2025年10月23日

UNRWA清田局長が公開講座に登場(11月2日)

日本リザルツは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を応援しています。
この度、同機関の日本人トップ、清田明宏保健局長が公開講座に登壇されることになりましたのでお知らせします。
パレスチナ・ガザをめぐる最新情勢・人道危機の状況、現地でのUNRWAの奮闘を知る良い機会になるのではと期待しています。

第 40 回日本国際保健医療学会学術大会のプログラムの一部(市民公開講座)となります。
日時:11 月 2 日(日) 9:00-10:30
場所:帝京大学板橋キャンパス(東京都板橋区加賀)第 1 会場(臨床大講堂)
特別講演4 「パレスチナの人々が置かれたいのちの現状」
座長: 崎坂 香屋子(開智国際大学)
演者: 清田 明宏(国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)局長)

※費用は無料ですが、参加登録が必要になります。

同学術大会のホームページはこちらから↓
参加登録はこちらから↓


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2025年10月21日

マリンバとピアノのコンサート

10月10日(金)、11日(土)にかけて仙台市で活躍中の演奏ユニット「マリンピア」のマリンバ丹野富美子さん、ピアノ吉田彩さんが能登町鴨川保育所、うしつ保育所、レストランなごみでコンサートを開催されました(NPO法人京都海外協力協会主催)。
丹野さん、吉田さんはじめ、京都海外協力協会の方も藤波館に泊まっていただいたご縁で私もコンサートを楽しませていただきました。

マリンバという楽器の演奏はなかなか聴く機会がないと思いますが、マイクやスピーカーなしの音でも会場全体に響きわたる素晴らしい音色で、聴衆の皆さんも感動して聴き入っていらっしゃる様子が窺えました。

ピアノも近い距離でプロのピア二ストの素晴らしい演奏を聴くことができました。ピアノの音がマリンバと一体になって、床の方からも音の響きが伝わってくることが体感できました。演奏のお二人の合図で、聴衆の皆さんが一緒に手拍子などで参加されたり、知っている歌を口ずさんだりされる場面もあり、心から楽しんでいらっしゃったようです。

震災から1年10か月、人びとの暮らしにも少しずつゆとりが戻ってきたとすれば、嬉しいですね。

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タグ:能登半島
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2025年10月16日

鬼瓦

ブログでも、「神田塾」の改装のことは何度かお伝えしてきました。
内装工事は今、佳境に入っており、近々改めてご披露できると思います。

さて外装の目玉は、屋根の葺き替えですが、総仕上げで鬼瓦を取り付け直していただきました。

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鬼瓦は、文字通り鬼の形相を形どった瓦で、屋根の棟に取り付けます。
屋根に雨が侵入するのを防ぐという実用的な役割とともに、住人を守る魔除け、厄除けとしての意味合いも担っています。
      
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棟梁からは、「鬼瓦は重くて負荷がかかるから、家を長持ちさせるためには鬼瓦は載せない方がいい」と助言を頂きましたが、白須代表が押し切って、当初の通りの位置に取り付けていただきました。能登の人と暮らしを守り続けてきた象徴である鬼瓦をおろそかにしてはいけない、古くからの伝統に則った建築様式を守ってこそ、真の復興に繋がるとの考えによるものです。ともすれば、コストや利便性を重視して速やかに復興を進めたいという気持ちにもなりますが、時には立ち止まって振り返ることも必要なのかもしれません。

能登は間もなく秋、そして雪深い冬を迎えます。鬼瓦を戴く屋根が能登の人々の暮らしを守ってくれることでしょう。

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木枯らしに真向かう眦鬼瓦(吉田花子)

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2025年10月13日

UNRWA清田局長からのメール・・・ランセット誌への寄稿について

いつも日本リザルツの活動にご理解ご支援を賜り厚く御礼を申し上げます。

本ブログ読者の方はすでにご存じかと思いますが、私どもは、平素よりUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の日本における応援団としても活動をしております。本日は、UNRWAの日本人トップ、清田保健局長から白須理事長あてにお送りいただいたメールを以下に共有させていただきます。

ガザ市の人道危機、飢餓の状況をUNRWAの同僚の方が分析したレポートが、医学誌ランセットに掲載されたことをお知らせくださったものです。UNRWAのプレスリリースの和訳が添付されており、現地の状況を理解するうえで有益と存じますので、メール本文と合わせ是非ご高覧賜りますようお願いいたします。
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白須様
みなさま

