2017年05月15日

5.7研究会「SDGsとグローバル連帯税を考える」報告

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5月7日東京医科歯科大学のセミナー室で第1回研究会「持続可能な開発目標(SDGs)とグローバル連帯税を考える」を開催し、ちょうどセミナー室が満杯になる35人が参加し、熱い議論をたたかわせました。

冒頭、田中徹二・グローバル連帯税フォーラム代表理事が、「今回の第1回研究会はクラウドファンディングによる企画である。SDGsとグローバル連帯税のそれぞれの第一人者をお招きした。じっくりお話を聞き議論していただくことを期待する」とあいさつ。

さっそく稲場雅紀・SDGs市民社会ネットワーク代表理事と金子文夫・横浜市立大学名誉教授からSDGsとグローバル連帯税についてそれぞれ講演していただきました。当日使用したパワーポイント資料を送ります。

「SDGsこの一年 そして今、すべきことは?」…稲場雅紀・SDGs市民社会ネットワーク代表理事

「グローバル連帯税の可能性」…金子文夫・横浜市立大学名誉教授

お二人のもっとも肝となる点を一つずつ紹介します。まず、「SDGsは17のゴール169のターゲットがあるが、これを二言で表わすと、@世界から貧困をなくすこと、A“つづかない世界”を“つづく世界”に変えること、と言える」(稲場氏)。

また「今日のグローバル化した社会において、地域社会には地方税があり、国家には国税があるように、グローバル社会にはグローバル税が必要だが、地球的規模の課題が山積しているにも係わらずそのような税はない。今こそ国民から地球市民へと意識転換させ、グローバル連帯税を目指さなければならない」(金子先生)。

講演の後パネル討論を行いました。この討論で質問意見が相次ぎ熱い議論をたたかわせ、予定時間を30分オーバーしてしまいました。

その中で、ひとつだけ議論の内容をお知らせします。

【質問】「一般の人の理解では、アフリカでは戦争や飢餓が続き、また政治的思惑もありいくらお金を出して支援しても(改善が目立たなく)虚しいと思われている。しかし、“(ODAやグローバル連帯税による)お金で解決する部分があるのだよ”という周知が必要だと思うがどうか」。

【稲場氏の答】ミレニアム開発目標(MDGs)はアフリカならびに途上国に教育、保健、ジェンダー等社会開発にお金を投入することによって(貧困根絶等をめざしたがそれが)どうなったか。実はアフリカでは圧倒的に紛争が減少してきている。現在熱い戦争が行われているのは、ソマリア、南スーダンそしてソマリアとナイジェリア北東部のイスラム聖戦が行われているところだけ。

かつては貧しさをバックに戦争が起きていて、例えば最貧国のアンゴラでは90年代から2003年まで延々と戦争を行っていた。シエラレオネでもリベリアでもその他でも。ところが、今日多くの国が戦争から脱却することができてきている。その結果、(資源価格高騰や先進国からの投資もあり)経済発展が全体のトレンドとなっている。つまり、(MDGs以降お金が投入されたことにより)実際に成果が上がっている。

これはHIV/エイズのことでも言えることであり、今や1600万人が治療を受けることができるようになっている。

一方、戦争が拡大しているのは中東地域であり、これは2003年の米国のイラク侵攻以降、中東の社会開発の取組みが全部ぶち壊された。MDGsの悲劇である。

いずれにせよ、(中東のような先進国の間違った政策がない限り)「支援金を投入することによって解決する部分が確かにある」のであり、このことを(日本社会に)きちんと伝えていかなければならない。

(報告:田中徹二グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
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2017年04月26日

諸富徹京都大学大学院教授「グローバル税」を論ず(週刊エコノミスト)

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今週の週刊エコノミスト(毎日新聞出版)の特集は「ビジネスマンのための資本主義入門」(ビジネスマンではなくビジネスパーソンにしたほうがよいと思うが)というものですが、その中で、諸富徹・京都大学大学院経済学研究科教授が「格差縮小の処方箋 『グローバル税』が再分配を促す」 という小論で、グローバルタックスの意義と可能性、そして先にも紹介した外務省の「国際連帯税に関する有識者会議」報告書について述べています。

◎週刊エコノミスト: https://www.weekly-economist.com/

以下、要約してみると次のようになりますが、続きはエコノミスト紙をお読みください。

・「グローバルタックス」が注目を浴びてきているが、背景として、とくに多国籍企業のタックスヘイブンを利用した租税回避行為も明白となった今日、「新たな課税対象として、国境を超える経済活動に着目されるようになった」からだ。

・各国政府は1980年代から、課税の重点を消費税や社会保険へシフトさせ、税制の累進性が弱まることで所得再分配機能が失われ、中間層没落の一因となっている。しかし、グローバル化した経済の下で一国だけで再分配を強化しても解決できず、グローバルタックスがここでも必要となってくる。

