2017年09月08日

「別居・離婚家族と家族支援者のための共同養育と家族再統合のプログラムを学ぶ」

「らぽーる」の大川がすでにブログにあげております(http://resultsjp.sblo.jp/article/180876765.html)が、
9月2日、3日の2日間、大正大学で開催された国際セミナーに、釜石から参加させていただきました。
1泊3日の強行スケジュールではありましたが、参加しないと一生後悔すると思い、思い切って行って参りました。行かなきゃ一生後悔すると思うくらい講師陣は豪華で、日本初導入のお話しもあり、大変に貴重な国際セミナーでした。
そして、東京国際大学の小田切紀子教授と大正大学の青木聡教授の数年来の悲願が、国際交流基金日米センターの助成金を得て実現された今回のセミナーでした。

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会場で懐かしい方々にお会いできたり、新たな出会いもあったりして、行ってよかったと思います。

1日目は「離婚後の共同養育を成功させるオンライン親教育プログラム」についてのお話しが主でした。
オンラインで、いつでも誰でも、無料で親教育プログラムが受けられるシステムがあるなんて、画期的です。
まだ英語だけなので受講しておりませんが、内容も素晴しいらしく、離婚によってもたらされる影響について、最新の研究に基づき多面的に学ぶことができ、子どものための健全な共同養育関係を構築することや、それを支援することを教育する内容になっているようです。
参加者のアンケートからは「日本の制度化はいつのことやら…」とか、「共同養育そのものが、日本では受け入れられにくい」という意見もあったようですが、講師陣は「アメリカもbaby stepsで歩んできたし、日本でも変化の兆しはあるようだ。オープンマインドで、このプログラム中、何が日本に適応するか考えていきたい」とおっしゃいました。

2日目は「離別後の家族再統合」(日本初導入)のお話しを、「全米行方不明・被搾取児童センター」の活動を紹介する形で伺いました。
アメリカでは、一方の親がもう一方の親の了解なく子どもを連れ去ることは誘拐と見なされます。日本では大前提が全く違うという社会環境の障壁はあるものの、一旦疎遠になってしまった親子の再会について、その劇的な瞬間を親も子も感動を持って迎え、その後も親子としての関係性を再構築していくにあたって、何をどう準備したらよいかということの重要なヒントをいただけました。
続いて、「高葛藤の家族を癒す:セラピーの効果」についてのお話しがありました。
親子関係遊戯療法のひとつである「セラプレイ」については、初めて触れたセラピーでしたが、健全な(親子関係の)回復の促進に役立つ援助方法として、アートセラピー、箱庭療法、プレイセラピー、愛着に基いた家族療法などとともに紹介されました。

もっともっと多くの支援者の方々に参加いただけるようになるといいなぁ…としみじみ思いながら帰路につきました。(鈴木)
posted by resultsjp at 16:13| Comment(3) | 親子断絶防止

2016年06月17日

PASについて

本日は、現在和訳している最中に出てきたPASについてご紹介したいと思います。
皆様PASとは何かご存知でしょうか?(実は僕も、初めて目にした単語でした。)

PASとはParental Alienation Syndrome の略で、日本語では片親引き離し症候群と言います。

では、片親引き離し症候群とは?
一方の親が、もう一方の親に対する誹謗や中傷、悪口などマイナスなイメージを子どもに吹き込み、子供を他方の親から引き離すようし向け、結果として別居親に会えなくさせている状況を指します。
もちろん、別居や離婚してすぐのころは、相手への怒りや葛藤を抑えきれず、悪口を言ってしまうこともあるでしょう。
でも、例えば、子どもと同居する母親が、離れて暮らす父親の悪口を言っていると、子どもは母親に嫌われる・捨てられるという恐怖心で、同調してしまう傾向があります。これは、欧米などでは、情緒的虐待とみなされるそうです。