いつも大変お世話になっております。ようやく停戦になりそうです。これからまだ紆余曲折があると思いますが、ともかく長く過酷な戦争がひと段落することはホッとしております。我々も支援強化の準備をしております。先が見えないですが、UNRWAの重要性は全く変わらないので、そこを芯にして頑張って参ります。

今日は一つご報告があります。我々による研究が、2025年10月8日付で世界的に権威のある医学誌『ランセット(The Lancet)』に掲載されました。保健局の同僚の堀野真子さんが書きました。素晴らしいです。

この研究は、ガザ市における飢饉の発生を国際的に確認するとともに、戦争下で子どもの栄養失調が人道支援の制限とともに急速に悪化していることを、これまでで最も明確に示したものです。
現在、ガザでは5万4,000人以上の子どもが急性栄養失調に陥り、治療を受けなければ命の危険にさらされています。これは現代最悪の人道危機の一つであり、いま動き始めている停戦への流れの中で、多くの人々の関心と行動をと祈っております。
以下の資料を添付いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
清田

UNRWAプレスリリース(私訳)


ガザ:ランセット誌に掲載されたUNRWAの研究が、子どもの栄養失調の急増を明らかに:

IPCによる飢饉認定を裏付け


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ガザ中部デイル・アル・バラのUNRWA保健センターでケアを受ける子ども。
UNRWAは、ガザ地区における最大規模の一次医療および栄養サービス提供機関の一つとして、飢饉の予防と対応において極めて重要な役割を果たしている。コピーライトマーク 2025 UNRWA


アンマン発:


UNRWAとそのパートナーによる新たな研究が本日『ランセット(The Lancet)』誌に発表されました。この研究は、統合食料安全保障段階分類(IPC)によるガザ市での飢饉確認を改めて裏づけるとともに、人道支援の制限と連動して戦争中に子どもの栄養失調がどのように進行したかを、これまでで最も明確に示しています


この研究は、戦時下のガザ地区における急性栄養失調の月ごとの変化を初めて分析したものであり、2024年末の支援制限が強化された時や、2025年3月から5月まで続いた11週間の完全封鎖の後に急性栄養失調の急激な上昇があったことを示しています。現在、5万4,600人を超える子どもたちが急性栄養失調に陥っており、治療を受けなければ死亡リスクが著しく高まる状況にあります。これは、人道的大惨事の深刻さを一層浮き彫りにし、即時かつ妨げのない支援の必要性を訴えるものです。


「ガザ地区では、数万人の幼い子どもたちが戦争の結果として、予防可能な栄養失調や感染症、そして死の危険に苦しんでいます。恒久的な停戦と平和がなければ、ガザの人々の苦しみは終わりません」と、UNRWA保健局長であり本研究の共同著者である清田明宏医師は述べています。


2024年1月から2025年8月中旬までの間に、UNRWAの保健スタッフは約22万人の子どもを対象に栄養状態のスクリーニングを実施しました。これは、ガザ地区に住む生後6か月から5歳未満の約34万6,000人の子どものうち、ほぼ3分の2にあたります。


この20か月間、食料、水、燃料、医薬品などの搬入量は、イスラエル当局による厳しい支援制限のため、戦前の水準を大きく下回っていました。


物資の供給が比較的安定した時期には、急性栄養失調の子どもの割合は約6%でした。しかし、2024年末にかけて特に厳しい支援制限が4か月続いた後、急性栄養失調率は2025年1月には14%に急上昇しました。その後、6週間の停戦により支援物資の搬入が一時的に改善し、3月には6%にまで低下しました。


しかし、11週間の完全封鎖とその後の継続的な制限により、急性栄養失調は再び急増し、8月中旬には約16%に達しました。この割合は、ガザ地区全体で約5万4,600人の子どもが急性栄養失調状態にあり、そのうち約1万2,800人が重度の栄養失調に苦しんでいることを意味します。これらの子どもたちは、十分に栄養が取れている場合と比べて、死亡リスクが3〜5倍に高まっていると推定されます。


ガザ市県だけでも、2025年7月末の時点で15%以上の子どもが急性栄養失調に陥っており、この事実がIPCによるガザ市での飢饉確認と、他地域への拡大予測につながりました。『ランセット』誌に掲載された本研究は、8月中旬には状況がさらに悪化し、ガザ市では約30%の子どもが急性栄養失調に陥っていたことを示しています。


本研究のUNRWA主任研究者であり、栄養疫学者の堀野真子博士は次のように述べています。
「この研究は、ガザ地区で最も幼い子どもたちが、予防可能な栄養失調という想像を絶する苦しみを、この戦争の中で背負っていることを明らかにしました。」




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2025年09月26日

藤波館だより〜草刈りが完了!

