2020年06月18日

諮問委新メンバー小林慶一郎氏、コロナ対策財源にトービン税を提唱

小林氏.JPG

 政府の新型コロナ(以下、コロナ)対策の組織である「基本的対処方針等諮問委員会」がこれまで感染症の専門家中心の集まりでしたが、5月に経済の専門家4人を加えました。その1人である東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹がブルームバーグの取材で、相当踏み込んだ提言をしています。

 ◎ベーシックインカムとトービン税

骨子は、@コロナで影響を受けた個人の生活再建と事業転換を支援するための「ベーシックインカム」の導入、Aコロナ対策で悪化した財政立て直しのため、国際社会協調による金融取引の収益に課税するトービン税の導入、というものです。

【ブルームバーグ】コロナ継続支援でベーシックインカム導入を−諮問委新メンバー小林氏

小林氏は以前からベーシックインカム導入は提言していたかと思いますが、トービン税導入の提案ははじめてではないかと思います。なお、記事ではトービン税について「金融取引の収益に課税する」ものとしていますが、トービン税といえば「為替(通貨)取引そのものに課税するものであり、「収益」に課税するものではありません。また、金融取引といっても、株も、債券も、デリバティブも、そして為替取引もあり、何の「金融」取引か記事では判然としませんが、記事全体を読むと「為替(通貨)取引」だと思われます。

◎欧州での金融取引税(復興基金の財源の一部)

一方、欧州では先にドイツとフランスがEU(対コロナ)復興基金として7500億ドル(約90兆円)創設すべきと提案しました。案の定スウェーデンやオランダ等「倹約国」が反対しているようですが、これまで後ろ向きであったドイツが提案してるのですから、今週後半に行われるEU首脳会議で最終決定に至る見込と言われています。

実はこの基金の財源として、金融取引税やデジタル課税、さらに国境炭素税など大企業中心の課税によって賄うようです(まずユーロ債を発行し、その償還資金に充てる)。ただここでも何の金融取引税かは提示されていません。これまでの経緯からすると、株取引税が有力ですが、これだけでは税収が十分上がらないとして他の取引税の議論もあるようです。

他方、我が国ですが、現在のところ第一次や二次の補正予算を加えて莫大な借金財政となった国家予算に対して、どのように立て直していくかの議論はまったく起きていません。そういう中で、小林氏のトービン税提案は大きな反響を呼ぶのではないかと思われます。

◎世界の通貨取引への課税、0.001%の税率で17兆円の税収

国際協力やSDGs対策資金としてトービン税を含む金融取引税を国際連帯税として提案している私たちとしては、その貴重な資金を国内の財源確保だけのために使うことには納得できませんが、様々な金融取引をミックスして税収を行えば、相当の資金が調達されます。ちなみに、世界の為替取引量は2019年で年間 1,614 5,500 億ドル(17 3000 兆円)にも上っています。これに超々低率の0.001%課税するだけで、世界で16 1 4550 万ドル(172757 億円)の税収が可能になります。これに株取引や債券取引、デリバティブ取引、外国為替証拠金取引などへの課税を実施すればいっそうの税収がもたらされます。

ともあれ、以下小林氏のトービン税提案の内容を見てみますが、時代はようやくトービン税または金融取引税の実施に近づきつつあるようです。


【ブルームバーグ記事】

●トービン税導入で国際協調を

 新型コロナ対策を踏まえた20年度の一般会計歳出総額は160兆円、新規国債発行は90兆円を上回り、それぞれ過去最高を更新。小林氏は、「感染症危機が数年後に終わった時に100兆−200兆円とかものすごい金額で国の借金が増えているはずだ。感染症危機で国内総生産(GDP)の半分くらい借金が増えるという現象は日本だけではなく世界的に起きる」と述べ、それに対応するための国際協調の枠組みが必要だと述べた。

 具体的には、金融取引の収益に課税するトービン税の導入を提案。「一つの国がトービン税を導入すると、投資家の資金は全て海外に逃げてしまうが、世界中の国が一斉にトービン税をかければ、投資家はどこにも逃げられなくなるため、低い税率でもかなりの税収が得られる」とみる。世界各国が合意できれば、「1−2年間かけてコロナ対策で増えた各国の借金は、その税収で減らしていくという考え方ができるのではないか」と述べ、20カ国・地域(G20)財務相会合などの場で議論すべきだとの考えを示した。

※写真は、小林慶一郎さん

(報告:田中徹二・グローバル連帯税フォーラム/日本リザルツ理事)


posted by resultsjp at 14:41| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2020年06月16日