それでは次に、PASの症状について見てみましょう
もし、上記の状況が続いてしまうと、うつ病や円形脱毛症状を発症する子もいたり、長期にわたって情緒不安定な状態が続く場合もあるそうです。子どもは、両親が離婚したことで、既に心に傷を負っていますので、子どものケアを最優先して欲しいものです。その時にしっかりケアしてあげないと、その後の子どもの精神の発達にも影響を及ぼし、自己肯定感の低下、そしてアイデンティティーが確立できないなどという悩ましい事態を引き起こす場合まであります。

離婚問題は、非常に難しいトピックですが、子どもは子どもの権利がしっかりあります。
皆様も、自分や周りでそういう方がいらしたら、子どもがPASになる前に大切にケアをしてあげましょう。そして、一人で悩まず「らぽーる」にご相談ください。
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posted by resultsjp at 10:04| Comment(1) | 親子断絶防止

2016年06月12日

フレンドリー・ペアレントルールの将来展望

先日告知させていただきました、↓こちらのイベント(http://resultsjp.sblo.jp/article/175513358.html)が、6月11日(土)池袋某所にて開催されました。
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前半は、千葉家裁松戸支部で2016年3月、フレンドリー・ペアレントルールを採用した「国内初の」画期的な判決が出たことを受けて、弁護士の上野晃先生の基調講演と、先進諸国におけるフレンドリー・ペアレントルールについて、東京国際大学教授で臨床心理士の小田切紀子先生からお話しをいただきました。
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後半は、お二人を含め、「らぽーる」でも大変お世話になっている三谷英弘前衆議院議員・弁護士と杉山程彦弁護士も加わっていただいてのパネルディスカッションが行われました。

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親子断絶の問題が社会に浸透したためか、あるいは、現在係争中の方々も、どうしたら裁判所にフレンドリー・ペアレントルールを用いた判断をしていただけるかということに興味があって、つまり、テーマ設定がタイムリーで的確だったためか、とにかく、親子ネット史上最大の参加人数(150名)だったんです。(全国連絡会としては院内集会で200名くらいだったことがありましたが…)
そして、その日のうちにインターネットニュースにもなりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160611-00000006-jct-soci

と、まるでその場にいたかのようにレポートしておりますが、講演会の前に午前中は総会で、朝早くに会場目指して(というか、最寄り駅までの道を)移動中、小さな事故に遭いまして…、私は総会、講演会への参加が叶わなかったのです。情けなくて悔しくて残念で、もぅ泣きたくなります…

昨朝私は準備万端整えて、自転車の前かごに重い荷物を入れ、駅に向かっていたら、マウンテンバイクに乗った男性がものすごいスピードで私とすれ違いました。その時にバランスを崩し、前かごが重かったのでそれにつられて私は顔から転倒しました。ほほに激痛が走り、星が飛びました。何とかいったん駅に行きましたが、病院に行くべきと判断して引き返しました。
病院は、「顔の外傷」の取り扱いは慎重で、1軒目の外科ではみてもらえず、形成外科に行くよう言われました。
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「若い女性なら傷が残ることを気にされるでしょうが、どうせシミだらけだし、急いでるので、ただ消毒して軟膏ぬってガーゼあてていただくとか、それだけをお願いしたいんですけど?」と言ってみましたが、1軒目は断られました。2軒目は電話で確認したら「とにかくみてみましょう」とおっしゃっていただけて、行ってみると、本当に、消毒⇒軟膏⇒ガーゼ⇒透明フィルムという手順で、思ったとおりでした。あごや頬骨に骨折がないか、は触診で、あと耳は聞こえるか等たくさんの問診がありました。
しばらくは、顔に大きなバンドエイド生活です…情けないです。
今も転倒した際の打ち身と緊張で身体中が痛いです。
怪我は骨折とかでなく、まだよかったのですが、講演会に行けなかったことが残念でなりません。
運営委員が撮影したと思うので、ビデオで講演会を見れるのを楽しみにしています。

最後に一言!マウンテンバイクに乗られる皆さん!運転はフレンドリーにお願いします!(S)
posted by resultsjp at 19:35| Comment(4) | 親子断絶防止

2016年06月01日

フレンドリーペアレント・ルールの将来展望

関連団体のイベント告知でございます。

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来る、6月11日(土)、親子ネット主催「親権紛争におけるフレンドリーペアレント・ルール(寛容性の原則)の将来展望」と題したシンポジウムが開催されます。