21日のブログでお知らせしたとおり、ご近所の方に藤波館・神田塾周辺の草刈りをお願いしました。
お二人で早速、取り組んでいただき、一日半でこのように!

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ずいぶんとさっぱりして、心なしか広々と感じます。
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特別動画はこちら↓から視聴できます。虫の音とともに藤波館の秋の気配をご堪能ください。

草刈りへのご協力くださった方々に改めて御礼を申し上げます。
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2025年09月21日

藤波館だより 〜奥能登豪雨から一年〜

昨日20日から、藤波館に来ています。
午後からは激しい雷雨で、ちょうど一年前の豪雨災害を、思わず連想しました。
幸い、周囲に目立った被害はなく、今朝は秋空が広がっています。

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(20日午後の様子。珠洲街道が雨に煙っています)

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(21日の朝。稲穂が美しい黄金色に色づきます)

藤波館、神田塾の周りも秋の草花に彩られ始めました。
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道端には枝から落ちたクリの毬が。
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移ろいやすい天気の合間を縫って、神田塾の屋根の修理をしていただいています。来週からは内装のリノベーション工事も始まります。
11月にはお披露目できると思いますので乞うご期待です。
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ご近所の方には、辺りの草刈りをお手伝いいただきました。
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あっという間に、スッキリと見通しが良くなりましたね。 
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ガレージ(納屋)の中も片付けて、スペースができました。越冬用の資材などを置く予定です。
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今日9時30分からは有線放送に合わせて、昨年の奥能登豪雨犠牲者の方に黙祷を捧げました。
改めて被災された方にお悔みとお見舞いを申し上げます。

日本リザルツは、これからも、藤波館・神田塾の運営などを通じて、地道に末永く復興に役立つ活動を心がけてまいります。
ご理解ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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(のーびっひ)







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2025年09月10日

9月8日は、そう、、、

今年もあっという間に9月になりました。世の中では総理が辞めるとか、株価はどこまで上がるのかとか、米金利はいつ下がるのかとか話題になっていますが、半径10メートルの世界では、そう、我らが白須代表が9月8日にお誕生日だったことが最もホットなトピックであります。

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『喜寿の年寄りなんだから、もっと優しく労って』と口では言っても、実は魔法使いなので(内緒ですよ)、今日は姫路、明日は能登、その次は東北、戻ってきたら金沢、その後横浜、一休みしたらまた能登、みたいな調子でこの一年間やってこられたのは、ブログの読者の方はご存じの通りです。

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一年ごとますますパワーアップしている代表が、眼光鋭く今狙いを定めているのがアフリカです。
『イボンヌ、待ってて!もう直ぐ行くから!!』
代表の心の声が聞こえて来ます。その情熱は止まることを知りません。

代表、お誕生日おめでとうございます。身体にはくれぐれも気をつけて、日本のため、世界のため、また1年お健やかにご活躍されることを一同お祈りいたします

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2025年09月09日

9月5〜7日 愛知学泉短期大学の皆さまが能登町で活動

957日に、平素よりお世話になっている木村典子先生をはじめ、愛知学泉短期大学の学生、教授、大学職員の皆さま21名が藤波館にお越しくださいました。

同大学では、東日本大地震以降実施されてきた支援活動「笑顔の花を咲かせよう」がアップデートされ、「命を学ぶプロジェクト」として学園全体で取り組まれており、防災・減災の学びを深めておられます。(https://www.anjogakuen.jp/east-japan/

今回、同プロジェクトの一環として能登町を訪問され、地域の方々に元気を届けるサロンや交流を行ってくださいました。学生の皆さまにとっても、地域の方から仕事や暮らし、震災の体験などを学ぶ貴重な機会となりました。

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3月にも同プロジェクトで藤波館をご利用下さいました。

概要はこちらから:http://resultsjp.sblo.jp/article/191286102.html


95日に能登町入りをし、96日から本格的な活動がスタートしました。

96日は、3グループに分かれ、地域の方から仕事や震災のお話をお聞きしました。常日頃より大変お世話になっている農事組合法人のとっこ(しいたけ農家)の上野朋子様、スラッシュキルト作家の西ふさえ様、炭焼職人の脇裕志様(五十音順)にご協力いただきました。本当にありがとうございました。


