2015年12月03日

自民党税調での橋本外交部会長の発言>国際連帯税支持の立場から

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★写真は、橋本岳自民党外交部会部会長

去る11月30日自民党の税制調査会が開催されましたが、同党外交部会から上がっていた国際連帯税(航空券連帯税)新設要望も議論され、「長期検討」ということになったようです。以下の外交部会長である橋本岳議員の報告をお読みください。橋本議員がしっかりと航空券連帯税の必要性を述べていたことが分かります。こうしたグローバルな視野に立った国会議員のみなさんとともに国際連帯税を実現させていきたいものです。

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【橋本岳 2015年12月1日】

党税調における外交部会長発言

 11月30日における自民党税制調査会において、橋本が外交部会長として発言した内容をご紹介します。なお、その後他の方々から賛成・反対のご意見があった結果、「長期検討」という扱いにしていただきました。ご関係の方々や、納税者の皆さまにご納得いただけるように進めなければなりません。外務省にはそのように指示しました。

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 いわゆる国際連帯税について、先日の部会長ヒアリングにおいて、国土交通部会長から三点の理由を挙げて反対といわれました。まずその三点について申し上げます。

 一点目は、「受益者と負担者の関係が不明確」ということでした。これは全くおかしな議論です。今回は、政府開発援助、すなわちODAの財源として要望していますが、そもそもODAの直接の受益者は途上国の国民であり、それを先進国が負担して行うから意味があるものです。直接的な負担者と受益者が違うのは当然のことです。

 ODAは、直接的な負担と受益の関係で考えるものではありません。我が国が途上国の開発を支援し、その国の社会が安定したり、豊かになったりすることが、まわりまわって我が国の利益にも繋がるという発想によるものです。結果として国際的な人・もの・金の移動も促進されるという効果も持つでしょう。その点に着目して、国際的なやりとりに広く薄くODAの財源を求めようとするのがこの税の発想であるということを、どうかご理解頂きたいと思います。

 二点目は、「航空券への課税はインバウンドに悪影響をもたらし観光立国に反する」という点でした。まず事実から申し上げれば、2006年7月からフランスで、2007年9月に韓国で航空券連帯税が導入されましたが、両国ともその前後で観光客数や観光収入は、むしろ増加しています。仮に国際線の航空券に課税をするとしても、旅客の行動にほぼ影響を与えない広く薄い形での金額設定で課税を行い、効果をあげることは十分可能であると考えます。

 三点目は、「導入している国は少数で、世界的な潮流になっていない」という点でした。確かに、アメリカやイギリス、ドイツ等は国際連帯税を導入していません。しかしこれらの国々は日本を上回るODA供与実績をあげています。日本もそこまでODA財源が豊富であれば、そもそも新税など検討する必要はありません。

 残念ながら近年ODA予算は減額されています。来年度概算要求において増額要求をしておりますが、円安による目減り分も含めて極めて厳しい感触が財務当局から伝わっています。さる25日には高村副総裁を議長とする自民党外交再生戦略会議は「外交力の一層の強化を求める決議」を行い、総理に申し入れを行いました。また同日、武見敬三先生が委員長を務められる自民党国際保健医療戦略特命委員会も「国際保健に係る対策の推進に関する決議」を行って頂きました。そうした中で、財務当局を頼るばかりではなく、自分たちでも独自の財源確保の努力をしなければならないという想いから、今回の要望が上がっているのです。

 AIIBを擁する中国が我々のライバルなのです。そして我が国は、来年、先進主要7か国のサミットの議長を務めるのです。世界のリーダーとしての誇りを持って、いかに外交上の重要な武器であるODAを充実させるかという観点で真摯に検討すべきものです。

 以前は、世界においてODA拠出額第一位を我が国が占めておりました。今は第五位であります。本当にこのままでよいのでしょうか?むしろ我が国が先進国としてODAを通じて世界に貢献しているという事実を、もっと広く国民の皆さまに共有するべきです。それこそが安倍総理が行っている「地球儀を俯瞰する外交」への国民的理解に繋がり、民間も含めた日本の外交力の強化に繋がるのです。

 途上国も含めた、他の国がやっているとかやってないとか横並びのような議論をされるような意識の低さは誠に残念であります。むしろ我が国はこんな取り組みまでしているのだ、と他国に積極的に発信できるような制度を整えることが大事であると考えます。

 ただ、正直、これまで外務省の動きは極めて鈍かったと言わざるを得ません。その責任は政治にもあるでしょう。外務省には、法律に基づき主体的かつ前向きに検討や調整をしっかりと行わせる必要があります。そういう意味で、今回の税制改正では「お断りする」となっていますが「検討する」として頂きたく、ご要望申し上げます。

 どうぞお聞き届け頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

◆橋本がく・ブログ「党税調における部会長発言」
  http://ga9.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-597d.html 
 BLOGOS 「  〃  」
  http://blogos.com/article/147452/

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事) 
posted by resultsjp at 21:32| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2015年11月10日

録画あり: 「ピケティ/グローバルタックス」シンポジウムに190人参加

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11月7日の「シンポジウム:ピケティ『21世紀の資本』とグローバル・タックス」には、190人を超えての集まりとなり、予定していた配布資料が足りなくなるほどでした。このシンポジウムの主催は、グローバル連帯税フォーラムと民間税制調査会との「共催」ですが、日本リザルツは「協賛」という形で関わりました。

