2022年11月20日

グローバル連帯税フォーラムはインターンを募集します>世界のコロナ感染症・温暖化等の資金調達を!

グローバル連帯税フォーラムは下記の通りインターンを募集します。時間等が許される方は積極的にご応募ください。いっしょに活動しましょう!どうぞよろしくお願いします。

【グローバル連帯税フォーラム:インターン募集要項】

1. 呼びかけ
   コロナ等感染症や気候変動などの地球規模課題のための対策資金を創出するスキームとしての国際連帯税、またグローバルな  経済的格差を是正するためのトービン税(金融取引税)などについて強い関心を持ち、社会を変革したいと願う学生や社会人のインターンを募集しています。私たちといっしょに社会課題に取り組んでみませんか?

2. 取り組む業務
   主に下記の業務のお手伝いをお願いします
        @ セミナーやシンポジウムなどのイベント運営
        A 広報業務(SNSやML等による広報の実施)
        B 翻訳(主に英語)
        C 国会議員や省庁へのロビイング
          現在@〜Bは、オンラインでの活動が中心となっています。

3. 応募方法
       @ お名前(ふりがな)
       A メールアドレス
       B 携帯電話番号
       C 属性(学生、社会人)
       D 所属(学校名、会社名、定年退職者)
       E 応募いただいた理由(800字以内でお書きください:メール本文でもWordでも可)
           上記@~Eを記載したメールを下記メールアドレス(応募先)までご送付ください。
      <応募先>
    gtaxftt@gmail.com (担当:田中)
「国際連帯税」東京シンポジウム2008.JPG

 国際連帯税シンポジウム2008の写真です。

posted by resultsjp at 15:05| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年11月09日

金融所得課税:財務省「年間所得が数億円超の富裕層への増税検討」だが…

【金融所得課税10%アップで約3兆円の税収を得ることができる】


●日本の所得税制は累進性が途中で崩れ、富裕層が有利に


昨日(118日)の日経新聞によると、財務省は年間所得が数億円超の富裕層への増税の検討に入ったと報じています(注1)。これは例の「1億円の壁」と言われている、所得が1億円を超えると税負担率が下がってしまうという(累進課税であるべき)所得税の「不公平・不公正性」を是正しようという狙いがあります。


実際、「財務省が10月上旬の政府税制調査会(首相の諮問機関)で示したデータによると、所得税と社会保険料の負担率は所得5千万超〜1億円の層で28.7%と最も高い。所得5億超〜10億円は21.5%50億超〜100億円では17.2%となり、300万〜400万円の17.9%より低くなる」(同日経新聞 図参照)となっています。


なぜこうした事態になっているかと言いますと、次の通りです。勤労者などの「給与所得」は所得が増えるほど税率が上がっていく「累進課税」で、最高税率は4,000万円以上の45%(+地方税10%)ですが、他方、株式売却益や配当などの「金融所得」は一律15%(+地方税5%)という「分離課税」で、従って4,000万円以上の所得があっても「金融所得」が多いほど税率は下がってきます。その分岐点が1億円所得なのです。


●政府・与党は課税強化に向かうか?


金融所得課税の不公平・公正性については以前から指摘されており、とくに2019年消費税の10%へのアップ時には財務省も相当前向きでしたが見送られてきたという経過があります。また、岸田首相が誕生した当初「金融所得税の強化」を訴えていましたが、たちまち前言を翻す事態となっています。こうした中での今回の財務省の動きですが、いろいろ制約がありそうです。


そもそも自民党の税制調査会の動きがどうなのか、実施する気があるのか、です。なにしろ「貯蓄から投資へ」というのが岸田式「新しい資本主義」のキャッチフレーズですので(ぜんぜん新しくないと思いますが)。


ともあれ、記事では、@政府が進める創業支援に逆行しないこと、A所得5億円以下の層は土地・建物の売却益が多く固定資産税がかかることを考慮すること、B給与所得が大半の人はすでに高い税を払っているので調整すべきこと、C株売却益への課税強化は幅広い層に影響が及ぶので線引き等を検討、等々課題点が挙げられています。


●様々な条件が付き税収は縮小か?金融取引税の新設なども必要


では金融所得税を10%アップしたらどのくらいの増税になるかと言いますと、約3兆円になります(2019年の税収で 注2)。同税を分離課税ではなく総合課税としますと35%アップとなりますので税収は10兆円を超えるのではないでしょうか。10兆円超となりますと、消費税の4%分ほどになりますので、税収ボリュームは十分と言えましょう。