国際問題解決 明日の行動が次へ

615日(月)衆議院議員会館にて国際連帯税を考える集会が開催され参加してまいりました。

気温は30度を超える中、国会議員42名、市民側40名が参加されておりました。


グローバル連帯税フォーラム田中徹二代表理事(当団体の理事でもある)が主催され、日本総合研究所寺島実郎会長が講演、テーマは「ポストコロナの針路 新しい政策科学としての国際連帯税」でした。


コロナがなぜ中国武漢から広まったか?BSL-4施設(高度安全実験施設)59施設の1つが武漢市である。さらに201910月中国において軍人オリンピックが開催され3,000名の米軍人が渡中しその時にーといった分析。情報環境からのコロナ問題再考として、「バイキンマンなくしてアンパンマンは無い」―ここで会場から爆笑が沸き起こりました。無菌状態の世界は無いという事を強調、感染症に関する話題が共有されました。


世界のGDPシェア推移1950vs 2018年、デジタル経済の構造、

米国IT5社(GAFA+Mvs 中国IT3社(BATvs 日本東証一部上位5社、といった金融取引税を柱とされたい主旨の裏付けとなる経済データが共有されました。

SGDsの資金ギャップ2.5兆円、航空券連帯税、金融取引税、国境を超える人の移動「グローバル化の恩恵を負う人が責任を共有すべきだ」という政策科学の論点が述べられました。


当団体では数年前からの国際連帯税に関する様々な議事録をまとめております。これらの内容はどこかで聞いたような、様々な会議で何度も記録されていた内容でした。

コロナ後の変化としては、横浜市立大学上村先生が「デジタル税と環境税=グリーンリカバリーとして欧州が先に出てくる可能性」を述べられ、田中理事が「ユーロ債、債券を返す時に課税することへドイツがフランスと共に開始、約75,000社の参加が見込まれる」といった新しい世界の展開を共有されました。


最後の質疑応答において、喜田由紀子参議院議員(農学者・環境社会学者)からの発言は、とても新鮮でした。「もはや人と人が戦っている時ではないと思います。世界が戦争に使っているお金を資金源にされてはいかがでしょうか。」


資金源はどのような形であれ、私たちの税金です。万人の心を動かす連帯税でなければと感じました。

                                                                            (Nom

posted by resultsjp at 18:19| Comment(1) | 国際連帯税の推進

2020年06月15日

50年後の灼熱


 日曜日の新聞で、米科学アカデミー紀要が、論文を発表し警鐘を鳴らしていました。

 50年後、人類の3分の1が暮らす地域が、灼熱の大地に変貌!と。

 SDGsの中でも気象問題は、2030年までに解決すべきという事で、世界共通の課題となっています。

 なぜあと10年以内なのか、この記事を読み、一層実感しました。

 0615温暖化.JPG

 気温上昇を1度抑えれば、約10億人が厳しい暑さから救われるそうです。 (Nom)




posted by resultsjp at 15:37| Comment(2) | SDGs

スラムでの新型コロナウイルス感染拡大

新型コロナウイルスの拡大が世界的に続いています。ケニアでも感染者が3000人、死者は100人を超えました。1日平均100人前後の陽性患者が確認されています。


特に深刻なのが低所得者層でのまん延です。

当初は外国人や富裕層が住む地区における感染報告が多かったのですが、最近は、キベラなどのスラムでの感染確認が目立っています。東アフリカ最大のスラムであるキベラ地区では20人近く陽性反応が確認されています。ケニア政府は、私が活動をしているカンゲミやキベラ地区などの感染拡大が懸念されている人口密集地域の住民に対して,自主的PCR検査への参加を呼びかけていますが、住民の反応は芳しくなく(大使館によると)実際の感染者数は発表よりも多いと予想されています。

images.jpg


こうした地区の住民はその日暮らしで、マーケットでの野菜、中古品売買のほか、土木作業、富裕層の家のハウスキーパー等をして、生計を立てています。

images (1).jpg

もちろん、これらの仕事は在宅勤務ではできません。また、住んでいるのもバラックで1つの部屋(6畳ほど)に5〜6人が一緒に生活しています。

きべーら.jpg


政府が厳格なコロナ対策をすれば(例:完全ロックダウンの履行)「コロナウイルス感染の前にお金がなくて死んでしまう」という声もあり、政府も試行錯誤で対策を講じています。


新型コロナウイルスへの対応が長期化する中、どうすれば途上国において効果的な施策が履行できるのか?是非、皆様のお知恵をお借りできれば有難いです。(かめ)

posted by resultsjp at 02:22| Comment(1) | 情報

2020年06月13日

電車の中でもGaviのニュースが!