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上野様

しいたけの栽培方法や販売方法、震災による被害などを学びました。

実際にしいたけの収穫も体験。


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西様

スラッシュキルトの作品を実際に見ながら、制作方法や概要を学びました。

人生で直面する困難を乗り越える姿勢などもご教示いただきました。


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脇様

炭小屋で、炭づくりの工程や震災による被害を学びました。

また、災害から自分の身を守るための方法もご教示いただきました。


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夜は皆さんで夕ご飯!災害食の鯖や肉じゃが、焼き鳥の缶詰を使ったアレンジ料理をいただきました!全く違う料理に変身し、とても美味しく、驚きました!災害時でも、同じものを食べ続けるのは難しく、一工夫のアレンジが栄養確保につながると実感しました。


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地域の漁師さんがたこを持ってきて下さり、たこ焼きもつくりました!


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振り返りも真剣に!


97日の早朝に、神田塾横の畑にハーブを植えていただきました!成長が楽しみです。

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また、神田塾でサロンを開いて下さいました!ハーブティーの提供やハーブを使ったハンドケア、血管年齢の測定などが行われました。

地域の方が約15名参加。お赤飯やすまし汁を食べながら、学生の皆さまと談笑し、和やかなひとときを過ごしました。

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血管年齢の測定


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ハンドケア


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今回の訪問を通して、地域に活気をもたらしていただくと同時に、学生の皆さまにとっても深い学びの場になったことと思います。皆さまに心より御礼申し上げます。




くーぱー

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2025年09月04日

藤波館のご利用について(お願い)

平素より藤波館をご利用くださりありがとうございます。

現在の予約状況ですと、9月13日(土)〜19日(金)までは比較的余裕がありますので、ご都合が合うようでしたらこの期間にどうぞご利用ください。

なお、ボランティアで建物周り・畑の草刈り、片付けなどお手伝いをしてくださる方を募集しています。お泊りの際にご協力いただけると幸いです。
何分、スタッフだけでは手が回っておりません。藤波館・神田塾を末永く維持するためにも皆様のご協力をお願いする次第です。

どうぞご理解ご協力のほどお願いいたします。

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2025年09月03日

26年度税制改正要望>国際連帯税と国際観光旅客税について

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各省庁が26年度(令和8年度)税制改正要望を提出する8月末を過ぎましたが、私たちが要求した国際連帯税について、外務省は今年度も断念しました。一方、連帯税オプションの一つであるの航空券連帯税と同じ仕組み(出国税)の国際観光旅客税については、国交省が税目を明らかにしないまま実質的に引き上げる方向での「検討」案を提出しました。貴重な税源を国交省に取られっぱなしとなっている外務省の意欲のなさはまことに遺憾としか言いようがありません。

国際連帯税要望、外務省は引き続き断念

827日、私たちは「@日本政府は『国際線プレミアム旅客への課税を求める連帯連合』に参加すること、A26年度税制改正要望に『仮称・国際航空プレミアム券連帯税』を要求すること」の要求をもって担当窓口の外務省地球規模課題総括課の安藤課長らと話し合いました。結論から言えば、「(外国援助に対する厳しい風潮がある中で)ODAやグローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア基金)の拠出水準を守るのに精いっぱいの状況で、国際連帯税関係までには考えが及ばない」というものでした。

確かに、先の参議院選挙で「日本人ファースト(外国人への排外主義)」を掲げた政党が大躍進し、最近も途上国の子どもらへのワクチン供給を担う国際組織GAVIアライアンスへの供出に対する抗議やJICA「ホームタウン」問題への抗議デモ等、異様な事態が日本の社会現象になりつつあり、国際協力・途上国支援を謳う政府やNGOにはたいへん厳しい状況となっています。しかし、だからと言って、途上国援助を委縮してしまっては、逆の意味で国益を損なう事態になってしまいます。

途上国援助は、徹底して「国益」に繋がってくる

というのは、中長期的にみて人口減がいっそう進行していく日本社会において、経済はもとより日本人の社会保障等も外国人なしには立ち行かなくなることは必至です。後者については、介護・医療現場で社会保障サービスを担ってくれることのみならず、社会保険料や税金を日本で働く外国人に払ってもらうことにより社会保障費を生み出してくれることになります。現在においても人手不足が深刻な製造業や農業や建設業、介護の現場は外国人が相当部分を担っています。