しかし、総合課税化は激変となりますので、当面は10%程度のアップがよいのかもしれません。それでも政府・与党が課税強化に向かうとしても、上記のようにいろいろ条件が付いて、思ったほどの税収が上がらない恐れもあります。ですから、1000兆円を優に超える財政赤字を解消していくためには、所得税や法人税の累進課税の強化や金融取引税の新設などが必要となってきます。


驚いたのは、今回の22年度第二次補正予算において一晩で4兆円も積み上げ、しかも29兆円中22兆円を赤字国債で賄うという政府の行いです。英国では予算の裏付けのない安易な減税政策が財政の悪化を招くとして市場からの反乱にあい、頓挫しましたが、日本の赤字垂れ流しは英国の比ではありませんので、近い将来が心配です。


諸富徹:京都大学大学院経済学研究科 教授の「ひとこと解説」

図に示されているように、100億円の所得を得る人の所得税+社会保険料の負担率が、400万円の所得を得る人の負担率より低いという状況は、いくらなんでも正当化し難い。本来、累進所得税の目的は所得を再分配することだ。これでは税制が、格差の拡大を助長しかねない。所得税のこうした問題を是正するため、新興企業支援を施したうえで、一定の所得(5億円とか10億円)以上に対象を絞った課税強化なら、望ましいといえよう。逆進的な消費税は、すでに数次にわたって税率が引き上げられてきた。今後のさらなる引き上げも議論しなければならない中、再分配を担うはずの所得税の機能不全がこれ以上、放置されていてよいはずがない。【了】

1億円の壁.JPG
posted by resultsjp at 19:44| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年10月19日

円安ドル高によって物価高騰は止まらず、トービン税でヘッジファンドと戦うべき

149円.JPG

引き続く円安ドル高によっての物価高騰は止まらず、これに対し政府は「投機筋による過度な変動には断固たる措置を取る」(鈴木財務相)として先月為替介入を行いました。一方、金融系エコノミストや経済評論家は投機筋の動向を所与のものと受け入れ、状況解説するのみです。これに対し、私たちはトービン税による投機筋との戦いを提案しています。


●国内企業物価指数9.7%も上昇(コアCPI+3%)、その50%強が円安要因

急速な円安が進み、政府・日銀は先月14590銭の段階で為替介入を行いましたが止めることができず、150円台の攻防に入ろうとしています(1017149円台に)。こうした円安は輸入物価を高騰させ、9月には円換算で前年比+48.0%と跳ね上がり、この結果国内企業物価指数は9.7%も上昇してしまいました。この上昇を受け、生鮮食料品を除くコアCPI(消費者物価指数)は前年比+3%にもなりました。そして10月には6700品目が値上がりし、さらに円安はなお続く傾向ですから、有効な対策がなければまだまだ値上げが続くということになります。


この輸入物価高騰はエネルギーや穀物価格の上昇にもよりますが、今日ではますます円安による影響が強くなってきています。その影響は上昇分の5割強にも上っています。


●私たちの生活に関係する消費者物価高騰の大元を辿れば米国の高インフレに 

翻って、そもそもなぜこうした事態になっているのかを探ってみましょう。まずなぜ円安になっているのか。それは日米の金利差によります(米=高金利、日=低金利どころかマイナス金利)。ではなぜ米国FRB(連邦準備制度理事会)は高金利政策を取っているのか。それは高インフレを抑制するためです。

つまり、一連の事態は次のような図式となります。【米国高インフレ⇒米国高金利(日本マイナス金利)⇒円安(ドル高)⇒日本輸入物価高騰⇒日本消費者物価高騰】


以上から、「日本消費者物価高騰」要因の大元を探っていくと「米国高インフレ」に辿り着きます。ではなぜ高インフレに? 結論的に言いますと、このインフレをもたらした最大の原因は、超がつくくらいの過剰流動性、つまりジャブジャブのお金が市中・市場に提供され、コロナ禍では当初使う場がなかったため過剰貯蓄がなされたのです(注1)。そのお金の出どころですが、基本的に超金融緩和による株高とコロナ対策のための複数回にわたる給付金です。この結果、ただでさえインフレ傾向だったのが、コロナ禍が下火になるとともに爆発的に需要が高まり、インフレも急速に高まったのです。