IMG_20200605_085412-2 2.jpg

電車の中で「ワクチン普及に330億円拠出へ」という文字を見かけたので思わず写真を撮りました。

これは、前日6月4日の日本時間夜に実施されたGaviワクチンアライアンスの増資会合についてのニュースです。安倍総理大臣がGaviへ5年間で330億円の拠出を表明しました。Gaviを応援している日本リザルツにとっては大変嬉しい一時でした。

首相スピーチ内容(抜粋):

リザルツビューイングの様子:

M
posted by resultsjp at 16:59| Comment(1) | GAVIキャンペーン

東京オリンピック 翻訳機能ツールで多文化共生のニュー五輪へ

 新型コロナ感染の広がりから来年に延期となった東京オリンピック。とはいえ、新型コロナに対応するワクチンが開発されて世界に行き渡り、つつがなく来年、東京五輪を開催できると信じている人はほとんどいないでしょう。来年以降の延期はなく、開催できなければ東京オリンピックは残念ですが夢として消えることになります。


 その現実を踏まえてどのような東京五輪であるべきか。先日、厚生労働省と共同で新型コロナの広がりの調査を行った慶応大学の宮田裕章教授にお聞きしたところ、「無観客であれば五輪の開催は可能。そしてスポーツビジネスとしての五輪ではなく、言語翻訳という新しいツールを駆使した多文化共生オリンピックであるべき」という提言をいただきました。

宮田先生.png



 五輪では、ホストタウンとして地方自治体が参加国の選手を応援、交流を行ってきましたが、自治体といった単位ではなく、小中学校や個人が、翻訳アプリを使って言葉の壁を越えて選手を応援することが可能になります。学校ごとに選手の出身地をホスト、子どもたちが選手とオンラインで交流するなどして自分が応援する選手、国の記事を選手の国の言語で配信して「共感」を得ることもできます。


 新型コロナというマイナス要因を新しい五輪へと生まれ変わるきっかけにする。オンラインで生み出す「多文化共生五輪」という発想は、まさに「ピンチをチャンスに」。これを実践できるかどうかが、起死回生への分岐点になるのかもしれません。(杉)


posted by resultsjp at 08:29| Comment(3) | 情報

2020年06月12日

SDG'sを達成する為に、日頃の価値観を変えよう。


当団体、田中理事がこちらのブログへ記載されている
『新型コロナと貧困のパンデミック、国際連帯税>寺島講演会を前に考える』を拝読しました。


なぜ、格差が起こるのか? 貧困は宗教・民族の差別による紛争から起こると言われているそうです。
しかし、この問題は、発展途上国だけではなく、身近に存在します。
最近のニュースでは黒人人種差別により、他国では大騒動となっています。

生まれる国・地域、
親の職業・役職、親の学歴、
通える学校区域、
企業で貸与される教育の有無、
社会人になった後、学べる時間の有無、
人間関係を築ける環境の有無、
入社前の学歴条件はなぜ?
 例)国連・アカデミア・国際機関で高卒・中卒で入社された方は何パーセント?


つまり、この世に生きている人皆が、偏見の見方を完全に無くす事 が要だ!と強く感じます。
そして、地域独自の良さ・付加価値を認めあえる事が大切だと。
全世界の人間が、東大出身(同じ教育)、どの街も同じチェーン店が並び、同じ給与だったら・・???


先日、UNRUWAの清田先生著のガザの声を聞けを読み、来日したガザの子供たちが自国の良いところを
ニコニコしながら、国の美しさを語ったという内容からも、そう感じました。
先進国でよし、とされるものを、そのまま移植したとしても、本当に幸せなのだろうか?
そのまま移植したら、先進国と同じように格差が生まれてしまうのではないだろうか。

資金の使い道を明確にするためにもシンクタンクを活用し、地域それぞれの良さは残し支援したいものです。

他人事ではない問題に対し、来週6月15日月曜日、寺島講演会へ国会議員の皆様から多くのご参加者がある事を
願っております。
                                           (Nom)



posted by resultsjp at 19:00| Comment(2) | SDGs

2020年06月11日

ご寄付

本日、日本リザルツに対し、出入りの業者さんから数万円のご寄付の申出をいただきました。
企業の方達は、売り上げの減少、或いはほとんど無い状態に陥ってしまった所も多いと聞いていますが、その苦しい中でのご寄付の申出です。なんとありがたいことでしょう!!! 代表の白須も感激しております。

別件ですが、私が通っていたジム(個人経営)の方が、国立国際医療研究センターへ5月初めに10万円の寄付をしてくだったそうです。本人のブログによれば、「スタジオをオープンして10年の中で最大のピンチの最中ですが、自分に余裕が無い時や辛い時にこそ、支えて下さる方達への感謝を忘れないようにしたいです。」との事です。日本リザルツとも仲良くして頂いている国立国際医療研究センターへ寄付してくださったことに感激しました。