以下、省略。

【インフォメーション】
◎『貧困根絶!グローバル連帯税実現のため世論にアピールしたい!』プロジェクト
 https://readyfor.jp/projects/g-tax1968 (締切り:4月28日(金)23時まで)

◎研究会:「持続可能な開発目標(SDGs)とグローバル連帯税を考える」
 ・日時:5月7日(日)午後2時〜4時30分(午後1時30分開場)
 ・場所:東京医科歯科大学・M&Dタワー24Fセミナー室
      ・キャンパスマップ: http://www.tmd.ac.jp/outline/campus-map/ 
 ・講師:稲場 雅紀(一社 SDGs市民社会ネットワーク代表理事)
     金子 文夫(横浜市立大学名誉教授)
 ・申込み:「研究会参加希望」とお書きのうえ、Eメールで申込みを。
      Eメール:info@isl-forum.jp 
 ※詳細は、http://isl-forum.jp/archives/1769 を参照。 

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
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2017年04月24日

国民の4分の3が航空券連帯税に賛成: 外務省「国際連帯税に関する研究業務」

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外務省は「国際連帯税を導入する場合のあり得べき制度設計及び効果・影響の試算等」をテーマとした研究業務の結果をWEBサイト上で公表しています。これは、一昨年国連総会で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」達成という国際貢献のためにも国際連帯税は必要という立場から研究がなされたものです。

研究内容を見ますと、「検討対象となった課税方式」は、@航空券連帯税、A金融取引税、B炭素税、C旅券手数料への課税の4つです(他に出国時課税、マイル寄付制度を簡単に検討)。

詳細は報告文を見ていただくとして、面白いと思ったのは、「各案に対する評価」の項で航空券連帯税につきアンケートを実施した結果についてです。「国民の支持: アンケート調査では約3/4が定額税・定率税を支払ってもよいと回答(ただし国際連帯税に対する賛成は5割強)」というものでした。

税制の、しかも増税となることのアンケートですから、賛成が50%を切るのではないかと思われました。が、結果は約3/4も賛成(税を払ってもよい)とのこと! 実にうれしい驚きでした。

ともあれ、この研究業務の結果なども参考にしながら、グローバル連帯税についての活動を強めていく所存です。そのためにもファンド支援の方、重ねてお願いする次第です。

国際連帯税に関する外務省の研究業務

なお、研究業務のあたり下記の研究会を設置し、検討を行いました。

「国際連帯税を導入する場合のあり得べき制度設計等に関する研究会」 
 ・会長:寺島実郎(一財 日本総合研究所 会長)
 ・会長代理:上村雄彦(横浜市立大学国際総合科学群 教授)
 ・委員:金子文夫(横浜市立大学名誉教授)
 ・委員:國分俊史(多摩大学ルール形成戦略研究所 所長)
 ・委員:望月 爾(立命館大学法学部 教授)
 ・委員:諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科 教授)

※平成28年度開発援助調査研究業務
「国際連帯税を導入する場合のあり得べき制度設計及び効果・影響の試算等」の骨子

1、 調査目的
・SDGs達成という国際貢献のためにも国際連帯税は必要
2、 調査方法…略
3、 検討対象となる課税方式等
・航空券連帯税、金融取引税、炭素税、旅券手数料への課税の4つを重点的に検討
4、 本報告書において検討した制度案
・各課税方式につき、@納税義務者、A課税対象、B課税標準、C税率・税額、D価格への転嫁の可能性、E税収の使途、F税収等シュミレーション、G関連する法律、当を分析。
5、 各案に対する評価
・アンケート調査、ヒアリング調査等を通じて、@目的税として導入される場合の正当性、A技術的側面からの妥当性等、B関係業界への影響、C国民の支持、の観点からの評価を行った。
6、 各案の実施に向けて必要と考えられる調査事項等
・次の3点。@国際的影響力拡大の観点から制度設計等をさらに深化させること、A徴税等の実務プロセスの詳細把握を行うこと、Bグローバル化に対する責任と義務を果たし、国際貢献につなげる施策としての位置付けの再検討を行うこと。

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)
posted by resultsjp at 11:34| Comment(3) | 国際連帯税の推進

連帯税=支援ファンド40万円達成!ネクスト・ゴールを設定します!

               多剤耐性結核治療を受ける女性(エチオピア).JPG

リザルツブログの愛読者みなさま、グローバル連帯税フォーラムの田中徹二です。

みなさまからの温かいご支援で目標額の40万円を達成することができました!

3月30日にクラウドファンディング・プロジェクトを開始しましたが、友人、知人のみなさまはもとよりこれまで出会ったこともない方からもご支援を得て、ついに4月21日目標額の40万円に到達しました。感謝感激!心から御礼申し上げます。

ところで、プロジェクト支援の募集は今月28日23時まで続きます。せっかくの機会ですので、さらに連帯税に関する世論へのアピールを強化するため、ネクスト・ゴール(50万円)を設定します。

プラスされた資金については、研究会の追加と国会議員へのロビイング活動強化のために使いたいと考えています。引き続きご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

貧困根絶!グローバル連帯税実現のため世論にアピールしたい!』プロジェクト
 ⇒ここをクリック!

