務省が「国際連帯・貢献税」の新設要望を出してもらうことからはじまりますが、今年はトピックとして以下の3つの状況があります。

(1)岸田外務大臣が国際連帯税にとても前向きなこと

すでにお知らせしましたが、去る5月の参議院決算委員会で、(国際連帯税議連事務局長の)石橋通宏議員の質問に対して、岸田外務大臣は次のように答えました。

外務省としましても、また私自身としましても、…是非、国際連帯税に向けて前向きにしっかりと取組を続けていきたい。


(2)外務省の国際連帯税に関する調査委託報告書の公表

外務省は、昨年11月国際連帯税の制度設計に関する調査のため、寺島実郎氏を座長とし有識者による研究会を立ち上げ(正式名は、「国際連帯税を導入する場合のあり得べき制度設計及び効果・影響の試算等」調査委託)、その報告書が本年2月末に公表されました。 

その報告書では、「我が国が今後さらに(SDGs実施等)積極的な国際貢献を行い、 国際的な影響力を拡大させるためにも、国際連帯税導入に向けた検討を進めていくこと が必要」との立場から、航空券連帯税、金融取引税、炭素税、旅券手数料への課税を打ち出しました。

なお、研究会では(WEB)アンケート調査も実施しましたが、航空券連帯税につき「約 3/4 が定額税・定率税を支払ってもよいと回答(ただし国際連帯税に対する賛成は5割強)」という結果を得たことも報告されています。この「賛成」の数字はとても高く、予想をはるかに超えてのものでした。

また、この調査委託につき、岸田外務大臣は先の委員会で「調査に制度設計をお願いしたのだから、その答えを踏まえながら具体的取り組みを進めていきたい」よ答えています。

(3)国連HLPFでのフランスの報告>国際連帯税の実施を報告

ご案内のように、2015年9月国連で「持続可能な開発目標(SDGs)/2030アジェンダ」が採択されて以降、舞台は持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(HLPF :High Level Political Forum)に移りました。

HLPFでは4年に1回首脳級の総会を開催し、SDGs実施のレビューを行いますが(第1回が2019年)、これとは別に毎年閣僚級による自国の取組に関する自発的レビューや取組につき発信することになり、昨年からはじまっています。

昨年22ヵ国が自発的なレビュー等を行いましたが、フランスの報告が注目されます。それは先進国・ドナー国としての重要な責務である開発資金の調達に関し明確に述べたことです。

フランスはODAのGNI比0.7%拠出の2030年までの実施(EUの共通援助目標として)を報告するとともに、革新的資金調達としての国際連帯税(航空券や金融取引への課税)の実施し、パンデミック(感染症の世界的な流行)や気候変動への対策資金として提供していることを報告しました。 

今年7月には2回目のHLPFが開催され、今回は日本政府も報告します。日本政府はぜひともフランスに続いて、先進国・ドナー国の責務としてODAの0.7%拠出ならびに国際連帯税につき報告していただきたいと思っています。

【フランス報告での国際連帯税の部分】
FRANCE TAKES AN INNOVATIVE APPROACH TO SUSTAINABLE DEVELOPMENT TOOLS AND FINANCING
In 2004, France took the initiative, with Brazil and Chile, to propose putting in place international solidarity taxes on activities that benefit the most from globalisation to provide innovative development financing in addition to budget resources. It introduced these taxes on airline tickets and financial transactions, providing funding to tackle the pandemics and take climate change action.

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 10:23| Comment(3) | 国際連帯税の推進

2017年05月15日

【速報】参議院決算委員会で石橋議員、国際連帯税につき質問

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本日(15日)の参議院決算委員会で石橋通宏議員(国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長)が国際連帯税について質問をされました(他にODA全般)。

・石橋議員:SDGsの資金ギャップは2.5兆ドルと言われている。資金を増やすには(ODAのほかに)国際連帯税や革新的資金調達メカニズムという構想もある。世界のリーダーとしての日本というなら、国際連帯税実現含め資金増を行うべき。

・岸田外務大臣:国際開発資金を確保するためには財政もさることながら、民間資金も含めた幅広い調達が必要。その中で国際連帯税も有力な手段であると外務省は認識している。平成22年度より外務省は税制改正で国際連帯税を要望し続けている。具体的にどうするかだが、昨年度外部のシンクタンクに具体的な制度設計につき委託調査してもらった。この調査結果を踏まえ、国民と関係者の理解を得るための努力をしていく。外務省としても私個人としてもぜひ国際連帯税導入に向け前向きにしっかりと取り組みを続けていきたい。

・石橋議員:委託調査の結論は3月に出ているが、次なるステップをどうするのか。大臣としての責任で次に進むことを確約すべき。

・岸田外務大臣:調査に制度設計をお願いしたのだから、その答えを踏まえながら具体的取り組みを進めていきたい。

詳細は、参議院インターネット中継の「5月15日参議院決算委員会」をご覧ください(2:12:16より石橋議員の質問)

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 21:36| Comment(2) | 国際連帯税の推進