●米高インフレを呼び込んだ株式バブル、金融取引税による抑制必要

米国の株高ですが、2008年のリーマンショック以降FRBはゼロ金利や低金利を取り、また量的緩和政策をつい最近まで取り続け、すっかりバブル状況ともいえるような事態になっていました。とりわけGAFAなど大手IT企業の時価総額が大幅に上昇しました(2213日に最高値)。今日高金利政策によって半ば強制的にバブルを弾けさせているのですが、「FRBは株価が下落することが望ましいと考えている」(ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁)とまで言われています。


米国が高インフレを避けるとすれば、2010年代の早い時期から超金融緩和政策を転換させるべきだったのですが、いったん決めた政策はなかなか転換できない(ウォールストリートなどのステークホルダーの圧力により)という現実があります。だとしたら、その政策遂行にブレーキがかかる仕組みを埋め込んでいくことが必要だったのです。この場合は、できるだけ過剰流動性を抑制する金融取引税です。


米国の与党・民主党内で金融取引税を主張する有力議員が何人もおり法案を作成していますが、どちらかというと税収を得るための金融取引税でした。今後金融市場の正常化というか安定化のための金融取引税という主張が出てくるではないかと思われます。


●通貨の著しい変動は「市場の失敗」なのにG7は「注意深く監視する」だけ

さて、いわば米国の一方的理由でドル高が取られ、その結果日本円のみならずユーロも韓国ウォンもというように、世界各国が通貨安に見舞われています。この背景には、金利差が激しいドル/円相場が典型ですが、この差を利用してヘッジファンド等投機筋による通貨安攻撃があるのです。こうした事態に対し、今月G7ならびにG20財務相・中銀総裁会議が開催されました。


その対策について、G7は次のような声明を発しました。「声明は『多くの通貨がボラティリティー(変動率)の高まりに伴い著しく変動している』と指摘した。その上で、為替レートは市場で決定されるのが原則だとしつつ、過度な変動や無秩序な動きによる経済への悪影響に言及したG7の従来の合意を再確認」し、「注意深く監視していく」とのことです(注2)。

つまり、為替レートは市場で決定されるはずだが、そうはなっていない事態とは「市場の失敗」ではないでしょうか。だとするならば、監視しているだけではどうしようもなく、参加国どうしによる協調政策が必要でしょう。例えば、かつてのドル高を抑えるためのプラザ合意による協調為替介入ということも考えられますが、当時とはまるで状況が違いますので、為替取引への課税、つまりトービン税が有効ではないでしょうか。同税は、今から50年前の1972年、ノーベル経済学賞受賞者でもあるイェール大学のジェームズ・トービン教授(当時)が「一国の金融政策の自律性を獲得するためのスキーム」として提唱されました。


●国際金融「トリレンマ論」はトービン税で克服でき、税収を有効に活用できる

ところで、内田稔・高千穂大准教授は国際金融の「トリレンマ理論」を用いて、現今の円安問題について次のような論考を記しています(注3)。


まず「国際金融のトリレンマとは、1)為替相場の安定、2)金融政策の独立性、3)自由な資本移動──の3つを同時に満たすマクロ経済的な枠組みや制度は存在せず、どれか1つを放棄しなければならないことを指す」こと。それでこの枠組みでドル/円上昇に歯止めをかける選択肢を考えると、次の2つ。「1つは、金融政策の独立性を放棄することだ。このケースでは、米国に倣って利上げに踏み出さなければならない」というもの。「もう1つは新興国と同じく資本移動に制限を加えることだ。例えば、円安圧力つながる輸入や対外的な投資への制限がこれにあたる」。しかし、「日本にとって、どちらの選択肢も非現実的であることは明らかだ」、と。

では、どうすべきか。「消去法で考えて為替相場の安定を放棄する以外、日本には選択肢がない」「(世界のインフレが収束し、多くの中央銀行が金融緩和へかじを切るとか等々の)外部環境に変化がみられない限り、ドル/円はまだ、高値を目指す危険性が高い。率直に言えば、150円で止まるのかどうか、極めて疑わしくなってきた」、と内田さんは言います。つまり、手の打ちようがなく、150円で止まらないのではないか、というのが内田さんの結論のようです。


ウーム、困ったものですが、本当に円安を止める手段はないのでしょうか。あります。G7やG20のリーダーは、まずもって上記トリレンマ論で言うところの「自由な資本移動」がこれまで何度も行き過ぎた投機マネーの跳梁を招いてきたという「市場の失敗」を認識すること、その上でそれを克服すべく為替取引に課税し投機マネーを抑制するというトービン税を協調して実施することです。