★写真は、多剤耐性結核治療を受ける女性(エチオピア)。UNITAID(ユニットエイド)が資金提供し新薬による治療が始まっています。ユニットエイドの財源の70%弱は14カ国で実施している航空券連帯税(グローバル連帯税の一種)によって賄われています。
⇒日本でも航空券連帯税が導入されれば、途上国の感染症に対して多大な貢献を行うことができます。

●インフォメーション
【研究会:「持続可能な開発目標(SDGs)とグローバル連帯税を考える」】
 ・日時:5月7日(日)午後2時〜4時30分(午後1時30分開場)
 ・場所:東京医科歯科大学・M&Dタワー24Fセミナー室
      ・キャンパスマップ: http://www.tmd.ac.jp/outline/campus-map/
 ・講師:稲場 雅紀(一社 SDGs市民社会ネットワーク代表理事)
     金子 文夫(横浜市立大学名誉教授)
 ・申込み:「研究会参加希望」とお書きのうえ、Eメールで申込みを。
      Eメール:info@isl-forum.jp
 ※詳細は、http://isl-forum.jp/archives/1769 を参照ください。 
posted by resultsjp at 09:35| Comment(2) | 国際連帯税の推進

2017年04月07日

ジカ熱、世界拡大により2兆円の損失>対策のため航空券連帯税が必要

               パリ空港公団.JPG
ユニットエイドの(航空券連帯税に対する)メルシー・バナーが掲げられたパリ/シャルル・ド・ゴール国際空港(パリ空港公団のCSR)

みなさま、こんにちは、田中徹二(国際連帯税フォーラム・日本リザルツ理事)です。

中南米のみならずアジアでも感染拡大が見られたジカ熱ですが、そのための医療費負担や観光客の減少等により最大2兆円もの損害を被った、と昨日UNDP=国連開発計画が発表しました。

今日の地球規模の感染症の拡大の要因のひとつに、国際航空網の発達があります。飛行機を利用する乗客は、絶えず感染症を拡大するというリスクを負っています(運航している航空会社も)。したがって、リスク発生に備えて、利用客はコストの負担も必要となってきます。

このコスト負担の方法が、航空券連帯税の実施のコンセプトです。航空券連帯税の長所は、途上国でも容易に徴税を行うことができる、ということです。実際、現在同税を実施している10カ国(または14カ国→これは日本外務省調査)のうち、7カ国(または11カ国)がアフリカ諸国です。同税の税収は、ユニットエイド(UNITAID=国際医薬品購入ファシリティ)という国際機関に集められ、主に途上国のエイズ・結核・マラリアという三大感染症の治療薬等の提供に充てられています。

日本でも航空券連帯税が実施されるなら、その税収は現実施国のフランス並みの税収をもたらし、三大感染症以外の感染症へと対策を拡大することが可能です。つまり、日本が多大な国際貢献を行うことができるのです。

★そこで、支援ファンド募集中!
『貧困根絶!グローバル連帯税実現のため世論にアピールしたい!』
から入り、「このプロジェクトを支援する」をクリック!

【NHK】ジカ熱 世界の感染拡大による損失額 最大2兆円(動画あり)

中南米を中心に感染が拡大していた、ジカ熱による損失額について、UNDP=国連開発計画などは、医療費の負担が増え、観光客が減少したことなどから、最大で日本円にしておよそ2兆円に達する見通しだと発表しました。
蚊が媒介して感染するジカ熱は、ブラジルなど中南米を中心に感染が広がり、妊娠中の女性が感染して、先天的に頭部が小さい「小頭症」の赤ちゃんが生まれるなど、大きな社会問題となっています。

こうした中、UNDPとIFRC=国際赤十字・赤新月社連盟は、ジカ熱の感染拡大が中南米を中心に社会的、経済的にどれほどの影響があったかをまとめ、6日に発表しました。

それによりますと、ジカ熱の感染が広がり始めた2015年からことしまでに、医療費の負担が増えたり、観光客が減ったりする影響が出たため、損失額は最大で180億ドル(およそ2兆円)にまで達する見込みだということです。

特に、観光業に依存しているカリブ諸国が南米の国々に比べて5倍の損失を被っていて、GDP=国内総生産を1%以上押し下げているところもあるということです。

ジカ熱については、去年11月にWHO=世界保健機関によって緊急事態宣言が解除されたものの、感染した人たちや小頭症の子どもたちの治療費や養育費などの負担が大きく、中南米の国々では大きな課題になっています。
posted by resultsjp at 13:15| Comment(2) | 国際連帯税の推進