つまり、日本人は今後さらに人口が増加するアフリカ等途上国の人的資源に頼らざるを得ず、従って現在の貧困国・脆弱国が貧困や気候災害等に打ち勝っていただくための資金が必要なのです。ですから、途上国援助は「情けは人のためならず」であり、徹底して「国益」に繋がってくるのです(企業から見れば、健全に成長を続ける途上国は市場開拓の場になっていくしょう)。

当フォーラムは引き続き、日本政府に対し『国際線プレミアム旅客への課税を求める連帯連合』への参加を求めるとともに、国際線プレミアム旅客への課税を求めていきます。また、同税の実現を契機として、さまざまな国際(グローバル)連帯税に挑戦していきます。

国際観光旅客税の引き上げを狙う税制改正要望

一方、国交省からは税制改正要望として「観光施策を充実・強化するために必要となる財源確保策の検討」を提出しており、要望内容として「受益と負担の適正なあり方…を勘案しつつ、観光施策を充実・強化するために必要となる財源確保策について必要な検討を行い、所要の措置を講じる」としています。ところが、所得税とか法人税とかの「税目」については何も書かれていません。この財源確保のリソースは明らかに国際観光旅客税(以下、観光税と略)を差すことになり、その引き上げを狙っていると言えるでしょう(本当は観光税と書きたいがそれを隠すことに)。実際、「政府や与党からは1人につき1000円ずつ徴収する国際観光旅客税(出国税)の引き上げを求める声がある」(829日付日経新聞)と報道されていました。

このまま推移しますと、かつて観光税を新設した時と同様に、観光庁が有識者による検討委員会を設置し、そこで観光税引き上げを答申させ、しかる後に国会成立を図るというプロセスになろうかと思います。

観光税は出国日本人にはほとんど利益なく悪い増税に

観光税はご承知のように、日本を出発する航空機や船舶の乗客に、出国税として1回につき1,000課税しており、外国人も日本人(正確には国籍には関係なく日本に定住している人)も等しく課税されています。ところが、その税収の使途は、基本的に外国人観光旅客のために使われています(「外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律」に基づいて)。そのため、「その税収の大部分は訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備やプロモーションに充てられ、日本人旅行者が享受する直接的な利益は極めて限定的である」(120日付航空新聞社WING)という状況です。

つまり、出国日本人にとっての負担と受益が一致しないのです。ほかにも細かいですがビジネスや留学で訪日する外国人も一致していません。また、国内の状況を見ても、観光地は大いに受益しますが(オーバーツーリズム問題があるが)、そうでない地方はまったく益することはありません。このように観光税は大きな矛盾を抱えています。

「国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について」(観光立国推進閣僚会議決定)によれば、基本的考え方として「受益と負担の関係から負担者の納得が得られること」としています。しかし、当初から出国日本人に納得を得られたわけではなく、ましてそれが引上げとなれば納得どころか大いに国民的反発を招くのではないでしょうか。だから税制改正要望で税目を隠しているのかと勘繰りたくなります。

国際観光旅客税引き上げに反対し、領土外での課税は地球規模課題に使用を!

もし外国人用観光のための財源として税を課すとすれば、出国日本人まで課税する出国税ではなく、制度設計を入国税にし直して外国観光客からだけ徴税すればよいのです。実際、ブータンやタイ等が導入しています。あるいは、米国のESTA(電子渡航認証システム)のようなシステムを導入し、事前審査を行うにあたり手数料(実質観光税)を取ることです。米国では現在の21ドルから本年930日より40ドルにも引き上げられます。

ともあれ、「国際航空運賃に対する課税は国家の領土主権の外で行われる消費行為であるから、その税収はこれを徴収した国家の歳入とされるべきではなく国際社会のために使うべき」(068月日経新聞「人道支援の税制創設を」)というのが、我が国の租税法の権威であった故金子宏東大名誉教授の指摘であり、先生は国際人道税を提唱したのでした。国際航空チケット(運賃)に連帯税や人道税を課し、それを途上国の貧困・感染症や気候変動対策という地球規模課題に使うことができれば、それは外国人であれ日本人であれ受益することになります。受益と負担は一致するのです。

いずれにしましても、国交省の税制改正要望である「観光施策を充実・強化するために必要となる財源確保策の検討」を注視し、出国日本人にはほとんど裨益しない実質的な観光税引き上げに反対していきましょう。また、航空チケット(運賃)への課税は連帯税として実施せよと日本政府に迫っていきましょう。

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)

posted by resultsjp at 11:34| Comment(0) | 国際連帯税の推進