基調講演をしてくださるのは、お二人とも「らぽーる」のサポートメンバーとして多大なるご尽力をいただいている上野晃弁護士と、東京国際大学教授で臨床心理士の小田切紀子先生です。

先日、本ブログでもご紹介いたしましたが、上野先生が代理人を務めておられるケースで、千葉家裁から子どもと相手の親との面会交流に寛容な別居親に親権・監護権を認めるという判決が出ました。先進諸外国では当たり前のこのルールですが、日本ではおそらく初めて親権者決定に採用されたということで、メディアでもたくさん取り上げられました。
http://resultsjp.sblo.jp/article/174728862.html

今回のシンポジウムでは、後半はパネルディスカッションで、この「フレンドリーペアレント・ルール」の将来展望を有識者の方々に大いに語っていただきます。
こちらのパネルディスカッションには、「らぽーる」サポートメンバーの前衆議院議員・弁護士の三谷英弘先生、弁護士の杉山程彦先生もご登壇なさいます。
毎月の事例勉強会のつづきのようなイメージでしょうか…
事例勉強会と違うのは、シンポジウムではオーディエンスがいるので、先生方も少し"よそ行き"な雰囲気かもしれません。
いずれにしても、日本でもっとも面会交流を真剣に考えて取り組んでおられる先生方のパネルディスカッションですから、熱い議論が繰り広げられることは間違いありません。
ぜひぜひ、ご参加くださいませ。(S)
posted by resultsjp at 10:17| Comment(2) | 親子断絶防止

2016年05月27日

親子断絶防止議員連盟 総会

5月26日(金)衆議院第一議員会館の会議室にて、親子断絶防止議員連盟総会が開催されました。
冒頭に、議連の会長の保岡興治先生から、「前回の総会において出されたご意見について取り入れられるものは取り入れ、現時点において条文に入れられなくても運用において工夫したり、見直しの際に検討していきたい。今後、法案の中に記載された国の施策について具体化していく必要があるが、各省庁におかれても、積極的に意見を出してほしい」と胸震えるご挨拶がありました。
続いて、立法化に向けての検討状況について衆議院法制局からの報告がありました。
次に、離婚と子どもに関する行政サービスについて、2年前から先駆的な取り組みをすすめる明石市の具体的施策について、泉房穂市長よりお話しを伺いました。
お話しを伺うたびに、新しいチャレンジが始まっていて、それらの施策が市民から支持されていることは、3年連続人口が増加していることからも分かります。
泉市長が繰り返しおっしゃった、「難しいことではありません。どこの自治体でもできることです」というお言葉、それから、「中学校の授業の一環で結婚・離婚をとりあげるなど、人が生きていく上ではいろいろあるので、離婚をタブー視せず直視して早い段階から取り組んでいきたい」などのお話しに、頭だけでなく全身で頷きながら拝聴しました。
日本でも、これだけ離婚が増えているのですから、タブー視するよりも、子どもは両親が離婚していることをキャラクターの一部分として認め、堂々としていられるような、そんな環境や空気感を大人は作ってあげなくてはいけないと思います。そのためには、離婚後も両方の親からの愛情と養育を受けられて、子どもが不安でなく、情緒が安定している状態を作らなくてはなりません。
明石市の「こどもと親の交流ノート」の表紙をめくると、子どもの写真を貼るスペースがあり、その下にはこんなメッセージが書いてあります。上記を実現するのにとても有効ですね。本当に、ひとつひとつよく考えられています。

あなたが、いちばん、大切です
お母さんとお父さんは、おなじ「おうち」にいないけれど
お母さんもお父さんも、あなたのことが「大好き」
これまでも、これからも、ずっと、ずっと

議連総会に話を戻しますと、泉市長のプレゼンテーションの後は、参加された国会議員の先生方からのたくさんの質問が続き、親子断絶防止法が成立したら、行政サービスはどうなっていくのかを具体的に描いてみることができ、わくわくしてきました。(S)
posted by resultsjp at 19:59| Comment(2) | 親子断絶防止