そういう意味で、イエレン米財務長官の「市場で決定される為替レートがドルにとって最良の体制であり、それを支持する」(注4)という発言はとうてい承認することはできません。同長官は実はイェール大学でトービン教授(当時)の薫陶を受けた学研の徒であっただけに残念です。


ともあれ、G7やG20で協調してトービン税を実施すれば、投機筋の跳梁を大規模に抑制できるでしょうし、一国でも取引量が莫大ですので(東京市場の取引は1日当り65兆円にも上る)、税率をぐっと押さえれば実施可能でしょう。そして同税は税収が上がりますから、それを感染症・パンデミックや気候変動・脆弱国「損失と被害」に使用することができます。


ともあれ、米高金利による円安/ドル高そして物価高騰はいっこうに止まりませんので、引き続きトービン税の必要性を政府や国会議員、エコノミストやマスコミに訴えていきたいと考えています。


(注1)

【日経新聞】「過剰流動性」の正体は 問われるバイデン経済政策

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD00006_Q0A231C2000000/

【日経新聞】FRB「倍速利上げ」の賭け 3兆ドルの過剰マネー火種

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB067AS0W2A500C2000000/

(注2)

【時事通信】通貨の「著しい変動」懸念=国際金融市場を注視―G7財務相・中銀総裁会議

https://equity.jiji.com/oversea_economies/2022101300130

(注3)

【ロイター通信】コラム:「国際金融のトリレンマ」からみた円安、150円目指す動き濃厚

https://jp.reuters.com/article/column-minori-uchida-idJPKBN2R907P

(注4)

【ロイター通信】米財務長官「市場で決まるレートが最良」 ドル高批判受け

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14EQ80U2A011C2000000/

 (報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

posted by resultsjp at 10:36| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年09月22日

気候脆弱国が炭素税、航空税、金融取引税などグローバル・タックスを要求


パキスタン(報道ステーション).JPG

写真はパキスタンの大洪水


920日から国連総会一般討論がはじまり、現在ウクライナ問題を軸に主要国が討論を行っています。一方、世界で最も気候(温暖化)危機に対し脆弱な国が、危機に対処すべく「損失と損害」についての文書を総会向けに準備しているとのことです。このことにつき英ガーディアン紙が報じていますので紹介します。


●気候変動「損失と損害」とは?


その前に、「損失と損害」について簡単に説明します。気候変動に関する途上国支援としては2つあり、それは温室効果ガスの排出削減のための緩和策と気候変動影響への適応策です。ところが、近年の気候危機は途上国が適応できる範囲を超えて、大干ばつや大洪水など甚大な被害をもたらしつつあり、途上国は「損失と被害」への補償も先進国に求めてきました。温室効果ガス排出が圧倒的に少ない途上国が、主に先進国からの温室効果ガス排出によってもたらされている気候危機の最大の被害者となっているからです。


この「損失と被害」について昨年のCOP26でようやく主要議題の一つとなり、脆弱国は具体的な支援につながる何らかの機関・基金の創設を求めましたが、合意できませんでした。ただ今後もこの実現に向けて協議を続けるということになり、今年のエジプトで開催されるCOP27では「損失と損害の基金の創設と資金動員」が突っ込んで議論されると思います。


そこで前もって国連総会という場で、島が沈んでしまう危機を有する島嶼国等の脆弱国が「損失と損害」に関する資金動員を図るための討論文書を用意しているということです。


●ガーディアン紙の記事 


【脆弱な国々は、気候がもたらす損失と損害の代償としてグローバル税を要求する】

−貧しい国々は、化石燃料の大口使用者と航空旅行に対する「気候関連および正義に基づく」課税を検討するよう国連に要求した。
世界で最も脆弱な国々は、気候危機によって被る回復不能な損失に対して、化石燃料や飛行機への新たな課税を含む緊急の資金調達を要求し、富裕経済圏に対抗する準備をしていることが、リーク文書で明らかになった。


異常気象はすでに多くの発展途上国に大きな打撃を与えており、さらなる大災害を引き起こすと予測されている。損失と損害、つまり、気候破壊の最も極端な影響に苦しんでいる貧しい国々をどのように支援するかという問題は、気候交渉で最も論争になっている問題の一つである。


世界で最も脆弱ないくつかの国は、今週の国連総会での議論のためのペーパーを準備した。それによると、貧しい国々は、発展途上国が被った損失や損害に対する支払いを賄う方法として、「気候関連と正義に基づく」グローバルな税の要求のための準備をしているようだ。