本当に苦しい世の中になっていますが、このような心温まるお話をお伝えしたいと思います。
(か)


posted by resultsjp at 14:40| Comment(2) | 情報

「お疲れ様です」

6月4日の朝日新聞に『疲れてなくても「お疲れ様です」 便利だけど・・・?』という表題の記事がありました。

IMG_0467.jpg

この記事を目にした時、私と全く同じ思いの人がいる!と思いながら読みました。
2003年にある企業に転職した際に、20代から40代の方達がほぼ皆「お疲れ様です」とメールに書いていらしたり、社内ですれ違う時に必ずかわす言葉でした。私はかなり違和感を感じましたが、ことがスムーズに進むのであればと思い、不本意ながら使ってきました。長年そうしてきたので、今ではあまり違和感を感じなくなりましたが、それでも変だなという思いはあります。
皆様はどのようにお考えでしょうか?
(か)
posted by resultsjp at 11:35| Comment(2) | 情報

2020年06月10日

新型コロナと貧困のパンデミック、国際連帯税>寺島講演会を前に考える

寺島実郎さん講演会が来週月曜日(15日)に開催されますが、寺島さんが直近にテレビ出演したのが日曜日(7日)のTBS「サンデーモーニング」でした。寺島さんは過去この番組でしばしば「政策科学としての国際連帯税の必要性」を発言されてきましたが、今回その発言が出たのは番組の看板コーナーでもある「風をよむ」の時でした。

寺島さんの発言を紹介する前に、実は今回の「風をよむ」の内容が見事に時代を抉り出しているので簡潔に見てみたいと思います。まずタイトルは『貧困のパンデミック』でした。

1、「風をよむ・貧困のパンデミック」の骨子

1)  世界を揺るがす新型コロナ:現代社会がかかえる深刻な問題にも暗い影を落とす。そのひとつが黒人暴行死に抗議して全米各地に拡大している抗議デモ 

2)   デモの背景:いまだに繰り返される黒人差別だけでなく社会に広がる深刻な「格差」の問題

 ・新型コロナによる10万人あたりの死者数:黒人54.6人、白人22.7

 ・イングランドでも10万人あたりの死者数:貧困な地域55.1人、裕福な地域25.3 

3)中南米、難民キャンプなどで貧困層を中心に感染拡大が止まらず

・中南米カリブ地域で、今年中におよそ1370万人の「社会的弱者」が、コロナの感染拡大で、深刻な食料不足に陥る可能性(FAO

・経済への悪影響で、年内に貧困な状況に置かれる子どもたちが最大8600万人増加する恐れ(ユニセフ)

A中南米カリブ.JPG

B子どもの貧困.JPG

4)   深刻な「格差」の現状:ロックダウンが始まった3月中旬から11週間で

 ・失業保険の申請者数は4300万近くに増加

 ・億万長者(1000億円超の資産を持つ金持ち):5650億ドル(60兆円)と20%近く増加

  ⇒FRBによる大規模な金融緩和策が株価を押し上げ、富裕層の資産を大幅に増加

5)ローマ教皇フランシスコ(5月30日)

 「世界で『貧困のパンデミック』を終わらせるよう行動しなければ、新型コロナで困難なこの時間が無駄になってしまう」

Cフランシスコ教皇.JPG

6)問いかけ:コロナがもたらした「貧困のパンデミック」、それにどう立ち向かっていけばいいのでしょうか。

2、コメンテーターの寺島さんのコメント(骨子)

「実体経済がマイナスなのに株だけが根拠なき熱狂という形で上がっており、これはまさにマネーゲーム。その責任を取ってもらう。例えば株や為替取引に広く薄く課税し、その税収を感染症対策などの財源に充てていく、そのような政策科学としての国際連帯税を今こそ真剣に取り上げていくべき。目先の問題への対策だけではなく、問題の本質を解決していくという我々の発想が必要だ」

 寺島実郎.JPG

3、コロナと貧困のパンデミック、どう立ち向かうか

「金持ちはより裕福に、貧しい人は貧しいまま(orより貧しく)」というのが、従来言われてきたグローバリゼーションの「格差・不平等の拡大」という負の影響でした。ところが、今回の新型コロナ禍による突然の経済活動の停止と莫大な金融緩和により、この格差が何倍、何十倍にも際立って顕在化しています。

経済・所得の格差は、貧しい人々にコロナ感染者・死者を増加させ、コロナウイルスの前に人々が平等ではないことを刻印しました。

このようなコロナと貧困のパンデミックに立ち向かう政策の一つが、国際連帯税です。その有効性と可能性につき、6月15日の寺島さん講演会でともに議論できればと考えます。


posted by resultsjp at 16:15| Comment(2) | 国際連帯税の推進