内容ですが、グローバル・タックスの推進と日本の<格差型>税制の是正に向けた取り組みのコラボは結構難しかったのですが(グローバル連帯税から消費税の軽減税率問題まで)、スピーカーのみなさんの熱い問題提起と会場との討論で何とか乗り越えられたようです。

なお、当日のもようはインディペンデント・ウェブ・ジャーナル(略称:IWJ)でインターネト中継されましたが、以下のURLで録画を観ることができます。お時間のある方はぜひご覧ください。

(前半)http://www.ustream.tv/recorded/77151506
   (動画がはじまってしばらくしてIWJのバナー画面⇒8分47秒あたりから動画がはじまる)
(後半)http://www.ustream.tv/recorded/77159811

当日配布した資料については、グローバル連帯税フォーラムのWEBサイトに掲載する予定ですので、そちらをご覧ください。

(田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 15:13| Comment(2) | 国際連帯税の推進

2015年09月03日

外務省、国際連帯税(国際貢献税)を新設要望>28年度税制改正要望で

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今こそ、航空券連帯税を!

8月31日が、各省庁からの28年度(予算)概算要求と税制改正要望の提出日でしたが、外務省から税制改正で
「国際連帯税(国際貢献税)」の新設要望が提出されました。

「飢餓や感染症など地球規模課題への対処を始めとするミレニアム開発目標(MDGs)及びその後継として本年9月の国連サミットで採択される予定の『持続可能な開発のための2030アジェンダ』(2016年から2030年までの新しい国際開発目標)等にも示されている世界の開発需要に対応するためには,伝統的ODAのみでは資金量が十分ではないとの認識から,革新的資金調達に対する関心が高まっている」と分析し、国際連帯税(国際貢献税)を要望しています。

これで9年連続要望です。今年こそ実現させたいですね!

(田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 10:28| Comment(3) | 国際連帯税の推進

2015年08月24日

第7回 民間税調シンポジウム「国際課税を考える」

8月23日、青山学院大学にて第7回民間税調シンポジウム「国際課税を考える」が開催されました。

基調報告では、元財務省主計局主計官・OECD租税委員会日本代表で弁護士の志賀櫻氏が、約90分にわたって主にタックス・ヘイブンとグローバル経済における租税回避問題、それに取り組む国際社会の動きについて発表を行いました。

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志賀氏は、「グローバル・エコノミーの現在において、いかにして国家主権の壁を打ち破って実効性のある二重課税及び二重非課税の排除を行うかという問題である」と述べるとともに、「タックス・ヘイブンというブラックホールへの入り口を国際協調によって塞ぐことが最も手っ取り早い方法であるが、取り締まる側と取り締まられる側に、(英)シティと(米)マンハッタンという二つのタックス・ヘイブンがある。泥棒が縄を綯っている状況である」と問題の深刻さを表現しました(志賀氏発表資料はこちら)。

会場との質疑では、スターバックス等の他国籍企業が巧みな租税回避を行ってまったく税金を納めていなかった事例が取り上げられましたが、日本の文脈においても、元民主党衆議院議員の仙谷弁護士より「商社や銀行が税金をまったく納めていないが、なぜこんなことが起こるのか、広く一般に問題意識が共有されるべき。民間税調は公平・公正なデータを示しつつ、政府税調等に働きかけるべきではないか」との意見も出されました。

OECDやG20を通じてタックス・ヘイブン問題への取り組みは強化されつつありますが、ピケティの主張する国際的な格差縮小のためにはこの問題は避けて通れず、国民的な関心が必要であると感じました(高木)。
posted by resultsjp at 11:18| Comment(2) | 国際連帯税の推進

2015年07月31日

第6回民間税制調査会シンポジウム「社会保障と税」

7月26日(日)、青山学院大学にて第6回民間税制調査会シンポジウム「社会保障と税」が開催されました。田中徹二理事が先日の記事で紹介・解説していたイベントです。当日は日曜日の猛暑の中、80名くらいの様々な市民、専門家等が参加していました。

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今回は明治大学公共政策大学院の田中秀明教授が「社会保障と税−自分自身の問題として考える」と題した基調報告を行いました。
田中教授によれば、
・日本の社会保障制度は、他国と比較して低所得者への所得移転・再分配機能がとても低い(所得下位20%への純移転はわずか2%)。
・日本の財政赤字の一員である社会保障予算においては、社会保険料の不足分を一般財源で補てんしてきた構造がある。社会保障の財源を保険料で負担するか、税負担とするかは各国で分かれるが、日本の場合は政府がミックスしてしまった。
・社会保険料では、低所得者が高所得者を支える負担の不公平が生じており、逆進性が高く、セーフティーネットの機能が弱い。保険原理と再分配原理を区別し、公私の役割分担を明確にすることが必要。
と指摘しました。
青山学院大学の三木教授は、「税制の問題だけでなく、社会保険料の逆進性の問題が大きいことが田中教授の発表で見えてきた」と評価しました。格差是正に向けた公平な税制とするための貴重な議論が行われたと思います(高木)。


posted by resultsjp at 11:28| Comment(1) | 国際連帯税の推進