その財源は、世界的な炭素税、航空旅行への課税、船舶が使用する汚染度が高く炭素集約的なバンカー燃料への課税、化石燃料採掘への追加課税、あるいは金融取引への課税によって調達される可能性がある。


討論文書では、それぞれの利点と欠点、そして世界銀行、国際通貨基金といった世界の開発銀行や民間セクターを通じて富裕国から資金を調達する選択肢を指摘している。


損失と損害の資金調達に関するすべてのオプションは、化石燃料の価格が高騰し、食糧価格が上昇し、世界中で生活費が危機的状況にある今、富裕国が同意することは困難であると思われ、…中略…(さらに)ロシアのウクライナ侵攻以降の地政学的な激動の中で、今年の協議はより険悪なものになりそうだ。


…中略…

アンティグア・バーブーダの国連大使で、小島嶼国連合の議長を務めるウォルトン・ウェブソン氏は、次のように述べた。「私たちは、負債と破壊の恐怖におびえることなく生きる資格があります。私たちの島々は、私たちが引き起こしたのではない危機の最も重い負担を負っており、専用の損失および損害対応基金を緊急に設立することが、持続可能な復興の鍵になります。私たちは、年を追うごとに極端になっていく気候の影響を経験しているのです。


全文はこちら⇒


Vulnerable countries demand global tax to pay for climate-led loss and damage

※写真は、テレ朝「報道ステーション」より
(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事) 
posted by resultsjp at 17:02| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2022年09月13日

【財務省高官への手紙】超円安を止める方策はある、トービン税の準備を!

この間の急速な円安(ドル高)に対し、日本政府も多くのエコノミストも円安を前提として対策を立てようとしており、短期に為替変動を導いているヘッジファンド等投機筋への対策は立てられないままです。確かに投機筋は日米金利差を利用して円売り攻撃を仕掛けていますので、金利差を縮める政策、例えば長期金利規制(YCC=イールドカーブ・コントロール)の緩和は有効のように見えます。しかし、事はそう簡単ではなさそうです。 
ドル円相場.JPG

では投機筋の攻撃を直接抑止する方法はないのかと言えば、為替介入とトービン税導入が考えられます。後者については、投機筋からの徴税を(例えば)感染症・パンデミック対策のための資金として使うことができます。

ともあれ、以上の立場から日本政府の為替政策のポリシーメーカーである財務省高官に以下のような手紙を書きましたので、ご覧いただければ幸いです。

【財務省高官に宛てるお手紙】

 

お世話になっています。…略… 円安対策での提案です。ざっと目を通していただければ幸いです。


この円安ですが、日米金利差や貿易赤字による影響を背景として、具体的には為替市場でヘッジファンド等投機筋が売りを仕掛けており、それに様々な投資家が追随していることで実現しております。とくに82627日のジャクソンホールでのパウエル−黒田発言以降、売りが売りを呼ぶ事態となり、145円近くまで下落しました。その上投機筋は日本国債へ6月に続いて再度売り攻勢を強めているようです。


こうした直近の投機筋の売りを止める方法としてはまず為替介入が考えられますが、それにも限界がありますので、今こそトービン税導入(準備)を考えるべきではないでしょうか。ご承知のように、中国では2014年、2016年と人民元への投機筋のアタックに対し「トービン税検討」を打ち出しファンド等をけん制してきたという経緯があります。


投機筋の攻撃は、日本のみに向けられているのではなく、EUのユーロ売りにも、さらにイタリアの国債売りにも向かっているようです。従って、日本政府からEUに呼びかけてヘッジファンド等投機対策を設置し、その対策ツールの一つとして「トービン税検討を行う」とのアナウンスメントを発してはいかがでしょうか。相当投機筋へのけん制となり投機抑制に繋がるのではないでしょうか。またアナウンスメントで終わるのではなく、逆にこうした事態を利用してトービン税導入を図ってみてはいかがでしょうか。税率は0.0001%という超々低率でも構わないと思います。


トービン税は税金ですので、税収が上がりますが、それを当面感染症等パンデミック対策のための資金としてもよいと思います。


以上でございますが、米国の金利上昇はまだ続き、投機筋のアタックもやむことがないと思いますので、日欧連携でヘッジファンド対策を行っていただければ両国・地域の人々は大いに助かることは間違いありません。どうぞご検討のほどよろしくお願いします。


(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)


 


posted by resultsjp at 16:54| Comment(1) | 国際連帯税の推進